02. 2015年1月21日 22:03:18
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コラム:日銀シナリオに逆石油ショックの懸念 2015年 01月 21日 19:33 JST 田巻 一彦[東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は、原油価格の下落が先々の日本経済にプラスとなり、2015年度後半から物価上昇と景気回復が鮮明になると強調した。このシナリオにリスクがあるとすれば、原油価格が一段と下落し、世界的に金融市場が動揺して実体経済に波及。日本企業の収益見通しを下振れさせ、期待通りの賃上げに黄信号が点灯する「逆石油ショック」シナリオだ。 原油は金融商品との認識を深める必要があると考える。 <見通せない原油価格の均衡点> 日銀が21日に発表した消費者物価指数(CPI)の見通しは、15年度がプラス1.0%、16年度が同2.2%。一方、成長率は15年度がプラス2.1%、16年度が同1.6%。 その前提になっている原油価格は、1バレル55ドルから70ドルへと緩やかに上がっていく軌跡を想定している。 ただ、この日銀の想定価格は、必ずしも実現度が高いとは言えない可能性がある。需要サイドでは、国際通貨基金(IMF)が成長見通しを下方修正したように、中国はじめ新興国の経済減速の要因がある。供給サイドには、米国内でのシェールオイルの増産やサウジアラビアに代表される石油輸出国機構(OPEC)が減産にカジを切れずにいるという生産過剰問題がある。 石油価格の動向に詳しいある専門家は「現在は、だれも新しい均衡点を見い出せないでいる。その均衡点を市場が探し出すまで、価格は下がり続ける可能性が高い」と予想する。 元日銀審議委員で元東燃(現東燃ゼネラル(5012.T))社長の中原伸之氏は6日、ロイターに、この先30ドル台、場合によって20ドル台まで下落しても全く不自然ではないと述べた。 <金融商品化進む原油> 原油価格の下落の影響に関しては、物価上昇率を押し下げる方向に働く力に目が向きがちだ。だが、私は別の面から影響が出る可能性を指摘したい。 原油はコモディティの1つだが、コンピュータを使ったデリバティブ取引が活発化している現在の金融・資本市場では、金融商品の1つとして組み込まれている。金融商品の特性として、価格変動が大きくなれば、様々な派生商品の価格急落を招き、連鎖的な金融市場の収縮を起こすきっかけになりかねない。 また、シェールオイル開発に絡むプロジェクトファイナンスが焦げ付き、融資している銀行に大きな打撃を与えるというルートで、金融システムに負担がかかるというケースも出てくる可能性がある。また、有力な産油国の一角を占めるロシアが原油価格の下落を理由に格下げされ、国債が投資不適格に転落した場合、主要な投資家がロシア国債を売却し、その際に生じる損失の穴埋めで利益の出ている米欧日の株式やドル/円などを売却した場合、市場のボラティリティを一気に高めることも覚悟しておくべきだろう。 こうした金融・資本市場からの圧力が表面化し、リスクオフ心理が急速に台頭した場合、世界各国の企業活動に冷水をかけ、グローバルに実体経済を収縮させる展開が予想される。 言い換えれば、「逆石油ショック」の発生によって、世界経済が強い逆風を受け、需要が落ち込むシナリオの顕在化が、それなりの可能性を秘めているということだ。 <世界的需要減退なら、賃上げに悪影響> 日銀は今、企業の賃上げを大きな契機として、国内の消費が活発化し、国内需要の高まりが生産増─設備投資増に連鎖し、プラスの需給ギャップが拡大することで物価押し上げ効果が増大するシナリオに期待をかけている。 このシナリオのエンジンである賃上げが、逆石油ショックを背景にした世界的な需要減退の表面化によって実現が危ぶまれるようになると、日銀の期待が空振りに終わることになる。 この日の会見で、黒田総裁は「これまでの状況をみると幸いに、BEIは別として企業や家計の予想物価上昇率、あるいは、先程申し上げたように賃上げの交渉に向けた動きといったことをみても、デフレマインドにまた戻ってしまう懸念は、現在のところは幸いに払拭されていて、生じていない」と指摘した。 そのうえで「今後とも原油であれ何であれ、物価上昇率の動きを十分注視し、期待、予想物価上昇率など様々な指標を検討して、それが将来の賃金や物価の上昇率に大きく影響して、2%の物価安定目標の達成が難しくなるというような状況になれば、当然、躊躇なく金融を調整すると言っている。従来の言い方と変わりはない」と述べた。 「原油下落─市場の大変動─世界的な需要減」になるのかどうか。この点の見極めが、日銀の金融政策の動向を大きく左右しそうだ。 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0KU11I20150121
