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「株価2万円超え」の次の次まで読み通す 株はグニャグニャ上がる、そして6月に大変なことが起きる! 2015年まるごと完全予測 景気・株・円安・会社こう動く! その2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41744
2015年01月17日(土) 週刊現代 :現代ビジネス
■もうバブっている
「市場は卵の殻のように壊れやすくなっている」
「投資家のリスクテイクが度を超えている」
昨年末、米財務省金融調査局が公表した年次報告書はこう書いた。世界中の株式市場で膨張を続ける「バブル」に警告の鐘を鳴らした形だ。
今年の日本株相場を考える際にまず押さえておかなければいけないポイントは、この報告書にヒントがある。つまり、日本株はすでにバブル状態にあるが、今年はさらに一層バブル度が増していきそうなのだ。
というのも、すでに日本株は世界的にも歴史的にも類例のない中央銀行による「買い」が株価を支える異次元状態に突入。投資家たちは日本の実体経済は悪いことをわかっていながら、「国策に逆らうな」という相場の格言に従って日本株買いに走らざるを得なくなっている。
これに加えて、今年はわれらの年金マネーも株式市場に動員される。約130兆円という巨額マネーを運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、これまで日本国債で運用していたカネを日本株投資に本格的に切り替えるため、国策に乗る投資家がさらに日本買いを進めざるを得なくなる。つまり、異常な株高が一層進展するのだ。
'15年の日経平均株価予測に「2万円」や「2万円超え」が並ぶのにはこうした背景があるのだが、ここで相場を見る際の2つ目のポイントが浮上してくる。株価は上がるが、それはバブルという作られた相場なので、少しのショックでも大きく揺らぐ不安定なものになるということだ。
世界のマーケットを見渡すと今年は株式市場に衝撃を与えるリスクイベントがごろごろ転がっている。そのため、今年の相場は、「リスクイベントが起きて株価はガクンと下落」→「日銀や年金のマネーが買い支えて再び株価は上昇」→「再びリスクイベントが起きて株価が下落」……といった風に、乱高下を繰り返しながら「2万円超え」を目指す動きとなりそうなのだ。
3つ目に押さえておかなければいけないのは、詳細は後述するが、そんなグニャグニャ上がる相場もいつまで続くかわからないということ。「6月」にあるともいう今年最大のリスクイベントが最悪の形で火を噴けば、最もバブっている日本市場こそが、世界中で最大の打撃を受けることになる。一部の市場関係者はすでに、そんな警戒モードに入っているのだ。
以上を踏まえたうえで、より具体的な株価の動きを、順を追って見ていこう。
■1月と3月にも注意!
実は1月からして、リスクイベントが目白押し。「まずはヘッジファンドの年初売りに気を付けろ」とマーケットバンク代表の岡山憲史氏は言う。
「ヘッジファンドが年初に一気に売り崩すというのはよくあるパターン。'14年の年始を思い出しても、特に目立ったイベントがないにもかかわらずヘッジファンドが売り崩しに入り、1ヵ月で日経平均を2000円以上も落としました。'89年12月末につけた日経平均の最高値3万8915円が翌年の大発会から急落した時も、ヘッジファンドの売り仕掛けがあった。株価が景気よく上がっていてみんなが安心している時ほど、投機筋は仕掛けてくる。日本株の現状から考えれば、警戒すべきといえます」
1月は欧州の動向にも注目したい。というのも、1月22日予定のECB(欧州中央銀行)理事会で、マリオ・ドラギ総裁が金融緩和策を打ち出すと見られているからだ。第一生命経済研究所主席エコノミストの田中理氏が言う。
「市場関係者の間では、ECBが欧州の国債を購入する量的緩和に踏み切る可能性が指摘されていますが、問題はそれにどれほどの効果があるのかと疑問視されていることです。欧州はデフレ化が懸念されている中で、このECBの一手が『切り札』になると言われています。逆に言えば、これに失敗すればマーケットから『もう後がない』と見られ、欧州リスクが市場を駆け巡りかねないのです」
1月の欧州では「ギリシャ・リスク」も高まる。
「ギリシャでは昨年12月に行われた大統領選がもつれ、政情不安からギリシャ国債やギリシャ株が大きく売り込まれました。現在のギリシャはIMF(国際通貨基金)などの支援を受けて持ちこたえていますが、こうした支援に批判的な急進左派連合がさらに台頭してくると、ギリシャ・リスクは一層高まる。世界の投資家がこれを警戒してリスクオフ(リスクを取らない状態)に走れば、日本株も売られる事態となるでしょう」(株式評論家の渡辺久芳氏)
次に警戒すべきは3月。中国で国会にあたる全人代が開催され、'15年の経済成長率目標が発表されるのだが—。
