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7−9月期法人企業統計の・・・?(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/214.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 01 日 23:43:39: igsppGRN/E9PQ
 

7−9月期法人企業統計の・・・?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52756713.html
2015年12月01日 在野のアナリスト 


露軍機墜落で露側の発信がころころ変わります。最初はシリア領内からの対空ミサイル、次にトルコに背中から撃たれた、今度は露軍機はISILの運ぶ石油輸送車を狙っていた。しかしここに来て、米国から根拠は示されないものの、露軍機がトルコ領内に浸入しており、かつ警告を無視していた証拠がある、と発信されました。米国が無視に耐え切れなくなったのか、露国によるトルコへの経済制裁で、米国も黙っていられなくなったのか。いずれにしろ、経済制裁は露国への打撃も大きくなるので、露国はどんどん風呂敷を広げ、それを畳むときに自分たちが我慢して受け入れる、という態度をとって、この事件の幕引きをはかることになるのでしょう。

日経平均が終値で2万円を越えてきました。欧州系のイベントドリブン型であり、水準ブレイクに伴う買いを引きだす戦略でしょう。ただ気になるのが、昨日久しぶりに日米合弁系が大きく売ってきた。大きく…といっても、買い向かっていたときの3分の1ぐらいですが、ここで溜まった買いポジションを吐き出してくるなら、年末にかけて相当に上値も重くなってくるかもしれません。

新語・流行語にも入った『爆買い』ですが、インバウンド消費について少し考えます。観光局によると1〜10月の訪日外国人旅行者は昨年より290万人増、1週間滞在するとして週割すると7万人が昨年より週ごとに上積みされた計算です。労働力調査によると、日本の15歳以上の人口は1.1億人、就業人口を考えると6600万人、これが日本の基礎的な消費人口です。7万人の外国人旅行者は、0.1%程度になりますが、国内の基礎的な消費人口の中には学生もおり、アルバイト、パート、65歳以上も含まれます。活発に消費する世代で考えると、これが0.5%を越えてくるはずです。しかも外国人旅行客は、生活に必要なものしか消費しない国内の消費人口の数倍の消費を、この短期間ですることになります。0.5%の外国人旅行者が、4倍の消費をすれば小売売上高の数値、2%程度の上積みの説明となり、10倍ならGDPの個人消費の押し上げ分に相当することになります。

財務省発表の7-9月期、法人企業統計がでてきましたが、設備投資が前年同期比11.2%増と、2%台とみていた市場予想を大きく越えてきました。麻生財務省が、個人消費に関して統計のバラつきに苦言を呈していましたが、個人消費のバラつきは上記で大体、説明がつくはずです。しかし設備投資に関する統計も、これだけバラつきがあると、何が正しいか? さっぱり分かりません。

法人企業統計は、企業の仮決算計数をまとめたものですから、予定していたものが後ズレした場合、今回の数字には上乗せされている恐れがある。そもそも、今年度は前期に設備投資が集中し、2桁増で推移すると見られた中、前期が5.6%だったために、その後ズレ分がのったのかもしれません。しかし実際、計画通りすすんだとはとても思えず、売上高が0.1%しか上積みがなかったように、年後半の事業計画でさえ見通しもついていない、その中で本当に設備投資が増えたのか? 推移を追う必要もあるのでしょう。ただ、これはGDP算出にも用いられる統計なので、GDPの上ブレが意識され、株価はそうした面を意識して、イベントドリブンが働いたのでしょう。

しかし米国では年末商戦の雲行きが怪しくなり、必ずしも世界経済に楽観が拡がったわけではありません。昨日、黒田日銀総裁が「躊躇なく」をくり返し、円安に導いたことも大きかったのでしょう。これも、その手法がいつまでも通用するはずもないのです。年末高を志向しても、実体が伴わなければ年初から下落する、1990年のような相場となってしまうだけでしょう。来年、もしかしたら新語・流行語に「本当のところ、どうなの?」という言葉が入るのかもしれない。誰もがそんなもやもやしたまま、年末を迎えることになってしまっているのでしょうね。

