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中国の外貨準備縮小、米国債利回り上昇させず−景気懸念が需要支える
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O0S2TK6S972B01.html
2016/01/11 18:55 JST
(ブルームバーグ):中国の前例のないペースでの米国債売却は米国債相場にとってマイナスー。そう考えるのは簡単だろう。特に金融危機後の米国の財政赤字を埋める上で、中国の外貨準備が米国債に流入してくることは大きな支えであったからだ。しかし同国の外貨準備が減少する今、米国債投資家に心配の必要はない。
中国の売りは短期的に米国債需要を後退させるかもしれないが、同国が景気を支えるために外貨準備を取り崩しているということ自体が世界経済のリスクを浮き彫りにし、長期的には米国債への資金逃避を促すと、ステート・ストリートとブラックロックは予想する。中国からの需要が減退しても、その分を米投資信託が買うことによって米国の借り入れコスト上昇が回避されるというわけだ。
ステート・ストリートの北米マクロ戦略責任者、リー・フェリッジ氏は「中国は外貨準備を減らしており、米国債はその外貨準備の大きな部分を占める」とした上で、それでも米国債の需要は高まるとの同社の見方を示した。「中国が減速するなら、成長は一体どこから生じるのか。そういう不安を多くの人が2016年に入るに当たって、抱いてきている」と指摘した。
この不安を背景に、年初の中国株急落の中で米国債相場は上昇。10年債利回りは8日に2.12%と、2015年末の2.27%から低下していた。
米財務省の最新のデータによれば、中国は2015年1−10月に米国債保有を約1870億ドル減らした。中国人民銀行(中央銀行)は同年12月に人民元下落や資本逃避を抑えるために外貨準備を取り崩しており、米国債保有は通年で減少したとみられる。これは歴史上、初めてのことだ。
しかしそのような需給問題よりも、中国経済減速の方が米国債市場に重大な影響を持つとブラックロックは考える。
同社の債券投資チーフストラテジスト、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は「テクニカルな要素にばかり注目すれば木を見て森を見ないことになる」とし、中国が米国債を売っていることで「人々は不安になり、質への逃避が起こる。そこから米国債への需要が生じる」と話した。
原題:China Retreat From U.S. Bonds Prompts Shrugs Where Fear Reigned(抜粋)
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