1. 2015年11月25日 14:23:51
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欧州の銀行、1兆ユーロの不良債権が足かせ コープセントラル銀行(キプロス・ニコシア) PHOTO: REUTERS By MAX COLCHESTER 2015 年 11 月 25 日 10:52 JST 欧州の銀行は約1兆ユーロ(約130兆5000億円)に上る不良債権の圧縮を模索しながら、回復に向けた厳しい道を進んでいる。 欧州銀行監督機構(EBA)は24日、銀行が資本準備金の積み立てで前進しているものの、不良債権が引き続き収益性の足かせになっているとの認識を示した。 欧州105行のバランスシートからデータを集積しているEBAによると、銀行は株式発行または利益の組み入れによって資本準備金を積み上げている。 平均では、普通株式を中心とするTier1比率に基づく自己資本比率は12.8%と、法定の下限の4.5%を大幅に上回った。 不良債権比率は5.6%で、6月までの半年間で約8%減少した。欧州の銀行が抱える不良債権の山はスペイン経済とほぼ同じ規模。不良債権比率は米銀のほぼ2倍だ。 多くの投資家が、欧州の銀行のバランスシートを健全化するには数年かかるとの懸念を抱いてきたが、このEBAのデータは、その懸念を浮き彫りにした。欧州中央銀行(ECB)とEBAは昨年10月、停滞する欧州銀行部門に対する投資家信頼感の回復を狙ってストレステスト(健全性審査)の結果を発表している。 株主から何十億ユーロもの資本を調達したにもかかわらず、銀行の計上する利益は依然わずかだ。ただ、平均自己資本利益率(ROE)は約9.1%と、トレーディング事業の収入増を受け2014年末から2倍に上昇した。 だが、EBAは「収益性は歴史的水準からすると相変わらず弱い」としている。貸し出しを強化し、不良債権を償却し、資本のバッファーを厚くするために利益を内部に留保できることが重要だ。収益性はキプロスとイタリアの銀行で特に弱かった。 関連記事 欧州銀行の不良債権問題、薄日差すも解決はまだ先
一部ヘッジファンド、米利上げに賭け収益改善 ジョージ・ソロス氏(左)と話すポール・チューダー・ジョーンズ氏 PHOTO: BLOOMBERG NEWS By LAURENCE FLETCHER 2015 年 11 月 25 日 11:41 JST 米利上げに賭けてポジションを取ったヘッジファンド・グループが今月、何百万ドル(何十億円)もの利益を得ようとしている。その一つに米大手投資顧問会社チューダー・インベストメント・コーポレーションがある。 チューダーは富豪トレーダーのポール・チューダー・ジョーンズ氏がコネティカット州グリニッチに設立。同社の83億ドルの旗艦ファンドBVIグローバルは運用成績が今月13日までに1.8%。投資家に送られ、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が閲覧した数字で判明した。またチューダーの18億ドルのディスクレショナリー・マクロファンドは1.7%という。 合計すると、同社の利益は約1億8000万ドル(約220億円)に相当する。いずれのファンドも今年、11月の上昇まではほぼ横ばいの運用成績だった。 債券・通貨・株式に賭ける多くのいわゆるマクロファンドと同じように、チューダーは連邦準備制度理事会(FRB)が約7年ぶりに12月に利上げするとの市場の予想再燃から恩恵を得ている。 こうしたファンドは、富豪トレーダーのジョージ・ソロス氏のようなファンドと同じように有名。金利の変化から利益を最も多く得られるヘッジファンドの一つだ。多くのファンドは近年、金利が低迷していたためリターンを得るのに四苦八苦していた。 チューダーは財務省証券(米国債)の短期利回りが上昇し、ドルが対ユーロと対円で上昇するとの見方に賭けている、とチューダーをよく知る別の人物は言う。チューダーはコメントを避けた。 10月の米非農業部門就業者数が27万1000人増加し、エコノミストの予想18万3000人を大幅に上回ったと今月初め発表された。このことは、来月利上げが実施されるかもしれないとの警鐘になった。それはドル相場と10年物国債利回りの押し上げ要因となり、ドルは対ユーロで今月3%上昇した。10年物国債利回りも、今月は6%程度上昇した。 スイスに本拠を置く投資会社ウニゲスティオンのヘッジファンド部門ヘッド、ニコラス・ルセレ氏は「11月は総じてマクロ(ファンド)にとって良好だ」と述べた。 同氏は「誰もが利上げを予想している」と述べ、「利上げ(および利上げ予想)から恩恵を得るのは大手ヘッジファンド」だと語った。