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中国はやっぱり「中進国の罠」を突破できない!「中国ルール」の経済圏構想が抱える致命的な欠陥(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/335.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 07 日 07:00:00: igsppGRN/E9PQ
 


中国はやっぱり「中進国の罠」を突破できない!「中国ルール」の経済圏構想が抱える致命的な欠陥
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46742
2015年12月07日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス


■中国はなにやら高揚しているが…


最近、中国政治・経済が急速におかしくなってきた。


本コラムでも以下のようにテーマ、視点を分けて、中国の政治・経済問題を取り上げてきた。


○急ぎすぎた覇権(中国は見事に「中進国の罠」にハマった! 急ぎすぎた覇権国家化のツケ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46183

○経済成長率の低下(衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている?データが語る「第二のリーマン・ショック」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46183

○無理なAIIB(アジアインフラ投資銀行)構想(日米が参加しないAIIBの致命的欠陥。中国は必ず日本に水面下で参加を求めてくる http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42865

その中国で、珍しく国民の気持ちが高まるような出来事が起こった。国際通貨基金(IMF)が11月30日の理事会で、中国人民元をSDR(IMFの特別引き出し権)の構成通貨に採用することを正式に決めたのだ。これは、中国という国のメンツをくすぐる出来事だ。


SDRとは、IMF加盟国の準備資産を補完する手段として1969年に創設した国際準備資産である。ただし、SDRは通貨ではなく、またIMFに対する請求権でもない。


むしろSDRは、IMF加盟国の「自由利用可能通貨」に対する潜在的な請求権であり、SDRの保有者は、保有するSDRと引き換えに、「自由利用可能通貨」を入手することができる。その際、SDRの価値を決める通貨バスケットは「自由利用可能通貨」から構成される。


従来「自由利用可能通貨」として、IMFはドル、ユーロ、円、ポンドを指定していたが、それらに人民元を加えたのだ。これをもって、人民元も国際通貨の仲間入りと囃し立てる人もいる。


一般論として、IMFが人民元をドルや日本円と並ぶ世界の主要な通貨として採用するとしたことで、加盟国との間の資金のやり取りなどに人民元が活用していくといわれている。通貨の世界でも中国の存在感が高まったというわけだ。


これによって、中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)での取引の自由化も加速すると予想され、世界の金融界での中国の存在感がますます高まる、という見方がある。


■耳を疑うようなニュースが入ってきた


しかしIMFは、国際的に使われている通貨を「自由利用可能通貨」と認定するだけで、IMFの認定によって市場が本質的に変わるわけではない。あくまでIMFが市場の結果を追認するだけだ。


今回の決定は、人民元が自由な市場で取引され、価格が自由に変動することを意味していない。人民元には中国政府の制約が多いという問題もある。今は変動相場制の時代であり、変動相場の中で人民元が「自由に使われるか」どうか、それが、真の「国際通貨」であるかどうかのメルクマールになるだろう。


なにしろ、SDRといっても、通貨危機に備えて加盟国に配るものなので、危機になってSDRを差し出し、交換性の乏しい人民元を手に入れるのは考えにくい。いってみれば、SDRは滅多に使われない「仮想通貨」みたいなもので、その換金に人民元が使われるのはもっと考えにくいのだ。


人民元が自由な為替市場の中で取引されるかどうかは後で論じるとして、先週、にわかには信じがたいニュースが聞こえてきた。


「AIIB債、無格付け発行=設立当初、韓国引き受けか」という報道だ(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201512/2015120300938&g=int)。

AIIBの資金調達のため、発足当初に発行する債券が「格付け無し」になる見通しとのことだ。国際機関債で無格付けというのは聞いたことがない。おそらく、中国が「独自の国際ルール」を作ろうとしている、ということだろう。


中国がAIIBの設立に精力的だったのは、中国中心ルールの経済圏がどうしても欲しいからだ。これを少し説明しよう。


中国はこれまで自国経済への影響からTPPへの参加は消極的だった。というか、いまのTPPでは中国が参加できない理由がある。TPPでは貿易だけでなく投資の自由化(TPP第9章)も含まれていたからだ。中国は社会主義であるので、生産手段の私有化を前提とする投資の自由化を基本的に受け入れられない。


