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スイスフランは急上昇 photo Getty Images
スイスショックが示唆する日銀金融政策の限界とリスク
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41810
2015年01月18日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
1月15日、突如としてスイス中銀はユーロ・スイスフランの為替レートの上限を撤廃し、無制限の為替介入を終了した。それは、多くの市場関係者にとって重要なサプライズであった。それにより、スイスフランは急上昇し、金融市場の混乱に伴って米国債買いなどリスクオフの動きが広がった。
この決定は、ある意味では金融政策が持つリスクを露呈したともいえるだろう。
量的緩和や為替介入が期待通りの効果を、長い期間にわたって発揮できるとは限らないのである。今回のスイス中銀の決定を受け、投資家の中央銀行の政策効果に対する信頼は失墜することにもなりかねない。今後、世界的に株価や為替レートの価格変動制は高まりやすいと考える。
■無制限介入の経緯と終了の理由
2011年9月以降、スイス中銀は対ユーロでの為替レートの上限を1ユーロ=1.20フランに設定し、無制限のフラン売り介入を行ってきた。その目的は、ユーロ安の影響を受けてフランが上昇することを阻止し、国内の輸出産業を中心に国内経済を支えることにあった。
しかし、昨年後半以降、デフレリスクや量的緩和期待からユーロ安が進んでおり、その政策効果が徐々に減殺されていた。それに加えて、足元のギリシャの政情不安もユーロ売りの材料になった。
スイス中銀は、現在マイナスである中央銀行への預金金利をさらに引き下げる決定を行った。それにも拘らず、スイスフランは各通貨に対して急上昇し、ドル・円の為替レートにも大きな影響を与えた。この動きは、多くの投資家がリスクオフに走ったことを反映してとみられる。
■不確実性を増す金融政策
スイス中銀の決定にみられる重要な意味=インプリケーションは、金融政策は万能ではないということだろう。スイスショックは金融政策が期待通りの効果を発揮できるとは限らないというリスクを、改めて投資家に認識させることになった。
欧州ではECBの量的緩和期待が高まっている。一方、日銀も景気減速には追加緩和策に実施で対応するとみられる。
今回のスイス中銀の措置に伴うフランの急上昇や、それを受けた円高は安全通貨の保有動機が根強いことを示している。その動機は、中央銀行の金融政策よりも強かったといえるかもしれない。
金融政策には予め決められた展開も、期待された効果が表れる保証もない。市場参加者は、「デフレには緩和が必要」という発想を強く持っている。金融政策が期待された効果を発揮できず、円高や株安などが進む不確実性は上昇しているとみるべきだ。
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