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日銀短観と、日銀会合(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/516.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 14 日 23:46:40: igsppGRN/E9PQ
 

日銀短観と、日銀会合
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52757501.html
2015年12月14日 在野のアナリスト


12月日銀短観が出てきました。現状判断DIで大企業製造業が12、非製造業が25とともに横ばい。中小企業製造業が0と横ばい、非製造業が5と2ptの改善です。先行き判断DIは大企業製造業が7と5pt悪化、非製造業が18と7py悪化。中小企業製造業は-4と4pt悪化、非製造業は0と5pt悪化です。一部で内需に底堅さ、などとも報じられますが、現状判断DIをみると明らかに原油安によって余裕がでた運輸だったり、在庫の評価益が高水準になる石油・石炭製品や化学などの分野への恩恵であって、小売や卸売は、大企業と中小企業で判断が別れるなど、内需の強さばかり目立つものではありません。むしろ現状判断は斑模様、先行き判断の低下の方が気になります。

設備投資計画も大企業で15.5%と好調などとも報じられますが、前回と比べて2.7%も減少しており、しかも上期の修正幅が12.7%減、下期が6.1%増、計画の後ズレが目立ち、しかも計画が実現するかも分かりません。業種別でみても生産用機械は大企業、中小企業ともに現状判断、先行き判断を大きく落としており、短観全体を大きく押し下げる原因となっています。この結果を見る限り、設備投資は当初計画通りには達成しそうにないし、今後も増える見込みはない、となります。これは国内の製商品・サービスの需給判断が、供給超過と判断していることからも窺えます。企業は国内において、設備投資するコンセンサスをもてない状況でいる、ということです。

販売価格判断も製造業、非製造業とも下降をみこむ。仕入れ価格判断も、円安でこれまでは上昇傾向でしたが、原油安が利いてきたのか、下がってきた。デフレマインドの脱却どころか、デフレ入りすら懸念される数字が並びます。企業の下期の売上高、経常利益も軒並み悪化がめだつ。上期の上方修正もありますが、計画からの悪化はやはり年度下期の設備投資の伸びは期待できないことを示すのでしょう。全体は停滞、むしろ上期をピークに減退する傾向を、短観は示します。

米国で俄かに警戒されるジャンク債市場の混乱。今はまだその影響が推し量れず、市場も戦々恐々です。そんな中、FRBは今週のFOMCで利上げするとみられ、来年も3回程度の利上げを市場も織り込み始めた。しかしこのジャンク債市場が混乱し、シェールオイル関連企業の破綻が相次げば、米国のエネルギー調達は混乱するでしょうし、何より設備投資も滞るため、米経済全体を悪化させる恐れもある。これまでが超楽観で、資金調達ができた環境で様々な歪みを溜めてしまった。今後はその歪みが修正されていく課程で、不都合な真実が暴かれることも想定されます。

問題は、今週には日銀の金融政策決定会合が開かれることだと考えています。実は今回、追加緩和があるのでは? と考えています。何より規模が追求できないため、サプライズ効果をだすしかない。しかも米FOMCをみてから対応できる、数少ないチャンスです。市場が油断しているとき、小幅に緩和をしてサプライズ効果をだし、尚且つ「果断なく」として追加緩和を匂わせる。今、物価は下落傾向を示しており、景気も低迷しつつある。来年の夏ごろ、景気を浮揚させ、消費税再増税の機運を弱めないためにも、今回と来年、二回の追加緩和は十分に可能性がある話です。

しかしやるとしたら、今年は途中で資金が不足し、お休みしてしまったETF購入額の引き上げ、ぐらいでしょう。クジラの買いも止まり、来年はますます市場に厳しいタイミングで株価を下支えせざるを得ない、といった事情もあります。追加緩和から1年と少し、半年と少しで追加緩和をせまられたECBと歩調を合わせ、またFRBの利上げで混乱する市場に資金供給する、そんな理屈も成り立つ。

年末高は、年金の運用損を考慮しても達成しておきたい、が政府の発想でしょう。下手をすれば年金の損失が、安倍政権への逆風にすらなりかねないのであって、消費税増税を成し遂げるまでは何としても安倍政権であり続けたい、が黒田日銀総裁の本音です。今、軽減税率で決着としますが、NHKの世論調査では増税に反対の方が多い。安倍氏のいうように軽減税率が「最善」だと、国民は誰も思っていないのです。軽減税率で二の足を踏んで、むしろ財務省が怒りに任せて安倍政権下ろしに走る、という可能性もなくはないですが、世界経済の混乱も予想される来年、事前対応の好きな黒田氏が、先にカンフル剤を打つかどうか、来年を見通す上でも、今週は重要なイベントが並んでいるのでしょうね。

 

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1. 2015年12月15日 15:08:07 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[84]

Business | 2015年 12月 15日 13:47 JST

インタビュー:GDP600兆達成へ消費増税の延期を=浅田教授

[東京 15日 ロイター] - リフレ派として知られる中央大学の浅田統一郎教授は、ロイターのインタビューの中で、アベノミクス新3本の矢に掲げられた名目600兆円の国内総生産(GDP)を達成するため、物価や成長率を下押しする消費税率10%への引き上げは延期すべきと述べた。

昨年4月の8%への増税はいまだに消費を下押しており、日銀は追加緩和に追い込まれるとも指摘した。安倍晋三政権下で日銀法の改正が望ましいとも述べた。

浅田教授を含めたリフレ派の学識経験者は11月末、安倍晋三首相と意見交換しており、政府の政策立案に一定の影響力を持っているとみられる。

<安倍政権は増税で逆噴射>

浅田教授は、アベノミクス「新3本の矢」の1つである名目GDP600兆円目標について「2%の物価上昇率と1.5%の実質成長率を継続すれば達成可能だ」と指摘した。

ただ、達成には「財政政策と金融政策のフル出動が必要」とし、予定通りに2017年4月に消費税率10%への引き上げを決行すれば「物価上昇率も実質成長率も下押しされる」と懸念を示した。

安倍政権について「金融緩和というアクセルと増税というブレーキを同時に踏んでおり、飛行機が成層圏に到達する前に逆噴射している格好だ」と懸念する。

軽減税率は「セカンドベストの案。増税見送りが政治的に不可能な場合はあり得る。しかし、1兆円の軽減税率を実施しても、増税によるマイナスの影響はかなり残るだろう」と述べた。

<日銀は追加緩和も>

昨年4月の消費税率8%への引き上げは「いまだに消費に影響を及ぼしている」とし、その対応のために日銀は「年明けにも追加緩和に踏み切る可能性がある」との見通しを示した。

日銀による巨額の国債買い入れについて、市場や一部日銀審議委員の間で持続性に懸念も出ているが「中央銀行が資金供給の手段として、買い入れることができる資産は、いくらでもある」と指摘した。

浅田氏は20年間のデフレの背景に、日銀の緩和不足と1997年の消費税率引き上げの影響が存在しているとみている。

日銀が政府と歩調を合わせた政策運営を行うよう「安倍政権と黒田日銀が存続している間に、日銀法を改正すべき」「誰が総理・総裁になろうと、日銀の義務を法律ではっきりすべきだ」と指摘。

「日銀は物価目標のみならず雇用の最大化、失業率にもコミットすべきで、政府と協議して目標を定めるのが望ましい」と主張した。

インタビューは14日行われた。

(竹本能文 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/gdp-idJPKBN0TY07O20151215



