http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/520.html
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株式会社メッセージ第三者調査委員会による調査結果及び対応等に関するお知らせ(「積和サポートシステム HP」より)
連続転落死の老人ホーム運営会社、新たに81件の虐待発覚!150の新施設開設計画
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12873.html
2015.12.15 文=編集部 Business Journal
川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入居者3人が相次いで転落死した問題を受け、川崎市は施設を運営する積和サポートシステムに対し、介護保険法に基づく市への介護報酬の請求を来年2月から3カ月間、停止する行政処分を科した。
同施設では昨年11〜12月、男女3人が転落死したほか、今年3月に入浴中の男性が死亡。5月には家族から市に訴えがあり、入所者の高齢女性(86)が職員から頭を叩かれたり、ナースコールを使えない状態にするなど虐待を受けていた。神奈川県警は元職員の男3人を暴行や偽計業務妨害の容疑で書類送検する。川崎市によると暴言を吐いたり頭を叩いたりした職員は4人としていた。市によると施設側は4人のうち1人を懲戒解雇し、他の3人は退職した。
3人が転落死した時の夜勤者は同じ23歳の男性だった。男性職員はその後、入居者たちから金銭や貴金属、合わせて約200万円以上を盗んで遊興に使い、5月に逮捕されていた。一連の問題で川崎市は9〜10月に3回、施設に立ち入って監査した。
川崎市での問題発覚後、東京都は10年1月〜15年8月までの事故について資料提供を積和に求めたところ、714件の事故があったことが判明した。うち439件は介護保険法で義務付けられた区市町村への報告が行われていなかった。
都によると事故の内訳は、徘徊282件、骨折・打撲・捻挫165件、異物誤飲・異食77件などで、事故後に死亡していたのは61件。自殺や自殺未遂は11件、虐待も3件あった。事故があった都内の老人ホームは介護サービス大手メッセージの直営が23施設、子会社である積和が運営していたものが17施設。
厚生労働省はメッセージに対して、都は積和に対して、それぞれ介護保険法に基づく業務改善勧告を出した。再発防止に向けた改善が見込めない場合は、行政処分に踏み切る方針だ。
■新たに150カ所開設
ジャスダック上場のメッセージの15年4〜9月期連結決算は、一連の死亡・虐待がメディアに大きく報じられた時期と重なるが、影響はさほどなかったようだ。売上高に当たる営業収入は前年同期比2.4%増の402億円、純利益は同42.3%増の27億円と増収・増益だった。期末で186施設を運営、総入居者数は9880人である。
だが、死亡・虐待で業務改善命令を受けた介護付有料老人ホーム(アミーユ)事業は、業績の足を引っ張った。入居者が伸び悩んだことや介護報酬改定によって保険収入が減少。職員の採用条件を改善するため、資格保有者の賃金を上げたことによる労務費の増加もあって営業収入は前年同月比1.7%減の180億円、営業利益は同30.2%減の18億円と減収・減益だった。
有料老人ホームの落ち込みを補填したのが、サービス付き高齢者向け住宅(Cアミーユ)事業だった。4棟のCアミーユを新たに開設し、既存施設の入居率が引き続き好調だったことから営業収入は前年同月比5.5%増の199億円、営業利益は14億円と前年同期の赤字から黒字に転換した。
業績の落ち込みがさほどでなかったことから、メッセージの創業者で医師の橋本俊明会長の鼻息はすこぶる荒い。決算説明会で、今年から新たに取り組んでいる24時間訪問サービスをベースにした「Zアミーユ」を今後3年間で150カ所、開設するという方針を打ち出した。いかにも機を見るに敏な橋本会長らしい対応ぶりだ。
■ビジネス拡大の手綱は緩めず
安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた柱のひとつが、家族の介護で仕事を辞める人をなくす「介護離職ゼロ」である。厚生労働省は20年までに特別養護老人ホームやグループホーム、介護老人保健施設などの介護施設を40万人分整備する案を示したが、安倍首相がさらなる上積みを指示。50万人分に計画を改めた。政府は見守りや生活相談などのサービスを提供する「サービス付き高齢者向け住宅」を含めて、50万人以上の施設の整備を目指すことになる。
これをビジネスチャンスととらえたのが橋本会長だ。その経営手法は創業以来一貫している。政府の方針に即応して、多店舗展開で一気にシェアを奪う手法だ。ファストフード、コンビニのチェーン展開の介護版といっていい。
