1. 2015年12月07日 17:07:26
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アングル:原油安で国際収支の構図激変、中東産油国は大幅悪化[ロンドン 6日 ロイター] - 過去3年間の各国の国際収支を振り返ると、輸入原油に依存する新興国が底堅さを示す一方、中東湾岸の石油輸出国では大幅に悪化していることがJPモルガンの調査でわかった。急激な原油安進行で、国際収支をめぐる世界的な構図が激変した格好だ。 一部新興国は2013年半ば、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和縮小をめぐる市場の混乱「テーパータントラム」の際に資金の流出に見舞われた。原油価格が100ドルを超える状況下、インド、トルコ、インドネシア、ブラジル、南アフリカの5カ国は「フラジャイル5(脆弱な5通貨)」と呼ばれた。 しかし14年半ばから原油価格が半分以下に下がり、通貨安が進んだことで、赤字幅はおおむね縮小した。 JPモルガンの調べによると、インドの今年の赤字の対国内総生産(GDP)比は0.9%に低下。トルコも5.2%に下がった。 フラジャイル5以外ではウクライナで対GDP比8%の赤字がわずかながら黒字に転じた。 UBSのストラテジストのマニク・ナライン氏は「油価の下落が貿易収支の改善を後押ししたのは明らかで、良いことだ」とした。その上で「輸出の好調によって経常収支を改善した国はない。政府は内需に大きな痛みを負わせて経常収支赤字を抑え込んだ」と指摘した。 これに対してコモディティへの依存度が高く、為替にペッグ(連動性)を導入している国では正反対の結果が出た。 ベネズエラは12年に対GDP比2.9%の黒字だったが、今年は8.1%の赤字に転落。サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)の湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国の黒字は、12年には22%、14年には13.2%だったが、今年は3.8%に低下した。 国際通貨基金(IMF)の試算によると、GCC加盟6カ国の今年の石油収入は14年と比べて2750億ドル減少する見通しだ。 さらに6カ国のうちクウェートを除く5カ国は自国通貨にドルとのペッグ制を導入している。そのため為替変動によるプラスの効果がほとんどなく、政府は輸入需要を抑えるために歳出を削らざるを得ない。 キャピタル・エコノミクスの中東エコノミスト、ジェーソン・ターベー氏は、クウェートとカタールではヘッドラインの黒字幅が縮小し、サウジでは7%程度の赤字だと指摘。オマーンとバーレーンでは赤字が拡大したとした。 政府はペッグ制の緩和を迫られるとの見方もあるが、ターベー氏はサウジが1980年代の原油価格急落時に設備投資を大幅に圧縮した事例から、今回も歳出削減で対応する公算が大きいとみている。 自国通貨安を容認している他の石油輸出国の状況はそれほど悪くない。ロシアは12年が対GDP比3.5%の黒字だったが、今年は5%の黒字。マレーシアは黒字の対GDP比が半分程度に低下したが、テーパータントラム以降の大幅なリンギ安で輸入が減少し、輸出が増えるなど、収支に改善の兆しがみえる。 コラム:パリ攻撃、米地上軍のシリア派遣はあるか コラム:永遠の街パリは生き続ける アングル:タカタ危機でオートリブに空前の商機、日本首位へ王手 タグ・ホイヤーがスマートウォッチ発表、価格は18.5万円 コラム:回復する中国株、待ち受ける「失望」リスク http://jp.reuters.com/article/angle-oil-trade-balance-idJPKBN0TQ0CC20151207?sp=true
米利上げは心配無用−未来アセットは米国債を買い増し (1) 2015/12/07 15:36 JST (ブルームバーグ):未来アセット・グローバル・インベストメンツは、連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げの見通しが相場に既に織り込まれていると見込んで米国債を購入している。 2年債利回りは先週、1%に接近し、5年半ぶりの高水準に達した。11月の米雇用者数の伸びがエコノミスト予想を上回り、12月15、16日のFOMCで利上げに踏み切れるほど米経済が成長しているというトレーダーの見方が裏付けられた。米国債相場は7日のアジア市場で再び値下がりしている。 未来アセットで債券投資に携わるウィル・ツェン氏(台北在勤)は「初回の利上げは惨事にはならない。米国債相場は好調となろう。インフレ期待が高まっているが、引き続き2%を下回る」と述べた。同氏によると、未来アセットは先週10年国債利回りが2.3%に上昇した段階で購入し、今週もその水準に達すれば買い増す計画だ。 ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、米国の2年債利回りは日本時間午後0時20分現在、2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して0.96%。