「'14年は7・5%としていた目標値を、今年は7%に下げると言われています。中国の首脳たちはいま、これを『7%』にするか、『7%以上』にするか考えていますが、『7%以上』と強気の設定をした場合はリスクが出てきます。マーケットが『7%割れ』はないと安心しているところに、仮に不動産バブルなどの問題が一つでも弾ければ、市場に与えるショックがより大きくなるからです。しかも、日本も欧米も中国経済への依存度が大きいため、その時は世界同時株安に発展するでしょう」(日本総研副理事長の湯元健治氏)
こうした危機を乗り越えていけば、4月の統一地方選で自民党は圧勝。アベノミクスの株高施策が続くとの期待感からマーケットは日本株買いを進めていくだろう。さらに5月には上場企業の決算ラッシュでトヨタなど大企業の「最高益」が続々と報じられ、また株高を推進させていく。
これで安倍総理は9月の自民党総裁選も「安泰」となりそうだが、話はそう単純ではない。というのも、前述した通り、「6月」に今年最大のイベントが控えているからである。
舞台は米国。米景気の順調な回復を背景に、ジャネット・イエレン議長が取り仕切るFRB(米連邦準備理事会)が9年ぶりに政策金利を引き上げる「利上げ」こそが、その最大のイベントに当たる。
「マーケットでは、利上げは6月に実行される観測となっていますが、その前から世界中の株式市場が荒れるでしょう。というのも、米国はゼロ金利政策という形で景気を刺激するアクセルを踏み続けてきましたが、利上げというのはそのアクセルを止めてブレーキを踏み込むことを意味するからです。当然、ブレーキによって車がスピンする、つまりは米国経済が失速する可能性が出てくる。投資家はシートベルトを締めなければと、株などのリスク資産に投資したカネを引き揚げるリスクが高まるのです」(岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏)
■綱渡りの果てに
昨年まで米国株式市場にマネーが吸い寄せられ、史上最高値を連続更新する活況を演じてきたが、利上げを機にこのマネーが一気に逃避しかねないということ。米国市場の映し鏡と言われる日本株市場がその影響を免れられるはずもない。
「金融緩和をするのは比較的容易ですが、緩和したものを再び正常な状態に戻すのには繊細な手綱さばきが必要になります。最悪の場合、利上げ開始後にイエレン議長がマーケットとうまくコミュニケーションできず、過度な不安が広がれば、株式市場が暴落する危険もありえるといえます」(東短リサーチ代表の加藤出氏)
世界の中央銀行はいま、金融緩和ラッシュである。日銀然り、前述したように欧州も1月に追加緩和に踏み切る可能性が高い。韓国や中国も昨年から利下げを実行している。そうした中で、唯一、米国だけが利上げに動けば、「基本的にはドル高の流れになっていく」(国際投資アナリストの小口幸伸氏)。このドル高をどこまで許容できるのかを巡り、各国当局者のせめぎ合いも活発になる。
「そこで主要各国の足並みが乱れた時は危険です。というのも、金融史を振り返れば各国の中央銀行の足並みが揃わなくなった時に、巨大な株価暴落劇が起きているからです。'87年のブラック・マンデーが起きたのも、ドイツの中央銀行と米国のFRBが違った動きを見せたことが一因にありました。今回も米、日、欧州、中国、英国の政策当局者の間で齟齬が出てくれば、ブラック・マンデーの再来が連想されるようになるでしょう」(東京海上アセットマネジメント・チーフファンドマネジャーの平山賢一氏)
そんなリスクのあることなら、利上げなどやらなければいいではないかと思うが、実はその「利上げ回避」もまたリスクとなる。平山氏が続ける。
「利上げをしないというのは、米国経済が減速している場合のシナリオです。その際には、復活してきたと思われていた米国経済に赤信号が灯るわけで、これは米国株売りにつながる。FRBはそうした事態を受けて金融引き締めどころか、再びの追加緩和に動こうとするかもしれない。しかし、いまは金融緩和に批判的な共和党が勢力を伸ばしている。となれば、新たな経済活性化は『戦争』ということにもなりかねない。米国は'30年代にも金融緩和を実施したがこれがうまくいかず、結局、第二次世界大戦に突入しました」
もちろん、イエレン議長がうまくやってのけ、ソフトランディングで利上げに成功する道も十分にありうる。米国経済は本格的に復活して世界中のマネーを吸い寄せ、日本でも円安株高の流れが加速していくシナリオだ。
「そうした中で怖いのは、原油安によって物価上昇が抑えられることを懸念した日銀が、3度目の追加緩和に踏み切って、さらに円安をふかそうとすることです。これ以上の円安は実体経済にとってマイナス面が大きくなるとわかっている中にあって、日銀が追加緩和に動けば、市場は日銀不信から株売りに走ることになるでしょう」(前出・小口氏)
膨らんだバブルの始末は容易ではない。誰かが一歩でも足を踏み外せば、全員一緒真っ逆さまに、泡沫の宴から地獄へと突き落とされる。今年はそんな綱渡りが、世界中で繰り広げられることになる。
「週刊現代」2015年1月17日・24日合併号より
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