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京都市vs.那覇市 セカンドハウス需要狙いで買うなら 臆病な素人投資家が3年後に笑うのはどっちだ?(4)〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151208-00010000-shincho-life
「週刊新潮」2015年11月26日雪待月増大号
次なる選択は、同じマンションでも観光地へ目を転じて、
【京都市vs.那覇市】
である。誰もが「京都」を選ぶかもしれない。住宅評論家の櫻井幸雄氏も「京都は鉄板だ」と言う。
「町として魅力があるし、食べ物も美味しい、交通の便もいい。セカンドハウスとしての人気も高く、京都市内でも“碁盤の目”の中の物件だと、70平方メートル弱で8000万円から1億円が多いと思います。ただ、高さ制限が厳しく、今後の供給があまり期待できないため、物件にめぐりあえない可能性は高いですね」
ならばと、櫻井氏が勧めるのが……。
「那覇。京都と同じく、セカンドハウス需要から不動産価格がすごく上がっているんです」
実際、那覇で今年売り出されたタワマンで、関係者を驚かせる事件があった。
「地元の人は売り切るまでに7年はかかると言っていましたが、2年で完売しました。購入者の中には東京在住の人も多かったようですよ」(同)
場所は、那覇空港から車で20分の「おもろまち」。免税店、日本銀行那覇支店、NHKなどがある新興地区だが、そこで売り出された物件が坪230万円。かなりの高額ながら、最後は27倍の抽選で完売した。
人気の理由は何なのか。
「近くに『紀ノ国屋』のような高級スーパーがあって、不便さを感じさせない。また、日銀などの転勤族に貸すという目的で購入した人もいます」(同)
沖縄といえば、人口が増加する数少ない県のひとつである。また、昨年度の観光客は過去最高の716万人を記録しており、これは前年から10%近くを上積みしたもの。わけても中国人観光客が増えた。その背景には、沖縄に1泊以上すれば向こう3年間、何度でも出入国できる「数次ビザ」を発給するとしたことがある。
そのうえ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が20年までに、沖縄県内にテーマパークを開業すると発表。菅義偉官房長官も、「政府として、USJの沖縄進出を支援する」と表明した。経済効果を10年間で1・7兆円と見込んでいる。
そればかりではない。
那覇空港では同じ20年の使用開始を目途に、第2滑走路の工事も進んでおり、そうなると、観光地としての沖縄の価値はより一層高まるだろう。
そう、「国策に売りなし」なのだ。
「ただ」
とは再び櫻井氏。
「おもろまちは開発が一段落した状態。それで、那覇空港から車で十数分の豊崎が“第二のおもろまち”という位置づけとなっていて、差し当たってマンションが建ち始めています。70平方メートル弱で3200万円前後、近くに『成城石井』クラスのスーパーもある。那覇中心部への通勤圏なので、転勤族に貸すことも可能です。あとは国際通りも今後物件がでてくるかもしれないので、同様の用途が見込まれます」
その一方で「コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ」の玉川陽介代表は、
「沖縄はバブルになると外国のファンドが好んで売買する傾向にあり、価格の乱高下が起きやすい」
と言うのだが、京都と比べて物件の流動性が高く、これからの3年に期待の国策や経済振興策があるという点で、那覇にバブルの気配あり、だ。
「特別読物 臆病な素人投資家が3年後に笑うのはどっちだ?――西所正道(ノンフィクションライター)」より
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