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なぜ、両親と無理心中を図ったのか…(※イメージ)
“下流老人の悲劇”利根川一家心中 事件直前に作成された一家の生活保護の認定調書〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151202-00000002-sasahi-soci
週刊朝日 2015年12月11日号より抜粋
認知症の母親、病気で手術を目前に控えた父親を乗せたまま、埼玉県の利根川に車ごとダイブした47歳の女性が殺人容疑で逮捕された。事件の直前、女性は生活保護を申請し、受理されていたにもかかわらず、なぜ、両親と無理心中を図ったのか。現場を歩き、徹底ルポした。
群馬県在住の岸伝二郎さん(78)は11月22日、趣味の鴨猟をするため、利根川に出かけ、事件に遭遇した。
「何だろうと思って近づいたら、白髪で白い服を着た女の人が横を向いて川に浮かんでいた。たまげて、すぐに110番した」
遺体で発見されたのは、現場から7キロほど先に住む埼玉県深谷市の藤田ヨキさん(81)だった。
そのそばで、藤田さんの三女(47)が座り込んでいるのを見つけた。低体温症ですぐに病院に運ばれたが、命に別条はなかった。
「せめて、娘さんの命だけでも助かってよかった」(岸さん)
その後、300メートル上流で三女の父親、藤田慶秀さん(74)の遺体も発見された。
埼玉県警は死亡した夫妻の三女、波方敦子容疑者を母親に対する殺人、父親への自殺幇助の疑いで逮捕。
深谷警察署によると、波方容疑者は11月22日未明、自分が運転する軽自動車に両親を乗せ、利根川に車ごと突っ込んだという。
「川の中から見つかった車のドアは全て閉まっていて、運転席の窓だけが開いていました。3人乗ったまま沈んでしまおうとしたようですが、できなかったようです」(捜査関係者)
波方容疑者は市役所を訪れ、17日には生活保護の申請用紙を持って帰ったという。一家は3DKで家賃3万3千円のアパートに住んでいた。大家はこう話す。
「17日の夕方だったと思いますが、波方容疑者が、生活保護を申請したいので書き込んでくださいと用紙を持ってきました。家賃が扶助されるそうで、家賃額と住所などを書いて判子を押しました」
19日には、市役所の生活福祉課の男性職員2人が、一家を訪れた。男性職員(30代)はその様子をこう証言した。
「家は3部屋で真ん中の部屋で話をしました。こたつのテーブルがあって、生活保護の申請書類の補足をしました。テーブルの上にはお菓子の缶があり、母親はそれを触っていて、用紙を書くのに妨げになるからと、三女が寝かせてあげたりしていました。父親は病気で、歩いたり、ものをつかんだりするのが難しくなっており、三女は父親の介護もやっているようでした」
このとき、藤田さんは「病気を治してまた働けるようになりたい」と話したという。三女も「働きたいが介護があるから今は難しい」と話したという。
生活保護はその日、受理されていた。
世帯全体に対する生活保護で、そのまま審査を通れば、月額20万円前後が支給されたようだが、その金額は三女らに知らされていなかったという。
「生活保護が適用されれば、藤田さんの病院費用も無料になります。申請をした矢先になぜ、三女が死を選ぼうとしたのか、驚きです」(生活福祉課職員)
謎はまだある。藤田さんが新聞配達の仕事を辞めたのは事件10日前の11月12日。給料は月末締めなのだが、11月1日から12日までの給料を取りに来ないまま、死亡したという。
「妻の面倒は自分がみるという気持ちが強い人だったから、自分が動けなくなって、人に頼らなければ生きていけないようになるのがショックだったのではないかしらと思う」(藤田さんが勤めていた新聞専売所所長・坂井正美さん)
親族殺しの犯行動機として前科のない容疑者の多くは、「介護疲れ」「将来を悲観した」などを挙げるという。
「介護などで追い詰められ、うつ状態になり、被介護者を道連れに死ぬことが最もよい解決方法であると考え、事件を起こすケースが多い」(NPO関係者)
事件について、元検事の徳永博久弁護士はこう見る。
「父親が本当に『死にたい』と言ったのか否かがポイントになる。母親に関しては、心中を図るほどのやむを得ない事情があったかどうかが重視されるでしょう。本件は殺人事件であっても執行猶予つきの温情判決が下される可能性もあります」
『下流老人』著者のNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏は、その心情をこう代弁する。
「生活保護を申請していたというが、申請を決意する感情は、そんなに生易しいものではない。自分が貧乏だということは、本音では恥ずかしくて語れない人がほとんど。実際に、生活保護を受けている世帯の自殺率は、受けていない世帯よりも2・2倍も高い。生活保護申請をした時点で、死(自殺)の可能性があるという認識を公的機関も持つべき」
一家3人そろって年を越せるすべはなかったのか。
(本誌・上田耕司、松岡かすみ)
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