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危機的レベルになりつつある日銀
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4811572.html
2015年01月18日 NEVADAブログ
昨年の週刊ダイヤモンドでも特集を組んでいましたが、日銀の国債買い入れで、国債市場(868兆円)がマヒ状態に陥る時期が迫っており、このままいけば国債市場は機能停止する事態も近々にあり得ます。
既に日本国債は日銀が一手買い状態になっており、売り手は金融機関・生保・郵貯・簡保となりますが、それでも足りません。
何せ一年間で80兆円もの国債を追加購入する訳であり、新規国債40兆円を「すべて」日銀が買ったとしましても、「まだ」40兆円足らないのです。
では金融機関は国債を売るでしょうか?
多くの銀行はこれ以上売る計画はないとしています。
何故なら、今や5年債利回りはほぼ<ゼロ%>となっており、コストを勘案すれば買えば買う程赤字が出る<マイナス金利>状態になっており、今ある高クーポンの国債を売りましても次に資金を回す先がないからなのです。
10年債利回りは史上最低の0.25%となっており、とても運用益を稼げるというレベルではありませんし、物価目標が2%となれば、いずれ国債利回りは2%を超えてきます。
その時、0.25%利回りの国債は一体どのような価格になっているか、考えただけでも恐ろしいというのが機関投資家の考えなのです。
日銀が徹底して国債を買い占めている今、リスクは日銀に集中していますが、他の金融機関も運用が出来ないとして頭を抱えているのです。
今の0.25%の国債を買えば、運用コストを考えれば、赤字になるのは目に見えておりさりとて、優良大企業はお金を大量に持っており、お金を必要としていません。
仮に貸し付けることが出来ましても1%を超える利息など到底取れる筈もなく、採算割れに陥ってしまいます。
では住宅ローンはどうでしょうか?
今、住宅販売は二けたの減少を続けており、更に1%前半の利息では到底利益も出ません。
国債もダメ、企業貸付もダメ、個人住宅ローンもダメとなれば、銀行はどこで収益を得るのでしょうか?
投信等を販売して手数料を稼ぐしかありません。
今は、個人への投信販売で膨大な収益を上げていますが、これは銀行本来の収益構造ではありません。
あくまでも一時的な収益であり、仮に株が大暴落すれば、投信販売など吹き飛び、一気に収益獲得策が消えてしまいます。
この先、日銀が新規国債(40兆円)を全て買占め、そして更に年金資金(10兆円売却予定)や地方金融機関等からかき集めましても、40兆円まで到底無理となった時、日銀は危機的状況に陥ります。
即ち、これ以上金融緩和が事実上出来ないという事になるのです。
勿論、銀行が所有する手形やその他の債権(券)を「更に」買い取るという事もあり得ますし、一部では個人の住宅ローン債権を日銀が買えばよいという事も考えられており、ここまでくれば、個人が事実上日銀から借金をして返済するという状態になります。
何でもありの緩和になりますが、果たしてその先には何が待っているでしょうか?
日銀が国債を大半買い占めてしまえば、その後金利が上がれば(物価上昇2%ということは理屈上国債利回りは最低でも2%、通常は3%の利回りになります)、日銀は膨大な損をして国債を売却する事態に陥ります。
来年度の予算では、日銀納付金等で国債発行額を減らしていますが、日銀が赤字に陥れば反対に国が日銀を救うために支援金を出す羽目になるのです。
今と逆回転になるのです。
しかも、日銀の国債保有額が仮に300兆円としますと、これに10%の損が出れば30兆円もの損となり、とても国が埋めれるような額ではありません。
国債の新規発行額全てを日銀が買い占めるという、あり得ない事態を想定しても、まだ40兆円を集めなくてはいけない日銀は本当に大丈夫でしょうか?
「買占め」は最終的に無理を重ねる訳であり必ず破たんし、「買占め」を停止した途端、市場は大混乱します。
スイスが良い例です。
スイス中央銀行が徹底的に介入して相場を維持してきましたが、もはやこれ以上は無理となり介入を停止した途端、スイスフランは30%も暴騰したのです。
そしてスイス中央銀行の信認は地に堕ちました。
日銀が国債を徹底的に買い入れ相場を作っていますが、これが停止した時、相場は大混乱することになりますし、膨大な国債を売ることなどできるものではありません。
一旦売りに出せば暴落するからです。
日銀はもはや逃げることが出来ない罠に陥ったと言えます。
スイス中央銀行は物凄い犠牲を払い、何とか罠から逃げ出しましたが、日銀は900兆円近い国債を暴落させるというアクションを取れるでしょうか?
近々(22日)に追加緩和を発表すると見られていますが、日銀の危機は刻一刻と迫ってきていると言えます。
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