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記事入力 : 2015/12/31 00:05
低迷する韓国経済:寿命を迎えた韓国型成長モデル
内外専門家から改革求める声
今年10月、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は166人の経済使節団を率いて訪米した。それを見て、米ワシントン・ポストは「朴大統領にとって最大の試練は北朝鮮の核問題や米中間の綱渡り外交でななく経済だ」と書いた。
一時は「アジアのトラ」と言われ、奇跡の経済成長を成し遂げた韓国について、海外メディアや内外の専門家は最近、「歯の抜けたトラ」「奇跡の皮が剥がれた韓国経済」といった酷評を下している。
韓国経済は来年、さらに暗いトンネルに入る。12月17日未明(韓国時間)には米国が10年ぶりに利上げを行う可能性が高い(本紙掲載時点ママ)。2008年の世界的な金融危機の主犯だった米国経済が急速に回復し、量的緩和を縮小するを意味する。これに対抗し、中国が人民元を切り下げ、欧州も景気浮揚のために追加利下げを実施したため、世界の金融市場に再び波乱が起きた。原油価格が連日下落し、韓国の主要輸出市場だった中東は財布のひもを締めている。
こうした波乱を乗り越えなければならない韓国経済の体力は目立って低下している状況で、起業や経済専門家が感じる危機感はいつよりもまして深刻だ。本紙が金大中(キム・デジュン)政権から李明博(イ・ミョンバク)政権までの期間に経済閣僚を務めた10人に韓国経済の診断を求めたところ、全員が製造業と輸出が主導する韓国経済の成長モデルが寿命を迎え、これまでの鎮痛剤投与だけでは慢性化した危機を乗り越えられないと答えた。
国内外の経済専門家と元経済閣僚は、韓国経済が直面する危機として4点を挙げた。
まず、韓国を取り巻く外部環境が悪化している点だ。全光宇(チョン・グァンウ)元金融委員長は「世界経済は暖流(米利上げ)と寒流(日本・EUの量的緩和)が渦巻く時期に差し掛かっている」と指摘した。世界の貿易規模は2008年の金融危機以前の水準を回復できていない。韓国を支えてきた輸出は当面低迷する可能性が高い。
第二に、「韓国経済は高齢化した巨大な養老院だ」(ジム・ロジャース氏)と形容するように人口構造がもはや経済のプラス要因にはならず、マイナス要因となる時期を迎えていることだ。
根本的な危機は体格が大きくなった韓国経済に早期老化現象が見られることだ。早稲田大の深川由紀子教授は「韓国は危機の原因を外部に探すが、実は内部の問題の方が深刻だ」と指摘した。例えば、韓中日3カ国で人件費の上昇ペースが最も速いのが韓国だ。鉄鋼、造船など韓国経済を支えてきた主力産業の市場シェアは3年前から中国に押されている。
経済の躍動性が低下しているにもかかわらず、自覚症状が全くない政界の危機不感症が韓国経済にとって最大のリスクになっている。例えば、破綻企業の構造調整の根拠となる企業構造調整促進法は今年で期限が切れる時限立法だ。同法が延長されなければ、大規模な構造調整は法的根拠を失い、全面ストップしかねない。しかし、法案を審議する常任委員会(政務委員会)自体が開かれていないのが実情だ。
■「国会先進化法の見直しを」
元経済閣僚は「政治には妙策があるが、経済にはうまい手がない」「労働改革・経済活性化法のように、現在論議されている解決法から一貫して推進していくのが正道だ」と主張する。朴宰完(パク・チェワン)元企画財政部長官は「国会で審議中の法案が通過しても、韓国経済がすぐに良くなるわけではない。ただ少なくとも国民や投資家に対し、『韓国政界の与野党が一致団結して未来に備えているのだな』という期待心理を植え付けることはできる」と話した。
尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)元企画財政部長官は「民主主義の基本原理である多数決を阻む国会先進化法を改正すべきだ」と主張する。産業資源部長官を歴任した鄭徳亀(チョン・ドック)ニア財団理事長は「選挙で多数政党になった与党が責任を持って政策を実行しなければ、選挙をやる意味がない。少数政党が国会内で抵抗することで政策を妨害するのは民主主義の否定だ」と批判した。
経済的な解決法としては、世界的な景気低迷が長期化することに備え、破綻企業の構造調整を急ぐべきだとの意見が多かった。韓国は08年の世界的な金融危機以降、低金利で経営難の企業を支えてきた。ジョージ・メイソン大学のテイラー・コーウェン教授が「韓国経済はひどい傷に絆創膏(ばんそうこう)を貼るという処方を続けてきた」と語るのもそのためだ。金容徳(キム・ヨンドク)元金融監督委員長は「経営難の企業を淘汰(とうた)する構造調整で新たな成長動力は花咲く経済的土台を整えるべきだ」と述べた。
■ドイツ式改革をモデルに
韓国が参考にすべき国として専門家が挙げるのがドイツだ。ドイツは1990年の東西ドイツ統一以降、経済成長率が1%前後に低迷していたが、思い切った経済改革で低成長のトンネルを抜けた。
シュレーダー首相が率いた社会民主党政権は2003年から企業の解雇条件緩和、失業手当の給付期間短縮など「ハルツ改革」と呼ばれる労働改革を断行した。その後就任した右派のメルケル首相も改革を継承した。社民党は左派と労働界の反発で政権を失ったが、權五奎 (クォン・オギュ)元経済副首相はシュレーダー首相を「欧州の病人と呼ばれていたドイツをユーロ圏の成長エンジンへと改造した主役」として評価した。康奉均(カン・ボンギュン)元財政経済部長官は「左派、右派の政権が危機意識を共有し、経済政策で一貫性を保ったドイツのモデルに従わなければ、韓国経済は長期不況に陥った日本と同じ道を歩むことになる」と指摘した。
