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日銀の金融政策決定会合
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52682901.html
2015年01月21日 在野のアナリスト
イスラム国人質事件をうけ、ネットでは『自己責任』という言葉がつかわれます。しかし突きつめて考えると、時化の海に漁にでた漁船が沈没しても、雪の日に荷物を運んでいて遭難した人も、自らの商いのために危険に身を晒したのであり、自己責任であるから国は何もする必要がない、となります。それこそ国が渡航制限をだしていない国で誘拐され、人質になったら保証するのか? 線引きも曖昧です。特に後藤氏などはジャーナリストであり、また湯川氏の安否を確認にいく、と国がしていないことを自ら行っていた、人助けの精神に基づく行動だった可能性もあるのです。
海外で活動する一般人を安易に切り捨てれば、日本は危険地域の情報の一切を海外に頼る、インテリジェンスに著しく劣る国となります。逆に、それを国の命令で行えば膨大な予算も必要となる。安倍氏が掲げる『積極的平和主義』を掲げれば、必ず今回の問題はでてきます。米英ぐらい日本が情報にお金をかけるなら、身代金は一切払わない、自己責任で切り捨てることもできるでしょうが、そうでない以上は一般の、危険地帯に携わった人間からの情報提供に頼らざるを得ません。自己責任をつきつめると、街で行き倒れている人を助ける義務すら消失します。もし伝染病で亡くなったのなら感染の危険がありますから、近づいた方が自己責任です。少し前、中国で死んだ子供が放置されつづけた事件もありましたが、日本がそういう国になりたいのなら、自己責任を推奨してもよいのかもしれません。公助を限定すれば、必ず人々の道徳心にも影響する。身代金を払うかどうかは別にして、できることをする、ができなければ『国民の生命・身体・財産を守る』という国家存立の大元さえ揺るがす、ということにもなるのでしょう。
日銀が金融政策決定会合を開き、現状維持を決めました。14年度のGDP見通しを、10月の0.5%増から0.5%減に下方修正、逆に15年度のGDP見通しは、10月の1.5%増から2.1%増に引き上げました。明らかに鉛筆を舐めて差し引きゼロ、にしたのが分かる数字です。また15年度の物価見通しを増税の影響を除き、10月の1.7%のプラスから1.0%のプラスに下方修正しています。こちらも16年度を2.1%のプラスから、2.2%のプラスに鉛筆を舐めた。元財務官僚らしい数字の丸め方です。要するに、見通しを引き下げたけれど政策対応しない、というイイワケづくりをしたのです。
しかし原油見通しを1バレル70$としましたが、根拠はありません。昨年末、世界の原油在庫が増加しており、当面の上昇材料はありません。米国では要人が原油相場に対して「急騰する」「100$はいく」と、口先介入を始めましたが、これは米企業にも悪影響が出始めたことを意味しています。さらに黒田総裁は賃金上昇に期待感を示しますが、米オバマ大統領も演説で「賃金は上昇し…」と述べ、批判をうけているように、日本ではベアを行っても従業員の総所得は下げる、ローソン社長の新浪氏の名前をとって『新浪方式』とよばれるものが横行し、まったく経済にプラスになっていない。ひいては物価上昇に寄与しない形が鮮明となってきています。
しかも黒田氏の会見を「歯切れが悪い」「真価が問われる」と、ネガティブに報じるところが驚くほど増えた。確かにここ数ヶ月の企業間取引での物価下落に、原油の急落が含まれていることは間違いありませんが、マネタリーベースがこれほど増加しても、物価上昇率がこの程度にとどまる、となるとB/Cが極めて悪く、それは政策の失敗すら意識されるものともなります。
菅官房長官が、海外が意識するドルベースの日本のGDPが、安倍政権で大きく下がった、との指摘に「円でみることも大事」と、まともに答えられませんでした。海外からみると、日本は驚くべき勢いで経済が縮小している、と映ります。国債も5年物までマイナス金利となり、長期債も0.2%割れで、最早将来のゼロ成長、マイナス成長を織り込んでしまったかのようです。安倍ノミクスも黒田バズーカも、失敗が意識される中で、政策当局者の苦しげに応じる姿が、さらにリスクを感じさせます。政策当局者に自己責任があるなら、国民負担は避けるべきですが、否応なくそのツケを国民が払わされるのですから、リスクのとらえ方も様々、ということになってしまうのでしょうね。
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