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このような大型客船で中国人観光客が日本にやって来る。写真は神戸港に停泊中の「サファイアプリセンス」。サファイアプリセンスは鹿児島にも何度も寄港している(出所:Wikimedia Commons、資料写真)
こんなはずでは!中国人爆買いでも潤わない地元経済 ドンキ、イオンが大賑わいの一方で地元商店街は・・・
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45522
2015.12.15 姫田 小夏 JBpress
今から4年近く前の2012年2月。鹿児島県の港湾施設「マリンポートかごしま」を背に、地元の男性がこう案内してくれた。
「この港のすぐ近くに『ドン・キホーテ』が間もなく開店します。これから鹿児島もインバウンド消費で活性化することでしょう」
その口ぶりや表情から、県民待望の出店であることが伺われた。
「驚安の殿堂」というキャッチフレーズで知られるディスカウントストア、ドン・キホーテ(本社・東京都)が鹿児島県の港近くに出店する。その計画の背景には、大型クルーズ船で鹿児島を訪れる外国人観光客を呑みこもうとする戦略があった。
クルーズ船に乗ってやってくる訪日外国人の目的は、ズバリ「買い物」だ。特に中国人観光客は日本での買い物への期待が大きい。訪日外国人客のなかで中国人の消費額は群を抜く。飛行機ではなくクルーズ船でやって来るのは、重量制限なく買い物ができるためでもある。
そうした現状からすれば、クルーズ船で訪れる観光客をピンポイントでターゲットしたドン・キホーテの出店は極めて有効な戦略といえる。地元民も心を躍らせた。観光客、店舗、そして地元経済が潤うモデルを予感したからだ。
■おいしい思いをしているのは“中央の企業”だけ
さて、その後どうなったのか。果たして地元経済は活性化したのだろうか。
結果は地元の期待通りにはならなかった。今、現地で聞かれるのは「これでよかったのか」という声だ。
「これでは“中央の企業”に搾り取られるだけだ」
こう語るのは地元の商店や中小企業の若手経営者たちである。
彼らが「中央の企業」と呼ぶのは、ドン・キホーテやイオンなどのナショナルチェーンのこと。訪日観光客がこうした量販店に向かうのは、大手メーカーの炊飯器や粉ミルクを買うためである。地元の特産品や土産品を買うためではない。おまけにクルーズ船の乗客は船中で寝泊まりするので、地元に宿泊することもない。つまり、ナショナルチェーン、ナショナルブランドの大手企業だけが潤って街は潤わないというわけだ。
また、次のような声も聞かれる。
「鹿児島の中心部にせっかく天文館という繁華街があるのに、観光客はあまり訪れません。天文館にある老舗デパート『山形屋』も素通りされてしまいます」
天文館の商店は銀聯カードの導入や免税システムの推進を行うなど、中国人観光客を受け入れるための工夫と努力を重ねてきた。だが、天文館の老舗店主は「たまに観光客が押し寄せてくることがあっても、結局、全国チェーンのディスカウントストアやドラッグストアで買い物をして船に戻ってしまう」と嘆く。
国際市場の開発を模索する地元焼酎蔵「天星酒造」の取締役、池亀貞光さんは、「“安さ”だけが日本の売りでいいのか」と、こうした現状に危機感を抱く。
訪日旅行客の増加は、地元に新たな商機をもたらす。にもかかわらず、訪日観光客が訪れるのはナショナルチェーンの店ばかり。地元で商機をものにできるのは、一部の商社や流通業者など一握りの企業だけである。「中小・零細企業はなかなかインバウンド消費の恩恵にあやかれないでいるのです」(池亀さん)
この先、こうした状態が続けば、地元の商店や中小企業は自治体のインバウンド施策にまったく協力しなくなるだろう。
■どうすれば地元にお金が落ちるのか
2014年、訪日外国人の旅行消費額は2兆278億円に達した。その内訳は「買い物代」がダントツで7146億円と35.2%を占める。
日本でたくさん買い物をしてくれるのはもちろん歓迎すべきことである。「しかし、それだけに目を奪われるのは問題だ」と、国際観光マーケティングの専門家は指摘する。「爆買い」がもたらす経済効果だけを追い求め、自治体も企業も「モノを売る」ことだけに前のめりになってしまっているのだ。
ちなみに「買い物代」以外では、順に「宿泊費(6099億円で30.1%)」「飲食費(4311億円で21.3%)」「交通費(2181億円で10.8%)「娯楽サービス費(465億円で2.3%)」と続く。
この中で地方経済に直結するのが「飲食費」であり「娯楽サービス費」だ。「娯楽サービス」には、美術館や博物館の訪問などの文化体験、スポーツ観戦やテーマパーク訪問、また抹茶体験、着物体験などが含まれる。前出の専門家は「ここを伸ばさない限り、地方経済がインバウンドの恩恵を実感することはできません」という。
「訪日観光客が訪れても地元が潤わない」という構図は一体どうすれば是正できるのか。
訪日観光客に手に取ってもらえるような魅力的な商品の開発、施設やサービスの開発が不可欠であることは言うまでもない。さらには、ナショナルブランド店舗に地元の商品や食材を仕入れてもらうなど、インバウンド消費の恩恵が街全体に行き渡るような仕組みを街が一体となって考え出す必要もありそうだ。
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