01. 2015年1月20日 18:04:15
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債券反落、長期金利0.2%割れやイベント警戒−5年初のマイナス金利 (ブルームバーグ):債券相場は反落。長期金利が過去最低水準を更新し、新発5年債利回りが初めてマイナス金利を付けた後、週内に日欧の金融政策決定会合や20年債入札を控えて売りが優勢に転じた。 日本相互証券によると、現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の337回債利回りは、前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.20%で開始後、いったん0.5ベーシスポイント(bp)高い0.205を付けた。午後に入ると水準を切り下げ、0.195%と前日に記録した過去最低水準を下回った。その後は0.215%に上昇している。5年物の122回債利回りはマイナス0.005%に低下し、新発債として過去最低を記録した。 パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「5年は強いが、全体的にはトーンダウンしてきている」と指摘。日本銀行や欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合に加えて、20年債入札といったイベントを前に、「リスクをいったん落とすタイミング」としている。 長期金利について、パインブリッジの松川氏は「10年債は昨日かなり買われていたので、0.2%割れではいったん利食い売りが入っている」と説明した。ただ、「今は5年債も10年債も過去最高値を抜いてきているので、ある意味未知なる領域に入ってしまっている。どこまで行くかはよく分からないし、分かっている人は誰もいない」とも述べた。 先物は安値引け 長期国債先物市場で中心限月の3月物は前日比横ばいの148円62銭で開始。148円66銭に上昇した後はマイナスに沈んだ。午後に入ると一時5銭高の148円67銭と、前日の夜間取引で記録した最高値148円68銭に接近したが、再び下げに転じて下落幅を拡大。結局、15銭安の148円47銭と、この日の安値で取引を終えた。 財務省が実施した表面利率0.1%の5年利付国債(122回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円49銭と市場予想を1銭上回った。平均落札利回り、最高落札利回りともに0.000%となり、前回に続いて過去最低を更新した。小さければ好調なテール(落札価格の最低と平均の差)はゼロ銭と前回と同じ。投資家需要の強弱を示す応札倍率は4.38倍と前回の4.24倍を上回った。 JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、5年債入札が順調で需給に緩みが全く出なかったことから、日銀の買い入れを背景とした需給逼迫(ひっぱく)による買いが5年債利回りをマイナスに押し下げたと指摘。「来週、5年−10年の買い入れオペが3回行われる見込みであることも、利回りの押し下げに寄与している。また、一部で浮上している明日の日銀政策決定会合における追加的な緩和措置への思惑も影響した可能性」があると述べた。 日銀は20日から2日間の日程で、金融政策決定会合を開催。今回は昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価も行う。3月に期限が来る「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」を1年間延長することを検討する。関係者への取材で明らかになった。 財務省は22日に20年利付国債の入札を実施する。12月債(151回債)と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率は1.2%に据え置きとなる見込み。発行予定額は1兆2000億円程度となる。 22日にはECBの金融政策決定会合も控えている。大和住銀投信投資顧問の奥原健夫シニアファンドマネジャーは、欧州を中心に各国の中央銀行が緩和姿勢を強めているとした上で、「欧州金利のマイナスが拡大するということになると、日本にも影響が及ぶ」と話した。