日本株続落後にプラス浮上、金融が軟調−輸出一角は堅調、為替安定 2016/01/19 09:31 JST (ブルームバーグ):19日の東京株式相場は続落して始まったものの、その後はプラス圏に浮上した。国際原油市況や欧州株の下落を受けたリスク回避売りで、銀行や保険など金融株、食料品株が軟調。半面、為替が落ち着きを見せる中、機械や輸送用機器、その他製品、ゴム製品など輸出セクターは相対的に堅調だ。きょうの中国では重要統計の発表が重なり、持ち高を一方向に傾けにくい面もある。 TOPIXの始値は前日比5.48ポイント(0.4%)安の1382.45、日経平均株価は53円28銭(0.3%)安の1万6902円29銭。日経平均は一時下げ幅が100円を超えたものの、その後は持ち直し。TOPIXもプラスに転じた。 ロンドン原油市場で18日、北海ブレント原油先物は12年ぶり安値付近で取引され、一時1バレル=28ドルを割り込んだ。世界的に原油供給が過剰となる中、イラン経済制裁の解除で同国産の原油輸出拡大へ道が開けた。ニューヨーク原油先物は電子取引で一時3.6%安の28.36ドル。 18日の欧州株は銀行セクター中心に売られ、ストックス欧州600指数が0.4%安と3日続落し、2014年12月以来の安値で引けた。米国は、キング牧師生誕記念日の祝日で休場だった。 SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「セリング・クライマックスのようなあく抜け感がいま一つ見られない。もう少し商いが強烈に増えれば、見方も変えられるが、まだ出てきていない」と指摘。一方、きょう発表される中国の昨年10−12月期国内総生産(GDP)については、「これまで人民元安、中国の株安が市場心理を委縮させた。事前予想から極端に弱い内容でなければ、大体織り込んだという雰囲気になるのではないか」との見方を示している。 中国GDPの市場予想は前年同期比6.9%増、7−9月期は6.9%増だった。同国12月の小売売上高、工業生産も発表される。 一方、けさのドル・円相場は1ドル=117円50銭付近と、前日の日本株市場の終値時点117円18銭に比べやや円が弱含みで推移している。 東証1部33業種はその他製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、倉庫・運輸、パルプ・紙、鉄鋼、機械、輸送用機器、精密機器が上昇。 銀行や食料品、保険、建設、水産・農林、電気・ガス、その他金融、不動産、鉱業は下落。売買代金上位では、アナリストによる投資判断引き上げの材料があった任天堂が急伸。富士重工業やさくらインターネット、パナソニック、IHI、パーク24、シャープ、リクルートホールディングスも高い。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井不動産、JT、楽天、信越化学工業、大和ハウス工業は安い。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎 更新日時: 2016/01/19 09:31 JST 株安、日本の努力でどうにもならない部分もある=甘利経済再生相 [東京 19日 ロイター] - 甘利明・経済再生相は19日午前の閣議後会見で、日経平均株価の1万7000円を割れについて「基本的に外生的要因」とし、中国や新興国、原油安を理由に挙げ「日本の努力でどうにもならない部分がある」との見方を示した。 甘利経済再生相は「原油安と株安の関係は密接にある」とも指摘。「産油国が売却する金融資産の中には日本株もかなり入っているはずなので、原油価格が下がりすぎると日本経済に影響する」と説明した。 一方で「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしている」と述べた。 株安によるGPIF(年金積立金管理運用・独立行政法人)の運用への影響については「長期に運用するものなので、過剰に反応する必要はない」との認識を示した。 (竹本能文) http://jp.reuters.com/article/amari-stock-oil-idJPKCN0UX00X 現段階で右往左往するような話ではない=市場不安で麻生財務相 [東京 19日 ロイター] - 麻生太郎財務相は19日の閣議後会見で、市場不安について「日本経済のファンダメンタルズは全然悪くない。今の段階で右往左往するような話ではない」との見方を示した。 中国経済の先行き不透明感が強まる中、同国の問題は「目先で治るような話ではなく、国内の構造上の問題」と指摘した。 http://jp.reuters.com/article/aso-china-stock-idJPKCN0UX009 イランの制裁解除で石油価格さらに下がる可能性=麻生財務相 [東京 19日 ロイター] - 麻生太郎財務相は、19日午前の参院予算委員会で、世界経済の動向について「今後も、緩やかに(回復の流れが)続いていく」との認識を示した。 