羅志弘(ナ・ジホン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/12/30/2015123001659.html?ent_rank_news
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韓国の輸出額、昨年7.9%減
【ソウル=加藤宏一】韓国の産業通商資源省は1日、2015年の輸出額(速報)が前年比7.9%減の5272億ドル(約63兆円)になったと発表した。新興国の景気が鈍化する中、原油安や中国勢の過剰生産の問題などが影響。品目別では鉄鋼やディスプレー、自動車、一般機械などが減少した。
[日経新聞1月3日朝刊P.5]
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記事入力 : 2016/01/02 00:02
定年間近の韓国50代を襲う大規模リストラの波
韓国大企業・金融業界、大幅リストラに憂鬱(ゆううつ)な年末
サムスン電子も「人件費負担」中堅部長クラスに退社要求
銀行、最近1000人退職させ…賃金ピーク制従業員が主な対象
景気低迷まで重なり「泣きっ面に蜂」
今年1月1日に施行された「定年60歳」制度。韓国の大企業や金融業界で大規模なリストラの嵐が吹き荒れている。一部の企業は景気の悪化などを理由に20代まで名誉退職(勧奨退職)の対象に挙げたものの、そのほとんどが40、50代、特に50代の中堅従業員たちに集中している。最近高まりを見せる景気悪化に対する懸念とともに2013年4月の国会で可決された「定年延長法」(雇用上年齢差別禁止および高齢者雇用促進に関する法律)の改正施行日が目前に迫ったことで、大規模なリストラが現実化しているのだ。
■風当たりの冷たい50代
電子業界最大手のサムスン電子では、50代の中堅部長クラスがリストラの対象に挙がっている。各事業部や本社の経営支援パートごとに「1965年生まれ以上、もしくは7、8年目の中堅部長クラス」に対する会社側の退社要求が集中していることが分かった。サムスン電子の関係者は「定年60歳が施行されると人件費が大幅に拡大し、経営負担の要因になるのは明らかだ。これといった年齢基準を定めたわけではないが、昨年末まで中堅部長クラスを対象に退職を強く誘導する雰囲気」と話す。新設部署の部署長を担当し始めて間もなくその部署が丸ごと消滅し、部署長を担当していた部長クラスの幹部が突然退社に追い込まれるといったケースもあったという。
金融業界にも名誉退職の嵐が吹き荒れている。55歳以上の賃金ピーク制(雇用を保障する代わりに一定の年齢以降は賃金を引き下げる制度)の適用対象となっている従業員らが主な対象だ。先月15日、SC第一銀行は満40歳以上の従業員たちを対象に特別退職の申請を受け付け、全従業員(5182人)の18.5%に相当する961人を退職させた。このうちのほとんどは賃金ピーク制の対象となっている50代半ば以降の従業員たちであることが分かった。ある銀行の支店長は「定年延長に伴う負担を50代が代わりに負わされている」と話す。
ウリ銀行は、昨年6月に続き先月にも希望退職を実施して、240人を退職させた。「満55歳賃金ピーク制適用対象」の従業員たちが9−28カ月分の慰労金と子どもの教育費などを受け取って会社を後にした。NH農協銀行も昨年1月31日、ほとんどが50代とされている344人の中堅従業員に退職確定発令を出す予定だ。KB国民銀行は昨年5月、1122人を対象に希望退職を実施したのに続き、今月も希望退職を計画している。
賃金ピーク制をすでに導入した金融業界のほとんどとは違って、今年から賃金ピーク制を取り入れる新韓銀行も、昨年1月の311人に続き今年も希望退職を準備中という。同行のある従業員は「賃金ピーク制が導入される前でも300人以上が退職したが、今年から賃金ピーク制が導入されれば、50代の従業員の退職率上昇は避けられない」と表情を曇らせた。
■2年前に予見された名誉退職の嵐
名誉退職の嵐は2013年4月に定年延長法が可決された時から予告されたも同然だった。当時国会は、300人以上の大企業は2016年1月から、300人未満は2017年1月からそれぞれ「60歳定年」を義務付けた。事業主が定年を60歳未満とする場合には「60歳定年」と見なす、とする条項も盛り込まれた。「事業主は勤労者の定年が60歳以上になるよう努力しなければならない」という現在の規定を強制条項に置き換えたのだ。
このような定年延長に備えて政府と一部の企業らは、賃金ピーク制の導入などを通じて負担を前もって減らすよう働き掛けてきたものの、「実際に制度を施行することで人件費の負担が拡大する現実が目前に迫ったことで、企業がこぞって大規模な名誉退職に踏み切った」と労働専門家たちは分析する。
韓国労働研究院でチーフ研究員を務めるイ・ジャンウォン氏は「企業が表面的には『景気低迷』を大規模なリストラの理由として提示しているが、定年延長に伴う負担を回避しようとすることが本当の理由」とした上で「定年60歳を法律で義務付けたというのは、今後の人材運用がこれまでとは違った次元で展開されるということを誰よりも企業がよく理解しているため」と説明した。特に従業員らに対する解雇はさらに困難となる見込みだ。同研究委員は「関連法では定年を60歳と釘を打ったため解雇をめぐる訴訟で解雇の正当性を立証しなければならない企業の責任が、これまでとは比べられないくらいに拡大するだろう」というのだ。
キム・ジソプ記者 , ペ・ジュンヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/12/31/2015123101330.html?ent_rank_news
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