http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/224.html
Tweet |
本末転倒な企業統治 社外取締役増えて決算発表遅れるの「怪」 東芝は土曜日、東電などは午後5時が定着…
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151201-00000511-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/12/2 10:05
利益水増し問題で揺れる東芝が、株式市場が休場している土曜日に決算発表したことが波紋を広げている。7人いる社外取締役の予定が平日に合わず、決算取締役会を開けなかったのが理由だが、株式市場が開いていない日に大企業が決算を発表するのは異例だ。東芝以外でも、社外取締役が増えたことで決算発表の時間が遅れる企業がここにきて増え始めている。企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を目的に導入が相次ぐ社外取締役だが、情報開示が遅れるのであれば本末転倒といえなくもない。
東芝が平成27年9月中間決算を発表した11月7日土曜日。東京都港区の本社に詰めかけた約200人の記者やアナリストらは、ただあきれるしかなかった。
この日東芝は決算と同時に、利益水増し問題の責任を追及するため旧経営陣5人を相手取り損害賠償請求訴訟を起こしたと発表した。だが、この件を説明できる立場の役員が出席していなかったのだ。説明を求める記者らに対し、平田政善代表執行役上席常務は「お答えすることはできない」と、繰り返した。
決算発表が異例の土曜日になったばかりでなく、会社の再生をめぐり極めて重要な訴訟関連の質問にも、具体的な回答を避ける東芝の姿勢に疑問を投げかける市場関係者は多い。
ただ、東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループの関係者は、土曜日の決算発表については「賛否両論だ」と語り、一概には「間違いではない」と打ち明ける。
東証は決算発表の時期に関して、「決定後、直ちに公表してほしい」と、企業に要請しているという。企業の決算取締役会の日程まで指示するわけにもいかず、土曜日に取締役会が開催されれば、その日のうちに公表するのが筋というわけだ。土曜日の決算発表は異例ではあるが、違反ではないのだ。
金曜日のマーケットが閉まった午後3時に決算を発表する企業も多いが、投資家は翌営業日の月曜日までその企業の株を市場で売買できない。このため、土曜日に決算を発表しても「金曜日午後3時の発表と影響は同じ」との指摘もある。
だが、実際には休日に予定を入れている投資家も多く、情報収集がしづらいのも事実だ。東証の幹部は「投資家に不利益がないとは言い切れない」とも指摘する。投資家目線に立てば、やはり土曜日の決算発表は褒められたものではないのだ。
◇
今回、東芝の決算発表が遅れたのは社外取締役が多かったのが原因だが、社外取締役は増える傾向にある。東京証券取引所によれば、東証一部上場企業のうち社外取締役を導入しているのは94.3%(7月14日時点)にも達する。この1年で20ポイントも上昇するなど、とくに最近は導入率の上昇が著しい。
その背景にあるのが、今年6月に東京証券取引所が上場企業に適用を開始した「コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)」だ。企業統治原則では外部の目を経営に取り入れることを目的に、独立した社外取締役を2人以上導入するよう促した。
土曜日に決算をずらした東芝ほどではないが、社外取締役の増加で、決算発表の時間が遅れる企業も増えている。
「どうしても午前中に決算取締役会を開けないんです」。こう嘆くのは、東京電力のある幹部だ。
東電は12人の取締役のうち、数土文夫会長をはじめ6人が社外取締役。スケジュールの関係で午前中に決算取締役会を開くのが困難になっているという。かつては午後3時に決算を発表することが多かったが、今は「午後5時」の決算発表が慣例になっている。関西電力や中部電力など同業他社の多くが、午後3時に決算を開示しているのとは対照的だ。
石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングス(旧コスモ石油)も、午後5時の決算発表が慣例になりつつある。こちらは社外取締役の2人がアラブ首長国連邦の出身。「移動時間のため、午前中に決算取締役会が開けない」(同社幹部)のだという。
◇
社外取締役を導入する企業が増えていることに関して、第一生命経済研究所の嶌峰義清・首席エコノミストは「導入しているメジャーな企業でも不祥事が多い。“仏作って魂入れず”では困る」と指摘する。実際、社外取締役導入が本来目的とする「ガバナンス(企業統治)の強化」につながっていないケースもある。
経営権をめぐって創業家の父親と長女が対立した大塚家具のケースでは、複数の社外取締役を起用しているのも関わらず、“お家騒動”に発展した。日本で社外取締役の先駆けとなったソニーは、長らく業績不振に苦しんだ。
もちろん、決算発表の時期や時間の遅れが、直ちに企業業績に影響を及ぼすわけではない。発表の遅れは、いわば社外取締役の導入に伴う思わぬ“副作用”といえなくもない。
大和証券が4月に発表したリポートによれば、社外取締役がいない場合などに比べ、3人以上いる企業の株価パフォーマンスが「もっとも良好だった」という。その理由について、リポートは「社外取締役によるガバナンス強化に動いた企業を、市場が評価した」と分析する。
もっとも、社外取締役を形だけ導入するのであれば、こうした市場の期待を裏切りかねない。決算発表の日時も含めて投資家目線に立ち、きちんと社外取締役を機能させる努力が企業には求められている。(大柳聡庸)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民103掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。