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悪徳商法の手口とは…(※イメージ)
ウィッツ青山学園高校の悪徳商法 入学者の紹介料は24万円、「奨学金は返済不要」と指南〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151216-00000003-sasahi-soci
週刊朝日 2015年12月25日号
教育特区で株式会社が運営する「ウィッツ青山学園高校」に東京地検特捜部の捜査のメスが入った。「就学支援金」の不正受給をめぐって問題となった生徒は3人とされるが、これは氷山の一角だ。議員が生活保護者を学校に斡旋するなど、その悪徳商法の手口を明らかにする。
まだ桜が残る4月中旬、栃木県那須町のとある高級ステーキレストランでは、ウィッツ青山学園の“学校説明会”が開かれていた。
東京や埼玉から集まった6人の参加者を前に、サポート校のひとつ「四谷キャンパス」のB専務理事は慣れた口調で切り出した。
「入学者を紹介してくれれば、1人につき24万円の紹介料をお支払いします」
紹介窓口になれば謝礼がもらえると聞いていた参加者たちも、想定外の高額報酬に思わず顔を見合わせる。
「年収350万円未満の方をご紹介ください。年収がそれを超えると、就学支援金が減ってしまうので、生徒さんが自腹で授業料を払うことになります。それは現実的ではない。うちのビジネスモデルが成り立たなくなりますからね」
就学支援金の正式名称は「高等学校等就学支援金」という。家庭の教育費負担を軽くするために国が授業料を支援する制度で、年収によって就学支援金の金額は異なる。生徒1人あたり年間最大30万円が支給されるが、年収250万〜350万円程度であれば支給額は年間23万7600円となる。
ウィッツ青山学園の授業料は、年間23万7600円とまったくの同額。年収の低い人に出る就学支援金をそっくりそのまま学校が受け取り、生徒は授業料をまったく払う必要がないことをウリにしている。
ただ、四谷キャンパスの場合、授業料以外にも、「学習支援料」などで年間約40万円ほど払わなければいけないのだが、B理事はこれにも解決策があるという。
「年収が低い人は年に40万円も払えないと思うんで、奨学金を借りてくれ、というわけですね。奨学金は、埼玉県だと年間48万円。むしろお金が残るんです。奨学金の手続きは全部われわれがやってあげます」
奨学金は将来返さなければいけないのでは、という質問が出たが、B理事は返さなくてもすむ“裏ワザ”指南で切り返した。
「建前上は返さなければいけないが、年収が200万円なければ、返済を待ってくれという申請を出せば猶予してもらえます。毎年出し続けて、年金をもらえる年まで逃げ切ればセーフ! 年金で200万円以上になるはずはないから、死ぬまで払う必要はありません」
出席者たちが困惑の表情で顔を見合わせた……。
ウィッツ青山学園は、小泉政権下で三重県伊賀市が株式会社に学校運営を認める「教育特区」となったことを受けて、2005年9月に開校した。通信制の生徒約1200人を抱え、伊賀市の本校のほかに、全国40カ所以上のサポート校があり、各サポート校は入学の窓口にもなっている。
特捜部が12月8日、一斉捜索した先は本校、運営会社、サポート校「四谷キャンパス」などだ。学校関係者によれば、四谷キャンパスの生徒数は150人で、東京23区内にある六つのサポート校の中ではいちばん多い。四谷キャンパスを大きくした立役者はB理事の“生徒募集システム”だという。
通信制の高校は、すでに働いている社会人や高校中退者、不登校者が利用することが多いため、自宅で学習し、試験、リポートなどの提出で卒業資格を得ることができる。
ところが、B理事は「何もしないでも卒業できる」とアピールし始めた。
「教材が年に1回ドカーンと送られてきます。あと、年に3回、リポートの課題が送られてくる。でも、それは出さなくてもいいんです」
不審に思った参加者が「何も勉強はしないの?」とB理事に質問すると、笑いながらこう答えた。
「どうしてもやらなくちゃいけないのは、年に2回の『スクーリング』だけです。2日だけスクーリングに行けば、あとの363日は自由に過ごしていただく」
スクーリングとは、面接指導のこと。ウィッツ青山学園の場合は、本校がある伊賀市へ行く必要がある。
「でも、日帰りですよ。行って写真撮るだけですから。こんなこと僕が言っちゃいけないですけどね。まあ、“証拠写真”がいるんですよ。囚人みたいに名前のプレートみたいのを持って、パシャッと撮って、はい終わり。それが100人以上いるから、順番を待つのに1時間くらいかかる」
実際に昨年度に卒業したY氏に聞いた。
「年に2回、全部で6回、三重へ弾丸ツアーをしただけ。それでもちゃんと成績表と卒業証書が郵送されてきました。成績がどうやってつけられたのかなんてわかりませんよ。リポートなんか一度も出したことないんですから」
ウィッツ青山学園の卒業生にはスポーツ選手、芸能人もいたという。
「元人気アイドルOも卒業生です」(B理事)
割の良い仕事と聞いて集まっていた参加者の一人も“学校説明会”にはあきれたという。
「税金の申告をするのが嫌な人もいるから、謝礼は現金手渡しでもOK、とまで説明されましたが、さすがにマズいだろうと思った」
だが、B理事らに生徒を斡旋した人物は少なくないようで、中にはあろうことか、議員もいた。前出のY氏の紹介窓口は、N飯能市議だ。
「僕は生活保護を受けているのですが、N市議から高卒資格を取っておいたほうがいいからと、勧められました。奨学金が出るからお金は払う必要ないと言われたけど、卒業した後に返済しないといけない。おかげで僕には借金があるのと一緒です。N市議の事務所の入り口には、ウィッツ青山学園の看板がかかっていましたし、ウィッツの名刺も持っていました」(Y氏)
本誌はN市議の名刺(写真)を入手。直撃すると、謝礼の受け取りは否定しつつ、紹介の事実を認めた。
本誌が、ウィッツ青山学園と四谷キャンパスにそれぞれ前述した問題について問い合わせたところ、ウィッツ青山学園高校からは「本校は何も知りませんでした」との返答があった。四谷キャンパスは期日までに回答がなかった。
教育評論家の尾木直樹氏はこう憤る。
「以前から、ウィッツの問題は耳にしていました。これらが事実なら、不登校の子や高校を中退した子たちの『高卒の資格がほしい』という願いを逆手にとって金儲けに使ったひどい悪徳商法です」
昨年度、ウィッツ青山学園が受けた支援金は1億5711万3千円に上る。
教育に風穴を開けると期待を受けて始められた株式会社の学校が、公の支援制度を利用した悪徳商法の組織に成り下がってしまったのだ。
ただ、尾木氏は今回の問題で、すべての通信制高校のイメージが悪くなることを懸念する。
「世の中にはいい通信制高校もいっぱいあります。問題なのは、小泉政権がつくった『教育特区』で、教育理念のない株式会社が学校をつくれるようになってしまったこと。そしてそれを監視するシステムがなく、野放しになったことです」
(カスタム出版部・横山 健、本誌・平井啓子)
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