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なぜ日本だけ中国ショックをまともに食らったのか? 中国経済に振り回されるのはもうやめよう、今こそ産業構造の転換を
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/333.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 07 日 02:43:10: igsppGRN/E9PQ
 

日本も中国も最終的には米国市場にモノを売っている。米ニューヨークのロックフェラーセンターにクレーン車で設置されるクリスマスツリー(2015年11月6日撮影、資料写真)。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY〔AFPBB News〕


なぜ日本だけ中国ショックをまともに食らったのか? 中国経済に振り回されるのはもうやめよう、今こそ産業構造の転換を
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45429
2015.12.7 加谷 珪一 JBpress


 中国経済の失速によって世界経済にマイナスの影響が及ぶことが懸念されていたが、今のところ、そのような状況にはなっていない。新興国の低迷とは対照的に先進主要国の経済はまずまずのペースで推移している。


 だが、そこには唯一の例外がある。それが日本である。


 日本だけが中国景気失速の影響を受け、GDP(国内総生産)は2四半期連続のマイナスとなった。12月8日に発表されるGDP改定値では上方修正となる可能性が高いが、基本的な状況は同じである。


 日本経済は中国経済と一蓮托生の関係になっているわけだが、地理的に近いことだけが原因とは断定できない。産業構造の転換を先送りしてきたツケが顕在化している可能性が考えられるからだ。日本はすでに成熟国家のフェーズに入っており、本来であれば、中国など新興国の経済からは切り離されているはずだが、現実にはそうなっていない。


■中国ショックの影響で日本のGDPは2四半期連続マイナス


 日本の7〜9月期の実質GDP成長率は年率換算でマイナス0.8%と、2四半期連続のマイナスとなった。この結果については、多くの専門家が事前に予想していた。中国ショックの影響により、過去3カ月の鉱工業生産指数が大幅に低下していたからである。


 9月の確報値(季節調整済)はプラス1.1%だったが、8月はマイナス1.2%、7月はマイナス0.8%となっており、企業が生産を抑制しているのは明らかであった。設備投資の先行指標といわれる機械受注も冴えない数字だった。7〜9月期の実績は、主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)が前期比マイナス10%と大幅な落ち込みとなっており、GDPの設備投資が低迷することはほぼ確実な状況であった。


 実際にフタを開けてみるとGDPは予想通りのマイナス成長となった。もっとも、GDPの中で大きな割合を占める個人消費はプラス0.5%となり、前期のマイナス0.6%からプラス転換している。住宅も前期よりは伸び悩んでいるもののプラス1.9%とまずまずの結果だった。一方、設備投資は事前の予想通り、前期(マイナス1.2%)に続いてマイナス1.3%と低迷している。設備投資の落ち込みが個人消費のプラスをすべて打ち消してしまった格好だ。法人企業統計の結果を受けたGDP改定値(8日発表予定)では設備投資が上方修正される可能性が高いが、最終的なGDP成長率は横ばいか、よくても、わずかなプラスにとどまるだろう。


 企業は今年に入ってから在庫を増やす傾向が顕著になっていた。在庫の増加には2つの意味がある。1つは景気が拡大しているので、在庫切れを起こさないよう前倒しで製品を確保するという前向きなもの。もう1つは、製品を仕入れたものの、思うように注文が伸びず、結果的に在庫を抱えてしまったという後ろ向きなものである。


 当然のことながら現状の景気に過熱感はなく、意図せざる在庫の増加と見るのが自然だろう。中国の景気失速を受けた企業の生産抑制は、すでに年初から始まっていたということになる。


■日本も中国も最終的には米国に製品を売っている


 一方、先進主要国は中国失速の影響をほとんど受けていない。7〜9月期における米国のGDP成長率は年率換算でプラス2.1%、欧州(EU28カ国)の成長率はプラス1.6%であった。日本だけが中国経済の影響を受けるという図式が明白となっている。


 米国と欧州、とりわけ米国は、おそらく今後も中国経済から影響を受ける可能性は低いと考えられる。その理由は、米国と日本とでは産業構造が大きく異なっているからである。


 中国は規模でこそ世界第2位の経済大国となったが、1人あたりのGDPは日本の5分の1であり、産業構造は依然として途上国型である。原材料や部品を輸入して、最終製品の組み立てを行い、それを先進国に輸出するというモデルだ。最近では、人件費の高騰によって中国からアジア各国に工場がシフトしているが、それでも中国が世界の工場であるという図式に変わりはない。