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝 更新日時: 2015/01/20 16:27 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIG6036K50XS01.html 日経平均352円高、ECB量的緩和期待・円安で2週ぶり高値 2015年 01月 20日 15:35 JST [東京 20日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続伸。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切るとの観測から朝方から買い優勢となり、前日終値比で350円超の上げとなった。 取引時間中に発表された中国の主要経済指標が市場予想を上回ったことや、円安基調の継続も支えとなり、東証1部の89%が上昇。約2週間ぶりの高値水準に回復した。 フランスのオランド大統領が19日、「ECBは22日の理事会で国債買い入れの実施を決定する」などと述べたことを受け、量的緩和への期待が膨らみ、市場心理を改善させた。午前中に発表された中国の第4・四半期の国内総生産(GDP)伸び率が前年同期比7.3%と市場予想の7.2%をやや上回り、アジア株が底堅く推移したことも安心感をもたらした。 さらに外為市場ではドル/円JPY=EBSが118円前半まで円安方向に振れ、トヨタ自動車(7203.T)が前日終値比2.6%高となるなど、輸出株は堅調に推移。コマツ(6301.T)などの中国関連銘柄、ダイキン工業(6367.T)などの欧州関連銘柄も買われたほか、値がさ株ではファナック(6954.T)が3.7%高、ファーストリテイリング(9983.T)が2.8%高となり指数を底上げした。セクター別では証券が上昇率でトップとなった。 テクニカル上では今年に入り初めて終値が25日移動平均線(1万7264円97銭=20日)を上抜けた。内藤証券の田部井美彦・投資調査部長は「チャート的には上値を追いやすくなっており、直近の高値をトライする権利を得たといえる」と話す。一方、ECBが量的緩和を見送れば、反動売りが広がる可能性もあると指摘している。 個別銘柄ではメルコホールディングス(6676.T)が大幅高。19日に発表した2014年4―12月期決算で営業利益が大幅増となったことが評価された。半面、伊藤忠 (8001.T)は反落。20日に中国国有の複合企業、中国中信(CITICリミテッド) (0267.HK)グループとタイ財閥のチャロン・ポカパン(CP)グループとの資本・業務提携で合意したと発表。寄り付き後は買いが先行したものの、財務面での負担を警戒し下げに転じた。 東証1部騰落数は、値上がり1657銘柄に対し、値下がりが158銘柄、変わらずが45銘柄だった。 日経平均.N225 終値 17366.3 +352.01 寄り付き 17071.65 安値/高値 17066.77─17366.3 TOPIX.TOPX 終値 1397.63 +25.22 寄り付き 1376.57 安値/高値 1376.15─1397.63 東証出来高(万株) 213483 東証売買代金(億円) 21600.18 (長田善行) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KT0EJ20150120
円下落、中国懸念後退や日銀付利下げ観測−1週間ぶり118円台
(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が下落。堅調な株価を背景にリスク選好に伴う売りが優勢となった。中国の景気減速懸念の後退や日本銀行による付利引き下げ観測も円売りを後押しした。 ドル・円相場は1ドル=117円台半ばから一時118円53銭と13日以来の水準まで円安が進行。午後3時57分現在は118円39銭前後となっている。また、ユーロ・円相場は3営業日ぶりに1ユーロ=137円台を回復し、一時137円21銭を付けた。同時刻現在は137円ちょうど前後。 三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループの呉田真二グループ長は、先週は原油安に伴うリスク回避の動きにスイス中銀の動きがとどめを刺した形となり、今週は「こうした悲観的な動きが行き過ぎたことの反動」が出ていると指摘。あすの日銀会合で「付利金利の引き下げなど追加緩和が思惑として強まってきた」ことも円売りをサポートしていると語った。 一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.16ドル前半から一時1.1569ドルまでユーロ売りが進行。欧州中央銀行(ECB)は22日の定例政策委員会で国債購入を含む量的緩和(QE)に踏み切ることがほぼ確実とみられており、市場の関心は緩和の規模や内容に移っている。 