1. 2015年12月14日 17:00:18
: OO6Zlan35k
: ScYwLWGZkzE[78]
焦点:短観も人手不足鮮明、賃上げめぐり官民に大きな温度差[東京 14日 ロイター] - 14日に発表された12月日銀短観では、企業の人手不足感がリーマンショック前のピークに迫るほど強まり、利益率は過去最高を更新した。政府・日銀は来春の賃上げを促す環境に期待感を高めるが、個別企業や労組は慎重姿勢だ。 原油下落や米利上げによる世界経済の不透明感が背景にあり、官と民の間に足元で大きな温度差が生じている。 <人手不足、大企業から中小企業まで一段と深刻化> 12月日銀短観で注目されるのは、雇用の過剰・不足感が大企業から中小企業まで一様に不足感を強めたことだ。大企業ではリーマンショック前のピークだった07年にほぼ並び、中小企業ではそれ以上に強くなり、バブル期に次ぐ不足感となっている。 特に非製造業での不足感は、製造業を大幅に上回っている。パート、アルバイトの賃金上昇には拍車がかかり、リクルートジョブズによると、10月のアルバイト・パート(3大都市圏)の時給は、平均で前年比16円増加し5カ月連続で過去最高を更新した。 政府が問題視している内部留保もさらに伸びている。法人企業統計では7─9月期の手元流動性比率は14.2%と前年同期の13.7%から上昇。今回の日銀短観でも経常利益率が過去最高を更新するなど、企業にとって原油安や円安の恩恵が収益率の改善につながっていることが浮き彫りとなっている。 このため人手不足が賃金上昇につながるとの期待感が、政府・日銀で高まっている。 「まずは冬のボーナスをしっかりと出し、春闘では最低でも昨年のベアとボーナスを上回ることが必要だ」──。政府高官は強い口調で企業にハッパをかけようとしている。日銀はインフレ期待を高め、2%の物価目標に近づける前提として、賃金上昇を注視している。 <企業は慎重姿勢> 人手不足や高収益率を勘案すれば「企業の中には、もう一段の賃上げを今年も踏み切るしかないというところもある」(経団連事務局)といった見方もある。経団連は官民対話で、昨年を上回る賃上げへの期待を表明。前向きな検討を呼びかける安倍晋三首相に答えたかたちだ。 だが、個別企業はそうした政府の要請に対し、ほとんど反応していない。12月のロイター企業調査では、下期から来年度にかけて内部留保を取り崩し、例年以上に賃上げや設備投資の資金として活用する予定との回答はわずか16%にとどまった。 企業側では、むしろ中国や新興国経済の減速への不安が強い。また、米国で始まる見通しの利上げの影響を懸念し「収益環境にマイナスの影響を及ぼす」との回答が4割に達した。特に輸送用機器などで7割を占める。[nL3N13S30S]このため「事業環境の先行き見通しが不透明な中、安易に支出を増やせない」(化学)との回答が目立つ。 12月日銀短観でも、先行きの景況感は幅広い業種で悪化した。 また、大企業の中には、企業名や業種が出ないことを前提に、世界経済の見通しが悪い中で、賃上げや設備投資を増強し業績が悪化した場合の責任は「誰が取るのか」と、経営判断への政府の介入に対し、不満を募らせる声も出てきている。 <政府部内にいら立ちの声も> 14日の東京市場では、原油安や米利上げ後の市場変動を懸念したリスク回避の取引が表面化。日経平均.N225は一時、前営業日比600円を超える大幅な値下がりとなった。 こうした不透明な事業環境も踏まえ、労組の要求も控えめだ。来春闘に向けて連合が、中小企業の全体的な賃金底上げを優先するため、昨年より弱気の「2%程度の賃上げ」要求を作成。 連合傘下のものづくり産業労組(JAM)でも「物価があまり上がっていないため、昨年の3%から今年は2%程度の要求に引き下げた」としている。 政府関係者は「安倍政権が掲げる名目3%成長、2020年に600兆円経済を目指すには、それに見合った賃上げ3%がどうしても必要だ」と意気込む。だが、労組自体が弱気な姿勢に転じ、いら立ちを募らせる声も出てきた。 ある政策当局幹部は「全員が足並みを揃えて賃上げに踏み切れば、誰も損はしないということを理解してほしい」と述べる。 積極的な賃上げ・設備投資を期待する政府・日銀に対し、2016年の不透明感を理由に慎重な企業と労組。官と民の綱引きがどう展開してくのか、2016年の国内景気は年明けから波乱含みだ。 (中川泉 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/tankan-saraly-idJPKBN0TX0CJ20151214?sp=true イエレン議長:「マジック」的要素持つ自然利子率を重視−政策指針で 2015/12/14 16:07 JST (ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は金融政策運営の指針の一つとして、景気への影響が緩和的、引き締め的のいずれでもなく中立的であるとされる実質金利の水準を重視している。 ただ「自然利子率」と呼ばれ、エコノミストの専門用語で「R*」と記されるこの理論的な概念にはイエレン議長自身、大きな誤差を伴う可能性を認め、議長の同僚の金融当局者もやや「マジック」的な要素があるかもしれないとしている。 当局者は、自然利子率が現在ゼロ%近辺にあり、やがて徐々に上昇すると想定。そうだとすれば、金融当局が15、16両日の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジ(名目値)を予想通り0.25−0.5%に引き上げたとしても、米国の金融政策は現在と同様、引き続き極めて緩和的であることになる。 イエレン議長が推計する現行の基調的インフレ率は約1.5−1.75%で、これを考慮すればインフレ調整後の実質FF金利は0.25ポイントの利上げ後も依然としてゼロを大きく下回り、自然利子率よりも低い水準にとどまるためだ。 ここで問題となるのは、自然利子率を確定する方法がない点だ。イエレン議長が2日のワシントンのエコノミック・クラブでの講演で指摘した通り、自然利子率を「直接測定」することは不可能なため、現在どの水準にあり、先行きどこに向かうのか「かなりの不確実性」が伴う。 事実、イエレン議長は同講演のテキストの脚注で、金融当局が自然利子率の算出に使うコンピューターモデルの1つには、平均2ポイント程度の誤差があると記述。さらに、このモデルには、自然利子率を確定しようとするため、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が「マジックのような」と呼ぶ変数が含まれている。 米マサチューセッツ工科大学 (MIT)スローン経営大学院のアタナシオス・オルファニデス教授は、「自然利子率を指針とした政策は、こうした金利が不確かで政策当局者に正確な推計がない場合、不安定さにつながる」と指摘する。 元米金融当局者のオルファニデス教授はその上で、こうした政策が取られれば、当局者が自然利子率の「スイートスポット」に的中させようと無駄な努力を重ね、政策を1つの方向、そして別の方向に進めることでリセッション(景気後退)入りの頻度が高まり、インフレ率のぶれも大きくなると付け加えた。 イエレン議長もこのようなリスクを認識していると考えられ、講演では金融当局がそのまま自然利子率を追跡することはないと説明。「金融政策の実際の道筋は、新たに入手可能となるデータがどのように経済見通しの展開に影響を及ぼすか次第だ」と語った。 金融政策を導くために自然利子率を活用することはかねて論争の的となってきた。ノーベル経済学賞受賞者の故ミルトン・フリードマン氏は1968年、金融当局が自然利子率をフォローしようとすれば、通貨の伸びは「あちこちに向かう」として否定的な考えを示していた。 それでも、コーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は、自然利子率の推計値が利上げ開始後の行動への「極めて重要」な指針になるだろうとコメント。9月に公表されたFOMC参加者の経済予測の中央値として2016年に0.25ポイントずつ計4回の利上げ予想が示されていたが、自然利子率の推計を大きな理由に利上げペースがこの予想よりも緩やかになると想定し始めていると話した。 