http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/843.html
Tweet |
「企業支配」の懸念焦点 公的年金の株直接投資解禁 銀行並み上限5%案
厚生労働省が検討している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式の自主運用の解禁を巡る調整が難航している。直接株式を持てば株主総会で議決権を行使し、「企業支配につながる」と産業界が警戒しているためだ。企業経営への影響を抑えるため、厚労省はGPIFが直接保有できる株式を1社につき最大5%に制限する案の検討に入った。
公的年金の積立金を運用するGPIFの組織・運用改革案は社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で2015年12月から議論している。柱は現在は禁じている自主運用の解禁でコストを抑える狙いだ。GPIFは自主運用で委託先金融機関に払う手数料など年10億円を削減できると試算する。
当初は1月中にも結論を出す方針だったが、2月にずれ込む。GPIFが議決権を行使すれば「国家の企業支配につながる」と懸念する意見が審議会の複数の委員から出たためだ。
銀行については産業支配を避けるため、保有できる一般事業会社の株式を原則5%までに銀行法で抑えている。懸念を踏まえ厚労省はこの基準を参考にGPIFが保有する株式比率を制限する考えだ。審議会で合意した後、今国会にGPIF法改正案の提出を目指す。
GPIFは15年3月時点で約32兆円の国内株を持ち、国内市場の7.6%を占める投資家だ。運用委託先の金融機関を通じて株式を取得している現在は議決権の行使を委託先に委ねている。株式を直接保有すれば議決権もGPIFが持つ。
株式を多く持てば要求できることが増える。3%以上持てば株主総会の開催を要求でき、10%以上持てば企業の解散を提案できる。過半数を握れば全ての重要案件を決めることができる。厚労省はGPIFの保有比率を抑えることで企業への影響力を抑える。
一方、議決権の行使は認める方針だ。政府は機関投資家向けの行動原則で議決権の行使を促し、投資家に経営状態の悪い企業を放置しないよう求めてきた。海外の機関投資家は日本企業のガバナンスに関心が強い。ワシントン州投資委員会エグゼクティブ・ディレクターのテレサ・ホイットマーシュ氏は「議決権を制限すれば投資家は失望する」と警告する。
厚労省はGPIFの議決権行使で政治介入が起きないよう外部委託を検討する。購入株式の議決権行使の指針を作り、委託先の信託銀行にそれに基づく行動を求める日銀を参考にする。カナダやオランダ、スウェーデン、韓国など公的年金の自主運用を認める国は多い。ノルウェー政府年金基金は会計不祥事を起こした東芝の株主総会で一部取締役の選任に反対した。
[日経新聞1月27日朝刊P.2]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民104掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。