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地方分権化が進まない!〜地方債・発行条件緩和の流れを止める総務省の「つまらない」ホンネ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46436
2015年11月29日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■なぜ、デマをばらまいたのか
総務省が地方自治体に対し、「事前の届け出」のみで、地方債を発行できるようにする方針を決めた。これまで、自治体が地方債を発行するには総務省との「協議」が必要なケースも少なくなかったが、これにより、97%の自治体が届け出のみで起債できるようになるという。
自治体の裁量が拡大し、地方分権化が進むとの意見もあるが、実際はどうなのか。この方針転換で何が変わるのか。
都道府県、市町村等と、自治体の規模には大から小まであるが、「地方政府」と言われるくらいだから、どんなに小さくても立派な「法人」である。都道府県市町村の役所(役場)に勤めることは、地元では優良企業に就職することと同じだ。
しかし、各自治体はこれまで、一人前の法人として扱ってもらってこなかった。自治体より規模の小さな企業でも、当たり前のように借り入れを行っているが、各自治体はそれをさせてもらえなかったのだ。
その理由は、「親会社」である総務省が、自治体をあたかも子会社のように扱ってきたから。自治体を支配下に置き、「勝手に借り入れしてはいけない」という縛りをもうけてきた。
背景にあるのは、「地方分権を進めたくない」という総務省の思惑。当たり前のことだが、地方分権が進み、各自治体が自由に政策を決定できるようになれば、そのまとめ役である総務省という存在は不要になる。
そこで総務省は、「財政管理ができていない自治体に、自由に借り入れさせたら危ない」というデマをばらまき、地方分権の流れを止めてきた。
今回の方針転換にしてもそうだ。親会社の総務省が発行条件を緩和するだけのことで、やはり届け出は必要。自治体を子会社扱いすることに変わりはない。総務省としては、地方分権化の流れに応じて、「形だけ」従ってみせたというだけだ。
■進行の遅れは「つまらない」理由のせい
そもそも、自治体がカネを借りるのは、決して悪いことではない。むしろ、自治体のムダを排除できる可能性すらある。
たとえば、借り入れをして水道事業を興し、その収入に応じて借りたカネを返済するとしよう。これは、海外で実際にあるレベニュー債というものだ。資金の貸し手は、事業がうまくいかないと判断したら、カネを貸さない。そうなれば、その事業は再検討され、よりムダのない計画となる。総務省の役人が、採算性や返済可能性をチェックする必要もなくなる。
しかし、日本ではそうはならない。前述したとおり、総務省の存在意義がなくなるからだが、特に地方債の場合はその傾向が強い。
担当しているのは、総務省自治財政局地方債課。この課は「伝統ある課」で、多数の旧自治省・総務省事務次官を輩出している、エリートの登竜門だ。
'52年に入省し、'84年に事務次官にまで上り詰めた石原信雄氏から、'74年入省・'10年事務次官の岡本保氏まで、総務省の事務次官経験者17名中、10名がこの地方債課の課長経験者だ。
役所では、「エラい人」が自ら経験したポストは、なかなかなくならない。そんなつまらない理由で、なかなか地方債の自由化は進まず、結果として、地方分権も止まってしまっている。
『週刊現代』2015年11月28日・12月5日合併号より
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