2. 2015年12月10日 20:44:16
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焦点:中国「O2O」バブル崩壊か、ユニコーン企業に黄信号[北京 8日 ロイター] - スマートフォンで予約されたスーパーマーケットの商品を配達する新興企業、「社区001」の北京オフィスは、廃屋同然だった。床には同社のパンフレットが散乱している。 3月時点で従業員2000名以上を数えた同社だが、現在は元従業員400人近くが、未払いの給料を求めてソーシャルネットワークでの抗議に参加している。 昨年には時価総額20億元(約380億円)と評価された同社に今も残る30人ほどの社員の1人で、姓だけを教えてくれたZhang氏は、「私たちは単に市場を生み出したかっただけだ。そのために資金を使い尽くしてしまった」と語る。彼は3月以来、CEOの顔を見ていないと言う。 中国で最も活気に溢れる「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」、つまりオンラインのモバイルユーザーをオフラインである地元の実店舗やサービスに誘導するテクノロジー業界では、社区001のような新興企業が何百社も破綻している。 評価があまりにも急上昇したために投資家が二の足を踏み、新規資金の調達にブレーキがかかってしまったためだ。企業幹部や投資家が「市場バブル」と表現する状況のなかで、さらに多くの企業が倒産するか、他社と合併していくものと予想される。 アプリや、オンデマンド、ロジスティクス重視のO2O事業は、潜在的な市場規模が10兆元(約190兆円)と予想されており、これに魅了されたベンチャーキャピタリストなどが殺到。多くの場合、ブームに乗るために不足しているのは資金と機能的なアプリだけという企業に、数十億ドルの資金が投じられたのである。 ベンチャーキャピタル情報データベースの「CBインサイト」によれば、現在中国には実に21もの「ユニコーン」と呼ばれる評価額10億ドル以上(約1220億円)の未公開新興企業があるという。だが、利益を出している企業が稀なのに対し、膨張した評価額は投資家にとって割高となり、新規の資金流入は途絶えつつある。 O2O部門の資金調達に協力した投資家は、今になってバブルを警戒しているが、バブルの一因は、支援者自身が意欲的に資金を提供し続けたことである。自ら選んだ「チャンピオン」企業に数十億元の資金を注ぎ込んだ投資家のなかには、失敗を認めたがらず、次なるフェイスブック(FB.O)やアリババ(BABA.N)を支援したいという願いのもと、消耗戦を続ける者もいる。 「死んだユニコーンの数は、じきにユニコーン企業の数に迫り始めるだろう」と語るのは、上海に本拠を置くキミング・ベンチャー・パートナーズの創業者でマネージング・ディレクターを務めるゲリー・リーシェル氏だ。 O2O分野が中国で特に勢いを増したのは、スマートフォンの普及、モバイル決済部門の活況、人件費の安い季節労働者といった条件が複合したことによる。 タクシー配車から食品の配達、店舗・レストラン・映画館などでのグループ割引まで、さまざまな機能を提供するO2Oアプリを開発している起業家は、百度(バイドゥ)(BIDU.O)やアリババ、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)(0700.HK)といった大手IT企業だけでなく、ベンチャーキャピタル、プライベート・エクイティ・ファンド、政府系ファンド、国有企業といったさまざまな出資者からの投資を簡単に利用することができた。 KPMGとCBインサイトの報告によれば、ベンチャーキャピタルに支援されたスタートアップ企業が調達した資金は7─9月期だけで96億ドルと、前年同期の水準の4倍に達したという。 「O2O企業への投資は全体としてあまりにも割高になっている」と、ベイン・アンド・カンパニーで中国プライベートエクイティ事業を率いるHan Weiwen氏は語る。「評価があまりにも高すぎる。収益も上げていないのだから、従来の評価方法が使えない」 <まるで軍拡競争> 中国市場での激しい競争を背景に、配車サービスの??快的やウーバー、美団・大衆点評、糯米、Ele.meといった企業は多くの部門で戦いを繰り広げている。多くの場合、これらの企業を支援する大手テクノロジー企業から惜しみなく提供される資金が武器となっている。 DCMベンチャーズの共同創業者でジェネラルパートナーでもあるHurst Lin氏は、「まるで軍拡競争だ」と表現する。 競争が激しく支出もかさむせいで、新興企業は投資家に対し頻繁に出資を求めるようになり、これが評価額を吊り上げることにつながっている。 だが、こうした狂奔的な投資がペースダウンするにつれて、新興企業の多くは、ユーザーの繋ぎ止めに必要な料金割引の原資を確保するのに苦労するようになった。