10年国債利回りも2bp上昇し2.29%。 ブルームバーグのエコノミスト調査では、2年債利回りは年末までに0.89%に、10年債利回りは2.24%にそれぞれ低下が見込まれている。同調査の分析は直近の予想を最も高いウエートとしている。 ブルームバーグが集計した金融先物データによると、12月のFOMCでの利上げ確率は4日時点で74%となっており、この計算は利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375 %になるとの前提に基づく。 原題:Mirae Shows No Fear of Fed Rate Increase as It Adds Treasuries(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Wes Goodmanwgoodman@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynoldsgreynolds1@bloomberg.net 更新日時: 2015/12/07 15:36 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYYUMR6K50XT01.html
債券トレーダーの過信は禁物、米利上げ控え一部金融機関が警戒 (1) 2015/12/07 14:02 JST (ブルームバーグ):米連邦準備制度の金利見通しに懐疑的になることは、債券トレーダーにとって長年、簡単に利益を上げる一つの方法だった。しかし、こうした日々はもうすぐ終わると、ウォール街の有力金融機関の一部は指摘する。 米当局が約10年ぶりの利上げに向かう中、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループなどの金融機関は、米景気が改善し続けているため当局の2016年の決意を疑えば判断ミスになると言う。 トレーダーは向こう1年間に0.25ポイントの利上げを3回見込んでおり、連邦公開市場委員会(FOMC)の予測が示唆する回数より少ない。実際に当局が行動に乗り出した際の過去のケースでは、市場は引き締めの程度をより低く見積もっていたことが、ルネサンス・マクロ・リサーチの分析に示されている。 しかも債券投資家には失敗ののりしろがあまりない。ブルームバーグの集計データによると、引き締めサイクルを控えた時期としては初めて、2年物米国債の買い手が予想を上回る金利やインフレ率の上昇リスクに対する追加の支払いを求めていない。 JPモルガンの米金利戦略責任者、アレックス・ローバー氏は2日のパネル討論会で、米当局が「行動せず、当局の話が色あせることに賭けるリターンは今まではかなり良好だった」が、「われわれは転換点に到達しつつある」と指摘した。 金融危機の終了以来、利上げ時期や幅に関する当局や金融機関の予想を取り合わないことが投資家にとっては一貫して正しい結果となっていた。 過去5年では10年物米国債利回りは約4%から7日の東京時間午後0時20分現在で2.29%に低下した。デリバティブ(金融派生商品)市場のトレーダーは、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が現行のゼロ付近から1.3%に上昇するのに約2年かかると見ているが、当局者の予測には16年末までにそれを上回る水準に引き上げることが示唆されている。JPモルガンは今月の利上げ後、来年に0.25ポイントの追加利上げが4回あると予想している。 ルネサンス・マクロによれば、FOMCが実際に引き締めに着手した際にトレーダーが引き締め幅を見誤ったことは過去にもあり、04年後半の前回利上げ局面の早い段階ではトレーダーはFF金利誘導目標が1年で3.6%、翌年に3.9%に上昇すると予想していたがいずれも外れた。実際には05年末に4.25%、06年6月に5.25%に引き上げられた。 今回はトレーダーがインフレに引き続き無頓着になりすぎているかもしれないからだ。ゴールドマンによると、債券市場のインフレ見通しはここ数カ月の商品相場や9月の安値からの反発で動きがみられるものの、原油安と海外景気減速がなお見通しの重しとなっている。米国債利回りを基にすると、トレーダーの向こう10年間の消費者物価(CPI)上昇率予想は年1.64%だが、これは低過ぎるとフランチェスコ・ガルザレリ氏らゴールドマンのアナリストは指摘。2%に近づくとの予想に基づき、物価上昇で実質価値が失われる通常の米国債ではなく長期のインフレ連動債(TIPS)の購入を推奨している。 パイオニア・インベストメンツのマネーマネジャー、リチャード・シュランガー氏は、インフレは「現時点で誰のレーダーにも映っていないようだ」と述べ、「起こり得る引き締めの規模を相場は反映していないのかもしれない」と付け加えた。 