日銀15年度物価見通し1%に引き下げ、原油安でも2%目指すと総裁 2015年 01月 21日 19:18 JST [東京 21日 ロイター] - 日銀は20─21日に開いた金融政策決定会合で、2015年度の物価上昇率の見通しを従来より0.7%ポイント低い1%に引き下げた。日銀が目標とする2%の達成からは一段と遠のく格好となったが、日銀は政策を現状維持で据え置いた。 黒田東彦総裁は記者会見で、原油などの商品価格が下落するなかでも「2%の物価目標は達成すべき」と明言し、物価の基調が想定通り上がらないなら追加緩和を辞さない姿勢を改めて明確にした。 日銀は金融機関の積極的な貸し出しを促すため、貸し出しを増やした金融機関に低金利で資金を供給する「貸出増加支援」制度などの期限を1年延長することも決定。従来は同制度を利用できなかった信用組合なども利用できるように拡充した。 <2%達成時期「15年度から若干はみ出る可能性」> 大幅な物価見通しの下方修正は、原油価格が前回見通しを修正した10月末以降ほぼ半値に急落したのが最大の理由。 足元でも原油価格はバレル50ドルを切っているが、日銀は原油の先物市場が年間7─8ドルと緩やかな上昇を織り込んでいるのを踏まえ、原油価格が55ドルから70ドルに上昇するとみる。それに伴い、物価が15年度末に急ピッチで上がる絵を描く。総裁は物価上昇率2%を達成する時期について、「15年度を中心とする期間は、前後に若干はみ出る」「2015年度を中心とする時期に2%が展望できる」と強弁した。 日銀OBや市場関係者の間では、商品価格が軒並み下落傾向にあるなかで、事実上達成の難しい2%の物価目標を撤回すべきとの議論も出ているが、黒田総裁は「2%目標は先進国の採用する世界標準」だとして、原油など商品価格が「上がっても下がっても達成すべき目標」と明言した。 <原油価格どうなるかわからない> 総裁は「原油価格は今後どうなるかわからない」、「前提通りに行くかわからない」とし、原油価格が反転せず想定を下回る可能性も念頭に、「物価を総合的に判断し、2%の目標に向けた道筋から外れれば躊躇(ちゅうちょ)なく政策を調整する」と追加緩和の可能性を示唆した。 昨年10月末の電撃的な追加緩和の理由が原油価格の急落により人々の物価観をあらわす期待インフレ率が下振れるリスクを未然に防ぐのが理由と説明していたため、原油急落で更に物価が下振れているなかで、今回は追加緩和を見送った理由との整合性が問われている。 総裁は、昨年の追加緩和以降、債券市場の物価観を示す指標であるBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)は低下しているものの、「家計やエコノミストの予想インフレ率は、総じて維持されている」「連合(日本労働組合総連合会)が2%以上のベースアップを要求する」など「人々のデフレマインドからの転換は、着実に進んでいる」と指摘。「デフレマインドに戻る懸念は現状では生じていない」と説明した。 原油安の影響については「原油消費国にはプラス、産油国にはマイナス」「世界経済全体としてみると成長率押し上げる」と肯定的に評価した。特に日本経済には「プラス。実質所得を押し上げ、やや長い目で物価を押し上げる」と説明した。 <「15年4月に2%達成とは言っていない」> 今回15年度の物価見通しを大幅に引き下げる一方で、追加緩和を見送ったことで、2%目標の達成時期を16年度に先送りしたとの見方も出ている。しかし総裁は「現在の量的・質的緩和を始めた2013年4月以来、15年4月に達成するとは言っていない」と説明。目標達成時期は当初から柔軟に設定しているとの見解を示した。 <量的緩和と格差、直接関係ない> 今週欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切る場合のユーロ/円市場への影響について、「為替は色々な要因で動き予見が難しい」とした。同時に「ECBの緩和は、欧州経済や世界経済にプラス」と評価した。 日米英の中央銀行が進めてきた量的緩和は株式や土地など資産保有者への恩恵が先行するため、格差拡大要因との見方があるが、総裁は「所得・格差の問題は先進国・新興国を問わず議論になっており、中期的な経済問題」としつつ、中央銀行の政策とは直接関係がないの見解を述べた。 <付利引き下げなく円高進む> 市場関係者の間では今会合に先立ち日銀が当座預金に付与している0.1%の金利(付利)を引き下げるとの思惑が出ていたが、総裁は「議論していない」と否定した。 為替市場では、日銀が付利引き下げに動かなかったことから、円買いが強まった。足元の原油安を踏まえ市場の一部には追加緩和観測も出ており、日銀の決定内容は、「予想の下限。金先や為替の動きをみると、やや失望感を誘う内容だ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニアマーケットエコノミスト 六車治美氏)との声も出た。 もっとも昨年10月の追加緩和で急激な円安が進み、産業界では過度の円安を懸念する声も急増している。円安が実質所得の目減りを通じて消費マインドを下押ししているとの分析も出ている。原油安で物価が上がりにくいなかでの追加緩和の是非を含め、日銀の政策運営が今後も一層注目されることになりそうだ。 (竹本能文、伊藤純夫 編集:宮崎大) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KU10U20150121
コラム:日本株再評価をもたらす国内回帰と円安一服=木野内栄治氏 2015年 01月 21日 19:21 JST 木野内栄治 大和証券 チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト [東京 21日] - 日本企業が生産活動を国内に回帰させる動きが出てきた。報道によれば、パナソニック、シャープ、ダイキン工業、キヤノン、TDK、小林製薬、ホンダといった大手メーカーが、中国などで生産し日本に輸入している製品を国内生産に切り替える検討に入ったという。 また、トヨタ自動車、日産自動車、富士重工業も、米国で販売する車の一部を、日本の余裕のある設備で追加的に生産する可能性があると報じられている。 筆者は、こうした国内回帰の動きは他の企業にも拡大していくと見ている。 この先、2015年度は原発再稼動による電力料金の低下も予想され、法人減税の継続も期待できる。環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意や、労働規制改革が進む可能性もある。地方創生プログラムで操業を優遇する自治体も出てこよう。つまり、安倍晋三首相の言うところの「世界で一番ビジネスがしやすい環境となる」期待が日本にはたくさんある。 一方、中国に目を向けると、人件費の高騰が続いており将来的に不安だ。外資に対する優遇策も減少し、高成長に対する期待も剥落してきた。米国を見ても、自動車工場はフル操業が続いており、同国で増産となると大規模な投資が必要だ。また、世界的に日本製に対する安心感やブランド力も根強い。 このように見ると、2015年度あたりの事業計画では国内回帰の動きが広がろう。 <国内回帰によるJカーブ効果が顕現化> 国内回帰が拡大すれば、貿易収支が改善し円安一服につながると考える。 前回、国内回帰がブームとなったのは2007年だ。例えば、キヤノンが大分で新工場を建設し、東芝がフラッシュメモリーの新工場を建設し、エルピーダメモリは能力増強に3000億円を投じた。 また、何年ぶりとの新工場建設の話題が相次いだ。ホンダが埼玉で約30年ぶり、東京製鉄は鉄鋼業界で14年ぶり、ブリヂストンが30年ぶり、川崎重工業は産業ロボットで40年ぶりと、国内回帰が話題になった。 上記2007年は05年初めからの円安3年目だった。どうやら円安が3年弱続くと、貿易収支が改善する「国内回帰によるJカーブ効果」という新たな経済法則を指摘できる。 経済産業省の海外現地法人調査を見ると、これまでも円安3年目には海外設備投資比率が減少に転じるパターンが続いている。