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スイスの長期金利が初のマイナスに
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150120-00042388/
2015年1月20日 9時27分 久保田博幸 | 金融アナリスト
1月15日のスイスショックの余波により、16日にスイスの10年債利回りは初めてゼロを下回りマイナスとなった。金利低下という意味ではスイスは先駆者とも言えるが、10年債利回り、いわゆる長期金利がマイナスとなったのは過去の世界の歴史上初めてのケースかと思われる。
スイスではマイナス金利がじりじりと長い年限にまで浸透していた。15日のスイス国立銀行がスイスフランの上昇を食い止めるために設定した対ユーロの為替レートの上限を撤廃したことに加え、スイス中銀は対ユーロの為替レートの上限を撤廃の代わりとして、超過準備に適用する金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%とし、政策金利のLIBOR誘導目標レンジもマイナス1.25%〜マイナス0.25%に引き下げた。つまり利下げを実施したことも影響し、10年債の利回りまでマイナスとなった。さらにスイスフランが急騰してしまったことで、早くも追加緩和期待が出ていたことも影響したとみられる。
このスイスの長期金利のマイナス化はどこまで波及するのか。ドイツでは5年債利回りがマイナスとなっているが、10年債利回りは0.45%近辺(16日現在)にいる。日本では残存4年あたりまでの国債はマイナスとなっているが5年債はかろうじてプラス、そして10年債利回りは16日に0.225%まで低下した。
スイスの10年債利回りがマイナスとなったことで、いずれドイツや日本の10年債利回りまでマイナス化する可能性も出てきた。さすがに長期金利のマイナス化はないだろうと漠然と考えられてきたことが、スイスにより打ち破られた格好である。
日本のマイナス金利の背景には、海外投資家がドル円のベーシス・スワップに絡んで、結果としてマイナス金利で調達できるため、マイナス金利での運用も可能というかペイできるために発生している側面がある。しかし、それ以上にマイナス金利で国債を購入しても、タイミング次第ながらもほとんど損失を出さずに日銀に買い取ってもらえることでの安心感も大きい。年金や生保などの投資家は損失が発生するようなマイナス金利の国債は購入しないとみられるが、銀行などは担保としてある一定量の国債を保有する必要もあり、そのような需要もマイナス金利の背景にある。
日本では日銀の大規模な国債買入が継続される限り、需給面での心配はないというか、むしろ玉不足、つまり国債そのものが足りなくなるような懸念も出ている。より長い期間の利回りは今後さらに低下圧力が加わる可能性もありうる。
スイスで10年債利回りがマイナス化となっていても、いまのところ預貯金金利はマイナスとはなっていないようであるが、クレディ・スイスは大手法人顧客から預金手数料を徴収することを明らかにしている。日本でも残存4年あたりまでの金利がマイナスとなっていても預貯金金利はマイナスとはなっていない。日銀の当座預金の超過準備に付く利子も現在のところはプラス0.1%となっている。
スイスはある意味、金融市場で大胆な政策を行う先駆者ともいえる。それがいずれ日本の金融市場の方向性を示していることも考えられる。今回の為替政策を通じた異次元緩和策の放棄、さらには長期金利のマイナス化あたりは、日本でも近いうちに起こる可能性がありうる。
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