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ミドリムシ由来の国産バイオ燃料計画の始動をアピールするユーグレナの出雲充社長(左から3人目)ら
“ミドリムシ”で飛行機大空へ バイオジェット燃料、資源小国・ニッポンで注目
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151227-00000012-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/12/28 08:15
資源小国・ニッポンにとっての革命的ビジネスとして羽ばたくだろうか−。ミドリムシを使った機能性食品や化粧品で知られるバイオベンチャー、ユーグレナが新たに乗り出す、航空機とディーゼル自動車向けのバイオ燃料生産。横浜市内に実証プラントを建設し、2020年までに商用化を目指すという。
パリで今月開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では、温室効果ガスの削減対策が全加盟国に義務付けられた。地球環境保護への貢献と、“国産新エネルギー”という悲願の実現とが期待される夢のプロジェクトだ。
12月1日、羽田空港近くの全日本空輸(ANA)の格納庫。プロジェクトの発表会見は、整備を待つ巨大なジェット機の足元で行われた。「これが、飛行機にそのまま使えるミドリムシ由来のジェット燃料です。革新的技術で世界に貢献したい」。演壇でマイクを握るユーグレナの出雲充社長は、透明な液体が入った小瓶を誇らしげにかざした。このバイオ燃料は、生育段階で二酸化炭素(CO2)を吸収するミドリムシが原料のため、燃やしても地球上のCO2の総量は増えないことになる。
05年創業したユーグレナは、藻類の一種であるミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功した東京大学発のベンチャー企業だ。「世界の食料問題を解決したい」という出雲社長の願いが事業の原点となった。ミドリムシはビタミン、ミネラル、アミノ酸など、人間が必要とする栄養素59種類を作り出せる。そのうち脂肪分を精製してバイオ燃料を製造するのが今回始まるプロジェクトだ。
実証プラントは約30億円を投じ、横浜市鶴見区に千代田化工建設が建設。18年に稼働させ、生産技術の検証を始める。プロジェクトの中核技術は、米石油大手シェブロンなどとのライセンス契約で取得した。ミドリムシの細胞内に含まれる軽質油分を、高温の水を使って抽出・精製する「アイソコンバージョン」と呼ばれる手法で燃料を作り出す。
原料のミドリムシは、ユーグレナの培養地がある沖縄・石垣島から運び、当初は年間125キロリットルのバイオ燃料を精製する計画。これは羽田−伊丹のような短距離路線で週1回、通常の燃料に10%程度混ぜてジェット機を飛ばせる量に当たる。燃料はANAに供給するほか、昨年から共同実証実験を進めているいすゞと協力し、次世代型バイオディーゼル燃料の開発にも取り組む。流通や販売に関しては伊藤忠エネクスが参画する。
ミドリムシからの燃料製造は、研究ベースでは実現している。いすゞは、神奈川県内の工場で送迎用バスの燃料として5%混ぜ、すでに3万キロの走行実績を挙げた。この比率を100%に向上させることもプロジェクトの目標となる。
航空業界では、20年以降にCO2の排出量を増やさないという環境目標を国際民間航空機関(ICAO)が定めている。ANAは、有償輸送トンキロ当たりのCO2排出量を20年度までに05年度比20%削減する目標を掲げており、「バイオジェット燃料の利用に全面協力していく」(殿元清司専務)。航空機向けバイオ燃料の世界市場は、30年に11兆8808億円規模と、12年比で16倍に拡大する見通し(富士経済調べ)。
それだけに前途は明るいようにも見えるが、通常のジェット燃料と比べ約10倍とされる価格をいかに下げるかが最大の課題だ。ユーグレナは将来、実証プラントの400倍の生産能力を目指すといい、量産効果を発揮できるかどうかが普及への鍵となる。また石油由来の燃料に対抗していく上で、安定供給も欠かせない。この点、ユーグレナのプラントは、他社が開発に取り組むミドリムシ以外の藻からの油や、食用油の廃油などからもバイオ燃料を精製できる仕組みとする。
出雲社長は「オールジャパンのバイオ燃料に育て、将来的には海外への技術輸出にもつなげたい」と期待を込める。その第一歩となる商用化に向けた今後の展開に注目が集まりそうだ。(山沢義徳)
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