 日本企業は中国のように付加価値の低い製品だけを取り扱っているわけではないが、欧米企業のように高付加価値製品のみに特化しているというわけでもない。日本企業は、韓国企業や一部の中国企業がライバルなので、コスト競争力を維持するため、組み立て工場の多くをアジア各国にシフトしてきた。日本からは素材やデバイスをアジアや中国に輸出し、組み立ては現地で行うというのがもっとも標準的なパターンといってよいだろう。


 では、日本企業の現地法人や中国企業が組み立た最終製品はどこに向かうのかというと、それは米国市場ということになる。結局のところ、日本も中国も最終的には米国市場にモノを売っているという構図なのである。


■世界経済は米国の消費で回っている


 こうした世界的な輸出入の構図は、各国の純輸出入額を比較すれば一目瞭然である(図)。日本は米国に対して687億ドルの輸出超過となっている。中国も米国に対しては3432億ドルもの輸出超過であり、それは欧州も同じである。米国は世界経済における最終需要地であり、極論すれば世界経済は米国の消費によって回っていることになる。



 米国の個人消費の動向が世界経済に大きな影響を与えるのは、米国経済が内需中心型であり、米国の消費が世界経済のエンジンだからである。


 米国にとって中国は、ただモノを買うだけの相手であり、両国の経済が直接リンクするわけではない。中国ショックが発生した際、株式市場における連鎖的な下落は懸念されたものの、中国経済の失速が米国経済に直接影響すると考えた専門家は少なかった。実際、中国経済が失速しても米国の個人消費はほとんど変化していない。


 欧州は米国ほど内需中心型ではないが、それでも多くの経済活動を欧州域内で完結させている。中国への輸出も多いが、輸入超過額はかなりの金額に達する。欧州にとっても、中国はやはり製品を購入する先ということになるだろう。


 ところが日本はだいぶ状況が異なっている。日本の輸出金額がGDPに占める割合は約18%と、米国(12%)や欧州(14%)に比べるとかなり高い。中国からは多くの製品を輸入しているが、中国への輸出も多く、圧倒的な輸入超過というわけではない。最終的に米国に向かう製品については、米国経済が堅調であれば低迷することはないが、中国のインフラ建設に使われる工業製品については、中国の建設需要が減少すると輸出量も減ってしまう。


 またアジア向けに輸出している製品の中には、最終的に中国に向かうものも多く、中国経済の失速によって、アジア向け製品の輸出も伸び悩むことになる。こうした状況が重なり、日本だけが主要国の中で中国経済の影響を大きく受ける結果になったと考えられる。日本がもう少し内需中心型の経済構造であれば、ここまで中国の影響を受けることはなかっただろう。


■産業構造の転換についてもう一度真剣に考えるべき


 日本は、これまで何度も内需中心型経済への転換を試みてきた。1986年に発表された前川レポートや、小泉政権における構造改革も、基本的に同じ路線と位置付けることができるだろう。


 小泉構造改革では、当初こそ、産業構造に関する議論が行われたが、後半からは規制緩和の是非をめぐる感情的な議論となってしまい、改革は頓挫してしまった。結果的に日本は、輸出産業中心の経済構造を維持する道を選択することになったのである。


 だが、従来型産業を温存したことで、日本は中国や韓国といった新興国とのコスト競争に巻き込まれることになった。中国や韓国は日本のライバルだが、米国向けの製品を製造するという意味ではパートナーでもある。結果的に日本は中国経済との相互依存をより深める結果となっている。本来であれば、日本は内需を中心とした成熟国家型経済のフェーズに入っている段階であり、中国や韓国とコスト競争するような立場にはなっていなかったはずである。


 産業構造の転換には、雇用の流動化が必須となるので、ある程度の痛み伴うことになる。しかし、多くの人が考えているほど、日本の産業構造転換は難しくない。日本のGDPの6割は個人消費であり、7割が個人消費となっている米国よりは少ないものの、ドイツやフランスと比べると個人消費の割合が高いからである。


 もちろん、日本企業の設備投資の多くが輸出を前提にしたものであり、それによって家計に所得がもたらされ、個人消費につながっている面は否定できない。だが、企業の設備投資を、従来型の資産から新産業創出のための資産にシフトすることができれば、比較的スムーズに内需経済型の経済に転換できるはずだ。


 本来、アベノミクスの成長戦略は、こうした産業構造の転換を意図したものだったはずである。アベノミクスが行き詰まりを見せつつある今、もう一度、経済政策の原点に立ち返ってみる必要があるだろう。



 

