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2016年 中国の台頭:創設57カ国そろったアジアインフラ投資銀行
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4991582.html
2015年12月31日 NEVADAブログ
中国主導で12月設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB、本部北京)は31日、フィリピンが設立協定に署名したと発表しており、これで創設メンバーとして参加申請していた57カ国が全て署名を終えたことになります。
あとは国内で批准手続きを済ませることが出来るかどうかとなります。
今までに批准手続きが完了した国は17ケ国と言われており、1月中旬の設立総会までに57ケ国が批准できるかどうかとなります。
また、あと30ケ国が参加待ちとなっており、実際に動き出すまでにはまだ時間が掛かるとみられていますが、
この銀行の初代総裁は中国の金立群元財務次官となっており、中国の議決権比率も26.06%となり、拒否権を持つことになり、完全に中国の国際金融機関となります。
また、一部ではこのAIIBは格付けを取得しないとなっていることで、ジャンク債以下の無格付け並みという論調もありますが、中国の本音は外貨準備高を回せば借入など必要ないと判断しているとも言われているのです。
中国の外貨準備高は11月時点で4400億ドル、円換算で420兆円にも上ります。
このAIIBの計画書を見ますと、一年目の融資規模は20億ドル、円換算で2400億円となっており、数年以内にはこれを100億ドル〜150億ドルにするとされていますが、これなら拠出金だけで十分回せる金額であり、
あえて費用の掛かる格付けを取得する必要はありませんし、仮に外貨準備高の5%である20兆円をこのAIIBに回せば(融資すれば)、今後10年間以上の融資金として十分過ぎる位のお金が調達できます。
即ち、このAIIBには格付けは必要とせず、また昨年話しました中国共産党幹部につながる人物は以下のように話していました。
『いずれAIIBはIMFのような形になればよいと思っている。今回、IMFのSDR計算通貨に入ったことでノウハウも蓄積されるだろうし、中国やその関係国(ロシア等を指しています)が外貨準備を預けることが出来る第2のIMFに発展させることが出来れば、アメリカ支配の金融市場を根底から覆すことが出来るかも知れない』
これで中国がAIIBを設立した意味がお分かり頂けたと思います。
420兆円を誇る中国の外貨準備高を中心に世界60ケ国が保有します外貨準備高をこのAIIBに預けることになれば、総資産額1000兆円を超えるモンスターのような国際金融機関が出来上がります。
このモンスター銀行がアジア・中近東のインフラ開発のために事業を選定し融資をするとなれば、パワーバランスは劇的に変化し、『アメリカよさようなら、中国よこんにちは』となりましても不思議ではないのです。
既に中国は成長が著しいフィリピンにかなり食い込んでおり、領土問題で紛争が発生しているフィリピンですが、年末ぎりぎりでAIIB加盟に署名したのもこの影響力がかなりのレベルにまで入っているからだと言えます。
総資産1,000兆円の巨大国際金融機関の誕生がまじかに迫っていますが、日本は加盟しておらず、このバスに完全に乗り遅れたことになります。
そしてこのバスにはもう座席は残っていません。
そして、”補助椅子”にはアメリカが仮面を被って乗っているかも知れません。
何故ならオバマ大統領はちゃっかり習国家主席にAIIB支持を述べているからです。
日本は中国にもアメリカにものけ者にされているのをいまだに気付いていません。
2016年は中国が国際金融市場に乗り出した最初に年になりますが、それはアメリカをアジアから追放した、中国にとっては記念する年になるかも知れません。
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