リスク選好 20日の東京株式相場は上昇。ECBによる追加緩和期待などを背景に、日経平均株価 は300円を超える上げとなった。 中国株も上昇。当局が信用取引融資の抑制に動いたことを嫌気して、前日に約6年半ぶりの大幅安を記録した上海総合指数 は一時前日比で2%超反発する場面が見られている。 中国国家統計局がこの日発表した10−12月の国内総生産(GDP )は前年同期比7.3%増となり、市場予想(7.2%増)を上回った。この結果、14年通年の成長は政府目標の7.5%に近い数字となった。同時に発表された12月の工業生産と小売売上高も事前予想を上回った。 バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの山田修輔チーフFXストラテジストは、「中国の指標は一応予想よりは少し強いという認識」で、「直近リスクセンチメントにそこそこ相関性の高いドル・円もやや買われ気味」と説明。「いったんリスクセンチメントは回復している。欧州株も上げたし、緩和期待もある」と語った。 ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨中14通貨に対して前日終値比で下落。みずほ銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、ドル・円相場は先週末にいったん116円台を割り込んだものの、今回も115円で下落が止まったということで「もう一度ドルを買おうという動きが見えている」と指摘。ドル・円が買いやすい状況になってきたところに、日本企業による中国企業への出資のニュースが円売りの思惑につながったところもあると話した。 国内ではきょうから日銀の金融政策決定会合が始まり、あす結果が発表される。ブルームバーグ・ニュースが9日から14日にかけてエコノミスト33人を対象に行った調査では、全員が現状維持を予想した。 一方、20日の債券市場では長期金利が過去最低を更新し、新発5年債利回りは初めてマイナス金利を付けた。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、日銀の買い入れを背景とした需給逼迫(ひっぱく)に加え、「一部で浮上している明日の日銀政策決定会合における追加的な緩和措置への思惑も影響した可能性」があると述べた。 ECB フランスのオランド大統領は19日、ECBは恐らく今週、大量の国債買い入れを発表するとの見通しを示した。一方、ドイツのメルケル首相は、ECBが今週どのような金融政策を講じようともユーロ圏の競争力向上を促す圧力を弱めてはならないということが、ECBをめぐる最近の議論で自分の「唯一の願い」だと語った。 みずほ銀の加藤氏は、「米国だけが金利が高くなる方向で、欧米の金融政策がここまで真逆になったことは恐らくない」とし、ECBがQEに踏み切り、材料出尽くしで少しユーロが買われても、「ユーロ・ドルがパリティーに向けて下落するという方向は変わらない」と指摘。「そのスピードがどれだけ緩むかが、まさに今回ECBがどの程度QEをやるかにかかってくる」と話した。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 崎浜秀磨 更新日時: 2015/01/20 15:58 JST ドル118円前半に上昇、株高で1週間ぶり高値圏 2015年 01月 20日 15:58 JST [東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク時間午後5時時点に比べ、ドル高/円安の118円前半だった。中国の第4・四半期国内総生産(GDP)が予想を上回り、中国発のリスクオフ懸念がひとまず後退した。 日経平均が大幅高となる中、ドルは1週間ぶりの高値圏に上昇している。 ドルは朝方の安値117.58円付近から、着々と上値を伸ばし、118円台にしっかり乗せた。この日は商業決済が集中する五・十日にあたり、仲値にかけて輸入企業のドル買いが優勢だったもよう。その後に発表された中国の第4・四半期GDP成長率が市場予想を上回ると、正午にかけてじわじわとドル買いが進んだ。 株価の上昇が一服した局面では上値がやや重くなったものの、午後3時にかけては118.34ドルまで上昇。1月13日以来、1週間ぶりの高値をつけた。 市場では「昨日の中国株の大幅下落を受けて中国発のリスクオフを警戒していたところがあったので、予想を下回らなかったことへの安堵感がある。日本株の上昇もあり、円売りにつながっているようだ」(外為どっとコム総合研究所の調査部長、神田卓也氏)との声が聞かれた。 <仏大統領「ECBは量的緩和を22日決定」> ユーロは1.15ドル後半を中心に狭いレンジでの値動きとなった。 フランスのオランド大統領は19日、「ECBは22日の理事会で国債買い入れの実施を決定する。これにより欧州経済にかなりの規模の流動性が供給され、成長が後押しされる可能性がある」と述べ、ECBが国債買い入れ型の本格的な量的緩和実施に踏み切れば、原油安など他の要因と共に欧州経済の支援要因となるとの考えを示した。 オランド大統領の発言について大統領府は、ECBの決定内容を事前に公表したわけではなく、将来的に経済のためになるシナリオの1つとして単に列挙したに過ぎないと説明している。 市場では、「ECBのQEはこれまでにかなりの程度で織り込まれているので、参加者の間では(ユーロ)ショートの突っ込み過ぎは危険との認識があるのだろう」(外為アナリスト)との意見が聞かれた。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 118.28/30 1.1582/86 137.00/04 正午現在 118.24/26 1.1580/84 136.93/97 午前9時現在 117.74/76 1.1593/97 136.51/55 NY午後5時 117.55/58 1.1604/08 136.43/47 (杉山健太郎) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIG5BZ6TTDS201.html
ECBが量的緩和を骨抜きにすべきでない理由 2015年01月20日(Tue) Financial Times (2015年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 量的緩和(QE)は「市場では織り込み済み」だと言われる。欧州中央銀行(ECB)は22日にほぼ間違いなく、国債の買い入れを決断したと発表するだろう。確かに織り込み済みかもしれないが、国債買い入れが実際に決断されたら、やはり欧州の金融・経済現代史における重要な出来事になる。 起こってはいけなかったことが今起こっている。ECBを16年ほど前に生んだ思想に照らせば、これは大きな前進だ。だが、同時に、これは事態が非常に深刻になっているしるしでもある。 今回のQEは予防的なものにはならず、傷を負った後に行われるものとなる。インフレ期待はずいぶん前に目標から外れてしまい、総合インフレ率はマイナスに落ち込んでいる。ユーロ圏の経済は病んでいるのだ。 欧州中銀、債務危機国の国債買い入れへ 1〜3年債を無制限に マリオ・ドラギECB総裁の発言に注目が集まる〔AFPBB News〕 QEプログラムについては、さまざまな重要部分が先週末になっても議論されていたが、その一部については合意が形成されつつあるようだ――というのが筆者の理解だ。 プログラムには具体的な数値が盛り込まれることになるだろう。5000億ユーロとの説があるが、もっと大きくなる公算もある。 また、QEプログラムは限度のないものにはならないだろう。インフレ率を目標水準に戻すためには「何でもやる」とマリオ・ドラギ総裁が明言することは恐らくあるまい。 つまり今回は、「ECBはこういう政策を取ることにした。金額はこうで、使い切ったらどうするかはその時点でまた決める」というような形になるだろう。 「水門理論」は間違い、最初から大規模なプログラムを 数字は重要ではない、と楽観論者は言う。プログラムを始めれば水門が開き、インフレ目標を達成するまでこれを閉じることはできなくなるだろう、従って当初の規模は大した問題ではない、というわけだ。 筆者は、この水門理論は間違っているのではないかと危惧している。政策の力学を読み誤っているからだ。 もしQEプログラムが成功しなければ、これは失敗だったと見なされる可能性がある。そうなれば、プログラムを修正するのではなく丸ごと破棄してしまう恐れが出てくる。 だからこそ筆者は、最初から大きな規模でプログラムを始めてほしいと思っている。規模は重要なのだ。 QEについては、重要な議論がもう1つ行われている。どこかの国がデフォルト(債務不履行)したらどうなるのか、という議論だ。この損失は誰が埋めなければならないのか。これは恐ろしいほどややこしい問題だ。 リスク共有に反対するドイツへの大きな譲歩 筆者はこの問題について、ECBの資産買い入れのリスクは国債発行国の政府が負うとの合意が今週なされると予想している。つまり、このリスクは共有されないということだ。これはQEに反対している国々、特にドイツに対する大きな譲歩になる。 これに対しドイツ政府は、骨抜きにされたこのプログラムを何も言わずに受け入れるだろう。