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コメント
 
1. 2015年12月07日 03:55:59 : KzvqvqZdMU : OureYyu9fng[46]
<国民経済>ってことを考えるべきだ。
<重商主義>な誤った考えに憑りつかれている竹中糞蔵なんてのを重用するから
駄目なのだ。


[32初期非表示理由]:担当:多数のアラシコメントが確認されているため、この人のコメントは内容にかかわらずすべて削除
2. 2015年12月07日 12:33:26 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[55]

>日本がもう少し内需中心型の経済構造であれば、ここまで中国の影響を受けることはなかった
>小泉構造改革では、当初こそ、産業構造に関する議論が行われたが、後半からは規制緩和の是非をめぐる感情的な議論となってしまい、改革は頓挫

もう、ほぼ手遅れだ


>アベノミクスの成長戦略は、こうした産業構造の転換を意図したものだったはずである。アベノミクスが行き詰まりを見せつつある今、もう一度、経済政策の原点に立ち返ってみる必要

敗戦のような厳しいショックでもない限り

既得権者(高齢者)が支配する産業構造を劇的に変えるのは、どこの国でも難しい

日本も例外ではないということだ


3. 2015年12月07日 16:29:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[45]
2015年12月7日 陳言 [在北京ジャーナリスト]

中国銀行業の不良債権額は2兆元!広がる社債発行停止と償還不履行

中国が11月30日に国際通貨基金(IMF)執行理事会で、人民元を特別引き出し権(SDR)の貨幣バスケットに組み入れると決定したことについては、12月4日までの一週間でかなり報道された。

30日午前に行われたブリーフィングで、中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁はSDRに組み入れたからといって、元安を心配する必要はなく、基本為替レートは今後も変化しないと述べ、一般市民がもっとも関心を寄せている問題に答えた。


その日に、易綱氏は具体的に「人民元のSDR入りに対するIMFの評価に元安の問題は言及されなかった。中国経済は中高速で成長し、その成長の勢いには変わりがなく、貨物の貿易にも比較的大きな黒字が存在するうえ、海外からの直接投資及び中国の対外直接投資も増加しつつ、外貨準備も非常に充実している。こうした要素は、人民元が継続的に安値になる基盤が存在していないことを決定づけている」と語った。

これに先立って同氏は、人民元のSDR入りで資本流出が加速されるという市場の懸念について、人民元の国際準備貨幣地位の引き上げは越境資金流動の増加を必ず導きだすが、このような越境資金流動は双方向で、流出の要素があるなら、流入の要素もあるに相違ないと応じた。

「その流入と流出の効果を十分に考慮しなければならない。もし政策がきちんと設計されれば、流入(を導く)と流出(を導く)の政策をバランス良く打ち出し、流出と流入をほぼ帳消しにし、少なくとも大部分を帳消しできる」

易綱氏は「可能な限り」、中国は市場供給関係の決定的な役割を尊重するが、仮に人民元の為替レートの変化が一定の幅を超えた場合や、国際収支に異常が起こった場合には、中国中央銀行がやはり適時に介入すると説明した。

人民元のSDR通貨バスケット構成比率が10.92%で、ドル41.73%、ユーロ30.93%につぎ第3位にあり、人民元の後は、円8.33%、ポンド8.09%となることは日本のメディアにも報道されているが、「人民元のSDR加入を歓迎し、中国が金融システムの改革に努力するよう希望する」という麻生太郎財務大臣によるコメントも中国メディアは注目した。

銀行全体の不良債権額は2兆元弱
金融の安全性は低下したが制御は可能

SDRのほかに、中国メディアが力を入れて報道したのが、金融の安全性であり、企業の債権放棄のニュースである。

「財新ネット」は、9月末時点の全金融機関の不良債権額が2兆元近くに達し、年初から5000億元以上増加したと報じた。不良債権比率は2%を超え、年初に比べ0.35ポイント上昇した。

「財新ネット」の数字は政府の公式データを大きく上回っている。中国銀行監督管理委員会の情報では、9月末時点の商業銀行の不良債権比率は1.59%に過ぎない。ただ、財新網は公表したデータの出典を明らかにはしていない。

同記事によると、2011年第4四半期以降、銀行業界の不良資産額及び不良資産率はともに4年間上昇し続けている。

多くの銀行経営者は、現在は不良債権が点から面に拡散している状態だとし、その範囲も製造業と卸・小売業に集中しているとしている。そして、それらは加工貿易型の企業や生産能力過剰な製造業の問題の深刻さを反映しており、一部の企業グループでは集団で債務逃れを画策するような状況も発生しているという。