2015年 12月 15日 10:31 JST

企業のインフレ期待は低下傾向続く、1年後+1.0%に低下=日銀

[東京 15日 ロイター] - 日銀が15日に発表した12月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価(CPI)の前年比上昇率は、全規模・全産業の平均で1年後がプラス1.0%、3年後がプラス1.3%、5年後がプラス1.4% となった。前回9月調査に比べてすべての期間でプラス幅が縮小しており、企業のインフレ期待の低下傾向が続いている。

前回9月調査と比べた低下幅は1年後が0.2%、3年後と5年後が0.1%となった。1%毎に示している選択肢別の社数構成比をみると、それぞれの期間で前年比3─5%上昇との回答が減少する一方、ゼロ%程度との回答が増えたことが、見通しの低下につながった。

同調査は2014年3月から開始したが、初回は1年後がプラス1.5%、3年後と5年後がプラス1.7%だった。企業のインフレ期待はジリジリと低下を続けている。特に1年後の低下幅が大きく、昨夏以来の原油価格下落を背景に足元で生鮮食品を除いたコアCPIがゼロ%程度での推移を続けていることが影響している可能性がある。

日銀は目標とする物価上昇率2%の早期実現に向け、現行の量的・質的金融緩和(QQE)の継続で2016年度後半には2%に達すると見通している。そのためにはインフレ期待を中心とした「物価の基調」の一段の上昇が不可欠だが、企業の物価見通しからは足取りの鈍さが鮮明だ。

足元では原油価格が一段と下落しており、インフレ期待が日銀の想定通りに上昇していくのか、難しい局面を迎えている。

同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しも、現在と比べて平均で1年後に0.5%上昇(前回0.7%上昇)、3年後に1.3%上昇(同1.4%上昇)、5年後に1.6%上昇(同1.8%上昇)と、こちらもすべての期間で低下した。

*内容を追加します。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/boj-cpi-corp-poll-idJPKBN0TY00P20151215



Business | 2015年 12月 15日 13:07 JST
軽減税率、法案作成の中で線引き明確に=麻生財務相

[東京 15日 ロイター] - 麻生太郎財務相は15日、閣議後の会見で、軽減税率で焦点となっている外食の線引きについて「法案作成の中で線引きの明確化に向けて対応したい」と述べた。財源確保については「自公両党が今後1年かけて検討するので、きちんと見守り適切に対応したい」と語った。

公明党案の全面的な採用は選挙協力か、との質問に対しては「安定した政策運営には両院で安定議席が必要」と指摘した。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/aso-tax-idJPKBN0TY0BU20151215


 


日経平均下げ200円超す、円高嫌気の輸出、銀行安い−FOMC見極め
2015/12/15 13:32 JST

    (ブルームバーグ):15日午後の東京株式相場は下げ幅を広げ、日経平均株価は200円以上安くなった。為替の円高に対する懸念で電機や機械など輸出関連、非鉄金属や鉄鋼、化学など素材株が安い。銀行やパルプ・紙株も下落。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるほか、下値不安が根強い海外原油市況などから世界的なマネーフローの行方に不透明感もある。
午後1時30分現在、TOPIXは前日比19.10ポイント(1.3%)安の1508.78、日経平均株価は230円73銭(1.2%)安の1万8652円69銭。

東証1部33業種は紙パや非鉄、銀行、鉄鋼、海運、機械、電機、その他製品、化学などが下落率上位に並ぶ。空運は小高い。

14日のニューヨーク為替市場ではドルが主要通貨に対し下落。市場が米利上げへの準備を進める中、ドルは年初からの上昇で短期的に売りが出やすくなっている。ドル・円は一時1ドル=120円30銭台と、11月2日以来のドル安・円高水準に振れた。きょう午後は120円90銭台と円高の勢いは一服、前日の日本株市場の終値時点は121円19銭だった。14日の米国債は大幅下落し、6週ぶり低水準付近にあった10年債利回りは上昇した。FF金利先物市場が織り込む15、16日開催のFOMCでの米利上げ確率は76%。

14日のニューヨーク原油先物は、一時2009年2月以来の1バレル=35ドル割れの場面があった後、終値では戻して1.9%高の36.31ドルと7営業日ぶりに反発。ただし、下値不安は拭い切れていない。

野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「原油、落ち着かない米国、為替が重しで外需セクターを買えない。為替の展開、米国の2回目の利上げがどうなるかが重要で、利上げペースが分からないとドルが買われない」と指摘する。

売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、ソニー、任天堂、アルプス電気、日東電工、旭化成、日産自動車、TDK、ミネベア、富士通が安い。電子部品関連は、JPモルガン証券が米アップルの1−3月に潜在的な下方リスクがあり、4−6月に関する市場予想のコンセンサスは現実的ではないとしている。半面、バークレイズ証券が投資判断を上げた西武ホールディングスは高い。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/12/15 13:32 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZDDTM6S972G01.html



米利上げに強い日本株、上昇率海外上回る−景気、円安ダブル恩恵 (1)
2015/12/15 12:20 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/data?pid=avimage&iid=i24L2RVbhiiE

    (ブルームバーグ):国際金融市場では、米国が約10年ぶりに利上げに踏み切るとの見方が強まっている。これまで株式などリスク資産に向かっていた過剰流動性マネーが逆流するとの懸念がある一方、過去四半世紀に及ぶ米利上げと世界の株式市場の関係を見れば、日本株の上昇率が海外市場を圧倒していることが分かった。
ブルームバーグのデータによると、東証1部全体の値動きを示すTOPIXは1988年以降に行われた過去4回の米利上げ局面で平均14%上昇した。同期間の米S&P500種株価指数の上昇率7.8%、MSCIアジア太平洋指数の12%を大きく上回る。また、米利上げ局面の中で初回の利上げが行われてから1カ月間のパフォーマンスでも、TOPIXは平均で1%上昇、対照的に米国は1.7%下落、アジアも2%下げている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は15、16日の日程で年内最後の連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。イエレンFRB議長は3日の議会証言で、米経済が向こう1、2年、労働市場の一層の改善をもたらすのに十分な成長を見せる可能性が高い、と私は判断している」と発言。利上げ時期については、開始を遅らせ過ぎた場合、その後急速なペースでの利上げを余儀なくされる可能性が高まると指摘し、あらためて初回利上げの実施に意欲を見せた。
4日に公表された11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比21万1000人増と市場予想の20万人増を上回った。フェデラルファンド金利先物が織り込む12月利上げの確率は76%と、1カ月前の66%から上昇。さらに利上げ開始後、2016年に2回あるいは3回の追加利上げを行うとの見方が織り込まれている。
米利上げが実施された場合、これまでの金融緩和で新興国などに流れていたリスクマネーが逆流し、世界の株式市場にネガティブな影響が出るとの見方がある半面、過去の経験則とともに日本株にとってはプラス材料との指摘も聞かれる。利上げ実施の背景にある良好な米経済環境に加え、異次元緩和を続ける日本との金融政策差から為替がドル高・円安に進めば、日本の輸出関連企業に好影響が及ぶためだ。
メリルリンチ日本証券の阿部健児株式ストラテジストは、「米国の景気が良いということで輸出拡大を期待できる。FRBの利上げで円安にもなるため、日本はダブルの恩恵を受ける」と言う。
ドル・円相場は過去3年あまりで既に50円近く円安が進んだ反動もあり、6月に付けた13年ぶりのドル高・円安水準1ドル=125円86銭を抜け切れないが、ブルームバーグがまとめた市場関係者のドル・円予想では、来年4−6月期時点で1ドル124円、10−12月期時点で125円が見込まれている。14日午後5時時点では121円銭。
三井住友信託銀行の木村玄蔵エコノミストは米経済の堅調な伸びを背景に、来年は輸出企業のトヨタ自動車や富士重工業などの株価動向に注目している、という。2016年の世界経済にとって最も大きなチャレンジは、米利上げの世界をどのように切り抜けるかだと指摘する。
日本株は15日午前時点で、先進24カ国の株式市場の中で年初来騰落率は5位、アジアではトップ。大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは米利上げ後の株式市場の見通しについて、米国株はさえない上、「今回は中国不安でアジアは買いにくい。欧州も新たな不安を抱え、追加金融緩和が実施されれば、一段のユーロ安も懸念される」と指摘。グローバル運用の観点から、「日本株が集中的に選好される可能性がある」とみている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net;東京 北中杏奈 akitanaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/12/15 12:20 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZA6P06K50XS01.html



