1. 2015年12月20日 17:10:23
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ベネズエラ、選挙後に「反革命的危機」 2015/12/17 15:30日本経済新聞 電子版 Financial Times ベネズエラで最近行われたスポーツイベントで、黄色と青、そして赤のベネズエラ国旗で飾られたテントの下で、与党の統一社会党(PSUV)のメンバーが野党の批評家や元ギャングのメンバー、軍人、そしてビジネスマンらに交じって酒を飲んでいた。 これは中南米諸国の中でも最も分裂の激しい国で見られた一体感あるのどかな光景だった。しかし、ベネズエラが政治的危機に突き進んでいる事実を覆い隠す光景でもあった。同国が史上最悪の社会的、経済的惨事の一つに苦しんでいるのと全く同じように、同国の三権の対立が姿を現し始めている。 憲法を記した冊子を持ち車上で演説するマドゥロ大統領(15日、カラカス)=ロイター ニコラス・マドゥロ大統領は12日、軍への演説で「我々は非常に大きな危機に直面している。反革命的な危機だ。これは権力闘争を引き起こす」と警告した。 同氏に忠実な勢力は、12月に行われた国会議員選挙での敗北の後、権力にしがみつくために挑戦的な言葉やあらゆる限りの対策で応えてきた。落選した議員らは、最高裁の新たな裁判官グループを任命する計画だ。そうすれば、新たな裁判官らは野党が可決した法律を拒否することができるようになる。 マドゥロ氏は「ブルジョアと共生・共存している場合ではない」と語った。同氏が率いるPSUVの議員らは、自らの政治権力を守る革命のために法を通し、裁判官の任命を行うと固く誓っている。退任する国民議会のカベリョ議長は「我々は1月4日の午前0時までこの職にいるのだ」と語った。 ■裁判官任命で対立の予感 カベリョ氏は15日、野党指導者のレオポルド・ロペス氏に長期にわたる禁錮刑を言い渡した裁判官スサナ・バレイロス氏を、人権などを擁護する公的擁護組織の長に就任させた。カベリョ氏はバレイロス氏に対して「役割に専念し、言いたいヤツらには言わせておけ」と伝えた。カベリョ氏は最高裁の新たな裁判官の任命は12月23日に行われると語ったが、新たに議員になった野党議員らは、その裁判官らを弾劾するかもしれず、議会の対立を引き起こす可能性がある。 政権運営の不手際と原油価格の急落で経済の悪化に直面した有権者は、6日の議会選挙で野党連合、民主統一会議(MUD)へ議会の支配権を託し、PSUVへ罰を与えた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのホセ・ミゲル・ビバンコ米州代表は「議会の新たな圧倒的多数派である野党連合は、最高裁を修復し司法の独立を取り戻すための票を持っているはずだ。しかし、裁判官のグループは、大きな憲法上の危機を引き起こして、そうした取り組みをほぼ間違いなく阻止しにかかるだろう」と語る。 さらに悪いことに、野党勢力は、現在の議員たちが16年1月初旬に議員の席を明け渡す前にマドゥロ氏に対して早期一括命令権限を与えてしまうのではないかと恐れている。なかには、1992年にペルーのフジモリ大統領が起こした「自主クーデター」と似たような行動をとって、マドゥロ氏が新たな議会を解散しようとさえするのではないかと恐れている人もいる。 最高裁の元裁判官、ロマン・ドゥケ氏は「この権力闘争では、ほとんど全てが可能だ」と指摘する。 野党の党首たちは、新たな議会を正常化しようとする試みが新議員たちによって放置されてしまうだろうと語った。MUDのヘスス・トレアルバ事務局長は「ニコラス、おまえと戦っている暇はない。法案と戦略を決めるので忙しいのだ。不満ばかり言っている人間に応えるために一つの脳細胞も使うつもりはない」と語った。 あるビジネスマンは「これから起こることに比べたら、今年は楽なもんだ」という。 実際、新議会が福祉制度を転換する恐れのある中、マリア・アウヒリアドラ・ブランコ氏のような筋金入りの政権支持者は国営テレビで「我々の国会を守る」と誓い、「一部の人の不満によって敗北した単なる1回の選挙で議会を手放すことはできない」と語った。 ■10%の経済縮小、インフレ3桁の混乱 しかし、不満はベネズエラの庶民に広がっている。議会からそう遠くない店では生活必需品の不足が深刻だ。治安部隊が警備するその店でトイレットペーパーを買うために何時間も並んだパラシオスさんは、「大統領はこの事態を収拾するどころか、国民をコケにし続けている」と訴える。 同国経済は今年10%縮小するとみられている一方で、紙幣の増刷でインフレが3桁に急騰している。 PSUVの議員でドイツで学んだエコノミストのヘスス・ファリア氏は、PSUVがこれまでの過ちを「修正」する必要があると認める。その中には複雑な体制や、3段階の外国為替管理制度などが含まれるだろう。同氏は「金融および財政政策を調整する必要がある」という。 アナリストの一部には、PSUVがどう言おうとも、自由市場政策や通貨切り下げ、そしてエコノミストらが求めるガソリン価格の引き上げなどの導入に同意するだろうとの期待がある。 議会の次期議長と目される野党議員のフリオ・ボルヘス氏は「国民が医薬品や食料を手に入れられるようにすることが目下の優先事項だ。政府は、それらを手にすることがベネズエラの求める変化の一部だということを理解しなければならない」と語った。「でなければ、政府が交代しなくてはならなくなる」 By Andres Schipani(2015年12月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95243270X11C15A2000000/
ギリシャ危機の陰で報じられない「ベネズエラ」の窮状 2015年06月25日 国際
2014年にはマドゥロ政権に対する大規模な抗議行動も行われた。(photo by durdaneta) ヨーロッパで深刻な経済危機にあるギリシャは、この5年間経済はマイナス成長を続け、多くの国民が苦しい生活を余儀なくさせられているのは各メディアで盛んに報じられている。 しかし、それより以前の2006年から経済危機を堪え忍んでいる国がある。 それは、南米のベネズエラだ。 年180%のインフレ、日用品・医薬品の枯渇 ベネズエラは、ここ数年さらに苦境に立たされている。というのも、最近の原油価格の下落によって、輸出の95%を担う原油の輸出による外貨の歳入が大幅の落ち込み、ベネズエラ経済を更に苦しめているのだ。 インフレも深刻だ。ベネズエラは今年に入って、インフレは既に50%を越えている。そして年間で180%近いインフレが予測されている。昨年のインフレはベネズエラ中央銀行の発表は68.5%であったが、実質インフレは80%近いと言われていた。さらに言えば、外貨保有高や日用品の在庫も枯渇寸前だ。 米国でベネズエラのニュースを伝える『ボス・デ・アメリカ』によれば、〈主婦マリアが粉石鹸3袋と米を2袋を購入しようとして、レジで消費者割当証明書を提示したところ、レジで「今日の購入割り当てに入っていない」と言われた。彼女はレジの女性に「家でそれがまったく不足している」と説明して、定価よりも高く払って品物を手に入れた〉という。同紙によれば、ベネズエラ国民は、毎日のようにスーパーの前で列に並ばねばならないことに疲弊しきっているという。 更に深刻なのは病院で使用する医薬品が95%不足しているということである。注射器やガーゼは勿論不足している。昨年2月の電子紙『マドゥラダ』の記事では、分泌腺専門医ビクトル・アコスタ氏が、〈「最も深刻な問題はテクネチウム99が在庫切れになっていることだ」また「X線、マモグラフィー、エコーなどを実施する為の必需品が不足しており、在庫があと3か月分しかない。バイオプシーを行なう針も在庫切れ寸前だ」〉と語ったことを伝えた。更に同紙は、カラカス医科大学のオマール・アリアス医師が〈「トモグラフィーやレゾネーターは使用出来なくなっている」〉と述べたことや、核医学治療専門医チャパッロ氏が〈「ヨード131が不足している。腫瘍患者の80%がこの影響を受けている。