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中国は「中所得国の罠」を回避できるのか?
人民網日本語版 2015年11月30日08:29
「我々は、中国経済が持続的かつ健全な発展を維持できると確信している。中国が『中所得国の罠』に陥ることは無い」−−。習近平主席はこれまで幾度も「中所得国の罠」に言及し、中国がこれを乗り越えられるという自信を表明してきた。「中所得国の罠」とは何だろう?中国はどうすればこれを回避できるのだろうか?人民日報海外版が伝えた。
▽「中所得国の罠」とは?
この概念は、世界銀行が2007年に発表した報告書「東アジアのルネッサンス」の中で最初に提起したもので、国民1人当たりの所得が中等水準に達した後、経済発展モデルの転換がスムーズにいかなかったことが原因で、経済成長の原動力が不足し、最終的に経済が停滞に陥ることを指す。
統計によれば、国民1人当たりの所得が3千ドルに達すると、多くの国が経済成長の停滞期に入る。世界銀行の最新の定義では、1人あたり所得が824ドル以下の国は低所得国、825〜3254ドルならば中所得国、3255〜1万64ドルは中高所得国、1万65ドル以上が高所得国となっている。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群・多国間臨時事務局長は、「中所得国の罠」に陥った国の特徴として、「低所得、低賃金のエコノミーと製造業で競争する強みを失い、かといって先進国とハイテク・革新分野で競争を繰り広げる能力もなく、安価な労働力や資源・エネルギーといった自然に頼る成長モデルから、高い生産性に頼る成長モデルへの転換を果たすことができない」と指摘する。
▽中国の懸念
習近平主席は2014年11月10日、北京で行われたAPEC各エコノミー首脳とAPECビジネス諮問委員会代表との対話会で「中国は、『中所得国の罠』を必ず乗り越える。重要なのは、いつ乗り越えるか、乗り越えた後にいかに発展していくかだ。我々は、改革・発展・安定の関係をうまく処理し、安定成長・構造調整・民生改善・改革促進のバランスをとり、中国経済の安定的・長期的な発展を実現する自信がある」と語った。
中国は「罠」を乗り越える自信があるが、その難しさも直視しなければならない。今年4月の「清華中国経済ハイレベルフォーラム」において、中国財政部(財務省)部長の楼継偉氏は「急速に高齢化が進むに伴い、中国が将来『中所得国の罠』に陥る可能性が存在する」と警告、「これまでの全体会議で設定された2020年までの任務を完了できれば、中国はこの罠を回避することができるだろう」との見方を示した。
金立群氏は「1950年以降に誕生した52の中所得国のうち、35カ国が『中所得国の罠』に陥った。うち、ペルー、コロンビア、南アフリカなど一部の国は60年以上抜け出せていない。これに対し、一部のエコノミー、特に東アジアの新興エコノミーは10年もかからずに中所得から高所得への飛躍を果たし、東アジアの奇跡と呼ばれている」と語る。
▽いかにして「罠」を回避するのか?
この罠をどう回避するかについて、習近平主席は様々な場で一連の措置を提案している。最も多いのが「経済発展モデルの転換」だ。これには、チャンスと方向性が含まれる。
チャンスは多い。習近平主席は中共中央政治局第9回集団学習の際、「新たな科学技術革命と産業の変革が、中国の経済発展モデルの転換と交わり、革新駆動型の発展戦略を実施する我々に、得がたい重要なチャンスを提供した」と強調した。
また、今年の米国への公式訪問の前、習主席はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、「中国は新型産業化、情報化、都市化、農業現代化を引き続き推進し、住民の貯蓄率は高く、消費の潜在力が大きく、国民は勤勉に働いている。中所得者の割合は高まり、サービス業は力強く発展し、市場の余地と潜在力はいずれも大きい。今後しばらくの間、経済が中高速成長を保つ基盤と条件を備えている」と語った。
方向性は定まっている。習主席はボアオ・アジア・フォーラム2013年度年次総会で、「経済発展モデルを転換し、経済構造を調整し、経済発展の質と効果を高め、これを基礎に国民生活レベルを絶えず高めていく」と表明した。2014年に経済情勢専門家座談会を主宰した際も、習主席は「改革の全面的深化の歩みを速め、市場が資源配置において決定的な役割を果たせるようにし、政府の役割をより良く発揮する」よう要求した。また、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対しても、中国が革新駆動を重視し、消費によるけん引に重点を置くことを強調した。
「中所得国の罠」を乗り越えるには方法論も必要だが、明確なタイムスケジュールも欠かせない。
李克強総理は11月24日に行われた中国・中東欧諸国第5回経済貿易フォーラムにおいて、「今後5年間、経済の年平均成長率は6.5%以上を保つ必要がある。これは2020年までに1人あたりGDPが1万2千ドル前後に達することを意味する。世界銀行の基準に照らすと、高所得国の水準に近づき、『中所得国の罠』をほぼ乗り越えることができる。これは、中国近代化のプロセスにおける新たな一里塚となるだろう」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月30日
http://j.people.com.cn/n/2015/1130/c94476-8983315.html
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