O2O分野では、需要が水増しされていようがいまいが、ユーザー数こそが新規投資を呼び込む際の重要な指標なのである。 「こんなバカ騒ぎはいつまでも続かない」と話すのは、百度の副社長でウーバー中国部門の取締役も務めるLiu Jun氏。「もうたくさんだ」と同氏は語る。 <不合理な市場> 「O2O部門は不合理な市場になっている」と、オンデマンド式バス事業のKoala Busで人事部門を率いていたLiu Bo氏は言う。同社はタクシー配車アプリを提供する??快的に買収された。「料金割引が多すぎて、新規顧客を獲得するコストが上昇している」と同氏は言う。 ??快的、ウーバー、Ele.meなど一部の企業は、そうした料金割引を終了するか、割引率を縮小しているというが、そうすると需要を潰してしまうリスクも伴う。そしてこれは中国だけの現象ではない。 7月、モバイルアプリを介して家庭向け清掃サービスを提供する米国の新興企業ホームジョイが事業を閉鎖し、複数の一流プライベート・エクイティ・ファンドが同社に出資していた約3500万ドルを失った。サービスの最低料金は1時間25ドルだったが、ホームジョイは初回2.5時間分の清掃を19ドルとしていたため、1回限りの冷やかし客があまりにも多くなってしまったのである。 もっとも、??快的の広報担当者によれば、同社は2億5000万人の登録ユーザー、約1000万人の登録ドライバーという基盤を有しており、いまや成長志向の企業からイノベーションとユーザー体験の改善に注力する企業へと成熟を遂げたという。 <灼熱から極寒へ> 投資ペースが遅くなったことで、多くの新興企業は自立できなくなり、新規資金を求めて苦しんでいる。 「今年の市場は、上半期は灼熱、しかし下半期は極寒だ」と、著名投資家で、新興IT機器メーカーの小米科技(シャオミ)[XTC.UL]の雷軍・最高経営責任者(CEO)は、10月に開催されたIT会議で述べた。「スタートアップ企業の創業者の一部は、非常に辛い立場に陥っている」 だが投資家のなかには、新興企業とその支援者は評価額の高騰を喜んでいると指摘する声もある。 あるベンチャーキャピタリストは匿名を条件に次のように語っている。「私たちの仲間はたいていこんなふうに言っている──。企業を大きくして、ユーザーをたくさん捕まえろ。マネタイズを考えるのはその後でいい。それは後から参加した奴のやることだ」 「そして、後から参加した奴はこんなふうに言う──。まだ利益を上げる必要はない。それは公的基金、投資信託、それに個人投資家が株を購入するようになってからの話だ。彼らが考えればいいことだ」。 一部のスタートアップ企業にとっては、企業合併が答えとなる。 ??快的と美団・大衆点評は、双方とも、投資家が合併前の各社のコストにウンザリするようになってから誕生した。どちらのケースも、一方はテンセント、他方はアリババが支援し、互いに競合していた企業どうしの合併である。 アリババは美団・大衆点評の株式を手放そうとしているが、高い評価額を頼みに売却益を得るためというよりは、自社グループ内の競合事業である食品宅配サービス「口碑(コウベイ)」に注力するためだ。 GGVキャピタルのマネージング・パートナーであるJixun Foo氏は、支配的な企業が1社残るまで、投資家は出資先の企業の統合を後押しするだろうと話している。「市場は統合フェーズに入っていくだろう。統合を通じて、そもそも利益を上げられるのかを判断することになる」 百度のLiu Jun氏やDCMベンチャーズのLin氏などは、O2O部門には、2000年にはじけたドットコムバブルと同じ要素が揃っていると言う。投資家が出資分を償却して大きな損失を計上することになるのではないかとの予想もある。 「資金調達が困難になれば、どれが見せかけだけの企業で、どれが本当はビジネスモデルのない企業かが明らかになる」とキミング・ベンチャー・パートナーズのリーシェル氏は語る。 (Paul Carsten記者) (翻訳:エァクレーレン) http://jp.reuters.com/article/china-tech-o2o-idJPKBN0TT0HS20151210 コラム:中国の記録的な石油製品輸出、原油相場にネガティブ