原題:Bond Trader Hubris Reaches Inflection Point as Fed Liftoff Looms(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alexandra Scaggs ascaggs@bloomberg.net;ニューヨーク Liz Capo McCormick emccormick7@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Boris Korby bkorby1@bloomberg.net 更新日時: 2015/12/07 14:02 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYYPPP6K514J01.html FRB、「リフトオフ」秒読み開始 緩やかなペースが見込まれる利上げを「リフトオフ」という強い推進力を連想させる航空用語で表現するのは奇異に感じられるかもしれない PHOTO: SERGE BLOCH By BEN ZIMMER 2015 年 12 月 7 日 15:50 JST ロケット打ち上げの秒読みではないが、スリー、ツー、ワン、リフトオフとなるのか。最近のあらゆる兆候が、米連邦準備制度理事会(FRB)が言うところの「リフトオフ(打ち上げ)」、つまり利上げを示唆している。15・16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、過去7年にわたりゼロ近辺に据え置かれていた政策金利の引き上げが決まる見通しだ。 予想される金利の引き上げ幅はわずか0.25%だが、「リフトオフ」と呼ぶには十分だ。 プリンストン大学のアラン・ブラインダー経済学教授は先のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿で、「(ロケットの発射を意味する)『リフトオフ』という言葉が、米航空宇宙局(NASA)のケープ・カナベラル空軍基地ではなくFOMCを想起させるのは何か違和感を覚える」と指摘した。 広告 実際、緩やかな利上げペースが見込まれることと、FRBが利上げまで長い時間待ったことを踏まえると、「リフトオフ」という強い推進力を連想させる航空用語を比喩で用いるのは奇異に感じられるかもしれない。 FRBは金融危機への対応として2008年12月に政策金利をゼロ近辺に引き下げてから間もなく、いつ再び利上げが許される状況になるかについてシナリオの検討を始めた。 その翌月のFOMC会合でリッチモンド地区連銀のラッカー総裁は、利上げ開始を3年先とする当時のFRBの見通しに異議を唱え、「私はリフトオフが2012年ではなく2010年のどこかの時点と予想している」と述べた。 ラッカー総裁の予測をよそに、2012年を迎えるまでは「リフトオフ」が実施される気配はなかった。だが、その年にミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁が講演で、FRBは2015年末にようやく利上げできるかもしれないという「利上げ計画」を明らかにした。 随分延期された「リフトオフ」だが、この表現は、航空関連の例えを用いるというFRBの長い伝統に沿ったものだ。2013年に当時のバーナンキ議長は「航空機を空母にスムーズに着陸させようとする中で、われわれは一連の政策手段の組み合わせを変えていくつもりだ」と発言した。1973年には当時のバーンズ議長が、経済を「緩やかで持続可能な拡大につながる『グライドパス(滑走路への進入路)』に」導く必要性を説いた。 米ケープ・カナベラル空軍基地からのバンパー2号の打ち上げ(1950年) ENLARGE 米ケープ・カナベラル空軍基地からのバンパー2号の打ち上げ(1950年) PHOTO: NASA 「ソフトランディング」や「グライドパス」がスムーズで墜落の心配のない金融政策の移行を示唆する一方、「リフトオフ」はもっと唐突な意味合いで、ロケットやヘリコプターの垂直急上昇を連想させる。「リフトオフ」は「リフト・オフ(打ち上げる)」という動詞から派生した名詞だが、第2次世界大戦後のロケット技術の発展に伴い定着していった。「リフトオフ」とその同義語である「ブラストオフ」はどちらも「テークオフ(離陸)」に倣った造語だ。オックスフォード英語大辞典によると、「テークオフ」という言葉の発祥は飛行機が発明されてまだ間もない1918年にさかのぼる。 米国民は1950年代終盤、ケープ・カナベラル空軍基地からのロケット発射に関する報道で「リフトオフ」や「ブラストオフ」という言葉を目にするようになった。例えば、1958年8月のAP通信の記事はアトラス大陸間弾道ミサイル発の発射成功を、「リフトオフの最初の閃光(せんこう)は猛烈なごう音とともにケープ・カナベラルの一帯を数マイルにわたり照らし出した」と伝えている。 宇宙時代の他の多くの用語と同様、「リフトオフ」は他にも比喩的に使われている。例えば、アポロ11号のニール・アームストロング船長とバズ・オールドリン船員が人類史上初の月面着陸を成功させたわずか3日後の1969年7月23日付WSJの見出しには、「アポロの成功、期待の債券市場リフトオフ(押し上げ)に失敗」とある。