なお、余談であるが、TPP反対論者からよく出されるISDS条項(編集部注:外国企業や投資家が国を訴えることができるようにする制度)も、この投資自由化に関係する。以下に述べるように、ふつうはまず問題ない。


■中国がTPPに参加できない理由


ISDS条項はこれまでの日本の投資協定にも何度も入っていた。日本でも20件以上、ISDS条項が入った投資協定が結ばれている。


それらのISDS条項について、これまで日本が行使されたことは一度もない。ISDS条項で訴えられているのは国内のルール整備が未熟な新興国だ。日本はこれまでもずっとISDS条項を結んできたが、ガードが堅いほうの国なので、訴えられたことはない。外務省も含めて日本政府の役人はけっこう厳密にやるからだ。


このISDS条項は、これでアメリカからオーストラリアがやられたと評判になったもの。しかし、実情は、アメリカとオーストラリアの間の協定ではISDS条項はなかったのに、アメリカのフィリップモリス社は、香港の子会社を使って、オーストラリアを訴えたのだ。


もし、このように日本もやられるなら、とっくにやられているはずだが、日本の法律は外国企業に対して酷い差別的な扱いをしていないので、さすがのアメリカも手出しができなかったわけだ。


中国は投資の自由化を最も嫌うので、ISDS条項は日本には有利だが中国には不利な制度だ。日本のTPP反対論者はまるで中国の走狗のような発言をしていた、というわけだ。


また、TPPでは国有企業が大きな障害になる(TPP第17章)。外国企業が国有企業と対等な競争条件で事業を行うことができるように、国有企業への有利な条件での貸付け等は制約されるからだ。


国有企業が大半を占める中国は、国有企業民営化などに迫られる可能性が高い。このため、この条項は、中国の国家体制を揺るがすことにもつながりかねない。


国有企業が多く、GDPの3分の1程度を占めているマレーシアやベトナムがよくTPPに参加したものだ。これらの国は、今後国営企業を民営化するなどの大改革を行う決意なのだろう。


さらに、知的財産の関係でも、知的財産保護の弱い中国がTPPに参加するハードルは現状ではかなり高い(TPP第18章)。


以上のように、投資自由化、国有企業改革、知的財産保護において、中国はTPPに参加したくてもできない状態なのだ。特に、投資自由化と国有企業改革は、中国の体制問題に発展する可能性があるので、まず克服できないだろう。


■中国経済の限界


TPPに参加できない中国の、国際経済におけるハンディキャップはきわめて大きい。そこで、投資自由化、国営企業改革、知的財政保護の必要のない、中国に有利なルールでの、経済圏を構築するために、AIIBを急いで設立しようとしていたわけだ。中国の言葉で言えば、「一帯一路」構想とそれを支えるAIIBである。


ところが、AIIBにも暗雲が出てきた。それが上に述べた報道(「AIIB債、無格付け発行=設立当初、韓国引き受けか」)である。


中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBは、中国が中所得国の罠を突破するための手段と考えられているようだが、筆者から見ると、原理的に無理筋である。それを以下に示そう。


中国がそろそろ一人当たりGDP1万ドルの壁にぶち当たろうとしている。



その突破には、これまでの先進国の例を見ると、社会経済の構造改革が必要である。それは、先進国の条件ともいえる、資本・投資の自由化である。


日本は、東京オリンピックの1964年に、OECD(経済協力開発機構)に加盟することによって「資本取引の自由化に関する規約」に加入し、資本・投資自由化に徐々に踏み出した。


当時は、第二の黒船といわれたが、外資の導入は経済の後押しになったわけで、それが功を奏して、日本の一人当たりGDPは70年代半ばに5000ドル、80年代前半に1万ドルを突破した。


資本・投資自由化をすれば、国有企業改革も当然やらざるを得なくなる。この意味で、中所得国の罠を突破できるかどうかは、いいタイミングで資本・投資自由化を行えるかどうかにかかっている。