米利上げ前夜の現在のアジア、2004年のグリーンスパン時代と様変わり
2015/12/15 12:41 JST

    (ブルームバーグ):米金融当局が2004年、グリーンスパン元連邦準備制度理事会(FRB)議長の下で前回の引き締めサイクル開始に踏み切った際、アジア経済は強気の状態にあった。当時は日本が世界2位の経済大国で、中国は2桁成長を続け、東南アジアの新興国は再び勢いを回復し、アジア通貨危機は遠い昔の出来事のように感じられた。

そして今、06年以来となる利上げにイエレンFRB議長が近付く中、アジアの見通しは前回に比べずっと抑制気味となっていることは明らかだ。中国は25年ぶりの低成長にとどまる見通しで、日本は3年間で2度目の2四半期連続マイナス成長をかろうじて回避。アジア地域からは資金が流出し、かつてもてはやされたタイやマレーシアなどは不調に見舞われている。

イエレン議長率いる米金融当局が9月に利上げ開始を見送った一因に挙げたのは、夏季に5兆ドル(約606兆円)相当の時価総額が吹き飛んだ中国株式市場の急落をめぐる懸念だった。だが、米金融当局が新たな引き締めに着手した場合、アジアにどの程度マイナスの影響が及ぶかについてはアナリストの間で意見が分かれている。

明白なリスクの1つは多額のドル建て債務の累積だ。米利上げに伴って資金がアジア地域から引き揚げられ、現地通貨が押し下げられれば、対外債務の返済は一層困難となる。中国やインドネシア、マレーシアなどの各国には特に懸念材料だ。エコノミストのバリー・アイケングリーン、リカルド・ハウスマン両氏は「原罪」という言葉を使い、海外借り入れを行ってきた新興国の困難を説明した。
一方で、こうした懸念を打ち消すことになるのは、外貨準備高の積み増しや変動相場制の採用普及、比較的堅調な財政収支動向だ。このような防御は米利上げの影響からアジアを保護するのに十分かもしれないと一部アナリストは指摘。ブルームバーグ・インテリジェンスのエコノミスト、フィールディング・チェン、トム・オーリック両氏は、中国は最も回復力がある国の1つだと話す。

チェン、オーリック両氏は「米金融当局の動きは広範に伝えられており、アジアが急激な資金流出に転じる可能性は低いと考えられる」とコメント。「仮にそのような事態となっても、中国への影響は、韓国など一段とエクスポージャーが大きい貿易相手国からの需要鈍化を通じたものとなり、直接的な打撃はないだろう」との分析を示した。

原題:Alan Greenspan Wouldn’t Recognize the Asia of Today Versus 2004(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先: Hong Kong Enda Curran ecurran8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net; Michael Heath mheath1@bloomberg.net
更新日時: 2015/12/15 12:41 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZDOE66JIJUP01.html

債券上げ幅拡大、先物は最高値更新−5年入札結果順調で買い優勢
2015/12/15 14:00 JST


    (ブルームバーグ):債券相場は上昇幅を拡大し、先物は最高値を更新している。今日実施の5年利付国債入札が順調な結果となったことを受けて、買いが一段と優勢となっている。
15日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、午後に入り、5年債入札結果の発表後に前日比10銭高の148円91銭まで上昇し、前日の夜間取引で記録した最高値148円87銭を上回った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.30%で開始。その後は0.295%と、取引ベースで1日以来の0.3%割れとなっている。5年物の125回債利回りは、入札後に0.5bp低い0.03%。新発20年物の154回債利回りは横ばいの1.03%で始まり、その後は1.025%と2月3日以来の低水準を付けた。

UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、「5年債入札はしっかりした結果だった。応札倍率も高い」と分析。「日本株は下がっている。海外株式は良かったが、日本株はまだクレジット市場の清算などハイイールド債の金利上昇を消化しきれていない感じ。債券の買い材料となっている」と話した。

5年債入札結果
財務省がこの日午後に発表した表面利率0.1%の5年利付国債(126回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円31銭と市場予想を1銭上回った。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低と平均の差)は1銭と前回と同じ。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.25倍と今年1月以来の高水準となった。

14日の米国株相場は上昇。原油相場の持ち直しを背景に取引終了間際に買いが膨らんだ。S&P500種株価指数は前営業日比0.5%上昇で引けた。米債相場は下落し、10年債利回りは同9bp上昇の2.22%程度となった。15日の東京株式相場は下落。日経平均株価は一時、前日比1.3%下げた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝
更新日時: 2015/12/15 14:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZDEBG6JTSEB01.html


ドル・円は121円付近、原油先物にらみの展開−下値120円程度との見方
2015/12/15 12:14 JST

    (ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=121円ちょうど付近で推移している。前日の海外市場で年初来の安値を更新した原油先物相場の動向をにらみながらの展開が続いている。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催前に、投資家のドル買い持ち高が減っているとし、ドルの下値は限定的との見方が出ている。

15日午後0時10分現在のドル・円相場は121円05銭付近。ドルは朝方に付けた120円90銭から、金融機関の仲値公表が集中する午前10時ごろに121円18銭まで買われる場面があったものの、上値は限定的だった。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物の中心限月1月物はアジア時間の取引で1バレル=36ドル台前半と、前日のニューヨーク時間に付けた2009年2月以来の安値となる34.53ドルから2ドル近く戻した水準でもみ合いとなっている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部・為替市場グループの市河伸夫グループマネージャーは、この日のドル・円について、「ほぼ仲値の需給のみで、FOMCを前に様子見状態」と指摘。「この2日間で相当、FOMC前の調整を済ませたとは思うが、今日はまだ121円半ばではドル・円ロングのポジションを減らしたいプレーヤーの戻り売りはあるかもしれない」としながらも、「ここもとのクレジットファンドの解約を受けたリスクオフの動きも一巡しており、下値を広げても120円ちょうどがせいぜいだ」とみている。

前日の海外市場では原油の大幅安や欧州株の下落などを背景に、ドル・円は11月2日以来のドル安・円高水準となる120円35銭を付けた後、取引終盤に121円ちょうど付近まで戻した。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.1049ドルと11月2日以来の水準までユーロ高・ドル安が進んだ後、1.09ドル台に戻し、足元では1.1005ドル付近で推移している。

米国市場では、株式相場が反発。商品関連銘柄が下げたものの、原油相場の回復を背景に取引終了間際に買いが膨らんだ。S&P500種株価指数は前営業日比0.5%高の2021.94で終了。米国債相場は大幅反落し、6週間ぶり低水準付近にあった10年債利回りは9ベーシスポイント(bp)上昇の2.22%で引けた。15日の東京株式相場は続落しており、日経平均株価は100円を超える下げとなっている。