Clyde Russell [ローンセストン(豪州) 9日 ロイター] - 中国では今年、戦略的な石油備蓄増加を主な背景として、原油輸入量が拡大すると考えたくなる。だがそうした考えは、石油製品輸出の高まる重要性を見過ごしている。 備蓄量は原油市場にとって重要だ。なぜなら、備蓄は最終的には需要に寄与し、実際に消費されることが前提とされているからだ。 だが中国で精製され、燃料として輸出されている石油はそうではない。同国の石油製品はインドやシンガポール、中東など他国で精製された製品と競合し、それらを凌駕している。 中国の11月原油輸入量は日量665万バレルだった。1─11月の輸入量では前年同期比8.7%増となり、日量661万バレルの水準に押し上げている。 一方、11月の石油製品輸出量も過去最高の410万トンを記録し、初めて400万トンを超えた。 1トン当たり8バレルというBPの換算係数に基づくと、これは日量約109万バレルに相当する。 今年1─11月で見ると、製品輸出量は前年同期比18.6%増の3183万トン、日量では約76万2400バレルとなる。 さらに重要なのは、製品輸出量は年央から増加傾向を示していることだ。1─5月は月平均234万トンだったのに対し、6月以降は毎月300万トンを上回っている。 このことは、中国の原油輸入量の増加分が、単に精製された石油燃料として輸出されることを意味している。とりわけ、中国政府による政策転換を考慮すればなおさらだ。 <政策転換で輸出加速> 中国政府は、小規模の独立系製油所(ティーポット)に日量約70万バレルの原油輸入枠と、同時に燃料の輸出枠も認め、原油・燃料取引の自由化を進めている。 今年1─11月で見た場合、原油輸入量の日量661万バレルから製品輸出量の同76万2400バレルを引くと、中国国内で使用される原油輸入量は同585万バレル程度となる。 一方、昨年1─11月の原油輸入量から製品輸出量を引いた額は日量約546万バレル。要するに、中国国内で消費される原油量は今年、日量約39万バレル増加したことを意味する。 この日量39万バレルには、戦略備蓄や商業在庫も含まれており、2015年は日量約12万5000バレルになるとみられている。 こうしたことが示しているのは、実際に消費される原油需要の増加は控えめであり、減速する中国経済の全体像に一致するということだ。 石油市場への影響を見ても、中国の製品輸出が急増したことを考えれば、原油輸入量の堅調な伸びは見かけほど強くはないだろう。 また、原油輸入量から製品輸出量を引いた実勢ベースでは、2015年の需要の伸びはわずか7.1%で、原油輸入量だけで見た場合の伸び率8.7%をはるかに下回る。 11月の製品輸出の内訳が明らかになるのはまだ数週間先だが、10月のデータに基づくと、輸出増加の大半は軽油と灯油だった。 今年1─10月の軽油輸出量は49%増の日量約13万バレル。一方、灯油の輸出量は14%増(日量約24万7000バレル)だった。 中国政府の政策転換を鑑み、このように製品輸出の堅調な増加傾向が続くと考えるなら、他のアジア諸国の輸出指向型の製油所は競争激化を覚悟しくてはならないだろう。そうなれば、利益が圧迫される恐れがある。 原油輸出国は中国の輸入量増加から恩恵を受けるかもしれない一方で、全体的な需要が伸び悩むなか、他のアジア諸国の輸入量の停滞もしくは落ち込みを目にすることになるだろう。 http://jp.reuters.com/article/column-china-oil-exports-idJPKBN0TT0LU20151210
東アジアの就労人口、今後25年で15%減少する可能性=世銀報告書 [北京 9日 ロイター] - 世界銀行は9日、高齢化が急速に進む東アジア地域の就労人口が、今後25年間で10─15%減少し、経済成長を妨げ、財政支出は増加するとの見方を示した。世銀の報告書によると、東アジアの高齢化は史上類を見ない速度で進展。 世界の65歳以上の人口の36%(2億1100万人)が東アジアに住んでおり、地域別のシェアで世界最大となっている。 世銀は報告書で「東アジアでの急速な高齢化は、出生率の低下の速さが著しく、60歳以上の高齢者の長寿化が急進していることが要因」とし「同地域では今後、政治的な課題や、経済・財政への圧力、社会リスクが増すだろう」と指摘した。 2040年までの高齢化による就労人口の低下率は、韓国で15%強、中国、タイ、日本で10%強となると予測している。 中国だけでも9000万人の労働人口の減少となる。 報告書で世銀は、高齢化の進む東アジアでの年金支出は2070年までに国内総生産(GDP)の8─10%まで増加すると見込んでいる。 報告書の作成者の一人、フィリップ・オキーフ氏は、同地域が直面する最大の問題は年金と医療保健の財源ねん出、と指摘した。 世界銀行は、退職年齢の段階的引き上げ等、現行年金スキームの改革実行を推奨している。 アジアでは過去数十年、人口配当が急速な経済成長をけん引してきた。 中国は今年10月産児制限を緩和し、すべての夫婦は2人の子どもを持つことが可能になった。就労人口の低下による経済への負担を回避することが目的であるとされる。 http://jp.reuters.com/article/asia-economy-aging-idJPKBN0TT0YV20151210
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