それには、資本主義経済のほうが踏ん切りが付けやすいだろう。少なくとも国営企業改革はそれほど難問でないからだ。この点、中国の社会主義体制は、資本・投資自由化を行えないという致命的な欠陥がある。


■やっぱり見通しは明るくない


資本・投資自由化がうまくいくと、為替の変動相場制を導入し、独立した金融政策が可能になる。日本やアメリカなどがそのケースだ。または、ユーロのように固定化された変動相場と、金融政策には独立性がない制度もある。



これらは、上図のように国際金融のトリレンマとして、よく知られたことである。特に、独立した金融政策は、国内経済を維持するためにもっとも重要な経済政策手段を確保することになる。少なくともこれまでの先進国で、資本・投資自由化なしで経済発展してきた国はない。


中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBは、国際金融のトリレンマの中でいえば、自由な資本移動を否定し、固定為替制と独立した金融政策を行うという、これまで前例のない取り組みをおこなっているといえる。


論理的に考えて、それがうまくいく可能性は少しはあるものの、資本・投資自由化がないと持続的な経済発展は望めないという意味で、筆者は先進国では「原理的に無理筋」と考えているわけだ。


長い目で見れば、社会主義国の中国でも、こうした矛盾が出てくるはずだ。そうした視点からみたら、冒頭述べたようなおかしな問題が出てくるのは不思議ではない。


広州、香港、マカオで数千社の倒産が起こっているという話にも驚かない。中国では、破産法制は必ずしも完備しているとはいえない。しかも、日本のように手形不渡りで銀行取引停止という処分もないので、倒産がなかなか顕在化しない。


そうした国なので、例えば、香港の社債市場では、格付けなしの社債は珍しくない。であるから、AIIB債を無格付け発行したことも、別にニュースでないともいえるだろう。ただし、国際機関債で無格付けというのは聞いたことがないので、これが中国ルール、ということなのだろう。


中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBが原理的な部分で致命的欠陥を抱えている以上、長い目で見れば中国政治・経済の見通しは明るくないといわざるを得ない。


 

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コメント
 
1. 2015年12月07日 07:40:49 : DXDsZmsVHw : udi4BKrFfqA[3]
中国憎しの駄文をいかに書き連ねようと、今度は中国元を通貨バスケットに入れざるをえなくなった。AIIBに入らなかったのは実質日米のみ。

アメリカおよびドルの足元は確実に突き崩されている。日本円と異なり中国元をアメリカの好きなように扱うことは不可能。

事実を見よ。


2. 2015年12月07日 07:50:51 : 5f88JlQEnI : 7Qu1WINY8YU[2]
 悉く予想を外す占い屋W。

3. 2015年12月07日 13:27:33 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[57]

>日本のTPP反対論者はまるで中国の走狗のような発言をしていた

まあ、実際、そうだからなw

しかし中国は巨大帝国だから

>中国はやっぱり「中進国の罠」を突破できない

というように、単純には言えず、国内格差が広がっていくことになるだろう


上海など一部の先進エリアはシンガポール、ユーロ圏のベネルクスやスイス並にリッチエリアになり

イスラムの多い内陸部などは、貧しく危険な途上国ということになりそうだ



4. 2015年12月07日 16:41:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[48]
アングル:苦境の中国製鉄所、鉄鉱石在庫を投げ売り

[上海/マニラ 4日 ロイター] - 資金難に陥った中国の製鉄所が、手元資金を増強するために損失覚悟で鉄鉱石在庫の処分を進めており、これは中国鉄鋼業界の危機が一段と悪化していることの表れだとトレーダーは指摘する。

在庫の投げ売りによって、過去2カ月間に既に25%も値下がりした鉄鋼石価格の暴落はさらに深刻化した。不動産から造船に至るまでの鉄鋼需要の低迷に加え、金融機関の貸し出し抑制などの影響で中国の製鋼業界は過剰生産能力の解消に苦労している。

