空前のアニメブームに興奮した彼らは、自らの手でアニメをつくりたいとか、声優になりたいとか、アニメ業界を目指すようになった。代々木アニメ学院は、このような社会的背景のもとで創設された。

高校の進路指導部にも、アニメ関係の進路を目指す高校生が相談に行っていたが、先生は賛成しなかったそうだ。この手の専門学校は、学費が高いし、出たところで充分な収入のある仕事にありつける確率はゼロに近いからであった。やはり人生経験豊富な中年の先生は、このような世界に人生を託すことは危険だと認識されていたようだ。

●当時からアニメーターの給与は低すぎることが問題になっていた。高い学費を支払っても、生活ができる給与なんて夢のまた夢。悲惨な人生になることは見えていた。それでも、日本のアニメは一大産業になると言われたが、あまりに甘い予測だったと言うしかない。今なおクールジャパンなんて夢物語を語る連中もいるが、当時のアニメブームの方が遥かにすごかった。つまり、アニメ産業は衰えたのである。

日本のテレビジョンにおけるアニメ番組放映時間も、アニメブーム終焉と共に減少するばかりであり、当方は1990年代中頃までしか覚えていないものの、離日する頃には大幅に減少していた。トレンディドラマなる番組に置換されていったのである。(今はバラエティか。)

テレビジョン放映の減少は、そのままアニメ産業の縮小を意味する。輸出も振るわない。オーストラリアのABCでも、Kamisama Kissとかやっていますが。

Kamisama Kiss
https://en.wikipedia.org/wiki/Kamisama_Kiss

神様はじめました
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%A7%98%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F