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「学歴別」平均年収ランキング 東大631万円、早大548万円、お茶大452万円……
http://president.jp/articles/-/17213
2016年1月27日 PRESIDENT
■偏差値上位校でも年収が低い理由
あいつはいくら給料をもらっているのか――。給料で人生における幸福度が決定されるわけではないが、誰でも一度くらいは他人の給料を知りたいと思ったことがあるだろう。ランキングの表は、2013年10月〜14年9月末に転職サービスDODAに登録した人の年収を基に作成した「卒業大学別平均年収ランキング」である。これに『2016年度用大学受験案内』(学研)を基に各校の偏差値を加えた。年収データは、DODA登録時の「現在の就労先の年収」なので、まさに今、各大学の卒業生が「いくらもらっているのか」がランキングに表れている。
1位から20位くらいまでは、厳密に偏差値順とは言えないものの、納得の有名大学が名を連ねている。
「ランキング上位校の顔ぶれは、20年以上ほとんど変わっていません」と語るのは、ランキングデータの分析を行うインテリジェンスのDODA編集長・木下学氏だ。大手企業には、社風のごとく「○○大学出身者が多い」「一部の有名大学出身者で占められている」というケースも珍しくなく、高給取りの彼らの年収が卒業生の平均を押し上げているのだという。
「もうひとつ理由として考えられるのは、ランキング上位校出身者のほうが、仕事上の実績を残す傾向にあること。転職においては前職での実績が重視されるので、実績があれば年収の高い企業への転職が叶い、結果的に卒業生の平均を押し上げることに」(木下氏)
仕事の能力は偏差値に比例するものではないが、過酷な受験を勝ち抜いてきたガッツや勉強に対する前向きな態度は、必ず仕事にも生きてくる。相対的に有名大学出身者が仕事で結果を残すケースが多くても、不思議ではないと言えるだろう。
全体に納得感のあるランキングだが、1位の東京大学は631.5万円で、94位の千葉工業大学は443.6万円。約190万円は決して小さな差ではないが、「もっと大差があるはず」と予想していた人も多いのではないだろうか。木下氏は次のように語る。
「どんな有名企業も、新卒時の初任給はほぼ横並び。20代後半から徐々に年収の差が開いていきます。調査対象者の平均年齢が33歳と比較的若いので、多くの人のイメージよりも全体に平均年収が低く、上位と下位の差も小さいのでしょう」
40代、50代の卒業生に限ってランキングを構成すると、また違った結果が見えてきそうだ。
■早慶戦は慶應同立戦は同志社の勝ち
さらに細かく見ていくと、いくつか「おや」と感じさせるポイントがあった。たとえば、旧帝大や早慶以外で上位に入った、6位の電気通信大学や11位の豊橋技術科学大学、23位の芝浦工業大学など理工系大学の存在だ。
「急に順位を上げる大学は理工系ばかり。特に情報系や建築系学部に強い大学です。近年、IT系業界に限らずIT技術を使う職種は増えていて、需要も高まっています。人材不足により年収が上がる仕組みです」(木下氏)
逆に、文系学部に偏っていたり、女性が多かったりすると、偏差値の割に順位が低いという。女性は出産でキャリアが断たれたり、時短勤務になったりすることもあるからだ。78位のお茶の水女子大学などがその典型だろう。
もうひとつ意外だったのは、関東・関西を代表する私立大学の差である。5位の慶應義塾大学と12位の早稲田大学では、約40万円の差が。同志社大学と立命館大学にいたっては、年収約45万円の差に加え、順位も50位近く引き離された。偏差値も近い2校に、なぜこんな差が生まれたのか。
「立命館の順位が低く、年収も低めなのは、近年新設学部が多いせい。卒業生の平均年齢が若く、それによって平均年収も下がっているんです。慶應と早稲田は学部構成にも偏差値にもほとんど差がないので謎ですね」(同)
ただ、慶應SFC卒業生の活躍を耳にする機会は多いという。そのあたりが差の理由か。
成績上位校は安定して年収が高く、情報系や建築系学部は引く手数多。将来的なことを考えれば、子どもにはそのどちらかを選択させると安心だろう。ただし、木下氏も言うように、転職の際は実績重視。学歴はほとんど関係ない。すでに社会に出ている我々は、今いる場所で結果を出す以外、年収を上げる道はなさそうだ。
大高志帆=文
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