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ソフトバンクの店舗(「Wikipedia」より/Kirakirameister)
ソフトバンクの危機…売上高を上回る巨額借金、孫社長とアローラの対立懸念も
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13165.html
2016.01.06 文=編集部 Business Journal
ソフトバンクグループ(SBG)は2015年、税金やインド投資などにおける利点を考慮し、英国へ本社を移転することを真剣に検討していたと同年12月26日付朝日新聞が報じた。同紙によれば、移転したとしてもインドの投資先から収益を得るのはかなり先のことになりそうなので、ひとまず「時期尚早」として断念したという。さらに、MBO(経営陣による自社買収)も検討していたと、15年9月11日付米通信社ブルームバーグが報じている。
SBG社長の孫氏は15年8月6日、4〜6月期決算発表の席上で「一時スプリントの経営に自信をなくしていた。スプリントは場合によっては売却も含めて選択肢として考えようかと思った時もあった」と心境を吐露した。ただ、現在は「売却する意思はまったくない」とも述べた。7月に持ち株会社体制に移行する過程で、英国への本社移転、MBO、スプリントの売却など、さまざまな案を検討していたことが、報道や孫氏の発言から透けて見えてくる。
15年7月1日、グループを統括する持ち株会社SBGが誕生した。旧ソフトバンクがその前身で、旧ソフトバンクモバイルなど国内通信事業会社4社を合併させ、社名をソフトバンクとした。SBGは海外投資を、ソフトバンクは日本国内の通信事業を担うという体制に改めた。
■インド投資
SBG副社長のニケシュ・アローラ氏が海外投資を担当する。インド出身で米グーグルのビジネス部門の最高事業責任者を務めていた。孫氏が自ら「最重要の後継候補」としてスカウトした。15年3月期に総額165億5600万円の報酬が支払われたことが話題を呼んだ。
アローラ氏は15年8月19日、600億円分の自社株を購入すると発表した。「個人としてもソフトバンクグループの将来性に賭けた」とコメントした。アローラは14年9月、ソフトバンクに入社。米国にある戦略子会社でM&A(合併・買収)が業務のソフトバンク・インターネット・アンド・メディア(SIMI、現SB Group US)のCEO(最高経営責任者)に就いた。SIMIの設立は14年9月。アローラ氏を迎えるために用意した会社である。
孫氏は14年10月にインドを訪問した折り、モディ首相など要人と会談。インドに今後数年間で1兆円以上を投資するとの考えを表明した。これを受けアローラ氏率いるSIMIはインドのインターネット通販会社、配車システム会社、不動産仲介会社に投資していずれも筆頭株主になった。
15年6月22日、ソフトバンクとインドの複合企業、バーティ・エンタープライゼズ、台湾の電子機器受託製造大手・鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)の3社は、インドで再生可能エネルギー事業を進める合弁会社を設立することで合意した。新会社を通じインドの太陽光発電事業に200億ドル(1ドル120円換算で2兆4000億円)投資する。
SBGは15年12月15日、インド南東部に建設予定の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を落札したと発表した。発電能力は35万キロワット。総事業費は500〜600億円で17年の稼働を目指す。
■路線転換
SBGは戦略を転換した。スプリント買収の挫折で、インドへの投資に軸足を移した。ソフトバンクのビジネスの原点である投資会社に戻る。
SBG成長の起点は、米ヤフーへの投資だった。設立したばかりの同社に115億円を出資。同社の株価は一時3兆円もの含み益を生むまでにはね上がった。高騰した同社株が、その後の投資の軍資金となった。当時、M&Aの軍師を務めたのが野村證券からスカウトした北尾吉孝氏(現SBIホールディングス社長)だった。
2000年には、銀行界の伝説的ディーラーといわれた富士銀行元副頭取の笠井和彦氏を三顧の礼をもって迎えた。笠井氏は「結果を出さないと社会から評価されない」と考え、業績を重視した。投資拡大路線に決別し、通信に投資先を絞り込んだ。北尾氏はソフトバンクを去った。
04年の日本テレコム、06年のボーダフォン日本法人(いずれも現ソフトバンク)、13年のスプリントなど、通信会社の巨額買収が相次いだ。「自分の頭と時間の90%以上を通信事業に集中した」と孫氏が述懐していた時期だ。
スプリントを子会社化したのは、スプリントが業界4位のTモバイルUSを買収して合併することが前提だった。3、4位連合で一気にトップの座に駆け上がる、という遠大な野望があった。米当局が寡占化につながるとして買収計画を認めなかったことから、14年8月、TモバイルUSの買収を断念した。TモバイルUSを買収できなかったことで「携帯電話で世界一になる」というSBGの計画は潰え、スプリントの業績は悪化した。スプリントの買収に失敗したことで、ネット分野への投資に軸足を移した。
中国電子商取引のアリババ集団への投資が成功体験として残っている。計105億円出資したアリババ集団は14年9月、ニューヨーク証券取引所に上場。筆頭株主のソフトバンクは7兆円以上の含み益を得た。アローラ氏を軍師に迎え、インドでの投資へと路線を戻した。インド市場でアリババのような金の卵を産む成長企業を探す。
旧ソフトバンクの株価はスプリントを買収し世界的な通信会社なるとの期待から、13年12月27日に9320円の高値をつけた。これが過去10年間のピーク。2年後の15年12月29日の終値は6127円。13年の高値から34%も安い水準だ。スプリントの業績悪化が株価下落の主な原因である。
スプリントの買収で積み上がった有利子負債は11兆8918億円(15年9月末時点)。売上高8兆6702億円(15年3月期)を上回る異常な水準だ。借金の重圧が株価の頭を押さえている。16年にスプリントを保有したまま、株価を反転させる秘策はあるのか。
アローラ氏は出資した企業の株式を計画的に売却して、リターンを得るオーソドックスな手法を取り、投資家の常道を歩んでいる。これに対してSBGはいったん買った会社は売らない。「スプリントの売却をめぐり2人が衝突するのは時間の問題」(金融筋)と見る向きも少なくない。
(文=編集部)
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