少なくとも、攻撃的な反応は手控える。そしてもし、そうした合意がなされなかったら、ドイツはほぼ確実にECBを訴えることになるだろう。 ドイツ政府は、ほかのユーロ加盟国がデフォルトした時にその肩代わりをしなくても済むようにしたい、と考えている。従って、リスクを各国政府の手に残しておけば、ドイツの問題は解決する。だがその場合、ECBは、それ以上に大きくなる可能性を秘めたリスクを作り出す恐れがある。 もしドイツが、例えばイタリアのデフォルトから自分の身を守りたがっているとなれば、合理的な投資家はドイツと同じことをしようとするのではないのだろうか。すると、それによってQEプログラムの効果が削がれてしまうのではないだろうか。 また、投資家が保有するイタリア国債は、イタリア銀行(中央銀行)がQEプログラムで購入する国債と同様に扱われるのだろうか。市場の専門用語で言うなら、投資家は「劣後する」債権者になる恐れがあるのではないか。 胃の中に現金760万円、女を空港で逮捕 ドミニカ共和国 ユーロ圏は本来、単一金融市場を作らねばならないのに・・・〔AFPBB News〕 さらに言うなら、この措置は、ユーロ圏が単一金融市場を作らねばならない時にその正反対のことを、つまり金融市場をさらに分断してしまうことにならないだろうか。 リスクを分離することが実は何を意味するのか。これを理解したいのであれば、どこかの国がデフォルトし得るさまざまなシナリオを検討する必要がある。 デフォルトがユーロ圏内で起こる場合と圏外で起こる場合、一方的に行われる場合と合意の上で行われる場合、全面的なデフォルトの場合と部分的なデフォルトの場合、そしてこれらが組み合わさる場合のそれぞれについて考えなければならないだろう。存分に楽しむといい! 仮にイタリアがデフォルトしたら、どうなるか? 試しに1つだけ、仮にイタリアがユーロ圏内でデフォルトしたらどうなるかを考えてみよう。 まず、イタリア銀行は、購入したイタリア国債で損失を抱える。恐らく、自己資本がマイナスになるだろう。だが同行は中央銀行であり、普通の企業ではない。自己資本がマイナスでもやっていけるかもしれない。また、ECBが将来計上する利益の一部が自己資本に組み入れられると主張するかもしれない。イタリア銀行はECBの株主だからだ。 また、自己資本強化のために金準備の一部を使う可能性もあるだろう。従って、デフォルトになった時に何が起こるかは、デフォルトの規模、保有するECB株の量、そして金準備などの規模によって変わることになるだろう。 どこかの国がデフォルトすると同時にユーロ圏から離脱すると決断した場合には、話がもっと複雑になる。 筆者は、QEプログラムの評価については詳細を見るまで差し控える。筆者としては、プログラムの規模は大きい方が、そしてリスクが共有される方が望ましいと考えている。ドイツが訴えることになっても仕方がないと思っている。 欧州司法裁判所の法務官が先週、別の国債買い取り計画についてECBに好意的な見解を示した以上、そうした訴訟は事実上重要でないと考えている。 また、ドイツが反乱を起こすリスク、ましてやユーロ圏を離脱するリスクは、機能しない恐れがあるQEプログラムのリスクよりもはるかに小さいと考えている。 取り組む価値はあるかもしれないが、バズーカではない ECBが筆者の予想通り、リスクを各国のバランスシートに残す策を採用するならば、QEプログラムが全体としてどのような効果をもたらすかは、しばらく分からなくなるだろう。QEプログラムの詳細とそれに関する法律がすべて明らかになるまでは何とも言えない、ということだ。 それでも、QEプログラムに取り組む価値はまだあるかもしれない。ただ、それはもうバズーカではない。 By Wolfgang Munchau http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42704 ユーロ圏、信頼欠如の問題はすでに克服=独財務相 2015年 01月 20日 16:51 JST [ニューデリー 20日 ロイター] - インドを訪問中のショイブレ独財務相は20日、ユーロ圏は信頼欠如の問題をすでに克服し、成長の促進に取り組んでいると述べた。
ショイブレ氏はインド商工会議所連合会(FICCI)のイベントで講演。「過去数年抱えていた金融面での信頼欠如をわれわれはすでに克服した」と語り、金融市場は安定を取り戻したとの認識を示した。 ロシアとウクライナの対立の影響については、「ロシアとは多くの問題に直面しているが、ロシアをあきらめることにわれわれは関心がない。われわれはパートナーシップを望んでいる」と述べた。 同氏はまた、欧州が世界の経済成長に「十分な貢献」をすると述べる一方、インドのような新興国に一段の貢献を求めた。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KT0KX20150120
