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三菱自動車、新車開発の遅れを理由に管理職が退職…異例事態に業界内で波紋広がる(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/863.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 26 日 23:00:00: igsppGRN/E9PQ
 

                     三菱自動車工業本社(「Wikipedia」より)


三菱自動車、新車開発の遅れを理由に管理職が退職…異例事態に業界内で波紋広がる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151126-00010003-bjournal-soci
Business Journal 11月26日(木)22時31分配信


 三菱自動車工業の開発部門の管理職2人が、新型車開発の遅れを理由として諭旨退職となっていたことが明らかになった。新型車の開発担当者が「適切な報告を怠った」(広報部)ことで、戦略モデルの開発スケジュールの大幅な見直しを迫られた責任を明確化するためとしている。諭旨退職とは社員の自主的な退職を求める一方、期限内に退職を申し入れなければ懲戒解雇するというもので、事実上の懲戒処分といえる。新型車の開発遅れで責任者が「クビ」になるのは「業界でも珍しい」(日系自動車メーカー開発担当役員)。三菱自系サプライヤーなどからは、今後の新型車開発で開発部門が「萎縮するのでは」と懸念する声も出ている。

 三菱自は、2016年にSUV「RVR」をフルモデルチェンジする計画だった。同社は「RVR」や「アウトランダー」などのSUVと、電気自動車・プラグインハイブリッドカーの電動化技術の2つに注力して事業の拡大を図っていく計画を策定していた。特に、SUVは新興市場から北米などの先進国市場まで、グローバルで成長が見込まれており、その中でも小型SUVであるRVRは戦略モデルとして重要な車種だった。

 RVRはグローバル展開するモデルとして高い低燃費化目標を掲げており、これを達成するため、車両の軽量化がキーとなっていた。諭旨退職となった管理職2人は、RVRの軽量化の責任者だったが、三菱自によると「目標重量を達成できないことが明らかになったにもかかわらず、重要な機関決定の場でも開発の遅れを報告しなかった」(同社執行役員)。目標としていた車両重量や燃費の目標を達成できないことが明らかになり、同社は新型車の開発スケジュール全体の見直しを余儀なくされた。

 燃費などが目標を達成できないと、各国の燃費規制やインセンティブにも影響するためだ。三菱自では、RVRの16年のフルモデルチェンジを先送りし、代わって現行RVRのプラットフォーム(車台)を使って小型SUVの新型車を17年に投入する。同時に、RVRの次期モデルは19年度までに開発して市場投入する計画に仕切りなおした。

●「厳しすぎる」との声も

 三菱自にとって重要な戦略モデルで新車開発スケジュール全体を見直すことになったとはいえ、これらを理由に退職を迫られるケースは珍しい。戦略モデルの開発計画の遅れは、同社の業績にも大きな影響を及ぼすことの重大性を考慮したと見られるものの、同業他社からも「処分は厳しすぎるのでは」との見方も出ている。

 経営責任を明確化するため、相川哲郎社長をはじめ役員数人が報酬の一部を自主返納することや、開発部門役員の降格も決めた。新型車投入計画の遅れで販売会社や顧客に迷惑をかけるためだ。

 一方で、厳しすぎる処分に対して社内やサプライヤーからは「開発部門の自由度がなくなる」など、今後の影響を懸念する声も上がっている。新型車に設定している性能の目標や、開発スケジュールの厳守ばかりが先行し、「おもしろくない無難なクルマしかできなくなるのでは」(サプライヤー)との声も上がっている。

文=河村靖史/ジャーナリスト

 

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コメント
 
1. 2015年11月27日 01:44:48 : gjSWR86AiA
日本国内ではRVRと呼ばれているが、世界ではASXの名称で販売されている。この小型SUVであるASXだが、日本国内では販売を終了したランサー(日本名 ギャラン・フォルティス)のプラットフォームを使用している。このプラットフォームだが、生産コストが高い。何しろマルチリンクだからだ。このため、これに替わる新プラットフォームが必要とされていた。

しかしプラットフォームの新規開発は、長い年月と多くの要員、巨額の費用がかかる。また開発途中でトラブルを出し尽くしておかないと、肝心の新型車が生産に入ってから、取り返しのつかない安全性の問題に見舞われることもある。このため、プラットフォームの新規開発に当たっては、社運を掛けた覚悟が経営陣に求められる。

