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ワタミ、危機を招いた鳥貴族らとの低価格戦争敗北と、「黒」へ転換による客離れ(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/825.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 24 日 22:55:55: igsppGRN/E9PQ
 

ワタミ、危機を招いた鳥貴族らとの低価格戦争敗北と、「黒」へ転換による客離れ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151124-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 11月24日(火)22時32分配信


 ワタミは2002年頃から、集中仕込みセンター「ワタミ手づくり厨房」(略称、センター)を次々と建設し、調理の合理化が進んだ。その後、外食事業をベースに農業、宅食、介護、メガソーラーなどへ事業を拡大・発展させたが、この時期がワタミの頂点であったといえる。

 ワタミを襲ったのが08年9月に発生したリーマン・ショックであった。これを引き金にデフレは一層進み、居酒屋市場は接待需要などが激減した。これを機に主力の「和民」「坐・和民」「わたみん家」など、客単価3000円クラス以上の店舗で“客離れ”が起こった。

 そこを襲ったのが09年に中堅居酒屋チェーンの三光マーケティングフーズ(東京都豊島区)が仕掛けた「全品270円均一 金の蔵Jr.」の低価格・均一戦争であった。金の蔵Jrは大ヒット、三光は猛烈な勢いで既存店の看板を軒並み金の蔵Jrに衣替えする作戦を実施した。

 このため09年後半から10年にかけて首都圏の居酒屋は金の蔵Jrに対抗するため、軒並み全品300円以下の均一料金を掲げ、安値を競った。三光はというと最安値均一料金で大ブレークしたが、安値を実現するために取引先からの仕入れに無理があり、11年には「全品270円均一」の看板から「全品」を削り、高いメニューを導入した。これを機に金の蔵Jrの快進撃にも急ブレーキがかかり、低価格・均一戦争は11年後半にかけて一段落した。

 三光が「全品270円均一」にこだわったのは、当時、低価格・高品質を看板にして、破竹の勢いで店舗数を増やしていた「全品280円均一 じゃんぼ焼鳥・鳥貴族」(大阪市、東証2部)の存在があったからだ。筆者は三光や鳥貴族などを取材、低価格・均一戦争の衝撃、広がりを「夕刊フジ」などに連載した。

●低価格戦争での敗北

 低価格・均一料金戦争に顧客を奪われ、業を煮やしたワタミが「低価格戦争に決着をつける」という触れ込みで10年8月、桑原豊前社長の主導で最安値の「250円メニュー」を前面に打ち出した。セミセルフサービスの「仰天酒場 和っしょい2(2の表記は2乗)五反田東口店」が第1号店だったが、結果は失敗だった。プリペイドカードを使った課金など、運営システムに無理があったからだ。それと最大の誤算は鳥貴族の「低価格・高品質」戦略の強さを軽く見たことだ。

 筆者は鳥貴族社長の大倉忠司氏には低価格・均一戦争が勃発する以前からたびたびインタビューし、JR神田駅南口の鳥貴族に何度も訪れた。国産焼鳥専門店の鳥貴族の商品力、サービス力は突出していた。満腹するまで食べても2000〜2800円前後で収まってしまう客単価の安さには驚嘆させられた。鳥貴族は家賃コストの安い1.5〜2流立地で営業、食材の原価率が32%前後。開店と同時に満席となる繁盛店だ。

 鳥貴族は1985年に東大阪で創業して以来、全品280円均一のメニューミックス戦略を試行錯誤して開発してきた。串打ちしたネギ付き1本90グラムのじゃんぼ焼鳥(2本=280円)、大ジョッキの「金麦」(280円)など、営業利益率を落とした顧客本位の商品力は、同業他社の追随を許さない。今期には関西圏、中京圏、首都圏だけで500店舗展開を達成する見込みだ。2020年の東京オリンピック前に1000店舗展開する方針だ。

 鳥貴族はワタミが出店している地域に好んで出店した。客層がワタミと同じ若い世代であり、競合しても商品力・サービス力・価格競争力など総合力で負ける心配がなかったからだ。

 ワタミは低価格・均一戦争に参戦し失敗した後、低価格路線とは一線を画した。創業者の渡邉氏は、ワタミの低価格路線に否定的だった。客単価3000円以上の路線に戻した。しかしながら、足下では鳥貴族をはじめ、エー・ピーカンパニーの「塚田農場」、SFPダイニングの「磯丸水産」など競争力の高い専門店ブランドが攻勢をかけ、市場は大きく変化していた。多様化、専門店化し、大衆的価格でありながら高品質化の特色ある商品が求められるようになっていた。

●「黒・和民」への転換

 深刻な落ち込みにあえぐワタミを襲ったのが、11年3月に発生した東日本大震災であった。宴会需要などで潤ってきた大型の総合型居酒屋を直撃。企業は宴会を自粛し、予約を取り消した。個人やグループでも宴会や飲食の自粛が広まり、中小零細の居酒屋では資金繰りが悪化し、倒産するところも出てきた。

 ワタミは駅前や繁華街の一流立地の空中階で100坪以上、150〜200席の大箱を運営することをビジネスモデルにしてきた。宴会需要や法人客需要も取り込んで成長してきたが、宴会予約の取り消しで大箱の店は軒並み苦戦した。