11月29日の週、鉄鉱石価格.IO62-CNI=SIは10年ぶりの安値を付けたほか、2016年渡しの先物価格は過去最低のトン当たり33ドルを付けた。上海の鉄筋価格SRBcv1も過去最安値に沈んだ。

北京のある鉄鋼石トレーダーは「現金不足に陥った製鉄所が鉄鉱石を安値で売却しているために、鉄鉱石相場の下落が加速した」と分析する。

当局が銀行に対して過剰供給業種に対する融資を削減するよう促したことを受けて、製鉄業界は資金繰りが困難な状況に直面しており、中でも民間の製鉄会社が最も大きな影響を受けた。民間の鉄鋼大手、唐山松汀鋼鉄は先月に資金難を理由に生産を停止したが、他社は必死で持ちこたえている状況だ。

鉱山大手と長期の供給契約を結んでいる製鉄所は、既に在庫の削減を進めており、不安定な下流部門の需要と現金支出を最小限にとどめるために、その日暮らしで鉄鉱石を調達している。

現在、赤字続きの製鉄所は生産継続のためのキャッシュフローを維持しようと、最後の手段として信用状の発行を受けて購入した鉄鉱石を売却。売却で得た資金はその多くが年内に期限を迎える銀行融資の返済に充てているという。トレーダーや鉄鋼メーカー幹部ら4人が明らかにした。

年内を乗り越えた企業は来年、また新たな信用状枠の設定を得ようと努力するという。

業界コンサルタント会社Uメタルのデータによると、中国の主要港湾における鉄鉱石の在庫は11月末時点で9000万トンを超え、4月以降で最も多かった。今年の最低水準は6月の7700万トンで、その後に鉄鋼業界が減産を進める中で在庫が増加した。
http://jp.reuters.com/article/china-iron-idJPKBN0TQ0CA20151207


5. 2015年12月08日 15:49:52 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[64]
中国貿易統計:識者はこうみる

[北京 8日 ロイター] - 中国税関総署が8日発表した11月の貿易統計は、輸出が前年同月比6.8%減となり、減少率は市場予想の5.0%を上回った。10月は6.9%減だった。マイナスは5カ月連続。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●最近の緩和政策が状況改善に寄与か

<キャピタル・エコノミクス(シンガポール)のジュリアン・エバンス=プリチャード氏>

11月の輸入は人民元ベースで前年比5.6%減だった。われわれの試算ではドルベースで16.6%減であることを示唆しており、10月の18.8%減からマイナス幅は縮小した。

最近の緩和政策が状況改善につながった可能性を示す兆候だ。11月の輸入は季節調整済みの前月比で6.8%増となっており、2年強ぶりの増加幅となった。

●見通しの下方修正必要

<キャピタル・セキュリティーズ(北京)のエコノミスト、WANG JIANHUI氏>

輸出は年末までに約1%増とプラスに転じるとこれまで予想していたが、11月の貿易統計を踏まえると、見通しの下方修正が必要かもしれない。

中国の景気刺激策は、貿易の下振れ傾向を抑える効果しかなかった。貿易の底上げにはつながっていない。流動性が引き締められていることを踏まえると、政府が現時点で貿易支援のためにとれる策はほとんどない。年内にもう一度利下げがあるかもしれない。

●大きな改善みられず=ダイワ・キャピタル

<ダイワ・キャピタル・マーケッツ(香港)のチーフエコノミスト(日本を除くアジア担当)、ケビン・ライ氏>

全体像に大きな変化はみられない。昨日発表の台湾の貿易統計もかなり悪かった。韓国の統計もそうだ。米国はまずまずだが、新興国の問題が非常に大きい。韓国と台湾の輸出で最も落ち込んだのが、対中輸出だった。

輸入は1年以上低迷が続いており、前年比の統計には、比較対象となる数値が低いというメリットがある。今日発表の輸入統計を見る限り、根本的な部分が大きく改善したとは断言できない。
http://jp.reuters.com/article/china-trade-instantview-idJPKBN0TR0CL20151208?sp=true


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