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雑感。省庁、日銀の来年の計画?(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/178.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 30 日 23:31:40: igsppGRN/E9PQ
 

雑感。省庁、日銀の来年の計画?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52756637.html
2015年11月30日 在野のアナリスト


経産省が核燃料サイクルの見直し案として、事業を監督する認可法人を新たにつくるとしました。しかも再処理とMOX燃料への加工費を、電力会社に支払いを義務づける、とします。しかし肝心の原発は動いているものが少なく、また活断層などの問題もあって動かせないものもある。上記の前提は、あくまで原発が動き、MOX燃料をつかうことです。日本原燃という組織、もんじゅ、それらを維持するために法的拘束力をかけ、電力会社に負担を押し付けるなら、それは利用する国民の負担として跳ね返ります。大事なことは、原子力事業サイクルがすでに頓挫し、MOX燃料も、プルトニウムも使い道がない。そのとき、将来的な計画をどうするのか? ということです。小手先ではなく、抜本的に何かを変えないといけない段階まで来ているのです。

農水省が来年度の米の生産数量の目標を8万トン減らし、743万トンにします。価格安定が理由としますが、TPPが始まれば有無を言わさず外国産の米がより多く入ってくる。自ら競争力を落として、自由競争に晒す気か? そもそも減反政策は見直しではなかったのか? ユニセフがマンスリー・サポート・プログラムとして、アフリカの子供たちの栄養不足を賄うため、募金をつのっていますが、日本でつくったお米、余った分を寄付すればかなりの額になるはずです。また、強い農業をめざす安倍政権ですから、お米を輸出産業として成長させる、といった戦略ともなれば、生産は減らすどころか増やす、という話にもなるはずです。お米だけ『強い農業』から洩れるのだとすれば、今後もますます弱体化がすすんでいくことにもなるのでしょう。

日銀の黒田総裁が、講演で「必要があればいつでも躊躇なく政策を調整する」と、4回もくり返したことが話題です。物価2%の達成時期を2016年後半と半年先送りしましたが、どう考えても黒田氏が「必要」とするのは、消費税再増税にむけた地均しのタイミングでしょ? という認識が高まっており、しかも今回「調整」としたことで、大きな追加緩和はない、と見られています。金融緩和が長期化してしまったことで、すでに日銀の資産はふくらみ、元にもどすことすら困難。ここからさらにペースを上げれば、出口どころか泥沼化する恐れすらあります。「調整」の幅は残り少なく、「できることは何でもやる」の「できること」も、ほとんどない状態です。

年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が、7-9月期の運用実績は7.9兆円減、収益率は-5.59%と発表しました。民間試算より若干よかったのですが、大きな損失です。気になるのは、6月末から9月末にかけて、小幅に円高になった。つまり外国株式のもち分が見かけより下がった。円安のときに買い向かう、ということをしたため、今以上に円高になると為替差損が大きくなってしまうのです。また国内株式では、2万円以上でクジラが大きく潮を噴き上げていた分、下落幅も大きくなった。これは株式の購入時の価値からみると、ずっとマイナス寄与するものですが、年金などは9月末で一旦リセットする、といった計算方法なので、10-12月期は回復、とするのでしょう。しかし今日も中国不安が直撃したように、世界経済が不穏な中、株式などの資産を増やした判断、そのものが正しかったのか? という視点も必要となってくるのでしょう。

国の態度、方向性について年末の折、色々とでてきますが、総じて言えるのはすでに仕組みが破綻しているものを、何とか辻褄あわせをしようとする態度が目立つ、ということです。辻は、縫い目が十字に合うところ、褄は、着物の裾の左右があうところ、です。日本はそれが合わなくなっているのですから、着心地が悪い国、居心地の悪い国になった、ということなのでしょうね。

 

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コメント
 
1. 2015年12月01日 00:37:02 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE
日銀総裁、物価2%は早期に達成 賃金上昇まで待つ考えない 
[名古屋市 30日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は30日、愛知県の名古屋市内で講演と会見を行い、賃金と物価の動きは同調的とし、賃金が上がるまで物価の上昇を待つ考えはない、と語った。2%の物価安定目標の早期達成にあらためて意欲を示したもので、物価の基調に変化が生じれば「追加緩和であれ何であれ、ちゅうちょなく金融政策を調整する」と強調した。

総裁は中長期的に物価と賃金が同調的に動くのは「統計的な事実」とし、「物価目標の実現をゆっくりやっていれば、賃金の調整もゆっくりになるだけだ」と指摘。このため、毎月などのペースでみて賃金の上昇が物価よりも遅れているからと言って「賃金がもっと上がるのを待とうとはまったく考えていない」と明言し、「物価のパスを考えていく上では、賃金も上がっていくことを期待している」と語った。