 そんななかでワタミは震災前から計画していたリブランディング(ブランドの再生)に着手した。11年3月に従来の和民である「赤・和民」を改装し、「黒・和民」(「JAPANESE DINING 和民 1号店」として中目黒店)を出店した。おカネと手間暇のかかるブランド再生のスタートであった。これがワタミの低価格・均一戦争に対する答えであった。しかしながら、この転換と値上げがワタミのコアの顧客離れを起こすのである。

「和民のような客単価3000円前後のリーズナブルなブランドを、『つぼ八』のFC時代から数えれば30年、和民(92年第1号店)になってから23年も続けるのは非常に難しい。数店しかないような老舗ブランドで、調理人の技術が伝承されるような格式のある店なら100年以上も続くことは珍しくないが、既存店のワク組みの中で和民をブラッシュアップしても、“賞味期限切れ”とでもいうべきか、継続するのには無理があったんだろうと思いますね。メニューその他を一新しても、1年もすると客離れが起こってしまうんですね」(関係者)

 ワタミは90年代から2000年前半にかけての急成長期、20〜30代の若者やカップル、学生、社会人グループなどを取り込んで発展してきた。「赤・和民」から「黒・和民」への転換は、創業から20〜30年もたったことにもよる。ワタミの顧客も40〜60代へ高齢化したことに対応、そういう顧客を呼び戻す作戦であった。

 ところが、予想外の失敗だった。ワタミの客は「黒・和民」に転換しても20〜40代と若かった。結果的に「黒・和民」への転換で中核となる顧客離れが起こってしまった。これをきっかけにワタミの既存店売上高は、今年9月まで42カ月(3年6カ月)も前年対比を割り込むのである。

 和民のブランドに固執した結果、ワタミは時代の変化に対応できなかったのである。

●大復活のカギ

 ワタミが2期連続大幅赤字という絶体絶命の危機から立ち直るためには、傷ついた和民ブランドを捨てる覚悟が必要だろう。かつて、すかいらーくがダメージを受けたファミレス「すかいらーく」のブランドを捨てて復活を遂げたように、ワタミも和民ブランドを捨てて、新しく出直すべきだ。

 総合型居酒屋、和民依存からの脱却は、ワタミ自身が進めていた。桑原豊前社長時代の10年4月、社員の独立を支援する炭火串焼きの「炭旬」直営第1号店の綾瀬店をオープンした。11年8月、ジャパニーズ・ダイニング「ゴハン」を改装し、BARU&DINING「GOHAN」1号店の新宿3丁目店を開店した。14年1月、中華料理「WANG’S GARDEN(ワンズガーデン)武蔵小杉店」を開店、14年3月「炉ばたや 銀政 銀座数寄屋橋総本店」をオープンした。訪日外国人向けに、英語、中国語、韓国語のメニューが用意してある。

 このほかにもワタミは、串揚げと餃子の専門店「揚旬」、地産地消の「石巻酒場 わたみんち」「ニッポンまぐろ漁業団」など、脱・和民のブランドを立ち上げている。そして、今年11月に開店した完全予約制のインバウンド(訪日外国人)専門の日本食店「銀政-GINMASA」六本木店へと続く。

 ワタミの桑原前社長は筆者が14年6月にインタビューした時、次のように語った。

「1業態3ケタ出店(100店舗以上)」を念頭に展開してきた。だが少子高齢化、人口減少社会、若者のアルコール離れなど飲食業界を取り巻く環境が激変するなかで、1業態で500〜600店舗を出すのが難しい時代に入った。これからは専門店化、多様化をキーワードに、1つのブランドで20〜30店舗展開、10ブランドで200〜300店舗展開するというのが、チェーン店の店舗展開の考え方になるのではないでしょうか」

 ワタミについてはブラック企業批判以来、必要以上にたたかれてきた。あたかもワタミという会社の理念、存続意義さえも否定されかねないようなバッシングである。きちんとした取材もせずに、“たたき得”ともいえる記事が氾濫しているのも、ひとつの現実だ。

 ワタミにとって今最も痛いのが人材の流出だ。2000年の海外事業創成期から挑戦してきたトップや、台湾事業を成功させてきたトップも辞めた。そんななかで、創業者で参議院議員の渡邉氏が構想する「ワタミ大復活のシナリオ」がきちんと実現するのかどうか。そのためには渡邉―清水・桑原の「3本の矢体制」が100%以上機能することが、最低条件であると思われる。

 とはいえ、訪日外国人客専門の銀政の開店で、今期ワタミが10万人の訪日客を獲得するようであれば、負の連鎖は止まり、流れは確実に変わる。ワタミが大復活のきっかけをつかむかどうか、銀政がワタミ大復活のカギを握っているといっても過言ではないのである。

文=中村芳平/外食ジャーナリスト

 

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コメント
 
1. 2015年11月25日 13:19:24 : LR6mHXBWeM
日本人はりこうです。 不法行為の企業、ブラック企業、偽食材などの不安全不安心企業には 行かない 買わないが一つの答えです。

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