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外国からのマネーを活用して成長してきた中国。今、そのマネーが逃げ出している(写真:jimy/PIXTA)
中国の長期没落によって日本経済は浮揚する 2016年春までには2万2000円台超の水準も
http://toyokeizai.net/articles/-/93254
2015年11月24日 藤尾 明彦 :東洋経済 記者
日経平均株価は、9月安値の1万6901円から反転上昇。3カ月ぶりの2万円奪回が目前に迫ってきた。今後も上昇を続けるのか、それとも押し戻されてしまうのか。元ドイツ証券副会長、武者リサーチ代表の武者陵司氏に聞いた。
――パリでテロが起きた後も、日本株は堅調です。
今回のテロがグローバル経済に与える影響はほとんどないということでしょう。「9.11」の場合は、米国経済のITバブルが崩壊していく過程で起きました。テロがなかったとしても、いずれ株価は下がっていたでしょう。当時と今回では経済の状況が違うのです。
■原油の恩恵はまさにこれから
――今の経済は強いということでしょうか。
資源を輸入する先進国には、原油安の追い風が吹いています。原油安が実態経済にプラスに効いてくるまで、18カ月程度のタイムラグがあります。原油価格は昨年秋から急落を始め、半値になりました。まさにこれから恩恵を享受する時期を迎えます。日本の石油輸入額は名目GDP比3.4%(2014年)と巨額。原油安は産油国にはダメージとなりますが、日本の景気押し上げ効果は大きいのです。
――円安の弊害が一部で指摘されています。
今の日本にとっては円安のメリットがデメリットを上回ります。円安のメリットは「日本買い」が起きること。外国人の「爆買い」や不動産の購入などがその一例です。デメリットは輸入品価格の上昇ですが、幸いにも原油価格の下落でデメリットが相殺される。いいとこ取りなのです。
――日経平均の今後の展開をどう見ていますか。
少なくとも2016年春頃までは大きく上昇するでしょう。2万2000円か、それ以上の水準を目指すことになると見ています。原油安の恩恵に加え、日本株は需給が良好です。郵政グループ3社が11月に株式上場し、株価は公開価格を大きく上回りました。多くの投資家は、含み益や売却益が出ており、投資しやすい状況です。
――2016年春頃まで、とはどういう意味でしょうか。その後は下がるということでしょうか。
正確な時期はわかりません。調整はもっと後になるかもしれません。現在のマーケットの特徴は、「米国の強さと中国の弱さが混在している」ということです。
米国では、アップル、グーグル、アマゾンの成長に見られるようにリーディングIT企業が牽引する形で劇的に生産性が向上し、景気もおおむね順調です。一方の中国は、過剰な設備や住宅を抱えて、景気が減速。今年8月11日から13日にかけ、対ドルで人民元の基準値を3日連続で切り下げる「人民元ショック」が起き、日本株も急落しました。
9月以降、中国は資本規制を強化して、投機的な人民元売りを抑制。こうした弥縫策により人民元不安は沈静化しています。そのため、短期的には中国発の危機が起こる可能性は低く、その間、株価は上昇するでしょう。しかし、弥縫策を取るということは、問題の根本的な解決には繋がらず、墓穴を掘り続けていることを意味します。問題はますます深刻化し、来年春以降、何かのきっかけで株式市場が動揺することはありえます。
■外国資本が中国から逃避
――中国の最大の問題は何ですか。
中国のアキレス腱は「対外資本収支」です。安い人件費などを背景とした競争力に基づく貿易黒字・経常黒字が中国経済を牽引したのは2009年まで。それ以降は海外からの資本流入を頼りにした投資で経済成長をしてきました。
しかし、この資本流入に大きな変調が起きており、それが外貨準備高の減少に現れています。一貫して増加してきた中国の外貨準備高は、2014年6月の3.99兆ドルをピークに2015年7月末では3.65兆ドルにまで減少しました。足元ではさらに3.5兆ドル程度まで減少しています。
「それでも中国の外貨準備高はまだ日本の約3倍ある」という見方をされる方がいるかもしれません。しかし、日本の外貨準備高はフルに自国資本によって裏付けられているのに対し、中国の外貨準備高の63%は外国資本によって支えられています(2014年末時点)。中国の金融力は著しく過大評価されており、人民元が上昇し続けるという神話が崩壊した今、中国の国際資金調達は困難となり、中国からの資本逃避にも弾みがつくことになるでしょう。
――中国経済が悪化すれば、日本もダメージを受けませんか。
今年の夏の株安のように一時的な影響は受けるでしょう。しかし、中国に集中していた世界からの成長資金が中国以外の国、つまりは日本、米国、欧州の先進国に回帰します。先進国ではハードやモノの成長ではなく、サービス業が成長していきます。
サービスとはITや人工知能などの先端分野で、ここでイノベーションが引き起こされます。中国に代わって先進国が世界経済を引っ張る時代が来ているのです。経済大国の日本が「失われた20年」で苦しんでいた間も、米国をはじめ世界経済は成長を続けました。中国経済が不振でも、日本や世界経済が成長することは可能です。
一方で、中国によって恩恵を受けていた国は、ダメージを受けます。影響が大きいのはブラジル、オーストラリア、中東の産油国など。また中国と経済的結びつきの強いシンガポール、香港、台湾、マレーシアなども、そうかもしれません。端的にいえば華僑資本が影響力を持っている国は、中国における不良債権の増加で厳しい状況に追い込まれるでしょう。
――中国の景気悪化はどの程度続くのでしょうか。
「失われた20年」で済めば御の字です。日本の名目GDPは過去20年の間、約500兆円と横ばいでしたが、中国の名目GDPは横ばいどころか、縮小することもありえるでしょう。
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