原油30ドルの崖、来年のロシア経済脅かす−エコノミスト予想
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYLNJ66JTSED01.html
2015/11/30 10:04 JST

　　　（ブルームバーグ）：ロシアにとって１バレル＝30ドルは警戒すべき原油価格水準だ。
ブルームバーグがアナリスト27人を対象に実施した調査によると、回答者の63％がこの価格水準ではロシアの金融システムを脅かすほどの深みにロシア経済がはまり込むとの見通しを示した。石油市場でのさらなるショックを乗り切る準備ができていないロシアにとって、来年は原油価格の下落が最大のリスクになると、大半のエコノミストはみている。調査では、ロシアにとっての来年のリスクとしてこの他、地政学的な問題や銀行業界のひずみ、通貨ルーブルの動向が挙げられた。

ＰＡＯプロムスフヤーズバンク（モスクワ）のアナリスト、セルゲイ・ナルケビッチ氏は電子メールで「原油価格が一段と下落し安値が長期にわたって続けば、財政と金融の不安定化リスクは大幅に高まる」と指摘した。

ここ数十年で最大の商品価格下落に対し、ロシアは投資削減とルーブル下落によって乗り切ってきたが、原油がさらに値下がりすれば政策面で苦境に立たされる可能性がある。原油価格は過去１年間に37％下げている。米ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらは18日、欧州の指標原油である北海ブレント原油は１バレル＝45ドル近辺で推移しているものの、冬季の気温が平年を上回れば暖房燃料需要が後退し、原油価格が20ドルまで下落するきっかけとなる可能性は十分あるとの見方を示した。

米国の原油在庫が過去最高に近い水準まで膨らみ、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）の産油量が生産目標を上回っているため、原油価格は下落している。ブルームバーグがアナリストとトレーダー30人を対象に実施した別の調査では、ＯＰＥＣは12月４日にウィーンで開く総会で、生産量を維持することにより他地域の高コスト生産を抑制し、市場シェアを確保する戦略を継続すると予想されている。

原題：The $30 Oil Cliff That Economists See Threatening Russia in 2016（抜粋）

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