FOMCは15、16日の日程で開かれる。ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、FOMCでの利上げがほぼ確実の中、FOMC参加メンバーによるフェデラルファンド(FF)金利の予想分布図(ドット・チャート)に注目。「来年の利上げが3回程度と示唆されるのが一番みんなの居心地がいいかもしれない。そうなれば、リスクセンチメント、特に株はあまり崩れない一方、米2年・5年債の金利は上がりやすい。ドル・円はしっかりしやすい」と言う。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/12/15 12:14 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZDDWT6JTSEI01.html


サード・アベニュー、高利回り債ファンドではない?
By STEVEN RUSSOLILLO
2015 年 12 月 15 日 13:19 JST

 高利回り債市場の最近の急落は、実際は高利回り債ファンドがきっかけではなかったかもしれない。

 サード・アベニュー・マネジメントは先週、その運用額7億8900万ドル(約950億円)のサード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンドの解約受け付けの停止を発表したことで市場を驚かせた。ジャンク債市場は急落し、その後は高利回り債関連の株式、債券、上場投資信託(ETF)がいずれも痛みを感じている。

 ところが、業界観測者は注目のファンドが実際は誤って分類されていると述べる。投資信託調査会社モーニングスターは、同ファンドのカテゴリーを高利回り債券ファンドとしている。これに異論を唱える向きもある。

 投資銀行兼資産運用会社のブリーン・キャピタルのマネジングディレクター、ピーター・チア氏によると、同ファンドの構成内容は基本的な高利回り債ファンドを象徴するものではないという。例えば、チア氏はポートフォリオの50%前後を無格付け資産、45%近くを格付けCCC以下の資産が占めることを指摘した。

 ファンドの資産配分はこれが「ありふれたジャンク債ファンドには程遠い」ことを示すとチア氏はいう。典型的な高利回り債では、その保有資産の大半をサード・アベニューのファンドよりも高格付けの証券が占める。

 フォーカスト・クレジット・ファンドのパフォーマンスも高利回り債市場のそれとは大きく異なる。2009年半ばから昨年半ばにかけて堅調なパフォーマンスが続いた同ファンドだが、昨年のパフォーマンスはマイナス6.3%となり、モーニングスターが追跡する高利回り債ファンドのうち最低1%のランクに加わった。また、今年も今月9日までにマイナス27%となった。一方、モーニングスターによると同期間の高利回り債ファンドのリターンはマイナス3.8%だった。

 チア氏は「かなり集中化され、危険資産を保有した特殊事情のファンドにおける低調なパフォーマンスは高利回り債市場を示すものではない」と述べた。

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ジャンク債相場の下げ止まらず、エネルギー関連社債に売り

By MIKE CHERNEY, LESLIE JOSEPHS AND SARAH KROUSE
2015 年 12 月 15 日 07:30 JST

 このところ低迷しているジャンク(投資不適格)債相場が14日、あらためて売り込まれた。信用格付けの低い企業の健全性に対する懸念や、ジャンク債を運用対象の中心とするミューチュアルファンドの清算の影響が続いた。

 上場投資信託(ETF)では、iシェアーズのiBoxxドル建てハイイールド社債ETFが米東部時間14日午後3時15分現在で前週末比1.41%安をつけた。前週末11日には2%下落し、2011年以来最も大幅な下げを記録していた。

 流動性の高い個別企業の社債も多くが値下がりし、電力会社ダイナジー、ケーブルテレビ(CATV)大手チャーター・コミュニケーションズ、原油・天然ガス生産のオアシス・ペトロリアムなどが売られた。

 サード・アベニュー・マネジメントが先週、ジャンク債を投資対象とするサード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド(運用資産総額7億8900万ドル=約950億円)の解約停止と清算を発表し、ジャンク債市場に投資家懸念が広がったことを反映し、資産運用会社の上場株式にも売り圧力がかかった。

 ワッデル・アンド・リードは株価が5%超下落。ジャンク債中心の米ミューチュアル・ファンドを運用するフランクリン・リソーシズは3.6%安。サード・アベニューに出資するアフィリエーテッド・マネージャーズ・グループは約4%下落。大手ブラックロックも1.25%安となった。

IシェアーズのIBOXXドル建てハイイールド社債ETF相場


 トレーダーらによると、エネルギー関連企業の社債は14日も引き続き軟調で、原油やその他資源価格が安いままならば多くがデフォルト(債務不履行)に向かうとの投資家の懸念を浮き彫りにした。海外経済の減速が懸念される中、原油相場はここ数週間下落しており、14日朝にもまた下落した。

 サード・アベニュー・マネジメントは先週、ファンドの解約停止に伴い投資家への換金は数カ月後になるとの見方を示し、多くの投資家を動揺させた。同社は14日、デービッド・バース最高経営責任者(CEO)の退社を発表した。


米ジャンク債急落、FRB議長に緩やかな利上げの明言促す可能性
2015/12/15 09:33 JST

    (ブルームバーグ):米ジャンク(高リスク・高利回り)債の急落は今週の米利上げを妨げない見通しだが、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長に対し、将来の利上げプロセスが緩やかになり、利上げは米経済への自信を表わすと明言するよう一段と促す可能性がある。
15、16両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では2006年以来となる利上げに米経済は耐えられるとの見解が示されるとの見方が支配的。高利回り債は先週から急落している。
米サード・アベニュー・マネジメントが9日の投資家向け書簡で、同社のミューチュアルファンド「フォーカスト・クレジット・ファンド」の償還を凍結し、同ファンドを清算すると表明すると、クレジット市場は混乱。高利回り債を投資対象とする上場投資信託 (ETF)「SPDRバークレイズ・キャピタル・ハイイールド・ボンドETF」の11日終値は09年以来の安値となった。
SGアメリカズ・セキュリティーズの金利セールス・ストラテジスト、オメイア・シャリフ氏は電子メールで、「当局者が急速な利上げを心配する必要はないと投資家に分からせるため、利上げサイクルが緩やかになると明確に表明する可能性は最近の出来事で高まると思う」と指摘。「利上げが緩やかで小幅になると投資家がある程度確信すれば、市場の若干の沈静化に寄与する可能性がある」と説明した。
原題:Junk Bond Misery Backs Fed Case for Gradual Rate Rise, No Delay(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Jeanna Smialek jsmialek1@bloomberg.net; Washington D.C. Christopher Condon ccondon4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/12/15 09:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZDGR46KLVRL01.html


Business | 2015年 12月 15日 10:47 JST
アングル:米ジャンク債ファンド破綻、企業統治の不備浮き彫りに

[ボストン 14日 ロイター] - 先週実質的に破綻状態に陥った高利回り(ジャンク)社債ファンド「サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンド」(TFCIX.O)は、流動性の乏しい資産の組み入れ比率が破綻前に急激に上昇していた。

ミューチュアルファンドの非流動性資産については企業統治の専門家からリスクを懸念する声が上がっており、今回の破綻で業界内の不透明な一角が外部の監視をすり抜けている実体が浮き彫りになった。

折しも米証券取引委員会(SEC)は市場の価格が存在せず、取引が非常に少ない非流動性資産について、組み入れ比率の上限を15%とする規制導入を進めている。

SECは9月にファンドごとの委員会による監視強化や、非流動性資産の組み入れ比率の透明性向上を提案していた。

アナリストによると、破産債権や高リスクの住宅ローン担保証券などといった非流動性資産は取引が難しいだけに、こうした資産の組み入れ比率が高いファンドは投資家が考えている以上に大きな損失を抱えかねない。