ドキソルビシンやオンダンセトロンなど受容体拮抗剤も入手が出来ない」〉述べ、ドミンゴ・ルシアニ病院のアドゥリアナ・ベッリョ血液腫瘍専門医は〈「リン腫の拮抗剤が手に入らない」と答えた〉ことなどを報じている。 窮状のベネズエラに接近する中国の影 現在ギリシャの財政を支えているのはトロイカ(EU、ECB、IMF)であるが、ベネズエラの財政を支えているのは中国である。ベネズエラは反米意識が強く、米国の影響下にあるIMFや世銀からは資金の調達は出来なくなっているのがその理由だ。 中国国内で資源需要がこれからますます増大するのを前に、ラテンアメリカはその必要資源を確保する上で重要な地域であり、中国はそのために南米で地固めしているのは既報の通り。特に、原油の埋蔵量では世界最大を誇るベネズエラとの関係維持は中国にとって非常に重要なのだ。そのため、ベネズエラの財政が長く困窮している中、中国は同国に資金支援を続けている。スペイン紙『エルコレオ』によれば、〈これまで420億ドル(5兆1,660億円)が中国からベネズエラに投入されて来た。その内の240億ドル(2兆9,520億円)は既に返済されており、4月には新たに50億ドル(6,150億円)が中国から提供された〉という。ちなみに、債務の返済は原油を送ってそれを相殺する形で支払われているそうだ。 中国にとって、ラテンアメリカで経済同盟「メルコスール」の主要構成国ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラは中国のラテンアメリカ支配の基軸になっている。しかしながら、アルゼンチンも経済危機にあり、ハイパーインフレの国で、今年はデフォルトも経験したが、中国は今も同国に投資を続けている。アルゼンチンの大豆など穀物の確保が中国には必要なのである。 この様な事態がベネズエラでいつまで続くか不明である。真偽のほどは定かではないが、米国はマドゥロ政権打倒で今年一度クーデターを計画したが、それは未遂に終わったと報じるメディアもある。ベネズエラが2016年にデフォルトする確率は五分五分だという声もある。このことが、南米における米中の覇権争いにどのような影響をもたらすか。ギリシャ情勢以上に日本にもかかわってくる問題であるため、注視していく必要があるだろう。 <文/白石和幸 photo by durdaneta on flickr (CC BY 2.0)> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。 http://hbol.jp/47140 チャベス主義はなくならない。でも当のチャベス派は… Kanako Noda / 3日前 diosdado99 前回紹介したように、野党だけでなくチャベス派内にも牙をむくマドゥロ政府。それに反発するチャベス主義者たち。これを野党はどのように捉えるべきでしょうか。ラウル・ストークはこれを利用しようと言います。
ここ二日間でマドゥロとカベジョは、先に退職を求めていた最高裁の裁判官に代わる新たな裁判官を任命したり、授権法を通じて国民議会を無効化しようとしたり、国会テレビを取り上げたり、「路上議会」*を通じて国民議会とは別の議会を設立するといった、血迷った案の数々を進めている。 *訳注)政府は声高に「路上議会」の実現を掲げるが、具体的に何を意味し、どのような仕組みなのかは不明。 ディオスダドのスタンスは、いつものことながら、怯えた獣のそれだ。追い詰められると自分の最大の武器を使って攻撃してくる。すなわち、弱いものいじめである。ディオスダドのメッセージはこうだ。新国会からできる限りの権限を奪ってやる。それも、この新国会のために投票した国民の名において。本当にもうこのおっさんは…(とはいえ、チャベス派が自分たちはこれを「国民のために」やるのだと言いつつ、結局は単に「革命を守る」と言っているだけという点に注意。) マドゥロの戦略は少し違う。こっちはただ狂ってしまった。マドゥロは思春期前の12歳の子どもみたいにプエブロ(国民、大衆)を非難し始めた。「みんなに家を提供するつもりだったんだけどねー。