原題:Yellen Links Policy Path to a Natural Rate With ‘Magical’ Origin(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Rich Miller rmiller28@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net 更新日時: 2015/12/14 16:07 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZC4RX6JTSEA01.html 2016年は「トリプルタントラム」の年か−モルガン・スタンレー 2015/12/14 12:21 JST (ブルームバーグ):世界の主要金融当局は来年、やっと課題達成に成功するかもしれない。そして金融市場でその代償を支払うかもしれない。 米モルガン・スタンレーのエコノミスト、マノジ・プラダン氏は投資家が来年、日米欧3極の「トリプルテーパータントラム(かんしゃく)」を起こす可能性を警告する。米金融当局と日本銀行、欧州中央銀行(ECB)がいずれも今年よりタカ派になる可能性があるからだ。 ECBが3日に打ち出した刺激策は市場の期待よりも弱かった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は16日に利上げを発表すると見込まれ、日銀も追加緩和を手控えている。 各金融当局は金融危機を乗り切りデフレを抑えてきたが、インフレ率を目標水準に戻すことや成長率を危機前のレベルに戻すことはできずにきた。 投資家はインフレの伸び悩みと緩和的な金融政策が続くと信じている。そこに物価と金利が上昇する兆候が現れれば、米当局が量的緩和(QE)の縮小を示唆したことに驚かされた2013年のテーパータントラムの二の舞いになりかねない。 プラダン氏は先週のリポートで、「上振れリスクも監視する必要がある」と記している。 米国、英国、ドイツ、日本はいずれも労働市場が引き締まるとともに不動産市場が回復する一方、トレンド成長率は低い。これは従来よりも低い成長率がインフレを引き起こしかねないことを意味する。 また、全ての主要経済の改善の足並みがそろう兆しが見られる。モルガン・スタンレーは来年の米国、ユーロ圏、日本の成長率がそれぞれ1.9%と1.8%、1.2%と今年(各2.4%、1.5%、0.5%)に比べ差が小さくなる状態を予想している。 これは債券利回りが世界で一斉に上昇する可能性を示唆する。「米国とユーロ圏、日本が同時にそこそこの経済成長を示せば、データ重視の米当局の利上げペース加速や、ECBと日銀の緩和縮小のタイミングをめぐる議論が浮上し、『トリプルタントラム』につながる可能性は十分にある」とプラダン氏は指摘した。 原題:Morgan Stanley Sees Triple Tantrum If Central Banks Find Success(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net 更新日時: 2015/12/14 12:21 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NZB9T6SYF01T01.html 消費増税で経済にブレーキも、国民納得の軽減税率必要=安倍首相 [東京 14日 ロイター] - 安倍晋三首相は14日、2017年4月の消費税再引き上げ時に導入する軽減税率をめぐり、国民的な納得が得られるものでなければ、再増税によって「経済に大きなブレーキがかかる可能性がある」との見方を示した上で、自民・公明両党が合意した内容は「最善の結果」と評価した。 都内の講演で述べた。自民党の谷垣禎一幹事長と公明党の井上義久幹事長は12日、軽減税率について、対象品目を酒類と外食を除く飲食料品とすることで合意した。 軽減措置で必要となる財源は1兆円規模に上るとみられ、今後与党で議論が行われる。安倍首相は財源について言及しなかった。 一方、アベノミクス第2ステージで掲げた名目国内総生産(GDP)600兆円目標の達成には、「高齢者世帯の消費を下支えしなければ実現は望めない」と強調。15年度補正予算では、低年金受給者に対し、1人当たり年間3万円を支給する措置を盛り込み、アベノミクスによる成長の果実を分配すると説明した。 日本を訪れる外国人観光客に関しては、「次なる目標は年間3000万人の高みだ」と述べ、訪日客による消費の底上げを図りたい考えを示した。 *内容を追加します。 (梅川崇) http://jp.reuters.com/article/abe-tax-idJPKBN0TX0C720151214
|