 

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1. 2015年12月02日 07:56:57 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk
米自動車販売、11月は年率換算で過去最高 SUV好調

[デトロイト 1日 ロイター] - 調査会社オートデータがまとめた11月の米自動車販売は前年同月比1.4%増の132万台と、11月としては2001年につけた過去最高水準に迫った。

自動車各社の販売促進活動に加え、スポーツ用多目的車(SUV)の販売が好調だったことが追い風となった。

季節調整済みの年率換算では1819万台と、11月としては過去最高。ただオートデータは、独自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)が傘下のメルセデス・ベンツの販売台数を2日に発表することから、全体の販売台数が修正される可能性があるとしている。

11月は自動車各社が「ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)」に向けた販売促進に注力したことも押し上げ要因になった。

日産自動車(7201.T)の米国販売責任者、ダン・モーンケ氏は、「ブラックフライデーはこれまでは自動車販売とは関係が薄かったが、今はは自動車小売業界にも浸透しており、これまでは12月に集中していた年末商戦が前倒しされている」としている。

メーカー別では、首位のゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)が1.5%増の22万9296台、2位のトヨタ自動車(7203.T)が3.4%増の18万9517台。

3位のフォード(F.N)は0.4%増の18万7794台、4位のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCAU.N)(FCHA.MI)は3.0%増の17万5974台だった。5位のホンダ(7267.T)は5.2%減、6位の日産(7201.T)は3.8%増。

排ガス不正問題で揺れる独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)は24.7%減の2万3882台だった。

米商務省経済分析局(BEA)によると、2015年の通年の販売台数について、アナリストの間では2000年につけた過去最高の1735万台を超えるとの見方が大勢となっている。
http://jp.reuters.com/article/2015/12/01/us-car-sales-nov-idJPKBN0TK5WY20151201


米FRB、将来の段階的利上げを強く伝達すべき=シカゴ連銀総裁

[イーストランシング(米ミシガン州) 1日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は1日、連邦準備理事会(FRB)は利用可能なコミュニケーション手段を通して、利上げは段階的に実施するとの姿勢を明確に伝達する必要があるとの見解を示した。

同総裁は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明、経済見通し、もしくはFOMC後に行われるイエレン議長の記者会見を通して、FRBは利上げぺースは段階的なものになることを強調する必要があるかとの記者団の質問に対し、これらすべてが非常に有効となると指摘。「イエレン議長も記者会見でこの点について語るとみている」と述べた。

これに先立ち行った講演でも、「われわれが最初に利上げを行った後、FOMCは将来的な利上げをめぐる段階的な道筋のプランを力強くかつ効率的に伝達することが不可欠」と指摘。

15━16日の次回FOMCでの利上げに幾分神経質になっているとの認識を表明し、実際に利上げに踏み切った場合、FRBが利上げで緩和姿勢を後退させる意向と金融市場が受け止めないようにする必要があるとの考えを示した。

そのうえで、利上げは「非常に段階的」に行うべきとの考えをあらためて表明。来年末の時点でもフェデラルファンド(FF)金利が依然、1%を下回る水準が適切となる可能性があるとした。

インフレ見通しにも懸念を示し、コアインフレ率は2018年末時点で2%をやや下回ると予想した。

同総裁はこのほか記者団に対し、この日に発表された米製造業関連の指標は軟調となったものの、米経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は堅調で、米国は日本のような状況には陥っていないと指摘。

ただ「米経済は多くの部分でわれわれが期待するほど強くなかったことは認めなければならない」とし、FRBが短・中期的な景気の力強さを推し量るにあたり注目している主要な経済指標が正確に予見できていなかったことを認めた。

同総裁は今年、FOMCの投票権を持つ。
http://jp.reuters.com/article/2015/12/01/usa-fed-evans-idJPKBN0TK5LM20151201