中国:14年成長率は7.4%、目標に近い水準達成−刺激策が奏功
(ブルームバーグ):中国当局が講じた景気刺激策は、昨年終盤から効果を表し始めた。工業生産と小売売上高が拡大し、この結果、14年通年の成長は政府目標に近い数字となった。 国家統計局が20日発表した10−12月の国内総生産(GDP )は前年同期比7.3%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値は7.2%増だった。14年全体 では7.4%成長で1990年以来の低成長だが、政府が掲げた7.5%前後の目標圏内に収まった。 中国景気の軟着陸は、勢いに欠ける世界経済の支援材料となる。国際通貨基金(IMF)は19日公表した世界経済見通し(WEO)で、今年の世界経済成長率予想を下方修正した。引き下げ幅はこの3年間で最大だった。中国人民銀行(中央銀行)は昨年11月、約2年ぶりの利下げを実施。また需要喚起を狙い、対象を絞った措置を通じて流動性を拡大してきた。 INGグループのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は「昨年初めにはハードランディングへの懸念が広がったが、14年の中国経済は際立つ内容だった」と指摘。「中国当局は目標に近い成長を維持し、シャドーバンキング(影の銀行)や地方政府の資金調達といった経済改革のテンポを速めながら、不動産の過熱抑制策も続けることができた。これは対象を絞った措置の有効性を示している」と述べた。 クレディ・アグリコルCIBのアナリスト、ダリウス・コワルツィク氏(香港在勤)は「中国経済が予想よりも良い状態で15年に入っており、市場は安堵(あんど)するだろう」と指摘。「今回の統計で追加刺激策の必要性が後退した。ただリスクは下振れで、緩和の余地が若干残っている」と述べた。 不動産の落ち込み 統計局が同時に発表した12月の工業生産 は前年同月比7.9%増。市場予想の中央値は7.4%増。11月は7.2%増だった。12月の小売売上高 は同11.9%増。エコノミスト予想は11.7%増。14年の都市部固定資産投資 は前年比15.7%増で、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。 10−12月GDPのエコノミスト予想は前年同期比6.9−7.6%増の範囲だった。同四半期は前期比ベースでは1.5%増と、7−9月(第3四半期)の1.9%増に比べて伸びが鈍化した。 UBSグループの中国担当チーフエコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は「不動産関連の弱さが原因で、10−12月期の成長の勢いは7−9月期より鈍った」と指摘。「不動産の落ち込みは深まり始め、重工業や関連投資の足も引っ張っている。不動産は今年引き続き成長の重しとなるだろう」と述べた。 原題:China Stimulus Starts Kicking in, Keeping ’14 Growth Near Target(抜粋) 記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Xiaoqing Pi xpi1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net Christopher Anstey 更新日時: 2015/01/20 15:32 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIGDNL6JIJUP01.html オーストラリアを悩ます「所得不況」 GDP統計では20年以上も景気後退知らずだが、実質所得は減少 2015年01月20日(Tue) Financial Times (2015年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