当局に提出された開示文書によると、サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンドの非流動資産の全資産(約20億ドル)に対する比率は7月末時点で9.1%。2014年10月は4.6%で、12年は0.91%にすぎなかった。

しかし米会計規則に基づく試算では、非流動性証券の組み入れ比率は20%に達していたことになる。

サード・アベニューと親会社アフィリエーテッド・マネジャーズ・グループは取材に応じていない。

現在の制度では、ファンドは非流動性資産の分類や評価でかなりの裁量権を持つ。大半のファンドは資産の監視を内部の評価委員会の手に委ねており、SECはこの点が投資家に対してシステミックなリスクになり得るとみている。

ミューチュアルファンドの評価委員会は株主の利益に目を配り、マネジメントフィーについて交渉するなどの職務を担う。メンバーは内部の独立した立場のディレクターによって指名される。しかし一部の専門家はほとんど機能していないと指摘している。

シカゴ・ケント・カレッジ・オブ・ローのウィリアム・バードシスル教授は評価委員会の仕事ぶりについて「ひどいものだ」と述べ、ミューチュアルファンドの経営監視体制に疑問を呈した。

サード・アベニューの評価委員会のメンバーは法律顧問のジム・ホール氏、会計監査役のジム・ブオノ氏、最高財務責任者(CFO)のビンセント・デゥーガン氏の3人で、いずれも在職期間の長い内部関係者ばかりだ。

(Tim McLaughlin and Ross Kerber記者)
http://jp.reuters.com/article/sec-idJPKBN0TY05F20151215

野村:日経レバレッジETF、運用透明性でブラックボックスは使わず
2015/12/15 09:00 JST

    (ブルームバーグ):野村アセットマネジメントは、日本株で通常の2倍の上昇率を享受できる世界最大のレバレッジ型上場投資信託(ETF)の運用について、現時点では欧州で行われているようなブラックボックス型は採用せず、運用の透明性を重視する姿勢を継続する方針だ。
野村アセットは11日、運用・管理する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(愛称:日経レバレッジ指数ETF)」の設定申し込みの受け付けを18日申し込み分から再開すると発表した。日経レバレッジ指数ETFは行動の素早い個人投資家からの投資人気が高いため、純資産総額が変動しやすく、その増減により申し込みの受け付け停止と、再開が繰り返されている。
日経レバレッジ指数ETFの純資産総額は8月中旬に3000億円台で推移していたが、同下旬以降に資金流入が加速。資産規模が膨らみ過ぎた結果、指数との連動性を維持するのが困難となり、10月16日以降は設定申し込みの受け付けを停止していた。10月26日には純資産総額が8640億円まで拡大した半面、12月10日には6992億円と9月以来の7000億円割れとなった。11日時点は7139億円。
野村アセット総合企画部広報の広中一雅シニアマネジャーは、ブルームバーグの電話取材に対し、他の売買手法を使う可能性などについて「欧州のようにスワップを組んだり、リンク債を使用したりしてパフォーマンスが倍になればいいというブラックボックス型よりは、これまで通り資産の倍を建てるというシンプルで透明性の高い運用をやっていきたい」と言う。
また、今回の決定については「運用資産規模に余裕が出来たから速やかに再開を決定した」と同氏は説明。次の停止につながる条件としては、「これまで通り先物市場の流動性との見合いで、3本の運用資産額、商品性の連動率を維持できるところで判断していかなければならない」と述べた。
日経平均レバレッジ・インデックスの終値に連動させるようポートフォリオを構築している日経レバレッジ指数ETFは、2012年4月に設定額100億円あまりで上場した。日本経済新聞社によると、日経平均レバレッジ・インデックスは日経平均株価の変動率の2倍の値動きになる指数で、前日比5%上昇した場合は10%上昇する。
野村アセットが18日から設定申し込みの受け付けを再開するのは、日経レバレッジ指数ETFのほか、ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(日経ダブルインバース指数ETF)、インバース・インデックス連動型上場投信(日経インバース指数ETF)の計3本。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 北中杏奈 akitanaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/12/15 09:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZBMYD6TTDS901.html


ECB総裁、インフレ目標達成に万策講じる

ドラギECB総裁は域内の物価圧力を押し上げるために全力を尽くす構えだとあらためて強調した PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By GIOVANNI LEGORANO AND TODD BUELL
2015 年 12 月 15 日 08:41 JST

 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は14日、インフレ率を目標水準に戻すためにECBが使える手段に制限はないとの考えを示し、域内の物価圧力を押し上げるべく全力を尽くす構えだとあらためて市場に納得させようとした。

 インフレ目標達成に向けてECBがさらなる措置を講じなければならないのであれば、そうするつもりであることは「疑う余地がない」と繰り返した。

 総裁はイタリアのボローニャでの講演で、「前回の政策理事会を開いたとき、そして最近にも機会をとらえて言及した通り、『物価安定化の目標を達成するために手持ちの手段の活用を強化する必要があるのならば、そうするつもりであることは間違いない』」と語った。

 「われわれの使命の範囲において政策手段の選択や利用方法に制限はない」とし、「インフレ率を目標水準に誘導することは常に可能だ。そうしなければならないし、そうするつもりだ」と述べた。

 さらに、ECBが今月の理事会で追加緩和政策を決めたため、過度に遅れることなく、ユーロ圏のインフレ率は中銀目標に到達する見通しだと語った。

 ドラギ総裁の14日の発言は、今月3日の理事会後に発表した追加緩和が市場の失望を招いたことを受け、ECBによる市場への資金供給が必ずしも終わったわけではないことをあらためて市場に確信させようとしたものだ。

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英中銀、想定より大幅な利上げの必要も=副総裁

イングランド銀行のシャフィク副総裁(写真)は14日、賃金の伸び悩みが一時的である場合には、これまでの想定より大幅に政策金利を引き上げる必要があるかもしれないと述べた PHOTO: ZUMA PRESS
By JASON DOUGLAS
2015 年 12 月 14 日 23:25 JST

 【ロンドン】英イングランド銀行(中央銀行)のシャフィク副総裁(市場・銀行担当)は14日、賃金の伸び悩みが一時的である場合には、これまでの想定より大幅に政策金利を引き上げる必要が出てくるかもしれないとの認識を示した。

 シャフィク副総裁は英国経営者協会(IoD)での講演用原稿で、これまで利上げに賛成票を投じてこなかったのは、インフレ率を目標の2%へ押し上げるほど賃金上昇率が加速していないためだと説明した。英中銀は2009年前半から政策金利を過去最低の0.5%に維持している。

 シャフィク副総裁は「物価上昇率が目標値へ戻れる水準で賃金の伸びが安定しない限り、利上げに賛成票を投じないだろう」との考えを明らかにした。

 だが、最近の減速している賃金の伸びが間もなく加速に転じる可能性が高いとも指摘。賃金の上昇が一度再開すれば、金融市場の見方よりも「大きな幅で政策金利を引き上げる状況を予想できる」とした。

 金融市場では英中銀は2016年終盤か17年初めまで利上げしないと見込まれている。また利上げ幅は約2年間で1%程度と予想されている。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-LR632_boe121_M_20151214063928.jpg

 

米利上げの是非、経済学者の見解分かれる

FRBの利上げについて、経済学者の多くは望ましくないと考えていることが調査で明らかに PHOTO: ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS

By HARRIET TORRY
2015 年 12 月 15 日 12:47 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)が今週利上げすることについて、投資家は可能性が極めて高いとみている一方、経済学者の多くは望ましくないと考えていることが、新たな調査で明らかとなった。