米シカゴ連銀総裁:12月のFOMC決定に向け「神経質」になっている
2015/12/02 04:43 JST

    (ブルームバーグ):米シカゴ連銀のエバンス総裁は、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控えて神経質になっていることを明らかにした。同会合では約10年ぶりとなる利上げが決定されると広く見込まれている。
エバンス総裁は1日、ミシガン州イーストランシングで講演。事前に配布された原稿によれば、「次の会合での決定について多少神経質になっていることを認める」と述べた。総裁は今年のFOMCで投票権を持つ。
金融当局の中で最もハト派寄りの当局者の1人であるエバンス総裁は、利上げを開始する前に「インフレ率が確実に上向き始めるというより強い確信を持ちたい」との自身の見解をあらためて表明した。さらに、「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」と加えた。
総裁はまた、利上げ開始後に当局が「将来の利上げを漸進的に行っていく方針を強く、効果的に伝達する」ことが不可欠だと述べた。
原題:Fed’s Evans Says December FOMC Rate Decision Makes Him Nervous(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Matthew Boesler mboesler1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/12/02 04:43 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYP0M16VDKHU01.html


 

 

米国株は反発、自動車・消費関連株に買い

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 1日の米国株式市場は反発。ダウ平均は168ドル値上がりした。自動車株や消費関連株が買われた。

11月の新車販売は好調な結果となり、通年で過去最高になる見通し。フォード・モーター(F.N)は1.6%、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)は0.2%上昇した。

消費関連ではインターネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が2.1%値上がりした。

ラザード・キャピタル・マーケッツのアート・ホーガン首席市場ストラテジストは「実店舗における消費があまり増えていない点はあるが、消費は依然として状態を保っているという印象を受ける。サイバーマンデーの結果はサイバーフライデーに比べて明らかに前向きだ。クリスマスは中止になっておらず、そのことが今日の株式に反映された」と話している。

ダウ工業株30種.DJIは168.43ドル(0.95%)高の1万7888.35ドル。

ナスダック総合指数.IXICは47.64ポイント(0.93%)高の5156.31。

S&P総合500種.SPXは22.22ポイント(1.07%)高の2102.63。

ただ、米供給管理協会(ISM)がこの日発表した11月の製造業景気指数は48.6となり、2012年11月以来初めて景況拡大と悪化の節目となる50を割り込んだ。

投資家は、米連邦準備理事会(FRB)がほぼ10年ぶりに利上げを行う根拠となるような、景気の健全性を示す手掛かりとなる経済指標に注目している。

鍵を握る指標は4日に発表される11月の雇用統計で、非農業部門の就業者数は20万人増と予想されている。アナリストは強めの結果が出た場合、月内の利上げは事実上、約束されたものになると指摘する。

また、投資家は3日の欧州中央銀行(ECB)理事会待ちの姿勢をとっている。ECBは1兆ユーロ規模の債券買い入れプログラムの拡大に踏み切ると広く予想されている。

騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が上げ2183で下げ899(比率は2.43対1)、ナスダックは上げ1629で下げ1185(1.37対1)だった。

トムソン・ロイターのデータによると、米取引所の合計出来高は約69億株で、過去20営業日平均の68億株をわずかに上回った。

(カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル).DJI     

終値         17888.35(+168.43)    

前営業日終値    17719.92(‐78.57)

ナスダック総合.IXIC     

終値         5156.31(+47.64)    

前営業日終値    5108.67(‐18.86)

S&P総合500種.SPX     

終値         2102.63(+22.22)    

前営業日終値    2080.41(‐9.70)
http://jp.reuters.com/article/2015/12/01/us-stocks-idJPKBN0TK5W620151201


 


 

ドル反落、米ISM製造業景気指数が大幅悪化=NY市場

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 1日のニューヨーク外為市場では、ドルが反落した。この日発表されたユーロ圏の経済指標の内容が良かった一方、米製造業指標が市場予想を大幅に下回り、ユーロ/ドルが買われた。

豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルが強かったことも、ドルの押し下げ要因となった。

欧州時間に発表された11月のドイツ失業率は、過去最低の6.3%に低下。11月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.8で、1年7か月ぶりの高水準となった。

その後発表された11月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は5カ月連続で低下して48.6となり市場予想の50.5を大幅に下回るとともに、2009年6月以来の低水準に沈んだ。

ユーロ/ドルEUR=は1.06ドル台を回復、11月20日以来の大幅上昇となり、終盤は0.7%高の1.0640ドルで取引されている。

ドルの主要6通貨に対するドル指数.DXYは直近0.4%安の99.78で、約2週間ぶりの大幅な下げを見せた。11月30日には約8か月半ぶり高値水準まで上昇していた。

ワールドワイド・マーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ジョー・トレビサニ氏は「先行き不透明感はそれほど強くない」としたうえで、「ECB(欧州中央銀行)かFRB(米連邦準備理事会)の少なくともどちらかが、次にやると常々言ってきた政策を実行するまでは、ユーロのさらなる下落はないだろう」との見方を示している。

ドル/円    終値   122.89/90

前営業日終値   123.08/12

ユーロ/ドル  終値   1.0632/34

前営業日終値   1.0564/69
http://jp.reuters.com/article/2015/12/01/ny-forex-idJPKBN0TK5WC20151201

 

米ISM製造業指数:リセッション以降で最大の落ち込み
2015/12/02 01:40 JST

  (ブルームバーグ):米製造業は11月に予想外の活動縮小となり、縮小ペースは前回のリセッション(景気後退)以降で最大となった。在庫の積み上がりが受注や生産の削減につながった。
米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業総合景況指数 は48.6と、前月の50.1から低下し、景気の谷を形成した2009年6月以来の低水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は最も悲観的な数字でも49だった。予想中央値は50.5。同指数では50が活動の拡大と縮小の境目を示す。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は統計発表前に、「一部に明白な弱さの兆しが見られる。石油やガス、農業に関連した業界、あるいは輸出依存度が高い業界は減速が鮮明だ」と指摘。「製造業の数字は今後5、6カ月間弱さが続いても驚きではないだろう」と述べた。
ISMが調査した18業種中、衣料やプラスチック、機械など10業種が縮小。5業種は拡大を示した。
項目別では生産指数 が49.2と、前月の52.9から低下。新規受注は48.9と、前月の52.9を下回った。両指数ともに12年8月以来の最低となった。
輸出指数 は47.5で前月と変わらず。6カ月連続で縮小圏にとどまった。
在庫は43に低下し、12年末以来の低水準。一方、雇用指数は51.3と、前月の47.6から上昇した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Manufacturing in U.S. Unexpectedly Shrinks Most Since June 2009(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Victoria Stilwell vstilwell1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net; Vince Golle vgolle@bloomberg.net
更新日時: 2015/12/02 01:40 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYOSMJ6KLVRI01.html


 
米11月ISM製造業景気指数、3年ぶり節目の50割れ

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業景気指数は48.6と、予想の50.5を下回り、リセッション(景気後退)の最中にあった2009年6月以来の水準に沈んだ。

また2012年11月以来初めて景況拡大と悪化の節目となる50を割り込んだ。

ISMデータは通常、米経済全般の動向を占う上で試金石とされるが、経済活動への影響は年々低下している。2012年にも50を下回ったが、米経済が再び景気後退入りすることはなかった。

内訳では、 雇用指数が前月の47.6から51.3に上昇し、7月以来の水準をつけた。

一方、新規受注指数は2012年8月以来の水準となる48.9に低下。

価格指数は39から35.5に低下し、市場予想の40を下回った。
http://jp.reuters.com/article/2015/12/01/us-ism-manufacturing-idJPKBN0TK5A920151201

