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「人民元SDR化」は重大脅威 変動相場制への早期移行を迫れ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151122-00000500-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/11/23 10:35
国際通貨基金(IMF、本部ワシントン)は11月末の理事会で、中国の人民元を来年秋から特別引き出し権(SDR)への組み込みを決める情勢だ。元はドル、ユーロ、円、ポンドの既存SDR構成通貨と同様、国際通貨としてのお墨付きを得るが、日本にとって重大な脅威となる。
通貨とは、覇権国通貨ドルが示すように、国家そのものであり、経済のみならず政治・外交・軍事すべてを根底から支える。元は共産党が支配する通貨である。習近平政権は「国際通貨元」をテコに破綻間際の党主導経済を延命させ、アジアなど外部世界への膨張を加速させるだろう。
IMFのSDR認定条件は、その国の貿易規模が大きく、通貨が国際的に自由利用可能であることだ。貿易条件は満たしているが、元は党と政府ががんじがらめに管理する不自由通貨だ。ところが、IMFは北京が時間をかけながら市場実勢を反映させるよう外国為替制度を改革すると同時に、金融・資本市場を段階的に自由化していくとの約束を真に受けた。
自由化とは党支配の放棄を意味し、党の自己否定である。これまで、国際圧力をかけられて苦しくなるたびに北京は黒を白と言いくるめ、国際ルールを無視してきた。
中国の国内総生産(GDP)統計は偽装であり、景気実体はマイナス成長同然なのに、北京当局は7%近い成長が続いていると平然と発表する。2001年末、世界貿易機関(WTO)に加盟したが、ダンピング輸出、知的財産権侵害が日常茶飯事だ。外交・軍事では南シナ海の軍事拠点化、絶え間のない外国に対するサイバー攻撃と、あげればきりがない。人権の尊重、言論・表現の自由などの制度は、公正な金融市場の基盤だが、党中央は弾圧することしか考えない。
元はIMF理事会後、準備期間を経て来年秋にSDR通貨に仲間入りすれば、党にとってのみ存分に利用できる通貨が世界で幅を利かせる。その衝撃はいかばかりか。
中国は潜在的には世界最大のマネー創出国である。グラフは、既存のSDR通貨と元の各発券銀行(中央銀行)による資金発行額のドル換算値である。元資金はドルをしのぎ、円を圧倒する。これまで、主として国内およびごく限られた国でしか通用しないローカル通貨だった元が国際通貨に化ける。ドルなどと自由に交換できるので、元決済を受け入れる国・地域は格段に広がる。人民銀行が党の戦略に応じて元を刷る。政府と金融機関、国有企業がその資金で石油など戦略物資を入手し、空母など大型兵器を購入、先端的な砂地の埋め立て技術を導入する。
中国は固定資産投資による高成長路線が限界にきており、経済崩壊しかねない。手っ取り早い挽回策は、対外投資を増やして、輸出を増強することで成長率を引き上げる方法だ。その決め手とするのが、中国とユーラシア大陸および東南アジア、インド、中東・アフリカを結ぶ、陸と海の「一帯一路」のインフラ・ネットワーク整備構想だ。
担い手は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB、本部北京)である。AIIBは国際金融市場でドルなど外貨を調達してインフラ資金とする計画で、英独仏など欧州や韓国、東南アジア、ロシアなどが参加したが、世界最大の債権国日本と国際金融シェアが最大の米国が参加しないこともあって、AIIBの信用力は弱い。このために、国際金融市場での長期で低利が必要となるインフラ資金の調達は困難だ。元が国際通貨になれば、その障害は解消に向かう。
中国は「国際通貨」元を振りかざしながら、アジア全域を元経済圏に塗り替えようとするだろう。日本の銀行や企業は元なくしてビジネスできなくなる。すでに金融界は浮足立ち、中国嫌いが評判の麻生太郎財務相ですら、中国側に東京に元決済センター設置を要望する始末だ。中国との通貨スワップに頼る韓国はますます北京に頭が上がらなくなるだろう。
対抗する秘策はあるのか。米国の対中警戒派と結束し、元の変動相場制移行と金融自由化を早期に実行させることだ。為替や金融自由化が党体制を無力化させることは上記の通りだ。
問題は通貨外交を担う財務官僚である。IMF理事会の椅子に座る面々は、中国の元SDR化工作には恬淡(てんたん)とする半面で、IMFに予定通りの消費税増税を対日勧告させるよう励んでいると漏れ聞く。日本は消費税増税ショックで沈み、中国は国際通貨元で息を吹き返す。語るに落ちる。(編集委員・田村秀男)
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