また、記事によれば不良債権は各地で爆発的な勢いを見せている。各地の監督管理局の情報によれば、6月末時点で黒竜江の不良債権比率は3.6%、雲南では2%、浙江省では不良債権額は1600億元を超え、不良率は2.23%となっている。

記事は、「10、11月のマクロ経済データは非常に悪く、来年も深刻な調整が続くだろう。銀行の不良債権はさらに増加し続ける可能性がある」とする大手銀行部門総経理のコメントを紹介している。

現在、中国の銀行業の貸倒引当金に対する規定は非常に厳しいもので、不良率3%は何とかできるが、今後も経済情勢に変化がなければ大きな困難に直面することになりかねない。光大証券の徐高・首席エコノミストは「安定成長は下半期の経済政策の基調」と述べ、経済減速圧力とリスクに対する指導層の関心が高まり、安定成長に対する欲求が高まっていることを指摘した。

「財経ネット」の記事が公表されてから、「新華ネット」は11月29日、次のように報じた。

「金融安全協力イノベーションセンターが同日発表した『中国金融安全レポート2015』によると、経済成長率の鈍化と前期刺激政策による高いレバレッジ率の影響で、2012年以来、中国の金融安全性は悪化傾向に遭遇したが、総体的にはリスクコントロールは可能範囲にある。

南西財経大学中国金融研究センターの王フ主任の話によると、同レポートは金融機関、金融市場、経済運営、金融自主権から、2001年から2014年までの金融安全状態に対する評価である。出された結論では、2012年から今まで、安全指数は絶えず低下し、銀行業と証券業の安定性、健全性ともに下降に転じた。

『銀行の不良債権率と貸倒準備金率が持続的に上昇し、大規模な貸付は増加を経て返済ピークが訪れるに伴って、前期刺激政策にもたらしたリスクも次第に際立った。一方、証券会社の負債率とレバレッジ率が次第に向上し、市場の変動も激しくなり、特に一部の業務イノベーションのリスクは十分に認識され、有効管理されていないために、業界の安全性に不利な影響をもたらしている』と王フ氏は語った。」

同レポートは、銀行業の安全状態、中国の実体経済部門のレバレッジ率の過大、地方政府の債務などの問題に対して関心を寄せなければならないと分析している。

金融安全協力イノベーションセンターについて一言付け加える。同センターは、2012年に南西財経済大学をはじめ、中国審計署(会計検査院に相当)、中国人民銀行(中央銀行)、中国銀行業監督管理委員会、中国人民大学などが共同で発足させたものである。同センターは定期、不定期に『中国金融安全レポート』『グローバルシステムの金融リスクに関するレポート』を公表している。

社債発行の取りやめが相次ぎ
償還不履行も目立ってきた

金融の安全性が低下したなか、企業はどんな対応をしているか。「中国貨幣ネット」(chinamoney.com)は、11月5日から23日までの20日余りのあいだに45企業が債券発行計画を取り消し、その総額が500億元にも達していることを明らかにした。昨年4月から今年7月までの1年間に発行がキャンセルされた債券が約370億元だったのと比較すると、その異常ぶりがわかる。

今回発行を取りやめた45企業は、鉄鋼、石炭、セメント、建設、インフラ設備、交通などの分野に集中している。ほとんどが産業エネルギーのだぶつきに苦しむ業界に属し、経営体質に問題を孕む企業もあった。5人の業界筋は、債券の発行取り消しが相次いで市場リスクが増し、このため投資家にはリスクヘッジの雰囲気が濃厚なことから、高リスク業界の債券融資に悪影響がひろがり、高リスク企業の発債コストが一層高まると見ている。

関連の報道によれば、最近の発行取消の頻発は債券の大量放棄の一因になる恐れがある。今月5日、山東山水は国内債務の償還に不確実性があることを明らかにした。同社が抱える未償還国内債券は6件71億元で、そのうちの20億元超の短期融資の償還が不履行になる見込みで、その他の債務も償還不履行の危機に瀕している。またこれより以前、中鋼集団、英利集団などの企業も債券の償還で契約違反(デフォルト)を犯しているという。

経済の減速に伴い、金融の安定は低下したが、まだ大きな問題に直面したという状況ではない。企業が積極的に資本市場から資金調達するのを止めていることは、安定性のさらなる低下を食い止めたと考えていいだろう。
http://diamond.jp/articles/-/82699


4. 2015年12月07日 22:25:13 : nnr0xjH7KA : myGFCLmp82U[5]
アメリカの消費など今や大したことはない。自動車に日用品程度。アメリカが大量消費しているのは武器、弾薬、ガソリン等石油製品。

購買力がない貧困層は多い。



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