 


2. 2015年12月02日 09:02:51 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk
【第193回】 2015年12月2日 森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
「札割れ」と「量的緩和縮小」が焦点に2016・17年の金融政策
森田京平・バークレイズ証券 チーフエコノミスト
2016年以降を展望した時、日銀の金融政策については大きく見方を変える必要がある。
いよいよ2015年も終わろうとしている。2016年を展望した時、これまでと大きく見方を変える必要があるとすれば、それは日銀の金融政策であろう。日銀自身、「CPI前年比2%」という目標の早期実現のためなら躊躇せず追加緩和するという姿勢を事実上、後退させている。 
以下では、足下の景気動向を簡単に確認し、2016年以降の金融政策の焦点を見ておこう。筆者は、2016年は「札割れ」、2017年以降は早ければ「テイパリング」(量的緩和の縮小)が焦点になると考えている。 
個人消費は底堅いが
実質賃金伸び悩みで反発力を欠く
足下にかけて発表されたデータを踏まえると、個人消費には一定の底堅さが見られるが、景気循環を規定する力が強い設備投資には下向きのリスクが残っている。 
個人消費を包括的かつタイムリーに描写する統計が限られる中では、依然、発表までに時間を要する内閣府『消費総合指数』に頼らざるを得ない。実質個人消費を表す同指数は直近9月に前月比−0.1%と下がったが、均して見れば底堅さがある( 図表1参照)。
ただし9月までの個人消費は実勢よりも強めだった可能性はある。特に、(1)プレミアム付商品券が9月末までに9割ほど販売された、(2)9月後半の大型連休(シルバーウィーク)の日並びがよかった、などでサポートされた部分もあるはずだ。 
一方、実質賃金(こちらは1人当たり)が伸び悩んでいるのも事実。消費の底堅さは確認できるが、上向きの反発力は弱いといわざるを得ない。 
◆図表1:個人消費は底堅いが反発力を欠く
注:「実質個人消費」は内閣府『消費総合指数』に基づく。
出所:厚生労働省『毎月勤労統計』、内閣府『消費総合指数』よりバークレイズ証券作成
設備投資は今後も伸び悩むリスク
日銀短観での判断には慎重さが必要
ただし景気循環を捉える上では、個人消費などの家計活動よりも、輸出や設備投資などの企業活動が注目される。ここでは設備投資の先行指標である機械受注を見ておこう。 
直近9月分機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+7.5%と上向いたが、3ヵ月連続で減少した後の小幅反発であり、水準は低い( 図表2参照)。加えて、機械受注と比べてカバーする品目は少ないが速報性に優れる工作機械受注も、10月に内需が前月比−0.1%(季節調整は当社)と4ヵ月連続で減少している。
しかも困った(?)ことに、機械受注はGDPベースの設備投資(名目)との相関が高い( 図表3参照)。GDPベースの設備投資が伸び悩むリスクが見て取れる。
◆図表2:下振れる設備投資の先行指標
出所:内閣府『機械受注』、日本工作機械工業会『工作機械受注』よりバークレイズ証券作成
◆図表3:GDPベースの設備投資と相関する機械受注
出所:内閣府『国民経済計算』、同『機械受注』よりバークレイズ証券作成
一方、日銀は短観の設備投資計画の強さを背景として、設備投資を「緩やかな増加基調にある」と判断している。しかし短観の設備投資計画については、文字通りに捉えることには慎重でありたい。 
一つの要因が稼働率(ハードデータ)と製造業生産・営業用設備判断DI(ソフトデータ)の乖離である( 図表4参照)。2014年頃から、製造業が抱える設備の余剰感は確かに下がっている。その場合、本来、設備の稼働率は上がっているはずである。ところが稼働率はむしろ下がっている。稼働率が下がる中、製造業設備の余剰感が本当に下がっているか慎重な判断を要する。