四半期で見ると、2007年4―6月期には海外子会社設備投資額の前年同期比が一時的にマイナスに転じ、08年7―9月期には米国の金融混乱も相まって、明確にマイナスに転じた。それに遅れて日本の貿易黒字は07年10月や10年10月に向けて増加した(12カ月平均ベース)。 足もと、海外現地法人の設備投資額は昨年4―6月期の段階ですでに前年割れとなった。今後の日本の貿易収支は黒字方向に圧力がかかることになるだろう。なお、国内回帰とは別に、最近の鉱物性燃料の価格下落による貿易収支改善効果は甚大で、原発の再稼動も同収支の改善が継続する要因だ。 従来は1年半程度円安が続くと円安が一服するのがパターンだったが、1990年代半ば以降は円安局面が3年弱で一服することがパターンとなっている。かつてはJカーブ効果が貿易収支に1年半で効いてきたが、現代は「国内回帰によるJカーブ効果」が3年目に貿易収支に効いてきて円安一服につながっているのだろう。 <円安一服でも収益改善の根拠> 筆者は円安一服にもかかわらず、日本企業の収益が一段と向上すると期待している。 なぜなら、国内回帰によって、これまで取り逃していた大幅な円安メリットを享受することが可能になるからだ。家電業界は国内で売る製品の多くを海外で作っており、円安の進行で採算が悪化していた。 例えば、パナソニックにとって、対ドルで1円の円安は家電部門での営業利益が18億円減る要因だった。想定為替レート105円/ドルの同社にとって、現在の円安は無視できない減益要因だったので、国内回帰の方針を固めたのだろう。今年、円安が一服しても、これまでの大幅な円安(コスト高)によって取り逃がしていた利益を、今後は取り返すことができよう。 自動車各社では米国での生産がひっ迫しており、国内の稼働率引き上げで対応することになる。新たな設備投資などが最小で済むために限界的な高い利益率を享受することになる。 また、新たに積極投資を行う企業も出てきている。三井造船は船舶やエンジン、港湾クレーンなどを生産する国内主要生産拠点に約170億円を投じて設備を増強することを決めた。ソニーは世界首位の画像センサーの国内2工場に2015年度までに約350億円を投資し、生産能力を1割増強する。東芝は四日市工場に3年間で7000億円を投じる。こうした国内増強も企業の利益に跳ね返ってこよう。 さらに、国内回帰による雇用増加効果も見込める。2015年4月もベースアップ(ベア)が期待できる。一方で、前年比で見ると、昨年の消費増税時の下駄が外れるので、実質賃金は上昇しよう。結果、消費増税でデメリットを被った内需企業の復調も期待できることになる。 いろいろなかたちで日本の企業業績は一段と改善する可能性があるだろう。 <過去にも円安一服局面で海外勢の日本株買い> 以上のように、企業業績の一段の改善と円安が一服する投資環境を前提とすると、筆者は日本株が内外で大変注目されると思う。 外国人投資家にとっては、こうした投資環境は魅力的だ。実は、昨年の夏以降、ドル建て東証株価指数(TOPIX)は下落が続いている。しかし、円安が一服すればドル建て株価は上昇しやすく、企業収益の伸び以上のパフォーマンスが期待できる。外国年金など、為替リスクも取る外国人の投資意欲をおおいに刺激するだろう。 実際、かつて1.5年や3年弱円安が続いた後の円安一服局面では外国人投資家が日本株を大量に買った。例えば、1980年、83年、91年、99年などだ。こうした場面では、電機株や精密株の対TOPIXの相対株価(レシオケータ)は、円安が終了してもなお1年程度は上昇する傾向が見られた。 同じ状況でも近年の2002年や08年は世界同時多発攻撃やリーマンショックで株高が起こらなかったので、現在、投資家はかつてのパターンに気がついていない。 日本人にとっては、円安が一服する投資環境では外貨建て投資がやや減退すると考えられる。一方、日本企業業績の一段の改善となれば、日本株だけが投資対象となり得る。事業会社が国内回帰を探る中で、投資資金も国内回帰を検討すべきなのは当然だ。日本株が世界の中でも日本の中でも注目される時期が近づいていると筆者は考えている。 *木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2004年から11年連続となる直近まで、市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の理事も務める。 *本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here) http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0KU0K720150121 田嶋智太郎の外国為替攻略法 2015年01月21日 ドル/円相場はしばらくもみ合いの状態を続ける...? 昨日(20日)、ドル/円の終値は辛うじて一目均衡表(日足)の「雲」上限を上抜けることとなりました。新発10年物国債の利回りが初めて0.1%台にまで低下したことや、本日(21日)の日銀金融政策決定会合で「何らかの追加緩和策が打ち出されるのでは」との思惑が一部で生じていることなどが主な要因と考えられます。とはいえ、昨日だけの動きで今後の行方を判断することはできませんし、日銀が追加緩和策を打ち出すとの見方は少数に限られている模様です。政策が「据え置き」となった場合には、再び円が買い戻される可能性もあるでしょう。 下図でも確認できるように、現在ドル/円の上方には21日移動平均線(21日線)が位置しており、同水準が当面の上値抵抗となる可能性もあります。このところ本欄では21日線と同線をベースにしたボリンジャーバンドの話題を取り上げてきましたが、その後の経緯を見てみると、やはりドル/円の価格推移と21日線との間には深い関わりがあることがよくわかります。また、昨年12月8日高値と以降の高値を結ぶレジスタンスラインのプレッシャーがドル/円の上方からかかっていることも見逃せません。 振り返れば、昨年(2014年)1月初旬から2月初旬にかけて、ドル/円がややまとまった調整を交えたとき(下図の赤色点線で囲んだ部分)も、日足「雲」上限を終値で一旦下抜けた後に幾度か終値で同水準を上抜ける場面は見られました。しかし、数日後には再び日足「雲」のなかに潜り込み、一時的にも日足「雲」下限が位置する水準まで押し下げる展開となったのです。当時も現在と同じように日足の「遅行線」が日々線を明確に下抜けた状態で、しばらくは21日線が上値抵抗として意識されていました。 20150121_tajima_graph.jpg 昨年10月に少々まとまった調整を交えたとき(下図の紫色点線で囲んだ部分)には、むしろ日足の「雲」がドル/円の下支え役として機能していましたし、日足の「遅行線」は日々線と絡み合いながらも、結局のところ明確に下抜けることはありませんでした。こうしたことからしても、昨年12月高値からの値動きというのは、昨年1月初旬から2月初旬にかけて(今から1年前)の調整場面によく似ているように思えます。 ここで再確認しておきたいのは、昨年2月初旬に100.75円でとりあえず下げ止まって反発したドル/円相場が、その後、かなり長い間に渡ってこう着状態を続けたということです。ようやく、その状態から抜け出したのは9月初旬のことであり、実に約7カ月もの間に渡って値幅に乏しいもみ合いの展開は続きました。もちろん、その間の下値は限られていましたが、同時に上値も重いという状況が続きました。 思えば、昨年1月初旬からのドル/円の調整は、アルゼンチンペソの急落に伴って新興国経済の先行き懸念が強まったことがきっかけでした。そして現在はロシアやギリシャ、ひいてはユーロ圏全域の経済の先行きが懸念されています。つまり、現在は1年前と似通った状況下で等しく調整局面を迎えていると言え、しかるに当面のドル/円相場はしばらくもみあいの展開を続ける可能性もあるものと思われるのです。 目先はECB理事会やギリシャ総選挙の行方が大いに気掛かりですが、それらの日程をこなした後に一旦はユーロが買い戻されやすくなる可能性もあります。結果、ドルの上値が全体に押さえられ気味になるかどうかといった点にも注目しておきたいところです。 コラム執筆:田嶋 智太郎 経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役 前の記事:複数の弱気シグナルが同時に点灯したドル/円の行方は...? −2015年01月14日 http://lounge.monex.co.jp/pro/gaikokukawase/2015/01/21.html |