今でもやろうと思えばできるよ。でも支持してって頼んだのに、みんな支持してくれなかったよね」と言うと、流血だなんだと脅しだしたのだ。 これらの非難は野党側に向けられているのではない。マドゥロとディオスダドが嫌すぎてチャベスの遺産を捨てることに決め、野党に票を入れたチャベス派の人々に向けられている。 マドゥロとディオスダドにとって脅威となっているのは、他でもないチャベス主義自体なのだ。 カラカスに行って、誰でもいいからリベルタドールの通りにいる人にホルヘ・ロドリゲスやウィンストン・バジェニージャについてどう思うか聞いてみればいい。以前は国営テレビでも大人気だった面々だ。あるいは、チャベス家の人間についてどう思うか聞いてみればいい。「あの腐った奴らめ、国をめちゃくちゃにしやがって」という返答と一緒にクリオージョ特有の罵倒語が返ってくるはずだ。ただし、誰もが必ず「チャベスがいたらこんなことは起きなかったのに」と添えるだろう。 チャベス主義はなくなりはしない。私たちはこのことを受け入れなければならないし、さらには利用すべきだ。 チャベス主義を利用するというのは、チャベス派の人々を騙してスモランスキー支持者にするということではない。そうではなく、チャベス派の人々に制度内において居場所を与え、チャベス主義を愛し守らせてあげることだ。チャベス主義や政府に繋がるものは全て同じだと言う人は多いかもしれない。だけど、議会でポジョ・カルバハルのように麻薬密輸組織の主要人物と目されて人物と取引するのと、対照的なエクトル・ナバロやニクメル・エバンズのような人物と取引するのは(これはこれで苦痛かもしれないが)、決して同じだとは言えないと思う。 現在、チャベス派の中でも「イデオロギー信者」はアポレア*と同じ嫌な立場に追いやられている。(ちなみに、アポレアがここ2日で出している記事はかなり興味深い。)彼らはベネズエラ統一社会党(PSUV)幹部から裏切りものと非難されているのだ。 *訳注)アポレアはチャベス主義のイデオロギーを全面に押し出したメディア。ただし最近マドゥロに対して批判的な記事を出し始めた。最近ではマドゥロの妻の甥が麻薬密輸の嫌疑で逮捕されたときには、アメリカのメディアの報道を伝え、みんな度肝を抜かれた。革命の敵、帝国主義者のメディアをアポレアが引用するなど、以前なら全く考えられないことだったからだ。 Saving chavismo(チャベス主義を救う)2015年12月10日 Raul Stolk ちなみに以前からマドゥロに対しては批判的だったニクメル・エバンズのマレア・ソシアリスタ(社会主義の潮流)は、選挙後に、改めてマドゥロに経済改革を求め、マドゥロの政治はチャベスに対する裏切りだと批判、国民投票の可能性まで示唆しています。 さらに政府の風向きが悪くなっているのを見てか、新国会が始まる前から早々と国会議員をやめることにしたチャベス派の政治家もいます。 チャベス派が今後もなくなることはないでしょう。ですが、当のチャベス派はすでに一枚岩ではなくなっています。このゴタゴタはまだまだ続き、さらに酷くなるでしょう。マドゥロら政府高官の動きだけでなく、チャベス派内の下っ端の動きが今後どうなるか、それが野党の政治戦略にどのような影響を与えるのか、要注目です。 広告について クリックして Twitter で共有(新しいウィンドウが開きます)Facebook で共有(新しいウィンドウが開きます)クリックして Google+ で共有(新しいウィンドウが開きます)クリックして Tumblr で共有(新しいウィンドウが開きます)Click to email(新しいウィンドウが開きます) 投稿日: 2015年12月17日 カテゴリー: Caracas Chronicles, 翻訳者メモ タグ:チャベス主義, ベネズエラ, 政治 http://venezuelainjapanese.com/2015/12/17/savingchavismo/ #改革を放置して、バラマキを続けるとこうなる。
[32初期非表示理由]:担当:関連が薄い長文 |