 シカゴ大学が実施した調査によると、FRBが15・16日の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを決めることに「同意」ないし「強く同意」すると回答した経済学者は48%と、半分をわずかに下回った。

 一方、「同意しない」との回答は19%、「分からない」は17%だった。調査は経済学者43人を対象に実施されたが、全員が全ての質問に回答したわけではない。

 利上げに反対した学者のうち、複数が低インフレと低い労働参加率を理由として強調した。

 かつてオバマ政権でチーフエコノミストを務めたシカゴ大学のマイケル・グリーンストーン教授は「どこに物価圧力があるのだろうか」と問いかけた。労働市場を去った人は多いと警告した上で、「バブルの怪物は常に潜んでいるとはいえ、今それはどこにいるというのだろうか」と語った。

 スタンフォード大学のロバート・ホール教授(経済学)は、FRBの利上げに強く異議を唱えている。「FRBは現在の自然失業率をやや過大評価しており、これが低下していることを理解できていない」と述べた。同教授はアメリカ経済学会(AEA)の元会長。

 FRBは利上げすべきとの見方に同意した経済学者らは、「分からない」ないし「同意しない」と回答した学者ほど多くの根拠を挙げなかったが、一部は良好な雇用統計と、金融緩和策を長期間続けることの経済的リスクに言及した。FRBは2008年12月以降、FF金利誘導目標をゼロ?0.25%に据え置いている。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授は、利上げの機は熟したと考えており、世界金融危機の前段階でそうだったように、持続的な低金利は信用配分の歪みをもたらすと指摘した。

 スタンフォード大学のジョナサン・レビン教授(経済学)は、予想される0.25%の利上げに対する注目の度合いを一笑に付している。

 「憲法改正でもこれほどの騒ぎにはならないだろう」と述べたが、FRBが今週のFOMCで利上げすべきかどうかについて意見は示さなかった。

 FRBはもっと早く利上げすべきだったか、という2番目の質問では、より多くの意見の一致が見られた。「同意しない」ないし「強く同意しない」との回答は3分の2以上に達した。

 シカゴ大学ブースビジネススクールのオースタン・グールズビー教授(経済学)は、「あり得ない」と簡潔にコメントした。同教授もオバマ政権で首席エコノミストを務めた経験がある。

 スタンフォード大学ビジネススクールのダレル・ダフィー教授(金融論)も、FRBは早期にゼロ金利政策を脱するべきではなかったと述べた。トレードオフを考えるとより早期の出口戦略が好ましいかどうかは不明であり、インフレが低すぎると語った。

 だが、シカゴ大学のアニル・カシャップ教授は、自分なら間違いなく9月のFOMCで利上げに賛成票を投じていたとし、「先送りする口実は常にある。債券市場に双方向のリスクを復活させるべきときだ」と述べた。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが先週公表したものを含め、多数のエコノミスト調査で、ほぼ全ての回答者がFRBは今週利上げするとの見方を示している。

 CMEグループによると、FF金利先物市場が織り込む12月利上げの確率は14日時点で79%だった。


2. 2015年12月15日 15:16:00 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[85]
オーストラリア、15年度の財政赤字見通しを引き上げ
By ROB TAYLOR
2015 年 12 月 15 日 13:11 JST
 【キャンベラ】オーストラリアのモリソン財務相が15日発表した2015年度(2015年7月?16年6月)の最新の財政赤字見通しは、国内総生産(GDP)比2.3%の374億オーストラリアドル(約3兆2800億円)と、5月時点の見通し(351億オーストラリアドル、GDP比2.1%)から引き上げられた。

 国際商品(コモディティー)価格の急落、横ばいの賃金上昇率、景気の低迷を反映した。連邦議会選挙を来年に控えるターンブル首相にとって厳しい状況となった。

 政府はまた、16年度?19年度の財政赤字見通しも上方修正した。

 モリソン財務相は発表文で、「歳入はコモディティー価格の下落や交易条件の悪化、世界経済成長の鈍化、より現実的な国内成長見通しによって約340億オーストラリアドルほど減る見通しだが、今後も忍耐強く責任を持って財政均衡に向けた道のりを歩み続けていく」と述べた。

 保守政権を率いるターンブル首相は連邦議会選挙を来年に控え、経済改革の推進を求める圧力にさらされている。経済運営手腕ではアボット前首相よりも優れているというのが支持者の首相評だ。与党・自由党は3カ月前、世論調査での支持率低下を受けて当時首相だったアボット党首を解任し、後任にターンブル氏を選出した。

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オーストラリア経済、鉱業不況に順応=中銀総裁

Business | 2015年 12月 15日 10:56 JST
中国人民銀、元基準値を1ドル6.4559元に設定 11年7月以来の安値

[上海 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は15日、人民元の対ドル基準値CNY=SAECを1ドル=6.4559元に設定した。前営業日の基準値(6.4495元)に比べ0.1%元安・ドル高水準で、2011年7月以来の安値となった。
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-mid-idJPKBN0TY06320151215

International | 2015年 12月 15日 11:15 JST

経済指標は総じて良好、必要なら一段の緩和余地=豪中銀議事要旨

[シドニー 15日 ロイター] - 豪準備銀行(中銀)は15日、今月1日開いた理事会の議事要旨を公表した。直近の経済トレンドが明るいため、目先に追加刺激を講じる必要性はないと判断、金利据え置きを決めたことが分かった。同時に、必要な場合には、金融政策を緩和する「一定の余地」があるとも指摘した。

1日の理事会では、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の2.0%に据え置くことを決定した。議事要旨は「極めて低い金利」と豪ドル安がすでに経済を支援していると指摘している。

議事要旨によると、「入手可能なデータと予想に基づき、理事会は今回の会合で、政策金利を据え置くことが適切と判断した。メンバーは、インフレ見通しを踏まえると、需要支援の必要性が生じた場合、金融政策を一段と緩和する余地があるかもしれないと考えている」という。

豪準備銀行の次回の理事会は、来年2月の上旬に予定されている。

議事要旨は、鉱業投資減少に伴うマイナスの影響が後退し非鉱業部門の活動が上向くにつれ、経済は今後2年で徐々に強含むと指摘。

「極めて低い金利が家計支出と住宅投資の伸びを支援している証拠が引き続きある。豪ドルは主要コモディティー価格の大幅な下落に伴い調整しており、国内生産の需要を押し上げている」とした。

その上で「それでも、メンバーは労働市場などに余剰生産能力の存在を示す証拠がまだあると認識。賃金の伸びはなお低く、今後1─2年の基調的なインフレ率は目標に沿って推移する見通し」とした。

今回の議事要旨からは、「金融政策は緩和的である必要」の文言が外れた。経済が正しい軌道上にあると確信していることが示唆された。

また、住宅市場については、最近の監督措置がリスク抑制に役立っている、と指摘し、住宅市況を懸念していない姿勢を示した。
http://jp.reuters.com/article/aus-idJPKBN0TY02Z20151215


International | 2015年 12月 15日 12:13 JST
豪政府の年央経済見通し、今年度財政赤字を拡大方向に修正


[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリア政府は15日、年央経済財政見通し(MYEFO)を発表し、2015/16年度(2016年6月までの1年間)の財政赤字は374億豪ドル(271億3000万米ドル)との見通しを示した。

