http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/355.html
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結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要(「内閣府 HP」より)
トンチンカンでまったく意味不明な安倍政権の「子育て」「不妊治療」政策
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12763.html
2015.12.08 文=鷲尾香一/ジャーナリスト Business Journal
安倍政権は、今年4月1日からスタートした上限1000万円で祖父母や親が子や孫の結婚や出産、子育て等の費用を贈与した場合に贈与税を非課税にする「子育て贈与」の対象を拡大する方針。産前産後の妊婦の医療費や薬代、産後の健康診断費用、不妊治療の医薬品代について贈与税を非課税にする方向で、2016年度の税制改正大綱に盛り込む方針だ。
「子育て贈与」の対象で目を引くのは「不妊治療」だろう。ところが、この「不妊治療」関連は非常にわかりづらい。実は15年度の対象にも「不妊治療」が入っている。妊娠・出産・育児関係で認められる費目として、不妊治療にかかる費用があり、そこでは、「男女の別に関係なく、また保険適用の有無に関係なく、(1)人工授精、(2)体外受精、(3)顕微授精、(4)その他一般的な不妊治療に要する費用が対象となる。公的助成を受けているかどうかに関係なく、実際に病院等に支払った金額が対象となる」としている。
では、16年度に認めようとしている「不妊治療の医薬品代」とは15年度に認められているものとどこが違うのか。15年度に認められている(4)の「その他一般的な不妊治療に要する費用」に医薬品代が含まれているのではないか、という疑問が湧いてくる。
実は、このあたりがよくわからないのだ。さらに、よくわからないという点では、「不妊治療」に対する助成も同様だ。
まず、不妊症に関する基礎的な情報を整理してみよう。不妊症は、全夫婦の約10〜15%で発生するといわれている。その割合は、女性不妊症が30〜40%、男性不妊症が50%程度、原因不明の機能性不妊症が10〜20%となっている。意外なことに、女性よりも男性のほうに不妊症が多い。
女性は、排卵障害、卵管性不妊症、子宮性不妊症、子宮内膜症などの不妊症があり、男性は造精機能障害、精路通過障害、副性器障害、精機能障害などの不妊症がある。女性に対する治療法としては、排卵誘発剤などの薬物療法、卵管性や子宮性の不妊症に対する手術療法など、男性には造精機能障害への薬物療法、精路通過障害などへの手術療法が行われる。そして、これらの治療には、「健康保険が適用される」ようになっている。
「健康保険が適用されない」不妊治療として、人工授精、体外受精、顕微授精がある。人工受精で1回あたり1万5000円程度、体外受精で1回あたり20〜50万円、顕微授精がもっとも高く1回あたり100万円程度するケースもある。
■新制度の効果に疑問
しかし、04年4月には厚生労働省が費用の高額な体外受精と顕微授精に対して「特定治療支援事業」を創設し、体外受精および顕微授精以外での妊娠の見込みがないか、極めて少ないと診断され、法律上婚姻をしており、夫婦の年収が650万円以下であることを要件に、年間10万円を限度に通算で2年間の資金助成を開始した。
この制度はその後、給付資格、給付内容、支給期間などが改正され、現在では夫婦の年収が730万円以下であることを要件に、1回あたり15万円を年2回まで、通算5年間支給するようになっている。
こうした公的な助成制度の効果もあり、体外受精・顕微授精による出生児数は、04年の1万8168人(総出生児数の1.64%)から10年には2万8945人(同2.70%)にまで大きく増加している。
加えて、国の助成よりも早くから地方公共団体では不妊治療の助成が行われており、さらに近年では多くの地方公共団体が健康保険適用での治療における自己負担に対する助成、健康保険が適用されない体外受精・顕微授精に対する国の助成へ加算する上乗せ給付などを実施している。
こうなると、わざわざ贈与税を非課税にする「子育て贈与」の対象に不妊治療を加えることが、果たしていくばくの効果があるのかが疑問になってくる。もちろん、少子化の最大の対策は子供を増やすことだが、「不妊治療」に対する健康保険、地方公共団体、国の公的助成の充実ぶりを考えると、「不妊治療」以外のたとえば乳幼児や小児の重大な病気に対する助成の充実・拡大など、ほかに考えるべきことがあるのではないかと思える。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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