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国際関係筋によると、2016年の世界経済は、中国経済の6%台半ばへの減速継続と日本経済の低迷が顕著になる。米国の実質GDP成長率は2.5%を維持すると見られるが、ユーロ圏は難民問題やテロなど地政学的な難題に直面している、という。資料写真。
<2016年世界経済を読む>実質GDP伸び率、中国は6%台半ばに=米は利上げ後も順調2%台維持、日・欧・新興国は低迷か―国際金融筋
http://www.recordchina.co.jp/a124853.html
2015年12月25日(金) 5時20分
国際関係筋によると、2016年の世界経済は、中国経済の6%台半ばへの減速継続と日本経済の低迷が顕著になる。これに対し米国の実質GDP成長率は2.5%を維持すると見られる。ユーロ圏は回復軌道に乗りつつあるものの、難民問題やテロなど地政学的な難題に直面している、との認識を示した。
<中国>
16年のGDP成長率は6.5〜6.7%程度となる。中国人民銀行と財務省は今年以上に積極的な金融・財政政策スタンスを取ろうが、金融緩和の継続、準備率の引き下げなどが主軸となる。国有企業改革で大きな前進は期待できず、業務の改善、効率化が主軸となる。民営化や行き詰った国有企業の破たん処理などの抜本策には踏み込まないだろう。大型国営企業同士の合併を推進しているが、「破たんさせるには大き過ぎる」企業を創りだすだけで、過剰設備、過剰在庫の問題は解決しないのではないか。
目下の中心テーマは「都市化」であり、政府は2000万人の違法な移住労働者に対して、現在雇用されている場所での居住許可を与えると発表。これらの労働者に対して、教育、医療、などの社会サービスを供与するという新たな政策の裏付けが求められる。中国では、国内の景気減速が鮮明となる中、割安な人件費やインフラ投資に頼った従来の経済構造のままでは限界に直面するのは必至。大気や水の汚染も深刻になっており、このままでは国民の不満が高まり、体制を脅かしかねない。政府は2016年から始まる「第13次5カ年計画」で産業の高度化と環境対策に全力を投入する構えだ。
<米国>
2016年はおおむね堅調を持続。雇用は順調に増加し、失業率は5%まで低下、賃金も上昇傾向となっている。家計部門も基本的に順調で、2.5%の実質経済成長率を維持すると見込まれる。FRB(連邦準備制度理事会)は12月の0.25%利上げに続いて16年に数回にわたる利上げを検討している。
<ユーロ圏>
2015年にギリシャ危機を乗り切り、銀行部門の健全化にも道を開いた。徐々に回復の軌道に乗りつつあるようだが、低空飛行は続く。シリアなど中東諸国などからの難民流入やテロ事件という地政学的な難題を抱えており、加盟国内の軋轢(あつれき)を生じたり、域内での極右勢力の台頭を招いたりしている点は要注意。ただ難民受け入れに伴う歳出増加(景気拡大要因)や労働力不足の解消などプラス面もある。ECB(欧州中央銀行)は16年も量的緩和を続けるだろうが、ドイツや北欧諸国からの反対論も根強く、慎重にならざるを得ない。
<日本>
労働人口をはじめ人口減少傾向が顕著になり、潜在成長率は2013年をピークに下降局面にある。政府は企業に設備投資や賃上げを促しているが、企業が積極的に呼応するか不確定だ。政府は16年度(16年4月〜17年3月)の実質経済成長目標を1.7%増と内需主導で回復する姿を描いたが、16年(暦年)の経済成長率が0.5%を超えるのは難しいだろう。
<新興国>国際通貨基金(IMF)によると、08年に新興国GDPの50%弱だった企業の債務の規模が、14年には75%近くにまで拡大。ブラジル、トルコ、南アフリカなど多くの新興国は、米国の利上げをにらんだ高金利を強いられ、これが国内の資金の流動性を制約する影響も大きい。景気の減速や景気後退、資源価格の下落などで、新興国企業の収益が悪化しているところに、金利の上昇とドル高が重なり、債務履行のコストが重くなるのは必至。新興国の景気の足を引っ張る懸念が大きい。(八牧浩行)
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