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円高局面入りか?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52759270.html
2016年01月07日 在野のアナリスト
サウジがイエメンにあるイラン大使館を空爆し、イランが非難しています。サウジは反体制派が拠点にしていた、と説明しますが、真偽は不明です。こうした中東における緊張は、原油高要因になりかねませんが、現実にはそうなっていません。むしろ中国の景気不安から、需給バランスが崩れている面が、市場には暗い影を落としており、原油安に歯止めがかかりません。
中国が人民元の基準をさらに下げ、それが景気不安となって朝からサーキットブレイカーが発動。終日、株の取引が停止されていますが、それを補完するように中国の外貨準備が昨年末で3.33兆$と、年間を通じて5000億$以上減ったことが明らかとなっています。8月以降、資本流出に対抗するため、外貨準備をとりくずす形が鮮明ですが、ここに来て更なる取り崩しを強いられていることは想像に難くなく、中国のいう余力は確実に目減りしつづけている、と言えるのでしょう。
そんな中、円が対ドルで117円台に入ってきました。一部ではリスクオフの円買い、という話もありますが、それはステレオタイプの判断と言えるのでしょう。北朝鮮の核実験で円買い、というのはリスクオフの観点からは不自然です。一部では118.2円を防衛ラインとし、突破されると逆三尊、つまり弱き相場入りになるとみていましたが、そこをあっさりと抜け、弱気ムードが台頭した、というのも若干説明には弱い。むしろこの円高は、我慢の限界という面が強いとみます。
まず原油安は円高要因です。貿易赤字が解消され、円買い需要が強まるためですが、原油が高値から3分の1になるまで、為替に影響はなかった。またこれまで円安で増える海外売上げの見かけの効果にしても、円買い需要は広がらなかった。日米の金融政策の方向性の違い、というマネーの事情があったにせよ、ここまで円安一辺倒になるほど、実需の取引は弱くなかったのです。
海外の売上げを円に還元しない、また海外M&Aにつかう。年金のように海外市場に投資する額を増やす、という行動により円安が維持されてきました。しかし政府からは設備投資、賃上げ要請が増え、国外の資金をもどす必要が生じた。また年金は弾を撃ちつくし、海外経済の不安定さから投資を増やすこともなくなり、円売りの実需の玉が減り、逆にマグマのように溜まり続けてきた円買いが、チャート形状からもこの先の円安が見通せず、今の内にと我先に、と出てきたことがこの円高局面なのでしょう。それはリスクオフではなく、モラルオンなのかもしれません。
円安の方が都合いい人たちが、こぞって円安のままでいるよう、円買いを止めていた。しかしこの先、円安にならないなら、出遅れは見込んでいた収益が目減りすることを意味します。3月いっぱいの為替予約はもう済んでいる、ともされますが、半年後を見越して円買いを入れておくことは避けられません。円安大相場の終わり、は意外なほど脆かった、ということかもしれません。
昨晩はFOMC議事録が発表となり、予想外にハト派な印象だったことも、日米の金融政策の違いが見出しにくくなった一因でもあるのでしょう。日銀は、次に緩和を打っても五分五分、もしかしたらもう少し悪い確率で、失敗が濃厚です。FRBも利上げペースが緩慢となれば、年4回の利上げを織りこむ市場からみると、期待外れとなります。円安要因の剥落は、企業業績の悪化につながり、株価にも悪影響となる。3ヶ月程度の循環で、楽観と悲観をくり返してきており、9月以後の強気相場の分を一気に吐き出している。それは円買いと同じで、我慢してきた層にとって、都合の悪いことが次々と起きていることが要因となっています。中国の人民元安誘導を、輸出の増加を目的に…などと説明することも、最早ステレオタイプと言えるのでしょう。通貨安が貿易量に与える影響は、それほど大きくないことは日本の事情からも明白であり、マネーの流れから見える通貨の価値は、今ほど見え難くなっていることだけが、これらの動きから分かることなのでしょうね。
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