http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/283.html
Tweet |
雑感。ECB追加緩和と、パソコン事業の統合と
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52756898.html
2015年12月04日 在野のアナリスト
ECBによる追加緩和、ドラギ総裁の会見でもマインドは転換できず、世界同時株安の様相です。市場が期待値を上げ過ぎていたせいですが、ドラギショックともされる今回の原因、噂ですが、ドラギ総裁はもっと緩和したかったけれど、ECBの事務方が分析したところ、マイナス金利を拡大しても貸し出しは増えず、国債に地方債を含めて購入する金額を増額しなかったのも、リスクの低い債券が早めに枯渇してしまい、時期を延長するとECBがリスク資産を溜めかねない、といった反論がでたため、とされるのです。つまりECBによる追加緩和の期待を語る人もいますが、根本的に今の仕組みでは追加緩和が難しい。これがドラギ氏のこれまでの発言と、今回の追加緩和という落差の理由であれば、もう期待することすら難しい、ということにもなるのでしょう。
そしてこのドラギショック、実は日銀にとっても足枷となるのが確実です。今、黒田日銀総裁は緩和を煽る発言をくり返していますが、市場の期待値をどんどん上げてしまうと、黒田ショックを引き起こしかねない。これまでは追加緩和をバズーカともされましたが、それがクラッカー程度とみなされれば、一瞬は音に驚いてもすぐに失望される。それがもたらすのは円高、株安であって、それは日銀の失敗というばかりでなく、安倍政権を直撃する問題ともなるのです。
しかも今回、ドラギ発言から欧州系が楽観に傾き、株買いを入れてきたことが株高の背景でもありましたが、それが逆回転を起こしそう。さらにこれまで頑張ってきた日系、日米合弁系が、明らかに弾を撃ち尽くして売りに傾いた。日本の株式市場は当面、買い方不在の状況がつづいてしまいます。さらにここに来て、ヘッジファンドなどが年の取引を終了し、来年の取引に転換しつつある。45日ルールなどとも言われますが、これからは来年の第1四半期の取引に向けて、動きだすタイミングです。来週のSQもありますが、これからは動きの軽くなったヘッジファンドが、来年の水準をさぐりながら、上下動させる展開すら予想される中、悲観が拡がりだしたのです。
11月の米雇用統計は堅調さを示し、利上げの障害はなくなりました。今回、利上げしてもすぐには影響が計れないでしょうが、徐々に様々なことが起こってくるのでしょう。中央銀行の手法にも限界がみえたと意識された今回、米国の利上げをカバーするにはもの足りなかった規模で、世界がどう動くのか? 来年に向けて不安定感が増したことだけは確実なのでしょう。
話は変わって、東芝、富士通、VAIOがパソコン事業の統合交渉をすすめる、と報じられました。日本製メーカーは、同一性能の価格比で、外国製の1.5倍以上するものがザラであり、魅力が低下していた。以前なら安全性、保証などで優位な面もありましたが、外国製も企業努力をすすめて差が少なくなったこと、また価格差が大きく影響するようになり、スケールメリットによる価格低減効果に期待するしかなくなった、という深刻な状況です。そこで不正会計問題で青息吐息の東芝、初のスマホでブランド名を傷つけたVAIO、ヒット商品のない富士通が組む。残念ながら弱者連衡としか映らず、どんな展望をもっているかも分かりません。
統合するなら海外展開を視野に入れないとダメで、そのためにはMicrosoftや中国、台湾メーカーとガチの勝負をしなければならない。TPPで「攻めの〜」というのなら、パソコン事業もそうしなければならないのでしょう。この3社が統合すれば、国内はNECとの寡占化がすすみ、独禁法の問題も浮上する。だからこそ海外で戦う姿勢もまた、必要ということになります。日本のメーカーは使い勝手などを重視し、デザインは弱い。東京五輪のエンブレムでも、この国のデザイン力が貧弱であることが露呈しました。日本人が不得意な大きな規模でのグランドデザイン、それを磨くところから始めないと、いくらスマホをハンドソープで洗えても、この国の製造業は雲ってしまうばかりなのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民103掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。