◆図表4:乖離する生産設備の稼動度合いと不足度合い
出所:経済産業省『鉱工業指数』、日本銀行『短期経済観測調査(日銀短観)』よりバークレイズ証券作成
ソフトデータは景気の予測において有用であることは言うまでもないが、最終的な景気の強弱はハードデータで確認される。そのハードデータがソフトデータの発するメッセージをサポートしていない。上述した機械受注(ハードデータ)の弱さは、短観が示唆する製造業設備の不足感(ソフトデータ)に疑問を投げかける。日銀短観の情報のみで設備投資の先行きを展望することには慎重でありたい。 
「追加緩和できるか」という深刻な問題
札割れ多発がもたらすリスク
慎重な景気判断が求められる中でも、安易に追加緩和を主張することはできなくなってきている。 
追加緩和の有無の判断を難しくしているのは、「追加緩和できるか」というシンプルだが深刻な問題である。この観点からは、追加緩和による札割れの多発リスク、ひいてはQQEが「意図せざるテイパリング」に追い込まれて「オープンエンド」ではいられなくなるリスクが2016年後半に向けて強く意識される。 
確かに札割れは、それ自体が長期金利を抑える要因になりうるという点では、政策運営上、直ちに日銀が対処するべき課題ではないかもしれない。一方で札割れは、現行QQEの制度設計の一つである「オープンエンド」という点に疑念を生じさせる可能性もある。オープンエンドという側面が弱まれば、皮肉にも、期待に働きかける経路がかえって弱くなるリスクがある。こうした中、追加緩和は当面ないであろう。 
2%目標の実現がなくとも
政府は「デフレ脱却宣言」
安倍首相の自民党総裁としての任期は2018年9月であり、現行の自民党党則を所与とする限り、延長はできない。したがって、どんなに遅くとも、2018年9月までにはアベノミクスの成果の象徴として「デフレ脱却宣言」がなされるはずだ。仮に「CPI前年比2%」が実現していなくても、政府が「デフレ脱却宣言」をすることは十分ありうる。 
しかも「デフレ脱却宣言」がなされれば、何が何でも物価を押し上げるという金融政策は政治的に是認されないであろう。日銀法第4条は金融政策が政府の政策の基本方針と整合的であることを求めている。そのため、デフレ脱却宣言が出れば、「CPI前年比2%」を金科玉条のごとく掲げた金融政策運営は影を潜めるであろう。つまりテイパリングの引き金は「CPI前年比2%」ではなく、政府による「デフレ脱却宣言」だ。 
2016年には「札割れ」リスクが顕在化
さらに2017年は「テイパリング」が課題に
こうした中、中長期的な金融政策の焦点は以下のように整理される。 
まず2016年の課題は「札割れ」である。同年後半にも国債買い入れオペの札割れリスクが顕現化しよう。 
先述の通り、札割れは政策運営上、直ちに日銀が対処すべき課題ではないかもしれないが、現行QQEの制度設計の一つである「オープンエンド」という点に疑念をもたらすきっかけになりうる。オープンエンドという側面が弱まれば、期待に働きかける経路が弱くなるリスクがある。 
2017年以降の課題は「テイパリング」である。上述したように、テイパリングの引き金となりうるのは政府によるデフレ脱却宣言である。安倍首相の自民党総裁としての任期(2018年9月)を踏まえると、どんなに遅くてもそれまでに政治的誘因からデフレ脱却宣言がなされるはずである。 
同宣言がなされれば、「CPI前年比2%」とは独立して、テイパリングが視野に入る。一方「CPI前年比%%」は主要中央銀行間でナッシュ均衡(誰もそこから離脱する誘因をもたない状態)となっているため、その後も「象徴」として維持されよう。 
いずれにせよ、CPI前年比2%の実現ではなくデフレ脱却宣言がテイパリングの引き金となるであろう。早ければ2017年末ごろにもそうした事態が想定される。 

http://diamond.jp/articles/-/82550


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