世界都市の生活費ランキング、オーストラリアが急浮上 GDPを見ると、オーストラリアは先進国で唯一、過去20年以上も景気後退知らずの国(写真はシドニーの高層ビル街を背に進むヨット)〔AFPBB News〕 フィル・ラモンディーノさんは30年近くオーストラリア各地の建設現場でダンプカーを運転しており、現場レベルから見た経済の状況を教えてくれる。 「私の業界はこれまで見てきた中で最悪の状態ですよ」。51歳の自営の運転手はこう語る。「競争がとても激しく、建設会社が倒産しており、私の報酬も未払いになっている。手取りの収入はこの2年で2割減りました」 オーストラリア経済が2014年7〜9月期に前年比で2.7%成長したにもかかわらず、中小企業の多くが経営不振に喘いでいる。2.7%という成長率は、まだオーストラリアのトレンドを下回っているものの、他の大半の先進国を上回っている。 国内総生産(GDP)の拡大と多くの国内企業の業績不振との間の矛盾から、一部のエコノミストは、国全体の経済活動の主要指標としてGDPを使用することの妥当性に疑問を投げかけるようになった。 「オーストラリアは主要なコモディティー(商品)輸出の価格が急落したため、2014年の第2四半期および第3四半期にインカム・リセッション(所得不況)を経験した」。バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミスト、ソール・エスレイク氏はこう語る。「だが、これはGDP統計に表れなかった。GDPは『交易条件』の変動をとらえないからだ」 鉄鉱石や石炭の価格急落で交易条件が大幅に悪化 オーストラリアの交易条件――輸入品と比較した輸出品の相対的な価値を示す指標――は、主要輸出品である鉄鉱石と石炭の価格急落を受け、2011年後半にピークをつけて以来約25%悪化している。 エスレイク氏は、交易条件の変化を算入しており、国内生産によって生み出された総所得の購買力の尺度となる実質国内総所得(GDI)の方が、地元経済の足元の健全性を測るのに相応しい指標だと主張する。 公式統計によると、GDIは2014年4〜6月期に0.3%、7〜9月期に0.4%減少しており、オーストラリアが現在、生活水準を直撃する「所得不況」に見舞われていることを示唆している。 BHPビリトン、従業員6000人削減へ 資源ブームに沸いたオーストラリア経済に陰りが見えている〔AFPBB News〕 オーストラリアでは、1991〜92年の前回の正式な景気後退――2四半期連続でのGDP縮小――以来初めて実質賃金が低下しており、失業率は昨年、米国のそれを上回った。 「資源ブームから東海岸の景気回復へ移行するオーストラリアの経済転換が行き詰まった」。モルガン・スタンレーは11月の投資家向けメモでこう書いた。 「前回のオーストラリアの景気後退は1991年だった。現時点で景気後退を回避するためには、より景気刺激的なスタンスへ向けた政策の変更が必要だ」 大学生を襲う就職難 他の先進国と同様に、この景気低迷の衝撃は若年者に最も大きな打撃を与えており、15歳から24歳までの若年層の失業率は13.8%と、2001年以来最も高い水準に達している。 大半が景気後退を1度も経験したことのない大学生は、卒業時に就職先を見つけるのが難しくなっている。多くの卒業生がパートタイムの仕事に就くのを余儀なくされている。 グラジュエート・キャリアーズ・オーストラリアの調査によると、2014年に学位を取得した後、4カ月以内にフルタイムの仕事を見つけた新卒者は全体の68.1%で、1991〜92年以降最も低くなっている。 「フルタイムの教職に就くため何度か面接を受けましたが、校長に150人の応募者がいると言われました」。パースで教職課程を修了したローレン・ルソさん(24)はこう言う。「多少の経験のある応募者と競争するのは、ものすごく大変です」 彼女は代用教員としてパートタイムで働いたことがあるが、大勢の若い大卒者と同様、フルタイムの仕事を手に入れるまで実家から出られない。 物価下落圧力と通貨安が成長のリスク 先週公表された労働力統計では、12月の失業率が前月の修正値6.2%から6.1%に低下し、ポジティブサプライズとなった。だが、多くのエコノミストは、たった1カ月の統計値が力強い景気回復を示すとは思っていない。 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は先週、2015年のGDP成長率の予想を3%から2.5%に下方修正し、現在、史上最低の2.5%で推移している金利が2度引き下げられると予想した。原油価格の下落がもたらす物価下落圧力とオーストラリアドルの下落見通しが成長に対するリスクとなるとANZは述べた。 ラモンディーノ氏のような大半の労働者は、ANZの弱気の予想が現実にならないことを願うことになる。 By Jamie Smyth in Sydney http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42697
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