橋本会長はもともと岡山市で病院を開いていたが、2000年に介護保険がスタートするとともに事業家に転身。有料老人ホームは入居一時金が2000万〜3000万円と高額なため利用者が限られていることに目をつけ「一時金ゼロ」の価格破壊戦略を打ち出し、新規に参入。これが受け、あっという間に有料老人ホームの先発企業のシェアを奪っていった。
全国の自治体が有料老人ホームの総量規制に乗り出すと、橋本会長はサービス付き高齢者向け住宅に乗り出した。「Cアミーユ」ブランドで多店舗化を進め、同分野のトップシェアに立った。
そして今回、安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」の方針の大波に乗って、24時間訪問サービス「Zアミーユ」を150カ所開設することを決定したのである。
■介護事故1526件の報告怠る
メッセージは12月7日、過去2年間で新たに81件の虐待が判明したとする第三者調査委員会の報告書を公表した。メッセージと積和が運営する有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の計275施設を対象にアンケートした。転落死や窃盗などがあった川崎市の施設など、すでに問題が発覚した6施設は調査から除いた。
その結果、延べ53施設で虐待があった。最多は「著しい暴言や心理的外傷を与える言動」の40件(19施設)、「高齢者から不当に財産上の利益を得る(不当処分)」が17件(15施設)、「身体に暴行」が16件(14施設)、「衰弱させるような著しい減食、長時間の放置」などが7件(4施設)、わいせつ行為が1件だった。メッセージは今回判明した虐待をすべて報告しているかどうかについては、わからないとしている。
メッセージによると、12月7日に開かれた取締役会で橋本会長と佐藤俊雄社長が辞任する意向を表明したという。今後、7日に設置した処分検討委員会で2人の処分や辞意の取り扱いについて審議するという。もしメッセージの経営の機関車役である橋本会長が辞任すれば大きな影響が出ることになるが、その可能性は低いとみられている。
報告書では、入居者のけがや死亡といった自治体に報告義務のある介護事故が11年度以降3731件あったが、約4割の1526件を報告していなかったことも判明した。東京都内で大量の未報告が明らかになったことを受け、メッセージが東京以外を調べた。担当者は「報告基準について理解が不足していた」と釈明した。
一連の虐待や事故の原因について報告書では「経営陣にリスク管理意識が足りなかった」ことを挙げ、「問題への対応が現場任せだった」と監督機能が不十分だったと指摘した。
■ビジネスパートナー、損保ジャパンの動き
そんなメッセージがビジネスパートナーとしているのが、国内損保3位の損保ジャパン日本興亜ホールディングスだ。両社は今年3月に資本・業務提携し、損保ジャパンは約20億円を投じてメッセージの株式3.5%を取得し、第2位の大株主となった。保険代理店でメッセージの在宅介護サービスを紹介したり、新たな介護保険を共同開発する。
SOMPOは、これを機に介護事業に本腰を入れ始めた。今年10月、居酒屋大手ワタミの介護子会社「ワタミの介護」の全株式を210億円で取得。12月1日付で社名を「SOMPOケアネクスト」に改めた。
12月1日には業界初の有料老人ホーム事業者向けの新しい介護保険を発売した。入居者が家賃や介護サービス費などを滞納した際の損害を補償する保険である。入居者の破産や高齢の連帯保証人が死亡するなどして費用が回収できないケースが増えている。損害を保険で補償して有料老人ホームの安定経営を支え、入居者にしわ寄せがいかないようにするというのが謳い文句の保険だ。初年度は650件の契約を目指す。
両社の提携の先には、SOMPOケアネクストとメッセージの経営統合が視野に入っていると見るのが妥当だろう。両社が統合すれば、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅では売上高トップに立つ。
メッセージは24時間訪問サービスの「Zアミーユ」を150カ所開設する方針を打ち出したが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を建設して運営するハード事業と、訪問介護や通所介護(デイサービス)を主体とするソフト事業を経営の両輪にする構想が見えてくる。つまり、総合介護サービス会社として首位のニチイ学館を追撃する体制ができ上がる。
高齢化が急ピッチに進み、需要は確実に増える。後発の損保ジャパン=メッセージ連合が介護再編の台風の目になりそうだ。
しかし、急拡大したため介護職員の育成が追いつかなかったことが、さまざまな問題を引き起こす原因になった。思わぬところで損保ジャパンが落とし穴にはまる懸念もある。
(文=編集部)
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