経済予測はロケット科学同様、難しいことが多いようだ。 ドル123円前半、明日のGDP改定値はゼロ%に上方修正か [東京 7日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の123円前半。11月の米雇用統計が無難な結果となり、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での米利上げが確実視される中、株価上昇にもかかわらずドル買いは勢いづかなかった。 この日は、実需のフローも限定的で、ドル/円はこう着感を強めた。 今月の米利上げ開始は織り込まれているものの、先行きの利上げペースを見極める材料も足元では見当たらないとして「FOMCに向けてさらにドル高が盛り上がるかは微妙。当面は動きにくい展開が続きそうだ」(国内金融機関)との声も聞かれた。 「来週のFOMCで利上げをすることが確実視されてはいるものの、その後どうなるのか。(市場では)順当に利上げを継続するわけではないだろうとの読みもあり、思い切ってドルを買うような雰囲気にはなっていない」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は言う。 腰の入ったドル買いには130円が照準に入る必要があるが「現状では125円ですら遠い感じになっている」(上田氏)という。 明日8日発表予定の7―9月期実質GDP(国内総生産)改定値について、甘利明経済財政担当相は6日のNHKの番組で、「ゼロになると思う」と述べ、速報値の前期比年率0.8%減から(同)0%前後に上方修正されるとの見通しを明らかにした。 市場では「所轄の大臣が重要な統計について、事前に情報をリークするのは極めて異例」(金融機関)と驚きの声が上がっていた。 甘利担当相の発言の背景について市場では、2期連続のマイナス成長となれば日本はリセッション(景気後退)に突入していると海外メディアに指摘されていたため、「1日でも早く、リセッション懸念を払拭したかったのだろう」(国内エコノミスト)との声が聞かれた。 市場では、今回の改定の主な材料となる「7―9月期の法人企業統計」(1日に発表済み)で、設備投資額が前年比11.2%増(金額は10.4兆円)に達したことで、GDPが上方修正されるとの見方は既に広がっていた。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 123.27/29 1.0859/63 133.87/91 午前9時現在 123.19/21 1.0879/83 133.03/07 NY午後5時 123.16/19 1.0880/85 133.92/96 (為替マーケットチーム) http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKBN0TQ0HM20151207?sp=true ドイツ国債「かんしゃく」の震源は金利スワップか−BISが指摘 2015/12/07 15:46 JST
(ブルームバーグ):世界の市場を動揺させた4月と5月のユーロ圏ソブリン債相場の急落について、デリバティブ(金融派生商品)に根本的な原因があると国際決済銀行(BIS)が四季報で分析した。 BISは6日公表した四季報で、相場が上昇していた急落前の数カ月に投資家が利回り低下に備え、リスクヘッジのためにスワップ契約に殺到したことが推定される原因との見解を示した。 欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の金融刺激策を拡大するとの観測が広がり、金利が一段と低下する状況で、スワップ契約のコストは年初から4月20日までに3倍に上昇した。保険や年金基金といった機関投資家からのヘッジ需要に銀行が思うように応じられなかったという事実は、市場の流動性をめぐる投資家の根強い懸念を際立たせるものだ。 BISのウラディスラフ・スシュコ氏らは「今年の債券市場の動揺はデリバティブとリスクヘッジが震源となり、現物市場の奥行きが薄くなったことで増幅された可能性がある。ユーロ圏の金利デリバティブ市場のこのような不安定な動きは、一時的な注文の不均衡に対するスムーズな価格形成の反応に疑問を投げ掛ける」と指摘した。 原題:Origins of ‘Bund Tantrum’ Seen in Interest-Rate Swaps, BIS Says(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Eshe Nelson enelson32@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Goodman dgoodman28@bloomberg.net 更新日時: 2015/12/07 15:46 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYZ1W56K50XZ01.html 「ドラギ総裁は正しい、侮るな」とダリオ氏−市場の思い込みは誤り 2015/12/07 09:12 JST