そのうえで、「われわれは賃金をコントロールできるわけでもないし、ターゲットにしているわけでもない」と述べ、物価2%の早期達成によって賃上げも実現していくとの見通しを示した。物価の問題である以上、「まず行動すべきは日本銀行」と強調。「物価が2%の目標に向けて着実に前進していくことが重要」とし、「2%の物価安定目標の早期達成が難しいのであれば、ちゅうちょなく追加緩和であれ何であれ金融政策を調整する」と語った。

政府は最低賃金を毎年3%程度引き上げ、1000円を目指す方針を打ち出したが、黒田総裁は、政府が目標に掲げている2020年頃の名目GDP600兆円達成と「平仄が合っている」と評価。中小企業にも配慮しながら最低賃金を引き上げていく政策は「極めて適正だと思う」との認識を示した。

総裁は物価動向について、日銀が試算している生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(日銀版コアコアCPI)や東大物価指数などが着実に上昇していることなどを挙げ、「今年度に入って、明らかに企業の価格設定行動が変わり、家計も受容している」と主張。物価の基調は「しっかり着実に改善してきている」との認識を示した。

日銀は10月末の金融政策決定会合で物価見通しを下方修正するとともに、目標達成時期を先送りしたが、追加の金融緩和は見送った。総裁は、物価の基調が改善する中、現在のQQEの着実な推進で「累積的に緩和効果は高まる。早期に物価2%が実現できると確信した」と語った。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/30/boj-k-idJPKBN0TJ0I520151130


2. 2015年12月01日 15:40:39 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk
2015年11月30日 橘玲
日銀の2%のインフレ目標という「コミットメント」は、ただの口約束?
[橘玲の日々刻々]

「コミットメント」は、経済学(ゲーム理論)では「確実な約束」をいいます。よく知られているのが孫子の兵法の「背水の陣」で、川を背にすることで自ら退却を不可能にして、敵方に対して「最後の一兵まで戦いつづける」とコミットメントする戦略です。溺れ死ぬより戦った方が生き残る可能性が高ければ、どれほど劣勢になっても撤退しませんから、たとえ勝ったとしても犠牲は膨らみます。これによって相手の戦意を喪失させて、心理的に優位に立とうとするのです。

 日銀が2013年4月に行なった「量的・質的金融緩和」は、市場や国民に対し、2年間という期限を切ったうえで2%のインフレ目標を達成するというコミットメントです。

 近年のマクロ経済学では、インフレ率はひとびとの予想(期待)によって決まると考えます。将来、確実に物価が上昇すると思えば、消費者はいまのうちに高額商品を買っておこうとし、経営者は設備投資を前倒しして、その結果、ほんとうにインフレになるというのです。

 インフレターゲット政策の旗振り役をした経済学者たち(リフレ派)は、こうした理屈で「日銀がインフレ目標をコミットメントすれば日本はデフレから脱却する」と主張しました。ところがいつまでたっても物価は上昇せず、説明に窮した黒田日銀総裁は今年4月に「2年というのは15年度を中心とする期間」と先延ばしし、10月には「2016年後半頃」とさらに延期してしまいます。当初の「2年」というコミットメントは、実質4年になってしまったのです。

 黒田総裁はコミットメント(すなわち、「どんなことをしてでも達成すると誓った約束」のことです)が守れなかったのは「原油価格の下落」のためだといいますが、これも不思議な話です。なぜならリフレ派の経済学者たちが大好きなマネタリズムでは、インフレは貨幣的な現象で、金融市場に流通するマネーの総量で決まり、個々の商品の価格は無関係だからです。デフレの要因を技術革新によるコンピュータなど電化製品の大幅な価格の下落で説明した経済学者は、「経済学の初歩すらわかっていない」と罵倒されました。「標準的な経済学」によれば、安いパソコンを買った消費者は浮いたお金でほかの商品やサービスを消費するはずですから、「中国からの輸入で物価が下がった」という説明はデタラメなのです。

 ところで、これがもし正しいとすれば、「原油価格の下落で物価が上がらない」という説明もデタラメです。ガソリン代が安くなれば、余ったお金をほかのところで使うのですから、インフレ率にはなんの影響を与えないはずだからです。しかしなぜか、「パソコン説」を嘲笑したひとたちは日銀総裁の“ブードゥー経済学”には沈黙しています。

「2年後に借金を返す」と約束したのに、「やっぱりムリだったから4年にしてくれ」というひとを「合理的な国民」は信用しません。4年の約束は6年になり、8年になって、そのうち責任者はみんないなくなってしまうに決まっているからです。これでは市場の「期待」を操作して「インフレ予想」を醸成することなど、とうてい不可能です。

 コミットメントがたんなる口約束だとバレてしまえば、日銀の信用は失墜します。このあとは、見苦しい言い訳と責任の押しつけ合いが始まることになるでしょう。

『週刊プレイボーイ』2015年11月24日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、歴史問題、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。最新刊は、『「読まなくてもいい本」の読書案内』(筑摩書房刊)●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)
http://diamond.jp/articles/-/82505


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