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2015年1月15日のスイスフランは、ブラック・スワンだった
http://www.bllackz.com/2015/01/201515.html
2015年1月18日 Darkness - ダークネス
2015年1月16日、イギリスの外国為替証拠金取引(FX)業者であるアルパリ社がいきなり破綻するという衝撃的な事件が起きている。
また、世界最大のFX業者であるFXCM社も同じ頃、倒産寸前に陥って他社に救済されるという状況に陥っていた。
その理由は2015年1月15日に、スイス国立銀行が、1ユーロ1.20スイスフランの上限を撤廃するという政策を突如として発表したことにあった。
スイスは今まで政府がフラン安になるように介入し続けてきたのだが、いよいよそれが限界に達して政策放棄に追いやられたということになる。
スイス政府が通貨安政策を続けていた理由は、輸出を守るためである。通貨安は自国の輸出産業を利する。さらにスイスは観光立国でもあるので、通貨安によって観光客にも来てもらいやすい環境を整えることができる。
そのため、スイス国立銀行は2011年9月以降、ずっと市場介入を続けてきて、自国通貨を売り続けてきた。
■スイスフランの価格のゆがみは一気に是正された
しかし、現在ユーロは不況に喘いでおり、ECB(欧州中央銀行)もまた量的緩和するのではないかと見られている。
つまり、ECBによる量的緩和が行われると、スイス国立銀行はさらなるユーロ買いフラン売りに追い込まれる。現在でもスイスはこの政策のために外貨準備高がGDP(国内総生産)の7割を超える規模となっていた。
そのため、スイス国立銀行はこの為替介入の継続がこれ以上は持続不可能だったと認識し、上限を撤廃せざるを得なくなっていたのである。
この報道を受けて、3年以上も続いたスイスフランの価格のゆがみは一気に是正された。
フランは、一日で1ユーロ0.86フラン台にまで急騰するという価格変動に見舞われ、さらにスイスの株式市場も、一時は14%も下がるという事実上の「投げ売り」に入った。
こうした荒っぽい価格変動の直撃を受けたのが、レバレッジをかけて為替取引をしていたファンドや個人である。
ストップロス(損切りの設定)をかけていた個人もいたようだが、あまりの巨大な価格変動のためにストップロスが機能せず、強制的なロスカットに追いやられた挙げ句、追証まで発生するという状況になっている。
アルパリやFXCMが一気に経営危機に直面したのは、顧客の損失をこれらのFX業者が補填することができなかったからである。つまり、それほどの大損失を被った顧客が続出していたということである。
日本人でスイスフランを取引している人間は少ないと思われるので、全体的に見ればたいして影響はないが、円に対してはスイスフランは115円台からわずか30分で40円も価格変動を引き起こしたわけで、スイスフランをショートしていた個人はほぼ全滅と考えてよい。
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