また、イランの経済制裁解除で「石油価格がさらに下がる可能性を秘めている」との認識を示した上で、「国際社会と連携をとり、経済の好循環を確固たるものにする。市場(動向に)右往左往するつもりはない」と語った。阿達雅志委員(自民)への答弁。 http://jp.reuters.com/article/aso-idJPKCN0UX01R 円が全面安、日本株の底堅い展開で売り圧力−対ドル117円台後半 2016/01/19 10:26 JST (ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が下落。ドル・円相場は1ドル=117円台後半で推移している。中国で国内総生産(GDP)など主要な経済指標の発表を控え、結果を受けた株価や人民元相場の動向が注目される中、日本株の底堅い展開を背景に円売り圧力が掛かっている。 19日午前10時25分現在のドル・円相場は117円61銭付近。円は主要16通貨に対して全面安となっており、対ドルでは一時117円66銭と2営業日ぶりの水準まで下げている。東京株式相場は日経平均株価が続落して始まった後、上昇に転じる場面が見られている。 三菱UFJ信託銀行資金為替部・為替市場グループの市河伸夫グループマネージャーは、日本銀行の金融政策決定会合を来週に控え、「緩和期待が徐々に高まりつつある」と言い、株価が戻していることもドル高・円安につながっていると説明。ただ、「テクニカル的には118円台前半が重いほか、中国GDPなどの指標が予想を下回る結果となった場合には、ドル・円は昨年8月安値116円18銭割れを試すことになりそうだ」と話す。 中国ではこの日、昨年10−12月期のGDPのほか、12月の鉱工業生産や小売売上高が発表される。上田ハーローマーケット企画部の小野直人氏は、中国の指標結果が「市場予想並みないしは強含みの着地となれば、安堵(あんど)感からいったんリスクオフの動きが巻き戻され、ドル・円は118円台回復を試す局面がありそうだ」と見込む。一方で、「中国からの資金流出懸念や先行きの見通しがすっきりしないため、一気にリスクオンムードが広がるとの期待も膨らみづらく、円の下値も限定されるだろう」と言う。 一方、18日は米国市場が休場の中、欧州株式相場が3営業日続落。指標のストックス欧州600指数は約1年ぶりの安値を付けた。また、ロンドン原油市場で北海ブレント原油先物は12年ぶり安値付近で取引され、一時1バレル=28ドルを割り込んだ。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.0942ドルを上値に一時は1.0869ドルまでユーロ安が進み、この日の東京市場では1.08ドル台後半で推移している。 小野氏は、「中国発の材料を無難に通過した後は、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)やドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表する独景況感指数(期待指数)へ目線が移る」とみる。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:山崎朝子 tyamazaki@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典 更新日時: 2016/01/19 10:26 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O167U56K50XZ01.html
榊原元財務官:ドル110円まで円高の可能性、今年の世界経済は「乱」 2016/01/19 08:47 JST
(ブルームバーグ):世界経済の先行き不透明感を背景に進む円高。1990年代に「ミスター円」と呼ばれた元財務官の榊原英資青山学院大学教授は、円は対ドルで110円程度まで上昇する可能性があるものの、日本の輸出企業に打撃を与えるには至らないとみている。 「要注意どころではなく、相当深刻な状況になってきた」。榊原氏(74)は15日のインタビューで、天然資源価格の下落を背景に陰りが出てきた世界の経済環境をこう表現。米連邦公開市場委員会(FOMC)が先月始めたばかりの利上げは「今年中に終わる可能性すら出てきている」と指摘し、「安全な通貨として円が買われ、さらに円高が進む可能性がかなりある」と語った。 榊原氏によると、ドル・円相場のレンジは昨年の1ドル=120−125円から115−120円に変わってきている。今後は115円より円高になる可能性が120円を下回る円安の可能性より高く、「6カ月から1年で110−115円になる可能性が高い」と言う。仮に、「105円でも政治的に問題ではない。100円を切らない限り、問題にはならない。105円や110円なら、日本の輸出企業の競争力は十分強い」と述べた。 ニューヨーク原油先物相場は1バレル=28ドル台を付けるなど、2003年以来の安値水準で推移。