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三菱重工業の長崎造船所
日の丸造船、遠のく祖業復活 三菱重工など相次ぎ特損…「海」に潜むリスク
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160115-00000000-biz_fsi-nb&ref=rank
SankeiBiz 2016/1/16 08:15
三菱重工業、川崎重工業、IHIの造船重機3社が“海”の事業に泣かされている。各社とも航空機事業が好調な一方、大型客船や海底油田で掘削を行うドリルシップ(資源掘削船)を建造する造船事業で特別損失を計上、業績の足を引っ張っている。三菱重工は大型客船の建造に関する特損が計1645億円に膨れ、客船事業から撤退する可能性もあり、祖業復活が遠のいている。
「勉強不足で船のスペックの読み方が不十分だった。大きな反省だ」。三菱重工の宮永俊一社長は米カーニバル傘下の「アイーダ・クルーズ」から受注した豪華客船2隻の建造についてこう語る。
同社は2011年、約10年ぶりに大型客船2隻を受注した。約12万5000総トン、長さ約300メートル、幅37.6メートル、約3300人乗りで、「洋上のホテル」と呼ばれる巨大客船だ。
韓国や中国勢が追い上げる中で、付加価値の高い豪華客船の建造にシフトし、祖業を復活させる狙いがあった。だが経験不足がたたり、顧客から度重なる設計や資材変更を求められ、昨年3月に予定されていた一番船の納入は3度延期されている。
昨年12月中旬には、建造する長崎造船所の香焼工場(長崎市)を宮永社長が視察に訪れて完成間近とみていた。年明け1月12日に一番船で火災が発生して納期遅れが心配されたが、4月30日に予定されるクルーズへの影響はないとしている。ただ、追加の特損を計上する可能性もある。
大型客船の受注額は1000億円程度とみられるが、三菱重工の特損の計上額はこれを大きく上回り、高い授業料となった。大型客船の市場は成長が期待されているが、桁違いの損失を出すリスクもある。今後について、宮永社長は「2隻の納入が終わってから考える」とし、“撤退”の2文字もよぎる。
一方、川崎重工とIHIはブラジルの造船事業で特損を計上した。ドリルシップを使う予定だった国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職問題で、現地の事業が止まっているためだ。
川崎重工は14日、現地の合弁会社からの資金回収が困難となり、15年10〜12月期連結で221億円の特損を計上すると発表した。16年3月期連結で最終利益が3期連続で過去最高を更新する見通しだったが、達成が難しくなった。担当役員も責任を問われ、降格が決まった。
IHIは既に15年3月期連結決算でブラジルの造船所からの未回収金で290億円の特損を計上している。9月の中間決算でも海洋の石油生産設備の設計変更などで損失を出した。同社は今年度、中期経営計画の目標を達成する見通しだったが、この損失で頓挫した。
造船業界は韓国や中国勢が力をつけており、日本勢が生き残るには技術力を高め、難易度が高い建造にチャレンジするしかない。大和証券の田井宏介チーフアナリストは「経験を積み、大きな損失を出さない運営ができるかが重要だ」と話す。
三菱重工が手掛ける大型客船は、世界でも建造できるのは数社。ドリルシップの建造は韓国勢も苦戦しているという。壁を乗り越えれば活路が見いだせるが、リスクも大きい。3社とも造船事業のかじ取りに悩まされている。(黄金崎元)
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