また、資産45億ドルを運用し、先月末までの1年間に2ケタのマイナスとなっていたダイモン・エイシア・キャピタルも恩恵を得ている。同社のファンドであるダイモン・エイシア・プラスは今月、13日までにプラス3.9%。ダイモンはコメント要請に応じなかった。 市場トレンドに賭けているコンピューター駆動型ファンドもまた利益を得た。関係者によれば、資産290億ドルを運用している2シグマ・インベストメンツは、同社のファンドであるアブソルート・リターン・マクロの今月のリターンが2.8%だった。300億ドルを運用するシーカー・アセット・マネジメント傘下の資産2億6000万ドルのファンドアルファーも今月、13日までにリターンが2.2%となった。同社はコメントを控えた。 ヘッジ・ファンド・リサーチによれば、各マクロファンドは今月、18日までにリターンが2.1%。この結果、厳しい今年のマイナス率を0.4%に圧縮した。業界内部関係者によれば、大半のファンドが一様に、米財務省証券利回りが上昇することに賭けてポジションを保有している。 各ファンドはまた最近数カ月間、対ユーロでのドル上昇に賭けたポジションを増やしている、と資産34億ドルを運用するステナム・アドバイザーズの最高投資責任者(CIO)のケビン・アレンソン氏は述べている。同氏は「多くのヘッジファンドは通貨に機会を見いだしている」と述べた。
• HEARD ON THE STREET 大手米銀、ストレステストはさらなる負担に FRBのタルーロ理事 PHOTO: GETTY IMAGES By JOHN CARNEY 2015 年 11 月 25 日 12:34 JST 米連邦準備制度理事会(FRB)は大手米銀に対する締め付けを強めている。 各銀行はこの数カ月、新たに発表された最低資本要件がFRBの年次「ストレステスト(健全性審査)」に取り入れられるのかで頭を悩ませてきた。そして23日、歓迎できない答えを受け取った。 規制問題でFRBの連絡窓口を務めるタルーロ理事はブルームバーグ・テレビのインタビューで、銀行が「ストレステスト後の最低資本要件の実質的引き上げ」に直面する「確率はかなり高い」との見解を示した。 つまり、大手銀行がストレステストに合格するには資本水準をさらに高める必要が生じかねないということだ。そうなれば、銀行は自己資本利益率を最低10%にするといった尺度に基づく業績目標の達成が困難になるだろう。 ENLARGE ストレステストにサーチャージが含まれる場合に想定される所要資本比率(青は2015年テストの最低要件、緑はGSIBを対象とするサーチャージ)、銀行別 FRBのストレステストでは、「景気悪化シナリオ」と「深刻な景気悪化シナリオ」と呼ばれる二つのシナリオを通じ、銀行の資本水準を評価する。銀行は配当や自社株買いの計画について承認を得るため、両シナリオを通じて最低要件を上回る資本比率を維持しなければならない。 今後1年はこれが一段と難しくなることがすでに想定されている。テストのシナリオは9四半期のサイクルで、来年の審査対象は2018年にまで及ぶためだ。この年には「バーゼル3」として知られる所要資本の引き上げに関する規則が完全に導入されることになっている。 ストレステストに合格するために必要となる最低資本は、今やさらに引き上げられる可能性が高いようだ。タルーロ理事は、FRBが基準を引き上げる上で取り得る二つの道を示唆した。一つは、大手銀行の「共通のカウンターパーティー(取引相手)」に基づき資本サーチャージ(上乗せ)を課す案で、これで相互関連性が最も高い銀行の安全性は一段と増す。 もう一つは、グローバルなシステム上重要な銀行(GSIB)を対象とする資本サーチャージで、FRBが今年すでに大手米銀8行への義務付けを発表したものだ。上乗せ率は各銀行の規模や相関性、システム上の重要性といった要因を測る複雑な公式に基づいており、リスク加重資産の1%から4.5%という幅がある。 サーチャージを含めると、ストレステストのハードルは大幅に上がることとなる。本来損失の緩衝材となるはずのサーチャージの所要水準達成を、理論上のストレスシナリオのもとで銀行に義務付けることは望ましくないとの声は多い。 タルーロ理事をはじめとするFRB関係者はこれに異議を唱えている。彼らは実際、銀行が資本水準の引き上げを新規則の問題点というより目玉として負担に感じる、という事実に目を向けそうだ。資本要件の引き上げは「大きすぎてつぶせない銀行」として存在するコストを高めることになるため、銀行に規模縮小を促す可能性がある。 http://jp.wsj.com/public/page/japan-markets.html
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