ブルームバーグ商品指数は過去最低を記録している。第2次安倍晋三内閣の発足前は1ドル=80円前後だった円は昨年6月に125円86銭と13年ぶりの安値を付けたが、先週15日には116円51銭まで上昇した。主要16通貨に対する円は今年に入って全面高となっている。 日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、12月調査)によると、大企業・製造業が事業計画の前提とする想定レートは今年度下期に118円。主な貿易相手国の通貨に対する円の総合的な強弱を示す名目実効為替レートは97.49と14年10月末の追加緩和より前の水準まで上昇している。 通貨オプション市場では、ドルと円の需要格差を映すリスクリバーサル(3カ月物)が18日にマイナス1.8225%と13年7月以来の水準に低下。ドルを売って円を買う権利の需要が、ドル買い・円売りを上回っている。米商品先物取引委員会(CFTC)の統計では、ヘッジファンドや大口投機家による円の買越幅が12日時点で2万5266枚と12年10月以来の高水準となった。 榊原氏は世界同時株安の基本的な原因は、米シェール産業の供給増や中国経済の減速による需要減を背景とした石油や天然ガス、鉄鉱石など「天然資源価格の全般的な暴落」だとみる。「今のところ、止まる気配がない。全然、底を打たないため、市場が動揺している」と言い、資源安は「日本などの輸入国には短期的には恩恵をもたらすが、中期的には影響を受ける」と述べた。 世界経済を支える2本柱の一つであるBRICs諸国のうち、ロシアやブラジル、中国が崩れてきたため、先進国にも悪影響が及ぶとの思惑から「まず株価が崩れた」と、榊原氏は説明。今後は日米欧とも実体経済の「GDP(国内総生産)や貿易などに影響が出てくる」と言い、「今年の世界経済は非常に不透明で、漢字一文字で表すと『乱』だろう」と語った。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:山崎朝子 tyamazaki@bloomberg.net 崎浜秀磨, 山中英典,青木勝 更新日時: 2016/01/19 08:47 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O15JBG6TTDS001.html
債券は反落、5年債入札で売り優勢−長期金利0.2%割れへの警戒感も 2016/01/19 10:32 JST (ブルームバーグ):債券相場は反落。長期金利の0.20%割れに対する警戒感に加えて、今日の5年利付国債入札に向けた売りなどが優勢となっている。 19日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比4銭安の149円63銭で取引を開始し、一時は149円61銭まで下落した。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.21%で開始した。14日に過去最低水準となる0.19%まで低下した後、売りが優勢になって水準を切り上げ、15日には0.25%まで上昇する場面があった。新発5年物の126回債利回りは0.5bp高い0.015%で推移している。 岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、債券相場について、「今日5年債入札、21日に20年債入札を控えており、横ばい圏ながら小幅安となっている。先物が最高値を更新し、新発10年債利回りは過去最低を更新した後で、20年債入札通過まで上値を買っていく環境にもなりにくい」と話した。「中国の国内総生産(GDP)は予想通りの数字が出るのではないか。結果を受けて中国株の動きが注目される。ただ市場の大きな反応はないのではないか」とも述べた。 ブルームバーグの予測調査によると、今日午前に発表される中国の昨年10−12月期GDPは前年同期比6.9%増が見込まれている。7−9月期は6.9%増だった。 5年債入札 財務省はこの日午前10時半から、5年利付国債の価格競争入札を実施。前回の126回債のリオープン発行となり、表面利率は年0.1%に据え置き。発行額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。 5年債入札について、岡三証の鈴木氏は、「国内勢にとって魅力はないが、海外勢を中心に安全資産としての需要が入り、無難に通過するのではないか」と述べた。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典 更新日時: 2016/01/19 10:32 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O14YN16JTSE801.html
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