5月に発表した従来予想では351億豪ドルとしていたが、主要輸出品である資源の価格下落で税収が減るなか、財政赤字見通しを拡大方向に修正した。

政府は、2016/17年度の財政赤字は337億豪ドルになると予想し、5月に発表した258億豪ドルから見通しを拡大修正した。

前政権は経済政策が国民に受け入れられず退陣しただけに、今回の見通しは、ターンブル新首相にとって最初の大きな財政課題といえる。

政府はまた、純債務は2017/18年度に対国内総生産(GDP)比18.5%でピークを迎え、その後は徐々に低下していくとの見通しを示した。

http://jp.reuters.com/article/australia-budget-idJPKBN0TY08420151215


オーストラリア経済、鉱業不況に順応=中銀総裁
By SHANI RAJA
2015 年 12 月 2 日 10:23 JST
 【シドニー】オーストラリア準備銀行(中央銀行)のスティーブンス総裁は2日、商品(コモディティー)価格の急落は資源が豊富な西オーストラリア州にとって特に大きな打撃となっているが、同国経済はこれをうまくしのいでいるとの見方を示した。

 スティーブンス総裁は同州の州都パースで行った講演で、世界が金融危機のような衝撃に見舞われているにもかかわらず、オーストラリア経済は深刻な景気後退(リセッション)に陥るのをうまく回避し、今後緩やかな成長を達成する見通しだと述べた。 

2015年 12月 15日 08:48

原油安、長期にわたる可能性も─米ウェルズ・ファーゴ幹部=FT

[14日 ロイター] - 米銀大手ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)のコーポレート・バンキング部門責任者、カイル・フラニッキー氏は、原油相場の不振は長期にわたる可能性があるとの見方を示した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が14日に伝えた。

ウェルズ・ファーゴは9月末時点で、融資ポートフォリオ全体のうち約2%がエネルギー業界向けとなっており、米銀大手の中で石油・ガス業界向けのエクスポージャーが最も大きくなっている。

FTによると、フラニッキー氏は、顧客のエネルギー会社とは数カ月にわたり現金の確保や貸出上限の引き下げについて話を進めていると指摘。一部の石油・ガス企業は流動性が十分だとしつつ、中には資産売却や資本再編を迫られる企業も出てくるかもしれないと明らかにした。

同氏は5月に現職に昇進するまで、9年間にわたってヒューストンにあるウェルズ・ファーゴ・エネルギー・グループを指揮していた。
http://jp.reuters.com/article/wellsfargo-energy-idJPKBN0TX2OO20151214


2015年 12月 15日 08:59 JST
米原油輸出解禁、小規模精製業者などへの対応が焦点に=議会筋

[ワシントン 14日 ロイター] - 米議会の予算協議は14日、原油輸出禁止規制の撤回での合意に向け前進した。焦点は小規模な石油精製業者や再生可能エネルギー企業が恩恵を受けられるかどうかに絞られている。上院関係者が明らかにした。

共和党のマコネル上院院内総務を含む多くの共和党議員にとって、歳出法案に原油輸出禁止規制の撤回を盛り込むことが最優先課題となっている。これは原油の供給過剰で苦境に陥っている採掘業者に新たな市場を開くことになるためだ。

半面、小規模な石油精製業者は規制の撤回で打撃を受けるとしており、議会内ではこうした独立系の業者の保護に乗り出す動きも出ている。

民主党側は自らの要望が通るのであれば妥協することも視野に入れている。

ホワイトハウスは同日、原油輸出禁止規制の撤回に反対する姿勢を強調。ただ、議会が再生可能エネルギーに目を向けることを希望すると指摘した。風力・太陽光発電関連の税額控除の延長と引き換えに原油輸出禁止規制を撤回することに反対しない姿勢をみせたのは初めてだ。

マコネル氏は、協議に「大きな進展」があったとしたものの、協議がいつまとまるのか見通しについては明らかにしなかった。議会指導部は、現行のつなぎ予算が期限を迎える16日深夜を控え、15日に歳出法案を上程する見通し。

http://jp.reuters.com/article/usa-fiscal-oilexports-idJPKBN0TX2P620151214

2015年12月14日(月) 週刊現代
テロより恐い「チャイナリスク」?2016年、中国市場「突然死」の兆候は出揃った
日本企業がいま知っておくべき惨状

〔PHOTO〕gettyimages
習近平国家主席はあの手この手で景気テコ入れに躍起だが、時間稼ぎにしかならない。この巨大な船は沈む。日本を道連れにしてーー。

コマツを襲う「需要半減」という悪夢
中国関連の代表銘柄とされる世界第2位の建機メーカー・コマツがいま、その中国事業で頭を抱えている。

中国経済が凄まじい勢いで失速する中で、同社の稼ぎ頭だった中国ビジネスが破滅的な打撃を受け、尋常ではない落ち込みから抜け出せなくなっている。

〈2015年第2四半期の中国の需要は、前年同期比▲50%減少しました〉

コマツが10月末に投資家向けに作成した資料には、主力商品である建設機械の需要が「半減」したという衝撃の実情が記されている。

コマツの各種投資家向け資料によれば、実は年初の1-3月期からすでに中国での需要は〈▲58%〉と激減していたという。そのため、コマツは4月時点から2015年度の需要減を見込んで、今年度は〈▲20~25%〉との予測を立てていた。

しかし、そんなコマツの想定を「生ぬるい」とあざ笑うかのように、中国経済は猛烈な勢いで急落下。〈政府による景気刺激策の効果は見えず〉、中国経済がフリーフォール状態で落ちていく中、『需要半減』から逃れられない隘路にはまっている。

コマツ幹部は言う。

「建機部門はほんの4年前には中国で年間3,000億円以上を売り上げていた。それが今年は、半期でわずか約350億円です。市場回復の兆しは見えない。新しい建機を売りまくるビジネスモデルが通用しないので、メンテナンス事業などで稼ぎを取りこぼさないように注力しているのが現状なのです」


コマツの建機は中国ビジネスの成功の代名詞だったが……〔PHOTO〕gettyimages
開発ラッシュに沸き、都市のあちらこちらで建機が砂埃を巻き上げていた光景は、ほんの少し前まで各地で見られた。が、経済が失速を始めると、開発案件は軒並みストップ。中国ビジネスで「わが世の春」を謳歌した大手企業を一転、奈落の底へ突き落としている。

コマツに次ぐ国内2位の建機メーカーの日立建機も惨状は同じ。同社の主力商品である油圧ショベルの中国における需要データを示す資料によれば、直近の10月は前年同月比で▲43%と目も当てられない。さらに見ると、9月は▲49%、8月は▲51%、7月は▲52%、6月は▲54%と、コマツ同様に「需要半減ショック」に襲われていることがわかる。

中国で油圧ショベルの評価が高いコベルコ建機の社員も言う。

「中国ビジネスが難しいのは、上下の反動が大きすぎて、常識では考えられないような動きをすることです。毎年、春節(2月)明けの3~4月が建機の販売ピークで、普段の月の4倍ほど売れます。それが今年は、控えめに見積もった販売目標にも届かなかった」

中国経済は2ケタの驚異的な成長を続ける黄金期こそ終了したが、今後は7%前後の成長率は維持できる「新常態(ニューノーマル)」に入っていくから安心ーー。中国政府はそう喧伝しているが、足元で起きていることは新常態というより異常状態にほかならない。

アクセル全開で走っていたところに急ブレーキをかけたかのような景気の失速に、中国ビジネスを手掛ける企業各社は大パニック。どこまで経済が落ちていくのか、その一歩先も見通せない恐慌状態に脅え出した。