(ブルームバーグ):ヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエーツ(運用資産額1540億ドル=約19兆円)を経営するレイ・ダリオは、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁を侮るべきではないと語った。 ダリオ氏は3日のユーロ相場が3%余り上昇し、2009年3月以来の大幅な変動となったことについて、ドラギ総裁の政策の十分な分析ではなく、トレーダーの反射的な動きに関係していると4日公表された書面でコメントした。 多くの資金運用担当者がECBの積極的な行動を予想し、ユーロを対ドルでショート(売り持ち)にしていたため、ユーロがほぼ確実に売られる状態だったとダリオ氏は分析。ドラギ総裁の行動が十分なものにならないと市場が軽視すればするほど、ECBの行動ペースが加速する可能性が高まるとの見方を示した。 同氏は「ドラギ総裁は物価安定の目安である2%に近いインフレ率実現のために適切な行動を取り続けるだろう。全ての重大な局面で総裁は正しく対応し、そのおかげで全世界の状況が改善された。ドラギ氏を侮ってはならないと世界はそろそろ知るべきだ」と指摘した。 原題:Bridgewater’s Dalio Says Draghi Right, Investors Got It Wrong(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Katherine Burton kburton@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christian Baumgaertel cbaumgaertel@bloomberg.net Simone Foxman 更新日時: 2015/12/07 09:12 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYYM9I6K50XY01.html 2015年12月7日 野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト] 外債投資増でドル調達コストが上昇し 米国債のリターンが低下 本邦投資家の旺盛な外債投資が続いている。2015年9月以降に限って言えば、毎週平均6700億円の外債投資が3カ月間続いている。これまでも国内の低金利環境の下、本邦投資家による巨額の外債投資が続いてきたが、足元で注目されるのは為替ヘッジ後の米国債利回りが大きく低下する中で外債投資が積み上がっている点だ。 拡大する 米国10年債利回り自体は2%をやや上回る水準で推移しているものの、年末要因や利上げ期待などを織り込む形でドル調達コストが上昇傾向を続けており、その結果、為替ヘッジ後の米国10年債利回りは低下傾向となっている。
本邦投資家が外債投資を積み増すことで、「ヘッジ需要」すなわちドル調達需要が高まり、その結果ヘッジコストが上昇している側面も強い。本邦投資家が米国債を買えば買うほどヘッジ後の米国債利回りが下がる構図ともいえる。 このような環境下でも外債投資が続く理由として、あらためて日本の低金利に注目が集まる。15年6月には0.5%を上回った日本の10年債利回りだが、9月以降は0.4%を割り込んだ状態が続いており、足元では、0.3%を挟んだレンジに落ち着いている。 10月の日本銀行金融政策決定会合で、追加緩和が見送られたことにより、金利上昇期待も高まったが、結局日本の長期金利は上昇しなかった。その結果、消去法的に米国債などの外債投資を積み増さざるを得ない投資家が増えている。 日本の長期金利が上がらない背景には、債券需給の逼迫が挙げられる。14年10月の日銀の量的緩和第2弾は債券需給の逼迫と長期金利の低下を促すものとされてきたが、ほぼ同時に決定されたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産配分変更に伴い、14年後半から15年前半については一定の債券売りが長期金利の低下を阻んでいた。 この動きが15年半ばに止まってきたことで、遅ればせながら債券需給のタイト化が意識された格好だ。今後も長期金利が上昇し難いというのがコンセンサスともなりつつある。 こうした中、利回り低下局面における外債投資が積み上がっている。上述したように、外債投資の積み上がりがヘッジコストの上昇要因となっており、注意が必要だ。今後、さらにヘッジコストが上昇すれば、既に購入した外債のリターンがなお一層低下することになろう。また、リターン低下を避けるべく、為替ヘッジを外す動きも今後増えると予想されるが、ドル円が15年半ばの高値を抜け切れておらず、円安期待が剥落しつつある点にも留意するべきだ。米国債投資は「中リスク低リターン」といったものに変わりつつある。 (SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト 野地 慎) |