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「損」を恐れすぎると、結果「損」をする!?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160109-00016964-president-bus_all
プレジデント 1月9日(土)13時15分配信
損をしたくないと思うあまり、知らぬ間に損をしていることがある。どうしたらその損を減らせるのか。行動経済学に沿って自分の数字力をチェック。
Q. 次の3つの新聞購読プランの中で選ぶとしたらどのタイプ?
[1]ネット版のみ 2000円
[2]印刷版のみ 5000円
[3]ネット版+印刷版 5000円
A. 「おとり効果」の罠にはまっています
選択肢の[3]はネット版と印刷版の2つ合わせて通常なら7000円のところ、2000円引きの5000円という価格設定です。
実際にこの質問をあるグループに対して行ったところ、[1]は16%、[2]は0%、[3]は84%という結果になりました。[3]を得だと感じる人が多く、[2]を選んだ人はいませんでした。
ところが別のグループで[1]と[3]の2つの選択肢だけで質問を行うと、[1]は68%、[3]は32%と大きく異なる結果が出ました。最初のグループへの質問で[2]を選んだ人は0人でしたから、普通に考えると[2]という選択肢を設けなくても結果は変わらないはずです。
結果に違いが出たのは「おとり効果」が理由です。[1]と[3]だけの比較ではどちらが優れているかわかりにくい。そこに[2]という、[3]との比較が容易で、明らかに劣った選択肢を示すことで、[3]が圧倒的に選ばれたわけです。この場合の[2]はおとりなのです。
以上、行動経済学から人間が非合理的な判断をしやすい場面とその理由を紹介しました。非合理な判断による損を回避するには、必要以上に損を恐れないこと、前述したように市場価格を調べること、そして買い物にルールを設ける「ルール化」が有効です。
たとえば買いたいものがあってもすぐ買わず、1週間後に判断する。それで最高の選択ができるどうかかはわかりません。お得な商品を逃してしまう結果になるかもしれませんが、少なくとも損が拡大することはなくなります。
▼もう1問応用問題にTRY!
Q. 旅行代理店で同じ値段のプラン「パリ7日間」と「ローマ7日間」で迷っていたら店員が「実はローマのプラン、今週からお値段据え置きで朝食が付くようになりました」と教えてくれたのでローマに決めた。この判断は合理的か。
A. 合理的でない。どちらの都市が旅行してより楽しめるかで判断すべき。
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大江英樹(おおえ・ひでき)
1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングなどに従事後、2012年オフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。日本経済新聞電子版で「投資賢者の心理学」連載、その他『定年楽園』『その損の9割は避けられる』など著書多数。近著に『老後貧乏は避けられる』。
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大江英樹=監修 宮内 健=構成 getty images=写真
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