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ワタミは業績悪化で介護事業は売却を余儀なくされた。特製ヒノキ風呂を備えたワタミの介護付き有料老人ホーム=平成24年、東京都江戸川区
ワタミの苦境ますます…主力の外食は43カ月連続売上減 介護事業も売却したが…
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151127-00000500-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/11/30 10:20
居酒屋チェーン大手のワタミの苦境が続いている。業績悪化から大規模な店舗リストラに加え、主力3事業の1つだった“虎の子”の介護事業の売却も余儀なくされた。平成28年3月期連結決算でようやく3期ぶりに最終黒字を確保できる見通しになったが、主力の外食事業は価格やメニューの対応でもちぐはぐさが目立ち、本業のもうけを示す営業損益の赤字が止まらない。チェーン居酒屋自体が時代にそぐわなくなっているとの指摘もある中、ワタミは立ち直ることができるのか。
■追い込まれた末の売却
「平成27年4〜6月期の決算内容から介護事業の売却に追い込まれたのは事実だ」。今月11日に東京都内で行われた平成27年9月中間決算説明会で、ワタミの清水邦晃社長は苦渋の表情を浮かべこう説明した。
5カ月前の株主総会で株主から早期の介護事業売却を求められたが、清水社長は「主力3事業の回復に向けやっていく。ご理解いただきたい」といっていた矢先の出来事だったためだ。
それでも売却に踏み切った理由は、ワタミの介護事業には、抵触すれば金融機関からの融資が引き上げられる「財務制限条項」にあった。
27年3月期連結決算の最終赤字は126億円で2期連続の赤字に陥った。この赤字額が財務制限条項の「純資産額が平成24年3月期末(293億円)の75%以上を維持」という項目に引っかかることになったのだ。これは主力取引行の横浜銀行などとの協議で、「連結ベースの純資産額が27年3月期末に対して100%以上」と変更して難を逃れたが、もう1つの「経常損益が2期連続で赤字にならない」という項目をクリアーすることも鍵になってきた。
つまり、今期は経常損益の黒字転換と、純資産を減少させないための最終黒字が必須条件となったが、27年4〜6月期連結決算の段階で、営業、経常、最終の各段階の損益は前年同期比で赤字幅が拡大。介護事業を売却することで、財務制限条項そのものを一掃するしか道が残されていなかったのだ。
■迷走続く外食事業
ワタミは今後、居酒屋などの外食事業と高齢者向け弁当宅配の「食を中心としたビジネス」(清水社長)に注力して、経営の立て直しを進めるが、外食事業は足元でもちぐはぐな対応が目立つ。
価格面では、平成26年4月に消費税率が8%に引き上げられるのにあわせて、主力業態の「和民」で国産食材にこだわったメニューや有名食品メーカーとのコラボ商品などを打ち出し、1メニュー当たりの単価を約15%引き上げたが、27年3月期の既存店売上高は6.6%減。客足が遠のいたことに危機感を感じて今年4月には10年ぶりの値下げを断行したが、4〜9月の既存店売上高は8.4%減と改善の兆しは見えてこない。
メニューづくりも迷走している。「和民」では4月にメニュー数を作業の効率化や調理や提供時間の短縮のため約90種類から約70種類に減らした。しかし、利用者から「メニューを選ぶ楽しみが減った」などの苦情が相次いだことから9月からメニューを85種類まで増やすと方針を転換した。短期間で方針がころころ変わる状況に「戦略に目標や継続性がなく、場当たり的な印象を受ける」(外食アナリスト)と手厳しい指摘もある。ワタミの外食事業の既存店売上高は今年10月まで43カ月連続でマイナスが続いている。プラスになった24年3月は前年に東日本大震災があった大幅減の反動でプラスになった特殊な状況で、その前もマイナスが続いており、長年の負の連鎖から抜け出せていない。
■時代にそぐわなくなっているチェーン居酒屋
もう1つの柱となる高齢者食宅配事業も、事業環境の先行きに暗雲が立ちこめている。清水社長は「ワタミの食事に対するニーズはある」として、今後は介護施設などへの食事宅配を新たな収益の柱に育てたい考えだ。しかし、高齢者食宅配事業は直近は24万食台で頭打ちとなっており、先行きは明るくない。
ワタミは収益の柱となっていた介護事業を手放したことで、一時的に外食事業再建の時間と資金を確保。今後は、遅れている訪日外国人客への対応や専門型の新業態店の開発など山積する課題に取り組む構えだ。
ただ、外食産業に詳しい日本経済大の西村尚純教授は「チェーン居酒屋という業態自体が時代にそぐわなくなっている。高級路線か大衆路線かも含め早期にはっきりしたビジネスモデルを打ち出せないと、さらに厳しくなる」と指摘する。
創業者、渡辺美樹氏の成功体験と影響力から脱却し、新たなワタミに生まれ変われるのか。創業して31年、ワタミは最大の試練を迎えている。(永田岳彦)
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