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タカタ本社が所在する東京・アークヒルズ(「Wikipedia」より)
タカタ、経営危機はあり得るのか?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151202-00010005-bjournal-soci
Business Journal 12月2日(水)22時32分配信
タカタがエアバッグ部品の不具合問題で苦境に陥っている。タカタの大株主であり、最も頼りとする本田技研工業(ホンダ)が、タカタが現在製造しているエアバッグインフレーター(ガス発生装置)の使用を取り止めることを表明すると、日産自動車、トヨタ自動車、マツダ、富士重工業のほか、海外ではフォード・モーターもタカタ製インフレーターの使用を取り止める方針を表明した。タカタの本業の業績は順調に推移してきたが、今後エアバッグ関連事業の悪化、リコール対策費用、米国消費者からの損害賠償などのリスクもあり、先行きは予断を許さない状況だ。
タカタは11月3日、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)とエアバッグに関する一連のリコール問題で同意指令に合意した。同意指令は、民事制裁金7000万ドル(約85億円)を分割で支払うことや、同意指令に定められた義務に違反した場合、別途最大1億3000万ドル(約156億円)の民事制裁金の支払うことのほか、火薬として硝酸アンモニウムを使用したインフレーター供給を新規契約しないことと、2018年末までに硝酸アンモニウムを使用したインフレーターの製造を段階的に中止するというもの。
タカタ製エアバッグのリコール問題は、エアバッグが異常破裂し、部品である金属片などが飛び散り、乗員を死傷させる。一部では製造上のミスなど、不具合原因が明らかになっているが、大部分は原因が不明。原因が明確でなければリコールできないが、自動車メーカー各社は事故を未然に防止するため、調査リコールと称して自社の金銭的負担でリコールを実施している。原因が明らかになり、タカタに原因がある場合、求償することにしている。
タカタ製エアバッグの不具合原因は依然として不明だが、米国などでは、タカタの硝酸アンモニウムを使用したインフレーターが原因との見方が出ている。タカタと同様、エアバッグ用インフレーターは、ダイセルやオートリブも製造しているが、硝酸グアニジンを使用しており、硝酸アンモニウムを使用しているのはタカタだけ。硝酸アンモニウムは取り扱いが難しいものの、部品を小型化できるメリットがあり、これがタカタ製インフレーターの競争力にも結びついていた。タカタでは、硝酸アンモニウムの安全性を強調してきたが、高まる不安を打ち消すため、硝酸アンモニウムの使用を段階的に取り止めることにした。
●ホンダの豹変
事態が大きく動いたのは、タカタがNHTSAと合意を発表した11月4日だ。ホンダは15年4〜9月期決算発表の記者会見で「ホンダはすべての取引先が常に誠実に行動されることを期待しており、タカタによる行為に大変困惑している」との声明を公表、タカタ製の硝酸アンモニウムのインフレーターの使用取り止めを明らかにした。タカタによる行為でホンダが問題視しているのが、タカタから提出された数百ページにおよぶ内部書類を検証した結果、エアバッグインフレーターのテストデータの誤り、または不適切な情報を確認したためだ。
ホンダとタカタは長年にわたって蜜月関係を続けてきた。ホンダはタカタの大株主であるほか、ホンダが国内自動車メーカーで初めてエアバッグを実用化したのもタカタと共同開発したためだ。ホンダが、国内で生産するモデルの5割がタカタ製インフレーターを採用している。
そのホンダが、タカタと距離を置きはじめたことに他社も強く反応した。ホンダがタカタ製硝酸アンモニウムのインフレーターを使用しないと表明すると、日産や富士重なども追随。トヨタは決算発表会見で、早川茂取締役・専務役員が「顧客の安心・安全を第一に考えて対応していく。インフレーターはより良いものを採用していく」と述べ、今後もタカタ製インフレーターの採用を継続していく余地を残した。しかし、こうした姿勢を批判されると一転、翌日には豊田章男社長が品質に問題のあるタカタ製インフレーターの部品は使用しないことを明言した。
●業績への影響必至
自動車メーカーの相次ぐ不使用表明で、タカタは窮地に追いやられる。同社が発表した15年4〜9月期連結決算によると、売上高は前年同期比19%増の3593億円、本業のもうけを示す営業利益が同33%増の195億円と増収増益だった。製品別売上高で全体の約4割を占めるエアバッグの売上高は同13%増の1311億円の増収とリコール問題の影響は表面化していない。
ただ、今後は業績に大きく影響する見通し。通期業績見通しは、リコール関連費用と訴訟対応費用、制裁金を特別損失に計上、親会社株主に帰属する当期純利益は前回予想より150億円マイナスの50億円に下方修正した。自動車メーカーがタカタ製インフレーターの採用を見送ることで、業績に大きなマイナスのインパクトが及ぶ可能性は高い。
同社は「自動車メーカーが採用を取り止めているのは、あくまでもインフレーターで、エアバッグシステムではない」と説明、影響は限定的との見方を示す。当面は他社から硝酸グアニジンのインフレーターを調達してエアバッグシステムを自動車メーカーに納入するとともに、硝酸グアニジンを使用したインフレーターを開発・製造することで、受注のマイナスをカバーする考え。
今後、不具合についての原因解明が進むことで、自動車メーカーからリコール費用の一部を求償される可能性がある。これに加えて、米国消費者からの訴訟リスクも抱える。これらによって一気に業績が悪化し、債務超過に陥る可能性も指摘されている。以前は「債務超過となっても、最終的にはホンダが支援する」(日産自動車役員)と見られていたが、ホンダも明らかにタカタと距離を置き始めた。
事件発覚以降も本業は順調に推移してきたタカタだが、いよいよ本格的な危機を迎えることになるとの見方が強まっている。
文=河村靖史/ジャーナリスト
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