http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/103.html
Tweet |
金融庁、銀行への立ち入り検査再開で「特定のリスク」調査 再編の“生贄”探しか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150117-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 1月17日(土)6時0分配信
金融庁の畑中龍太郎長官(当時)は昨年1月15日に全国地方銀行協会、翌16日には第二地方銀行協会に出席。居並ぶ銀行トップに向かって「業務提携、経営統合を経営課題として考えていただきたい」と異例の発言をした。金融業界関係者の間では「今年は答えを出す年にしてほしい」と強い口調で迫ったと伝わっている。昨年7月に長官を退任した畑中氏が仕掛け、同年10月に就任した後任の細溝清史氏がダメ押しの口先介入をしたことで、地銀再編にようやく道筋がついた。地銀トップは今年、その本気度が試されることになった。
すでに関東では、地銀首位の横浜銀行(横浜市)が第2地銀の東日本銀行(東京都)と2016年4月に経営統合することで合意。横浜銀が口火を切るかたちで、関東で「玉突き」再編が始まった。
今回は、地銀再編をめぐり注目すべき全国の動きを整理してみよう。
●新幹線、自動車道が縁結び
九州で銀行再編が加速する一因に、九州新幹線の全線開通があるといわれている。博多―鹿児島間を1時間強で結ぶ新幹線はヒト、モノ、カネの流れを大きく変えた。11年に茨城、栃木、群馬の3県を結ぶ北関東自動車道が全線開通する北関東では、筑波銀行、栃木銀行、東和銀行が取引先企業の支援で連携する。15年度には首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の主要部分が開通する見通しで、3県の関係が急速に強まっている。
●注目集まるオリックスの動き
足利ホールディングス傘下の足利銀行は預金、貸出で栃木県内のシェアの4割前後を確保している。足利HDの筆頭株主は野村フィナンシャル・パートナーズ、第2位がオリックス、第5位がジャフコ系のファンドだ。この3社の合計保有株の割合は50%超。足利銀行は北関東の地銀再編のカードである。オリックスが地銀再編で大きな役回りを果たすとの見方も強い。
●インターネット支店での預金獲得競争
合従連衡の大波に乗っているとはいえない北都銀行が、インターネット支店を開設した。増田銀行として発足し、1993年4月に秋田あけぼの銀行と合併。その後、羽後銀行、北都銀行と名称を変え、秋田県内で個人および中小企業との取引を拡大してきた。09年10月、北都銀行と山形県の荘内銀行がフィデアホールディングスを設立。その北都銀が14年の年末に期間限定で6カ月物定期の金利を年率0.5%とし、預金獲得競争を仕掛けた。年利0.5%の定期預金というのはメガバンクの金利の20倍である。香川銀行や荘内銀行のネット支店では1年物定期で年率0.4%だから、北都銀の大盤振る舞いぶりが話題となった。ほぼ同時期に秋田銀行もインターネット支店を開設し、年利0.5%の定期預金を目玉にしていた。
現在、銀行の貸出の伸びは思わしくない。日本銀行の金融緩和で長期金利は急降下しており、運用難は明らかだ。ではなぜ預金を集めるのか。将来の預金減少への危機感があるからだ。三大都市圏以外では10年代後半に預金の絶対額が減り始めるという予測がある。収益の源泉である預金が目減りしないようにするために、インターネット支店で高利を売りに金を集めているのだ。
●鹿児島銀行、沖縄県の市場調査着手
沖縄県の金融業界は、これまで沖縄銀行(那覇市)、琉球銀行(同)と沖縄海邦銀行(同)ですみ分けができており、九州金融業界の競争の圏外にあると思われてきた。ところが肥後銀行と経営統合する鹿児島銀行が沖縄県での支店開設を検討するため、現地に行員を派遣して市場調査を始めた。支店開設について機関決定はしていないが、もし実現すれば、沖縄県外の地銀の支店開設は戦後初めてとなる。
現在の人口は鹿児島県が166万人で沖縄県は142万人だが、35年には逆転し、その差はさらに広がる可能性も指摘されている。つまり、沖縄県は鹿児島県より大きな金融マーケットになる可能性があるのだ。現在、沖縄県にはみずほ銀行の支店と三菱東京UFJ銀行の支社があるが、地方銀行・第2地方銀行とも進出していない。83年に鹿児島銀行の前身・第百四十七国立銀行が沖縄支店を開設し、65年から86年までは沖縄事務所があったが、撤退した。鹿児島銀行の動きを、南九州の地銀、第2地銀は凝視している。
●挟撃された横浜銀行
横浜銀行が再編に動いたのは、メガバンクと千葉銀行を筆頭とする他地域の地銀に挟撃されているからだ。横浜市に本社を置く中堅・中小企業は積極的にアジアに進出しているが、海外網が強力な三菱東京UFJ銀行などのメガバンクとの情報戦で横浜銀は苦戦している。大手銀行だけではない。四国・徳島の阿波銀行までが13年夏に横浜に拠点をつくった。地銀の囲い込みの主導権は千葉銀が握っており、横浜銀行がどう巻き返すかに関心が集まる。
●金融庁、立ち入り検査再開
金融庁は地方銀行の経営統合を支援するため、グループ間で余った資金を自由に融通できるよう14年12月から規制を緩和した。これまでは、余剰資金を同じグループの一つの銀行に集めて一元運用すると、「自己資本の25%まで」とする規制に抵触する懸念があった。昨年12月1日から、経営効率化の目的にかなうことを条件に、銀行間の大口資金の移動を自由に認めるようにした。
この規制緩和により、資金需要が旺盛な都市部の銀行を傘下に持つメリットが大きくなる。金融庁は15年前半に地域金融機関に対する立ち入り検査を再開する。地方銀行の監視体制を抜本的に改めてからの初めての検査となる。特定のリスクに焦点を当てた検査を行う予定という。
この検査で新しいリスクをあぶり出された地銀、第2地銀が再編の生贄になるとの見方も浮上している。「あくまで統合・合併は手段」(田口幸雄・岩手銀行頭取)という平和な時代は去り、地銀業界には容赦ない再編の波が押し寄せている。
編集部
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。