とうとう「市場縮小」が始まった
自動車メーカー各社はいま、「市場縮小」に慌てふためく。

変調が始まったのは今年4月。景気の先行きを不安がりだした中国市民の消費が一気に冷え込み、右肩上がりだった新車販売が前年同月比でマイナスに転落した。実質的にマイナス転落したのは反日デモが吹き荒れた'12年以来だが、4月以降も5月、6月、7月、8月と前年比マイナスが止まらず、市場が収縮モードに突入したのである。

トヨタ社員が言う。

「独フォルクスワーゲンや米ゼネラルモーターズ、韓国の現代自動車などの外資各社が、中国市場の旺盛な需要を取り込もうと、工場増設などで生産能力を引き上げた矢先のことだった。

そこへきて急激に車が売れなくなったから、在庫が一気に膨れ上がった。外資系メーカーは在庫一掃セールさながらで値引き競争を仕掛け、『100万円値引き』まで出た。利益を削ってでも数を売ろうとする消耗戦になっている」

10月には焦った中国政府が減税措置のテコ入れ策を講じて、販売数は立て直した。が、それは需要を先食いした一時凌ぎにすぎない。追い打ちをかけるように、中国の株式市場で株価が暴落すると、市民の消費意欲はまた減退、株価下落→販売減→在庫増→値下げ・・・という負のスパイラルに陥ろうとしている。

前出のトヨタ社員が言う。

「今年度は、自動車各社の中国工場稼働率が5割まで落ちると言われるほどです。現代自動車はあまりの不振で、販売台数の開示を一時見送っていた。日本勢は過剰な値引き競争には参戦していませんが、利幅は薄くなってきた。

トヨタはこの半期で中国での販売数を伸ばしたのに、中国分の利益は100億円弱の減益。会社全体で慎重な業績見通しを立てているのも、チャイナリスクを意識すれば慎重にならざるを得ないからです」

巨大工場を作った矢先に市場が萎み、格安競争に走る大手企業が軒並み巨額赤字に陥った「デフレ末期の日本」に似た風景になってきた。

撤退したくてもできない
実際、中国のモノの「売れなさぶり」は尋常ではない。元産経新聞北京特派員でジャーナリストの福島香織氏が言う。

「今秋に北京に行きましたが、2000年代前半には中国最大のショッピングモールとまで言われ、大勢の人でごった返していた『SOHO現代城』に人がいない。高級ブランドコーナーは閑古鳥が鳴き、店員が暇そうに私語をしていた。

人気の複合商業施設だった『銀河SOHO』もガラガラで、テナントは空き店舗ばかり。家電量販店などが集まり、北京のシリコンバレーと言われる『中関村』も元気がない。中国人はネットで安いモノを探して買うばかりです」

こうした事態を受けて、仏高級ブランドのルイ・ヴィトンが一部店舗を閉店するなど、企業の「撤退戦」が加速。日本勢もその波に呑まれ、撤退や合弁解消、事業構造転換などを余儀なくされるところが続出している。

カルビー社員が言う。

「中国では合弁会社を作って『かっぱえびせん』などを製造・販売していましたが、この11月に合弁を解消しました。われわれの商品は7~8元(135~155円)なのですが、現地メーカーの類似品は5~6元で売ってくる。年間500億円の売り上げ目標を立てていたが、実際は5億円。厳しかった」

パナソニックは'80年代から中国でのテレビ生産を手掛けてきたが、今年年初に工場を閉鎖し、中国でのテレビ自社生産から撤退した。パナソニック幹部が理由を語る。

「韓国や台湾企業との激安競争がもう限界を迎えている。かつて『松下』のテレビは中国で一大ブランドでしたが、いまは安いことが重視される。中国では人件費も上がり、一般消費者向けの商売はきつくなるばかり。だから工場も閉鎖し、事業転換して、業務用ビジネスへ路線をシフトする決断をくだした」

日本勢が巨大市場の中国を目がけて、大企業から中小企業まで、我先に新規ビジネスを始めようと進出ラッシュに沸いたのはほんの数年前のことである。それがいまは、乗っていれば沈んでしまう泥船から逃げ出すかのような地獄絵図と化している。

「中国では飲料用缶を製造販売していましたが、価格競争が激化した。これ以上続けても利益が取れないという状況になってきたので、早々に撤退を決意しました」(東洋製罐グループHD社員)

中国事情に詳しいジャーナリストの姫田小夏氏も言う。

「中国でビジネスをする日本企業の集まりが今夏にあったのですが、いかに撤退するかという話題で持ちきりでした。実は、中国事業の撤退というのはそう簡単にはできない。

まず、従業員を解雇するための労使交渉が非常にタフネゴシエーションで、巨額の補償金をふっかけられるリスクがある。また、日本企業が撤退すると地元の雇用が減るので、地方政府の役人が申請書類を受理しないなどの手を使って、抵抗してくる。

外資系企業の中には、こうした事情をわかっていて、夜逃げ同然で逃げ出すところが少なくない。しかし、日本企業は真面目でそこまでできない。事業がうまくいかずに赤字が膨らむのに、撤退できないという二重苦にもがき始めている」

「マカオの悲劇」が日本を襲う
すべり落ちる中国経済が、日本企業を、日本経済をむしばむ。それはいま始まったばかりで、本格化するのはまさにこれから。2016年はテロよりチャイナリスクの猛威が日本全体を巻き込んでいくことになる。

クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏が言う。

「中国経済が悪化する流れは当面変わりません。実は中国の不動産バブルはすでに崩壊している。が、それを表面化させないために、不動産投資をしている大企業などに金融機関が追い貸しをしているのが実態です。

これは時間稼ぎをしているだけでいずれ限界を迎える。そのとき、不動産投資をしている大企業が破綻する可能性もあり、そのショックは日本の輸出企業を中心に波及し、日本の株価を引き下げる」

日本総研副理事長の湯元健治氏も言う。

「中国の株式市場はいま落ち着きを見せていますが、安心はできません。中国企業の債務残高は莫大で、GDPに占める割合が約157%。日本企業が'80年代のバブル時にGDP比で約132%の債務を抱えていたことを思えば、これが不良債権化したときのインパクトははかりしれない。

こうした実体経済の問題がクローズアップされれば、再び今夏のような暴落劇が起きても不思議ではない。その時は世界同時株安になる可能性があり、日本株も逃れられない」

中国人観光客による「爆買い消費」もそろそろ終わる。

すでに兆候が出ていて、これまで爆買い消費に支えられて業績絶好調だった大手百貨店の11月の売上高が、前年同月でマイナスに転じた。百貨店業界では、「マカオの悲劇」が日本を襲うとの声も聞こえてきた。

マカオの悲劇とは、中国からのVIP客で沸いていたマカオが、中国経済の失速などで客足が途絶え、収入の激減が止まらないことを指す。その実態は凄まじく、マカオのGDPは7-9月期が前年同期比で約24%減、4-6月期も約26%減と、一経済圏のGDPを大きく揺るがすほどになっている。

いま日本経済は2四半期連続のマイナス成長だが、中国人の爆買いによってなんとか支えられている面が大きい。この支えがなくなれば、景気は足場を失って崩れ、本格的なリセッション(不況)に突入するだろう。

「これまで中国経済に強気の姿勢を見せていた日本銀行も、態度を変えた。12月2日、岩田規久男副総裁が岡山県での懇談会で、『最も重要と考えているのは、中国経済が一段と減速し、わが国経済に悪影響を与えるリスク』との旨を語り出した。日銀が警戒し始めた意味は重い」(全国紙経済部記者)

中国市場の死は、きっとサドンデス(突然死)として訪れる。その日を指をくわえて待つのではなく、もう動き出したほうがいい。

「週刊現代」2015年12月19日より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46822


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