三菱自工の新型車開発を見てきた経験から言うと、21世紀に入ってからのドイツ・ダイムラー傘下に入ったことによる停滞が深刻である。軽自動車の存在意義を認めないダイムラーによって、会社は軽自動車の新規開発を認められず、ダイムラーが出て行ってから、彼らが残したスマートの技術を使って、アイが生まれたくらいだ。これは前輪駆動ではなく、もはや主流にはなりえない。この時期の技術的停滞が堪えたことは言うまでもなく、三菱自工は日産自動車と軽自動車を共同開発するしかなかったのである。

三菱グループが買い取って再建しつつあるとは言え、三菱商事から送り込まれた益子修社長(現在は会長)が行なったのは、採算のあわないオーストラリア、オランダ、アメリカの生産から撤退することであった。これらは財務体質の改善には貢献したものの、メーカーとして肝心な「売れる自動車」に取り組んだとは言えないところに弱みがある。このため、久保富夫先生に憧れて入社した技術者である相川氏が社長に就任し、売れる新型車を開発することになったのだろう。

かつて戦前のライバルであった中島飛行機は、富士重工として再出発し、今や水平対向エンジンと高速四輪駆動方式で、プレミアム・メーカーとして、今やドイツのアウディやBMW、メルセデスに対抗できるまでになっている。
(註 日本では信じられないかも知れないが、オーストラリアではインプレッサWRXなど、中古車でもドイツのライバルなみの価格がついています。)

かつてのライバル、中島飛行機に大差をつけられてしまった三菱自工。何としてもおいつけ…なのは分かるが、開発責任者を解雇だなんて、やりすぎだ。当然、同業他社が採用するし、そこで前社を上回る製品を開発することもありうる。トヨタあたりだったら、開発資金も豊富にある。絶対、やられるよ。

自動車メーカーの開発センターなど、肩で風を切って歩いている。フォルクスワーゲンのフェルディナント・ピエヒ氏なんて、その典型じゃないか。かつて戦前戦後のシトロエンだって、アンドレ・ルフェーブル氏は、当然の事ながら役員待遇で、社長の直轄であった。新型車開発に当たって、社長は何も制約をつけなかったという。費用も時間も気にするなと本人に伝えていたほどだ。しかも、結果が出なくても全然責任を問わなかったという。

La fabuleuse histoire de la Citroen DS
https://www.youtube.com/watch?v=nPYW5fivuow
●12:07で、開発者アンドレ・ルフェーブル氏が見られます。

●三菱自工も、開発を急いだあまりに大失敗した、かつての提携先アメリカのクライスラーのことを忘れたのか。1976年秋に出た、プリマス・ヴォラーレと、ダッジ・アスペン。開発途上で、充分なテストを行なわなかったために、生産に入ってからトラブルが続出。これで会社にダメージを与えたところに、第二次石油危機で日本車に市場を奪われ、倒産寸前にまで悪化したではないか。

1977 Dodge Aspen Commercial vs. Chevy Nova
https://www.youtube.com/watch?v=XhEIazJ4DKU
●GMのシボレー・ノバと比較広告をしていますが、追い詰められていたことが分かります。

最後に言っておくが、新型車を出すに当たって、プラットフォームを一から起こすんだったら、10年は覚悟するんだな。開発期間10年だ。そんな悠長なことを…と言いたいだろうが、これを急いだ挙句、後方追突炎上事故を起こしたアメリカのフォード・ピントの例もあるよ。裁判で負けて、開発を急がせたアイアコッカ社長が、社主のヘンリー・フォード二世と、どつきあいの大喧嘩になって、アイアコッカ社長はフォードから追放されてクライスラーに行ったが、クライスラーで出した新型小型車の計画は、実はフォード時代に着手していたものだとか。やはり10年はかかるのである。

1971 Chevrolet Impala Vs. 1972 Ford Pinto Full-Rear Impact (Legendary Crash Test!)
https://www.youtube.com/watch?v=lgOxWPGsJNY
●フォードは裁判に負け、多額の賠償金を支払いました。

The K-car documentry
https://www.youtube.com/watch?v=b-HJGIs32Lk
●1:03のところで、アイアコッカ会長が自ら出演されています。


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