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韓国財閥が大慌て、「このままでは潰れる!」
東洋経済オンライン 1月4日(月)15時0分配信
韓国を代表する企業たちの動きが尋常ではない。「このままなら潰れてしまう」という危機感が覆い、すべての大企業が大規模な構造調整を始めている。政府からの圧力からそうしているのではない。主力事業以外を果敢に切り取り、グループ会社の統廃合や大規模な人員削減さえ実施するなど、体質改善に集中している。また、不確実ではあるが将来の収益源に対する投資にも積極的だ。
財界の構造調整では、サムスングループが一歩抜きん出ている。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が「ニュー・サムスン」を唱えて始まった変化だ。
サムスン電子を中心にIT、金融、バイオがニュー・サムスンの3つの軸になる。特に、新事業として最近目立つのは「スマートカー」と呼ばれる自動車電装部品事業。サムスンSDIはドイツのアウディと次世代電機SUVを共同開発することを決めている。
■ サムスンはバイオ、現代自はスマートカーに注力
また、サムスングループが「将来の収益源」とアピールするバイオ医薬品事業への投資も加速している。同社は2020年までにバイオ分野で1兆8000億ウォン(約1800億円)の売上高を達成するのが目標だ。さらに2015年12月、仁川(インチョン)にサムスンバイオロジックス社の第3工場の起工式を行った。
2018年9月にこの工場が完成すれば、サムスンバイオロジックス社は生産規模36万リットルの世界最大のバイオ医薬品生産施設を持つことになる。規模で見ると、26万リットルの生産規模を持つスイスのロンザや24万リットルの独べーリンガーインゲルハイムを上回る規模になる。
現代・起亜自動車は、主力の自動車産業の技術力をさらに強化するため、長期的で大規模な投資を決定した。完成車の品質競争力の向上と将来の成長エンジンの拡充、ブランド価値の向上、自動車中心のグループ間のシナジー効果の最大化が課題だ。同社は環境に優しいスマートカー分野において、将来のコア技術を確保するために2018年までに81兆ウォン(約8.3兆円)を投資する計画だ。投資額全体の76%を韓国内に集中して行う。この投資には、建設や物流など自動車産業の関連部門でシナジー効果を最大限発言させるための投資、ということだ。
現代・起亜自動車は、将来のコア事業はエコカーと見なしている。2018年までに総額11兆3000億ウォン(約1.2兆円)を投入し、プラグインハイブリッド、ハイブリッド車や電気自動車専用モデル、水素燃料電池自動車の拡充など環境に優しいさまざまな車種を開発する目標だ。また、モーターやバッテリーなど主要部品関連のコア技術を確保し、環境に配慮したブランドへの変身を図る。
SKグループは、半導体製造設備の拡充に注力している。遅ればせながら、半導体事業を主力に将来市場をリードする意気込みだ。同グループは2016年に本格生産を始めるSKハイニクスの工場など総額46兆ウォン(約4.7兆円)を投資して二つの半導体工場を新設する計画だ。
バイオ市場への投資も増やす。SKケミカルはワクチン分野での主導権を握るため、約4000億ウォン(約410億円)をこれまで投資してきた。細胞培養インフルエンザワクチンなど主要ワクチンの開発に没頭してきた。12年には韓国内にワクチン工場を完成させ、血液剤工場も設立済みだ。
■ SKは半導体、バイオへ投資増やす
LGグループはエネルギーソリューションや親環境型の自動車部品を将来の新たな成長エンジンとして見据え、集中的に育成している。2014年には親環境型自動車部品に3兆5000億ウォン(約3600億円)、エネルギーソリューションに2兆7000億ウォン(約2800億円)を売り上げ、幸先のよいスタートを切った。エネルギーソリューション事業は、完結型のバリューチェーンを構築したと評価されている。親環境型の自動車部品でも、市場をリードし始めた。
LG電子はスマートカー向け部品と車内情報・娯楽関連部品を、LG化学は電気自動車向けバッテリー、LGディスプレーは車載用ディスプレー、LGイノテックはLEDとセンサーなどの分野に注力している。特にLG化学は、世界の自動車メーカー20社に電気自動車向けバッテリーを供給している。中国・南京では、電気自動車5万台分のバッテリーを生産する工場を竣工させた。これで、韓国・米国・中国の3カ所の生産拠点が稼働することになる。
ロッテグループは、流通部門でオムニチャネルを構築させることで新たな成長エンジンを確保する方針だ。オムニチャネルやオン・オフライン、モバイルなど、消費者を取り巻くすべてのショッピングチャネルを有機的に結合させ、消費者にとってあたかも一つの店を利用するようにさせる戦略だ。2014年3月に検討を開始したオムニチャネルは、2015年末までにはロッテ百貨店やロッテマート、ロッテドットコムなどグループ内19社をカバーした。観光・サービス部門は、海外進出に注力する方針だ。
GSグループは新たな成長エンジンを確保するため、M&Aや選択と集中を通じて事業構造の調整を推進する方針。同グループにとっては、新領域への進出を模索している段階だ。
GSカルテックスは原油精製過程で生じる副産物を活用して複合材料の開発を行うなど、新事業に向けた投資を拡大中。主に素材の軽量化を図ることができる炭素繊維がその対象となる。精油・石油化学製品の生産過程で発生するピッチを原料として、炭素繊維の製造に向けた研究を進めている。主に、自動車の車体や部品を炭素繊維で代替できるようにすることが長期的な目標だ。
現代重工業は、体質改善に乗り出した。将来のビジネスを論じる前に、主力事業である造船部門を守るための構造調整をすべき状況だ。長びく不況で、業績悪化が大問題となっている。同社は2015年の1年間で1000人の従業員を退職させてもいる。経営陣には業績不振の責任を問いながらも、主力事業の拡充を図る計画だ。
■ 大韓航空は新規路線拡大へ本腰
2013年に持株会社となる「韓進KAL」を設立して、循環出資構造を解消させた韓進グループは、各事業の強化に注力している。大韓航空、韓進海運では、各航路の拡大が課題だ。大韓航空は次世代航空機の導入や新規市場への進出、将来の事業開発などが課題だ。2012年以降、しばらく停滞していた新規就航を16年にはより拡大させる方針だ。また、グループ全体では無人航空機システムの開発に投資を増やしている。
ハンファグループは、太陽光事業が黒字化に元気づけられている状況だ。ハンファキューセルは2015年第3四半期(1〜9月)に売上高4938億ウォン(約504億円)、営業利益466億ウォン(約48億円)を達成した。同社は現在、韓国・忠清北道に1.5ギガワット級の太陽光セル工場を建設している。また、250メガワット級のモジュール工場も新設した。同グループはサムスングループが持つ防衛関連事業と化学事業を買収し、世界でも上位圏への進出を図る予定だ。
斗山グループは業態転換を図っている。重工業の代名詞だった同グループは最近、免税店の事業免許を獲得し、消費財産業へと事業構造の転換を試みている。重工業では同グループが20年間リードしてきた分野だが、重工業関連企業が一斉に厳しい状況に置かれると、事業のポートフォリオを流通業重視へと変え始めた。また、防衛産業関連企業である斗山DSTの売却も視野に入れている。
パク・サンジュ
最終更新:1月4日(月)23時10分
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160104-00098978-toyo-bus_all
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